【鼎談】THE BOHEMIANS×首振りDolls「本当にロックン・ロールを元気にしたいよね」

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──メジャーデビューしたのが2011年くらいだったよね?

平田ぱんだ:そうそう。その前から東京には居た。けど、2011年までくらいは、日々の生活に追われてて、ほとんどバンドやれてなかったから。

ビートりょう:普通に仕事してるメンバーも居たからね。

──バンドをやる上でやはり上京は必須だったってことでしょ? でも、生活費を稼ぐためにバンドよりも働く方が優先になっていたってこと?

平田ぱんだ:売れたくてとか、本気でバンドやるために上京したって感じではないから。働く方が優先だった。

ビートりょう:平田くんは東京に就職が決まってたからいいけど、俺に至ってはそんなのもなかったし、本当に上京する意味なかったからね。ただ一緒に東京に来いって言われて引っ張ってこられて。本間ドミノに“とりあえず家探そう!”って言われて無理矢理。

平田ぱんだ:一時期本間ドミノに食べさせてもらってたもんね(笑)。

ビートりょう:そうそう。

──え? そうだったの? THE BOHEMIANSとして、プロとしてやっていくための上京じゃなかったととしたら、どうして上京したの?

平田ぱんだ:うん。そんなこと考えたことなかった。バンドがやれてたらそれで良かったから。

──本当に音楽が好きなんだね。

平田ぱんだ:そう。そもそも、ワンマンもやったことないようなバンドだったから、音楽でプロとして食べて行こうとか、そんなこと考えも出来なかったというか。でも、バンドはやっていたかったから。だから、それにはビートりょうが必要だったんで、無理矢理連れて来て。バンドで売れたいって思うようになったのは、本当に最近。ここ2、3年くらいのことだから。

ビートりょう:それはどうやねん! って感じだけど(笑)。でも、本当にそう。THE BOHEMIANSっていうバンドでみんなとつるんではいたけど、ただそれだけだったからね。本当にロックン・ロールが好きで一緒にやってた。それだけだったから、プロなんて考えたこともなかったし。当時、地元に彼女が居たから、上京なんか本当にしたくなかったし。

平田ぱんだ:そうそう。上京して距離が出来て、どんどん不仲になっていって、どんどん機嫌悪くて大変だった(笑)。2007年の話。

ビートりょう:笑いごとじゃないから! 結局上京したことで別れちゃいましたからね! 平田くんは東京で就職するからいいけど、俺はただ趣味でバンドやるためだけに上京するって、仕事もないからね! 更には、“りょうくんには就職なんかして欲しくない”とか言いだすし、オマケに彼女とも別れることになって、てか、こんな話、酒飲みトークじゃないと話さないし(笑)!

平田ぱんだ:いいねいいね〜! 最高じゃないか! ナオくん、タバコ吸いたまえ!

ナオ:あははは。ずっと気にして下さってたんですね! ありがとうございます! ぱんださん優しい!

ビートりょう:たしかに優しいところはあるが、2007年の上京の話に至っては、全く優しさなんてのはなかったね(笑)。

平田ぱんだ:まぁまぁまぁ、いいじゃないか。飲もうじゃないか!

ナオ:あははは(大爆笑)

ビートりょう:本当にもう。

平田ぱんだ:この男(ビートりょう)は本当になかなか東京に染まらない。

ビートりょう:東京、怖かったからね。

──怖かった? どうして?

ビートりょう:人が、何を考えてるか分からないところが本当に怖かった。今もね。そこはそう思う。

──でも、大好きな音楽のいろんなものが手に入るメリットもあったんじゃない? そこは嬉しかったのでは?

ビートりょう:ううん。そんなのもなかったな。

──でも、りょうはよくそんな状態で上京を踏み切ったね。

ビートりょう:連れてこられたって感じだったから。本当に。本間くんが一緒に家探してくれて。青春18切符で出て来たなぁ。当時、毛皮のマリーズとの対バンが決まってたのもあったから、それはちょっとキッカケになったかな、自分の中では。

ナオ:でも、どうしてもりょうさんを手放したくなかったメンバーさんの気持ちは分かります。やっぱり他に居ないもん、THE BOHEMIANSのギターは。

ビートりょう:いやいや、もっと上手い人で、もっとバランス取れる人は居たと思うからね。THE BOHEMIANSは俺がギターじゃなかったら売れてたんじゃないかなって思うときがある。

ナオ:何をおっしゃる! りょうさんじゃなかったらTHE BOHEMIANSじゃないですよ!

