【ライブレポート】BAND-MAIDの<進化>

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BAND-MAIDが2月13、14日に全国ツアー<BAND-MAID WORLD DOMINATION TOUR 【進化】PRESENTED BY LIVEDAM Ai>のツアーファイナルを東京・LINE CUBE SHIBUYAにて開催した。

◆ライブ画像

この2デイズは両日ともソールドアウト。初のフルアルバム『WORLD DOMINATION』のリリースを皮切りに、2年間という時間をかけて国内、海外を精力的にツアーしてきたBAND-MAIDは当初から目標に掲げてきた“世界征服”に向けて前進あるのみの姿勢で世界レベルで勝負できるライブバンドへと進化していた。そのことを証明したのが本ツアーであり、ファイナルの2月14日のお給仕(ライブ)だった。


開演前から熱気であふれかえっている場内。ステージを覆った紗幕が上がると新衣装のメンバーが次々に登場し、大歓声。幕開けの曲は最新アルバム『CONQUEROR』収録曲で、お給仕ですっかりおなじみのヘヴィなナンバー「輪廻」だ。AKANE(Dr)のパワフルなドラミングで始まり、小鳩ミク(G&Vo)がフライングVを弾き、SAIKI(Vo)とセンターに並び、一発目から炸裂するアクト。客席から怒涛の歓声が上がる。「Blooming」ではMISA(B)が下手、 KANAMI(G)が上手に分かれ、場数を踏みスキルを磨いた阿吽の呼吸のバンドアンサンブルを響かせる。緑のレーザーが飛び交う中、SAIKIが「もっと、もっと!」と煽り、ハンドクラップの中、「Screaming」を投下。前半から攻めまくりだ。


「お帰りなさいませ。ご主人様、お嬢様。ついに今日は本当に本当にファイナルだっぽ。こんなにたくさんのご主人様、お嬢様のご帰宅、ホントに嬉しく思いますっぽ。なんといっても昨日と今日と続けてソールドアウトっぽ!今日は私たちの“進化”をしっかりと目に焼き付けて素敵な素敵な1日にしましょうっぽ。楽しむ準備、できてますかっぽ? ようこそ、BAND-MAIDのお給仕へ!」──小鳩

疾走感たっぷりの「Dilemma」からイントロの KANAMIのギターに大歓声があがった「glory」と加速していくBAND-MAID。SAIKIが「かかってこいよ!」と叫んだ小気味いいハードロックチューン「FREEDOM」ではステージのギリギリで KANAMIとMISAがプレイし、 ドラムがフィーチャリングされる箇所では 小鳩、 KANAMI、MISAの3人がAKANEの前に集結して呼吸を合わせるなど、視覚と聴覚を同時に刺激されるステージングに釘付けになる。爆音に負けないSAIKIのボーカルも頼もしく、全員が切磋琢磨してのぼりつめてきたBAND-MAIDの“進化”が刻みつけられていくライブ運び。SAIKIと小鳩のツインボーカルの息もピッタリな「Choose me」は、イントロからハンドクラップで大盛り上がり。初めてBAND-MAIDのお給仕を見る人はテクニカルで気合の入った演奏と衣装のギャップに仰天すると思うが、生のバンドサウンドから生まれるグルーヴで勝負する姿勢がとにかくカッコいい。


一転、小鳩がアコースティクギターに持ち替えたミドルチューン「PAGE」では場内を包みこむ演奏を届け、バックのLEDスクリーンに花をモチーフにした映像が流れた「Mirage」では切なくも艶のある歌で魅了。最新アルバムの新たな世界観を提示してみせた。ステージに残ったSAIKIは「渋谷、いい感じですね。届いてますか?」と問いかけ、「宣告」、「侵略」、「激動」、「進化」というタイトルを掲げて廻ってきたツアーがついにファイナルを迎えたことに対し「嬉しいことですけど寂しいね」と気持ちを伝えつつ、「でも、今日は“進化”ですから。BAND-MAIDの進化を脳裏に焼き付けてこれからもついてきてください!」と宣言。


スペシャルなことをしたいと呼び込まれたのは KANAMIだった。 アコースティックギターを持って座り、SAIKIが「聴きたい?」と問いかけると大歓声。ツンデレキャラ全開で「じゃあ、聴かせてあげる」と「YOLO」を披露。“消えない魔法を描くんだ”と歌うこの曲はBAND-MAIDのこれまでの歩みがフラッシュバックするようでSAIKIの秘めた情熱と揺るぎない意志が感じられるボーカルの表現力に、激アツだった場内も静かに聴き入っていた。続いて呼び込まれたのはMISA。“MISAコール”の中、3人で「Puzzle」を演奏するという、これもまさにスペシャルな場面が。いつもはスラップばりばりのMISAのメロディックなフレーズが染み入り、しっとりと響かせた。


