【ライブレポート】Suspended 4th、ナッシングスを迎えたツアー最終日「誰ひとり置いていかない」

ツイート

Suspended 4thが2月9日、<GIANTSTAMP TOUR II TURBO>の東京公演を渋谷TSUTAYA O-WESTにて開催した。これは2019年7月に発表した『GIANTSTAMP』を引っさげての<GIANTSTAMP Tour>が即日ソールドしたことを受け、東名で開催された追加公演の最終日となるものだ。

◆Suspended 4th+Nothing's Carved In Stone 画像

この日、ゲストとして登場したのはNothing's Carved In Stone。当然、キャリアとしては先輩格にあたるが、受けて立とうという気は微塵もないのだろう。村松拓(Vo/G)が「サスフォー(Suspended 4th)、凄い!」と賞賛しつつも「でも、僕らもこのライヴに出たからには自信があるということ。いい歳こいてとか思うかもしれないけど(笑)、絶対に負けない!」と食らいつくような高まりっぷり。






序盤から一音一音の存在感が凄まじく、メンバーそれぞれが卓越したプレイでも見せつけていき、Suspended 4thへプレッシャーをかけるようなムードすら漂うほど。

「In Future」や「Bog」といった本能に訴えかけてくるロックチューンも相まって、オーディエンスの反応もすこぶる良く、どこまでも高まる熱気。村松、生形真一(G)、日向秀和(B)がステージ最前に立ち、フロアへ襲いかからんばかりにプレイでアジテートした「lsolation」でさらにフロアをさらに着火し、ラストには温かさがにじみ出る「Music」をドロップ。そのスケール感を見せつけてくれた。

そして、本日の主役であるSuspended 4thは、サウンドチェックを終え、足元とお互いの感触を確かめるようにまずはジャムセッションへ。ストリートで叩き上げられてきた胆力がなせる技か。力みなどなく、いつもスタイルでいい空気感を紡いでいく。





そこから少しだけ間をおき、Kazuki Washiyama(G/Vo)が「ツアー、終わってしまいますわ、あと1時間で」としみじみと口にして、「GIANTSTAMP」から本編がスタート。Washiyama、Seiya Sawada(G)、Hiromu Fukuda(B)、Dennis Lwabu(Dr)、メンバーそれぞれが卓越したスキルを発揮しながら、強烈な個が寄り添うというよりも真正面からぶつかり合い、高みに上り詰めていく彼ららしいスタイルでいきなり会場の空気をさらっていく。オーディエンスも大きな声をあげてエネルギーを放出し、ハンドマイクを握りしめて歌うWashiyamaが両手を大きく広げ受け止めるシーンが生まれるほどの盛り上がりだ。

ここで改めて「PIZZA OF DEATHからSuspended 4th、開催します!」とニヤリとさせる宣言をWashiyamaがした後、なだれ込むのは「97.9hz」。キレッキレのプレイはもちろんのこと、小気味良いヴォーカルも響き渡り、オーディエンスの熱気も爆発的に上昇していく。

また、印象的だったのが、アーバンなメロディーに強靭なアレンジがマッチし、ビシビシと突き刺さる「BIG HEAD」の前にWahiyamaが口にした「何ができるかわからないけど、誰ひとり置いていかない」という言葉。その瞬間に生まれるイマジネーションを大事にし、インプロヴィゼーションも多用する彼ら。時にはそれが長尺になることもあるが、ひとつひとつのプレイを投げかけ、オーディエンスと音と空気を通したコミュニケーションを絶えず行っていくのだ。





Sawadaの鋭いカッティングにリズムが絡み合い、一気に狂乱の渦を生み出したのが3月発売のレーベルコンピレーション『The Very Best Of PIZZA OF DEATH III』に収録される新曲「オーバーフロウ」。スリリングでありながら温かさも持ち合わせ、新曲を披露しているとは思えないほどのヒートアップ。いつも確かなモノを届けてくれるという、バンドへの信頼感が築き上げられている証拠に違いない。

中盤では、Washiyamaが「Nothing's Carved In Stone先輩に(ライヴを通して)ぶん殴られました(笑)。ぶん殴り返したいけど、オレらだけの力じゃ足りねえから」と投げかけ、きらびやかな「Rainy, Rainbow Later」をドロップ。クライマックスで起こったすさまじいシンガロングから思いついたのか、WashiyamaがDennisにレクチャー役を任せ、2階席には高音部分を、1階席にはメインのメロディーを歌わせるという画期的な試みで会場中から湧き上がらせた歌声も美しかった。

そんな混沌としたムードに触発されたのか、少し長めのインプロヴィゼーションから突入した「Vanessa」で思いっ切りオーディエンスを踊らせ、さらに突っ走るべく、Fukudaの鮮烈なベースが口火を切ってキラーチューン「ストラトキャスター・シーサイド」を響かせる。最高潮となった会場の興奮度もさることながら、とにかくステージ上の熱が凄まじく、一瞬たりとも目を離せない見事なパフォーマンスを繰り広げていく。



ラストはフロアを埋め尽くすオーディエンスへ改めて謝辞を述べ、ゆったりと大切に音を紡ぎ、ドラマティックにこのクライマックスを彩る「think」をプレイ。聴き入るオーディエンスを芳醇なムードで包み込んで本編の幕を閉じた。

そして、アンコールでは、メンバーが口々に「アガるヤツをやりたいね」と語ったこともあり、「KOKORO-DOROBOW」で一気に熱狂を描き、「自分のために歌え!」とWashiyamaが絶叫した「INVERSION」を投下。心地よい余韻を残しながら、「また強くなって帰ってきます」という言葉を残し、素晴らしき夜を締めくくった。

取材・文◎ヤコウリュウジ
撮影◎ヤスカワショウマ

■Suspended 4th<GIANTSTAMP TOUR II TURBO>2020年2月9日@渋谷TSUTAYA O-WEST w/Nothing's Carved In Stone セットリスト

【Nothing's Carved In Stone】
01. Who Is
02. Spirit Inspiration
03. In Future
04. Bog ('19 ver.)
05. Honor is Gone
06. Milestone
07. lsolation
08. Like a Shooting Star
09. Out of Control
10. Music
【Suspended 4th】
Opening. Jam Session
01. GIANTSTAMP
02. 97.9hz
03. BIG HEAD (incl.Jam Session)
04. オーバーフロウ (新曲)
05. Rainy, Rainbow Later
06. Jam Session〜Vanessa
07. ストラトキャスター・シーサイド
08. Jam Session〜think
encore
en1. KOKORO-DOROBOW
en2. INVERSION

この記事をツイート

この記事の関連情報