【インタビュー】林青空、自己紹介として自信を持って渡せるアルバム

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地元・大阪を中心に弾き語りにてライヴ活動を続けてきた林青空。10代の頃から大切にしてきた曲たちと、今だから作れる曲を詰め込んだというアルバム『出航日和』は約2年間にわたり制作された。夢を叶え大海原へ旅に出る彼女のメジャーデビュー作について、じっくりと話してもらった。


──メジャーデビューおめでとうございます。まず、デビューが決まった時の率直な気持ちを教えてください。

林青空:ひとりでライヴハウスやストリートでライヴをやってきて、ライヴを観てくださったレコード会社の方から声を掛けてもらい、育成からスタートしたんですが、そこから事務所も決まりデビューということになりました。デビューが決まってからはとんとんと話が進んで。なので、デビューが決まった時はいまいち実感がなく、「そうか。メジャーデビューするのか」と変に冷静でした。でも、自分にとってはこれまでライヴをして頑張ってきたけど、初めて分かりやすいかたちで両親とかに「デビューするよ」って報告できたのはすごく嬉しかったですね。

──ご両親はどんな反応でしたか?泣いていました?

林青空:いえ…「ついにやな!頑張りや」と。たぶん、私よりも不安だったり、心配していたと思いますよ。

──25歳前後だと周りは就職したりしていますしね。そこに不安とかは?

林青空:そうですね。大学を卒業して就職した友達が多かったから、自分からは連絡が取れず…。連絡していい時間帯とか分からないので、自分のほうからは交流を取っていなかったんです。でも、「デビューをします」とSNSとかに情報を出した時、向こうから連絡してくれて。そこから「会おうよ」っていう話になったんで、やっぱりメジャーデビューをするのは大きいことなんやなと思いました。

──デビューしたら知らない友達からいっぱい連絡が来ますよ(笑)。

林青空:すでに連絡入ったりしていますよ(笑)まだ、早いよって思うんですけど(笑)。

──そんな林さんのデビューアルバム『出航日和』はシンガーソングライターとして、ひとりの女の子としての名刺代わりとなるような作品に仕上がった印象がありました。曲を聴いているだけで、人柄や考え方などが見えてきたり、恋愛ソングも多いので恋愛した時の林青空を知れたり。「これが私です」と言いながら渡してもいいんじゃないかとも思いました。

林青空:ありがとうございます。恥ずかしいですね(笑)。

──制作期間は約2年だそうですが。

林青空:そうですね。ただ、このアルバムに入っている曲を初めてレコーディングしてから2年になるということで、「アルバムを作るぞ!」という気持ちで最初から録ってたわけじゃないんですよ。いい曲ができたらレコーディングをして、曲が溜まってきた時にデビューが決まったので、「じゃあ、どういうかたちでリリースしようか」という話からアルバムにしようと決まったので、結果的に2年くらいかかったということで。

──実際、アルバムに対する手応えはいかがですか?

林青空:さっき言ってもらったように、自分でも自己紹介になる一枚だと思っていて。最初、アルバムでデビューすると聞いた時は「アルバムで?」ってなったんですけど(笑)。これまでライヴでずっと歌ってきた大事な曲たちだし、アルバムを作るとなった時に「こういう曲が欲しいな」と思って書いた曲もあるので、新旧の林青空を知ってもらえる一枚となってます。このアルバムを持って旅に出たら無敵だと思える作品ですね。

──その想いが“出航日和”というタイトルになったと。

林青空:「ここから行くぞ」という想いを込めたタイトルですね。

──このアルバムのために作った曲はどれになるのですか?

林青空:アルバムで初めて音源化する曲は多いんですけど、ライヴで演奏してない曲は「g'night」「ファイティン」「BLUISH WHITE」の3曲ですね。アルバムを作ることが決まってから書いた曲は「出航日和」「マイフレンド」「猫背」と先ほどの3曲になります。

──SNSの生配信も観ていたのですが、ファンの方から「この曲、早く聴きたい」という声が多かったので、すでに披露されている曲ばかりかと思っていました。

林青空:収録曲をすでに情報として出しているので、それを見て言ってくれてたんだと思います。

──なるほど。そして、林さんの人柄が伝わってくる歌詞についてうかがいたいのですが、作詞をする時に大切にしていることはありますか?

林青空:作詞はメロディーが思い付いた時に一緒に出てくることが多いですね。メロディーと一緒に出てくる何行分かの言葉をその場でメモして、そのまま歌詞に入れてしまいます。そういう作り方なので、大切にしていることとなると、出てきたままのリアルな歌詞にすることですかね。あとから整えてはいるんですけど、「嘘は付かない」ということだけは自分の中で決めています。

──では、メロディーも含めてどのような流れで曲を作っていくのですか?