平田ぱんだ:そうそう。ビートりょうが居なかったら、そもそもTHE BOHEMIANSは無いからね。俺はビートりょうと出逢ったことでTHE BOHEMIANSを始めちゃったんだから。目の前にこんなカッコイイギターを弾く奴が居たから、やるしかなかった。

ビートりょう:あぁ、まぁそこはそうか。まぁ、平田ぱんだには俺しか居ないだろうな。俺にはもっと居ると思うけど(笑)。

平田ぱんだ:(ボソッと)あ、ちょっと分かる、それ(笑)。

ナオ:あははは。すごくいい関係!

──前に、りょうが辞めたいって言い出したことがあるって言ってたよね?

平田ぱんだ:そう。突然。2013年に全体メールに、ビートりょうから“俺、バンド辞める”って連絡があって。メジャーじゃなくなったあたりだったかな。幕張でラジオ収録があったときに、必死で止めて。忘れもしない。ちょうどこの辺り。幕張だった(この日、3人は渋谷すばるの幕張メッセライヴにお邪魔していました)。

ナオ:(りょうにビールを注ぐ)

ビートりょう:もう大丈夫だよ、明日俺、弾き語りあるし(笑)。ありがとうね、ナオくん。

平田ぱんだ:もう大丈夫でしょ?

ビートりょう:大丈夫じゃないんだよ。

平田ぱんだ:え? 現在進行形!?

──過去形にしないと心配になるよ。

ビートりょう:大丈夫じゃないんだよ。

平田ぱんだ:大丈夫じゃないの!? そうなんだ……………。

──どういうこと? 大丈夫じゃないって。

平田ぱんだ:(ボソッと)心配………。

ビートりょう:え? なんの話!? ん? あ、大丈夫じゃないのは、ビールのことね(笑)!

平田ぱんだ:あ、ビールもう要らないって話ね! 良かった〜。ビックリした。辞める話がまだ大丈夫じゃないのかと思った!

ナオ:私も! びっくりした!

ビートりょう:あぁ、そういうことね(笑)。違うよ、そこは過去形。もう大丈夫。でも、辞めるって言ったときは、もう俺要らないんだなって思ったんだよね。本当に。あのときはそう思った。

ナオ:なんでーー! なんでそんなこと思うの!? やめて! これ、私の声でもあるけど、ファンの声です。

──何かあったの? 

平田ぱんだ:分かんない。

ビートりょう:バンドとして何かがあった訳ではなかったけど、きっとすばるくんならそのときの俺の気持ち分かってくれるんじゃないかな。

ナオ:ボーカルであるぱんださんはもちろんですけど、りょうさん、バンドの中で異常な輝きを放ってますよ!

ビートりょう:うん。それは知ってる(笑)。

ナオ:他のメンバーさんもそれぞれすごく個性が引き立っててカッコイイのがTHE BOHEMIANSですけど、ぱんださんとりょうさんは二枚看板だなって。

平田ぱんだ:良かった〜。こっち(自分)も褒めて!
一同:(爆笑)

──そうね。ヒロト・マーシー(甲本ヒロトと真島昌利)よね。

ビートりょう:自分でもそうでなくちゃいけないっていう想いもあるんだよね。でも、そう言わなくちゃならない気持ちになったというか。

平田ぱんだ:最初に辞めたいって言った2013年から、何回もあったの?

ビートりょう:ううん。ないよ。一回だけ。

平田ぱんだ:良かった〜。さっき、大丈夫じゃないって言ったとき、まさに今もそうなのかと思ってびっくりした。

ビートりょう:あははは。それはないそれはない。嫌だよ。まだちゃんとギャラ貰ってないんだから、辞めれる訳がない(笑)!

──あははは。また生々しいことを(笑)。でも、とりあえず安心した。ぱんだは、ここ2、3年で売れたいっていう思考になったのは、どういう気持ちの変化からだったの?

平田ぱんだ:めちゃくちゃ売れたことがないから。そこを体感してみたいなって。俺が今やってるのはロックン・ロールごっこだからね。めちゃくちゃ売れた景色を見てみたい。今日見たすばるくんのライヴくらい人が入っていたら、きっと、俺はそこで本当のスイッチが入ると思うから。俺、ライヴをするときはいつも、とにかくお客さんのことを考えていて。1人でもつまんなそうにしてると、その人が楽しむまでとことんやってやろうと思うのね。売れて、あれだけの大人数の人たち全員を自分たちの音で楽しませてみたい。今、THE BOHEMIANSをやっていて、手にしていないことは、そこだけだから。あとは本当に全部ある。やりたいことは、全部THE BOHEMIANSでやれているから。THE BOHEMIANSやってて楽しいから。やれているだけでしあわせだから。自分が憧れてるバンドって、やっぱり売れているバンドで。The Rolling Stonesだって売れてるからカッコイイんだし。売れたい。売れなきゃカッコ悪いって思ってる。

ナオ:すごく共感できます。でも、一つだけ、俺は売れてないバンドもカッコイイと思うバンドは居るから、必ずしも売れてなくちゃカッコ良くないとは思わないかな。矛盾してるかもしれないけど、自分は売れたいですけどね。

ビートりょう:俺も、売れてる売れてないにかかわらず、俺は、自分が好きと思える音を出してるバンドをカッコイイと思うから、ナオくんと同じ考えではあるんだけど、今、平田くんが言った“売れてるからカッコイイ”っていうのは一理あって、そこは共感するんだよね。今、平田くんは、自分への戒めとしてそう言ってるところもあると思うからね。

平田ぱんだ:さすがビートりょう。分かってる。売れてないバンドだってカッコイイバンドはたくさんある。それは分かってる。でもね、売れてるからこそ成り立ってるバンドってあるんだよね。The Rolling Stonesだって売れてるからロックスターなんだよ。

ビートりょう:本当にそうだね。うん。ホントホント。人は、そこに憧れるんだから。それに、ロックン・ロールって、自分にしか分からない、“俺だけのもの!”っていう感覚もあるからとことんのめり込めるんだと思うしね。

平田ぱんだ:そう。その“俺だけのもの!”っていう奴らが、今日のすばるくんのライヴくらい集まったら、めちゃめちゃ最高のロックン・ロールSHOWが出来ると思うんだよね! おー、お前ら、本当に分かってんの!? 分かってんの!? ロックン・ロールのこと分かってんの!? すげぇじゃん! 最高じゃん! って。

──そうだね。“自分への戒め”かぁ。本当にそうだね。ぱんだの言っている言葉の意味はすごく分かるよ。それを理解してるりょうもさすがだね。

ナオ:(真剣に聞き入って)なるほど。自分はまだ知らない領域というか。でも、すごく分かる気がします。

──THE BOHEMIANS『憧れられたい』っていうアルバムがあるけど、まさにそういうところだよね。

平田ぱんだ:本当に憧れられる位置でロックン・ロールをやってみたい。本当にそれだけは体感したい。まだ見ぬ自分も見れると思うから。でもね、あと2年かな。バンドは絶対に辞めないけど、売れたいって思うのは、あと2年かなって。15周年でデカイ花火を上げられなかったら、俺は売れる売れないはもう一切言わない。それはメンバーには伝えたけどね。でも、バンドは辞めない。絶対に辞めない。

ビートりょう:そこも平田くんの決意表明だね。平田くんは結構律儀だから、“男として”っていうケジメみたいなのはあるんですよね。THE BOHEMIANSにはリーダーは居ないけど、やっぱりそうやって考えていないようですごくちゃんと考えているところは、やっぱりすごいなって思うし。やっぱり平田くんがリーダーだなって思う。本当にしっかりしてるし、本当に頼りになる。ついてって大丈夫だなって思えるから。

平田ぱんだ:ならば、ダーリーと言ってくれ。

ナオ:ダーリーなの!?

ビートりょう:ダーリーでいいならダーリーって言うよ(笑)。

ナオ:どうぞ! ダーリーさん! 飲んで下さい!

平田ぱんだ:ダーリーに注ぐのダーリーな〜、なんつって(笑)。

ビートりょう・ナオ:わぁ〜…………。

ナオ:でも、すごく分かった気がします。売れることの意味。でも、THE BOHEMIANSはすごいと思います。九州に居た俺たちが、対バンする前から知ってたし。

平田ぱんだ:ん〜。でも、売れるってもっと広い世界のことを言う訳で。メジャーでやってた頃は、“ロックン・ロールアイドル”って言って大人の人達が考えたキャッチフレーズで売り出していたけど、それはそれで、上手いこと考えるなぁって思ってた。それで実 際にお客さんも増えたしね。ワンマン出来ることが当たり前になったし。それはすごいことだったと思う。
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