林青空:曲によって違うんですけど、「出航日和」は歌詞から書きました。歌詞と言っても文章のように言いたいことを箇条書きにして、歌詞に落とし込んでからメロディーを付けてコードを探していくという。でも、「マイフレンド」はBメロからメロディーを先に付けて、歌詞を書いていくという全然違うやり方でした(笑)。「g'night」は鍵盤で作ったんですけど、コードから作ったし。

──普段の生活の中で思い付いたものはメモに残しておくんですね。

林青空:はい。鼻歌も録音しているし、言葉もメモしているし…「この作り方が一番やわ」と決めないようにしています。いろんな作り方を試すことが楽しい気がするので。

──こんなに幅広い作り方をするアーティストもかなり珍しい気がします。

林青空:ははは。まだ固まっていないだけかもしれないですけど、歌詞から書かんとあかんとか、そうしないとできないとか思いたくないなので。

──だから、素直で純粋な曲が生まれてくるわけですね。タイトル曲となる「出航日和」ですが、ワクワクするようなメロディーの明るさにバンドサウンドの力強さが合わさって、林さんの「ここからから挑戦していくぞ」という気持ちも表れていると感じました。アコースティックとはまた違った一面がうかがえて、曲の良さが増していますね。

林青空:この曲はメジャーデビューで上京が決まって、これからに向けての決意とか自分の想いを曲にしておかないといけないという気持ちで書きました。同時にアルバム制作が決まっていたので、1曲目になるような曲にしたいとディレクターさんと話しながら作っていったら、それに相応しい曲になりましたね。

──個人的には「散歩歌」を聴いて林さんの魅力に惹かれました。林さんは恋愛ソングも多いのですが、恋愛ソングの歌詞を書く時は実体験をベースに書いていたりします?

林青空:自分が体験したことも入れたり、友達の話を入れたりもしてますね。あと、本を読んだり、映画を観たりして自分と関連させることもありますし、どう感じたのかを大切にしながら歌詞にしています。

──10代の頃から作った曲も多いと聞いていたので、「この曲は学生時代の恋愛かな」とか「これは大人になってからかな」とか、そんなことも楽しみながら聴いていました。

林青空:バレてる(笑)、恥ずかしいですね。「散歩歌」はそんなに若い時ではないです…。

──やっぱり(笑)。でも、幅広い年代の恋愛ソングがあるからこそ、ファンの方やこれから林さんを知る人にもアルバムを通して身近に感じてもらえるかもしれませんね。ただ、アルバムの中で「ファイティン」の歌詞はテイストが他と違うと思ったのですが。

林青空:アルバムに向けて曲を書こうと思っていたタイミングで、めっちゃ仲良しの同級生に電車でばったり会ったんですよ。学校を卒業してから会うのが初めてだったんで、電車に乗ってる間だけでしたけど、いろんな話をして。私とは違う世界で頑張ってるし、仕事が大変やって言っていたので、ちょっとでも応援できたらいいなと思って、この曲を作りました。その子から聞いたエピソードが歌詞になっている部分もあるので、この曲はその友達に送ろうと思います(笑)。

──そういうバックグランドがあるんですね(笑)。シンガーソングライターなのに、すごくOLのリアルな日常を描いていると思ってました。

林青空:その友達から聞いたエピソードから、この曲は広がっていったので。会社で働いてる子たちは同じような想いをしてるんじゃないかな。

──似た経験をしてる人もいると思いますよ。あと、アルバム全体を通しては「BLUISH WHITE」で終わっても良かったんじゃないかと思ったんですが、「猫背」を聴いたことで、あえて「出航日和」と「猫背」でアルバムを挟むような曲順にしたのかなと感じました。

林青空:そうなんです。「猫背」は狙って最後に持ってきました。この曲はバーっと衝動的に書き上げていったんですけど、自分としては新しい曲の作り方をした一曲で。粗削りな感じで作ったのに、最終的にバンドでゴリゴリなサウンドになって、林青空の新しい一面が出せたと思えたし、この曲を最後にするのはありやと思えたんです。最後に「猫背」を聴いて、もう1回アルバムを頭から聴いてほしいなって。このアルバム以降の林青空はもっとパワーアップしてるんじゃないかなって、みんなに思ってもらえる伏線的な意味も込めて最後にこの曲をぶつけてみました。

──やっぱりそうでしたか。「猫背」はファンに向けて“頑張っていくからね”という想いを伝えている曲で、「出航日和」は“新しい旅に行ってきます”という意味がある曲なので、アルバムをリピートで聴くと「猫背」から「出航日和」に移るまでの間が短くて…だから、狙っているのかなと。

林青空:嬉しいです、気付いていただいて。曲順はスタッフさんも一緒にめっちゃ悩んで決めたので。いろんな意見をもらったんですけど、みんな違うことを言うし(笑)。でも、アルバムを通して聴いたら「いい並びやな」って思えましたね。

──ぜひ、オールリピートで聴いてもらいたいですね。4月にはワンマンツアー<THE TIME HAS COME!>を控えていますが、どんなライヴになりそうですか? バンドスタイルですよね?

林青空:バンドスタイルで演奏します。このツアーは昔から応援してくれてるファンのみんなに安心してもらいたいし、「ちゃんとしがみ付いていないと置いて行かれちゃう」って焦りのような気持ちを感じてほしいなと(笑)。アルバムの中にはライヴで披露していない曲もあって、音源のほうが先という披露の仕方は初めてなので、どういうふうに届けられるかちょっとドキドキしています。ライヴが私にとって一番の武器やと思っているので、アルバムで知ってライヴに来てくれる人にも、「もう1回、林青空のライヴに行きたい!」って思ってもらえるようなツアーにしたいですね。

取材:岩田知大


『出航日和』


2月26日発売
UNIVERSAL J UPCH-2205
¥3,000(税抜)
1.出航日和
2.光
3.マイフレンド
4.散歩歌
5.g'night
6.スパイスマジック
7.ファイティン
8.アイス
9.ねぇ
10.BLUISH WHITE
11.猫背

<林青空ワンマンツアー 2020『THE TIME HAS COME!』>
4月2日(木)
北海道・札幌COLONY
4月4日(土)
東京・渋谷WWW
4月12日(日)
大阪・大阪JANUS

◆Amazon限定インタビュー公開中
◆林青空オフィシャルサイト
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