SEをはさみ、再び5人がステージに集結し、「カタルシス」、そしてテレビドラマ『パーフェクトクライム』の主題歌となった「Bubble」ではソロ回しも盛り込まれ、大合唱に。まだまだBAND-MAIDの新たな試みは終わらない。再び紗幕がステージを覆い、イメージ映像を写してプレイされたのは巨匠、トニー・ヴィスコンティがプロデュースして話題となった「The Dragon Cries」。グルーヴが生命線のシンプルなロックを生き生きと鳴らす彼女たちに驚嘆しつつ、スピード感たっぷりの「I can’t live without you」に移行する流れは演出もふくめてお給仕の新しいスパイスとなった。

このあとは恒例の“おまじないタイム”。色とりどりの照明とEDMがバックミュージックに流れる中、小鳩が登場。「本日は何の日だっぽ? チョコレートの押し付けだっぽ」と客席にチョコレートを投げ入れ、「今後も私たちについてきて世界征服を一緒に目指していこうっぽ!」と“萌え萌え”、“キュンキュン”とコール&レスポンスで盛り上がるものの、後ろに控えたリズム隊がシンセ で変な声を出してイタズラしていることに気づいて「邪魔しないの!」とかわいくキレ気味。“萌え萌え”コールは“進化”や“BAND-MAID”コールへと変わっていき、小鳩は全身全霊でシャウトし、腕を振り回して客席も圧倒されるほど爆発。そして小鳩がボーカルをとるおなじみの「TIME」が披露され、再びステージが鮮やかに色づいた。


SAIKIが戻ってきての後半戦は「Wonderland」で始まり、「alone」、「DICE」などBAND-MAIDのライブのキラーチューンが連続投下される展開で場内も大シンガロングで興奮状態マックスに。さまざまな奏法とアプローチのギターソロで客席を魅了し続ける KANAMI、バンドの大黒柱にふさわしい強力で太いドラムでテンションを上げていくAKANE、動きまくるフレーズとクールな存在感で魅了するMISA、キュートなキャラからは想像もつかないロック魂のあるストロークで KANAMIとのツインギター、SAIKIとのツインボーカルを担う小鳩。この5人あってこそ、と思わせる存在感、楽しませる以前に自分たちが楽しんでいる在り方はロックバンド以外の何者でもない。ステージと客席との間にすさまじいまでの一体感が生まれ、「DOMINATION」のハードで強靭なアクトに“うおおおお”という大歓声。

「ここ渋谷はBAND-MAIDにとって、とてもゆかりのある場所でこんな素敵な渋公2デイズを即完できたのはご主人様、お嬢様のおかげです。これからも世界征服に向けて頑張っていくので、みんなの大きな声もらっていいですか?最後にみんなで一緒に歌いませんか?」_SAIKI


ラストは大合唱となった“どんな明日も どんな未来も 戦い続ける理由が生きる証だ”と歌う「endless Story」。全23曲を演奏し、小鳩は「これからもBAND-MAIDは世界征服に向け、まっすぐまっすぐ走っていくっぽ。ついてきてっぽ!それではいってらっしゃいませ。ご主人様、お嬢様。BAND-MAIDでした! ばいばいくるっぽー」と挨拶。

メンバーが去っても興奮覚めやらない中、沙幕に映し出されたのは7月からスタートするZeppツアーと本公演のBlu-rayとDVDが発売される告知。さらに2021年の2月11日に初の日本武道館でお給仕を開催することが伝えられ、怒涛の声援が沸き起こった。彼女たちにとっては武道館でさえも通過点に過ぎないだろう。本気でそう思わせてくれるバンドだ。

取材・文◎山本弘子

セットリスト

1.輪廻
2.Blooming
3.Screaming
4.Dilemma
5.glory
6.FREEDOM
7.Choose me
8.PAGE
9.Mirage
10.YOLO
11.Puzzle
12.カタルシス
13.Bubble
14.The Dragon Cries
15.I can't live without you
16.TIME
17.Wonderland
18.alone
19.DICE
20.Don't you tell ME
21.Play
22.DOMINATION
23.endless Story

BAND-MAID 日本武道館ワンマンお給仕

2021年2月11日(木・祝)日本武道館
※詳細後日発表



<BAND-MAID ZEPP TOUR>


2020年7月16日(木)ZEPP NAGOYA
2020年7月23日(木・祝)ZEPP OSAKA BAYSIDE
2020年7月24日(金・祝)ZEPP FUKUOKA
2020年8月9日(日)  EPP SAPPORO
2020年8月16日(日)ZEPP HANEDA

お盟主様(ファンクラブ会員)チケット最速抽選先行
2月14日(金)22時~発売

Blu-ray/DVD『BAND-MAID WORLD DOMINATION TOUR 【進化】at LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)』

発売日:2020年4月29日
Blu-ray:CRXP-10007 / ¥5,980(税込)
DVD:CRBP-10066 / ¥4,980(税込)

収録内容: ※Blu-ray&DVD共通
2020年2月14日 BAND-MAID WORLD DOMINATION TOUR 【進化】at LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)
全20曲程度収録予定

ボーナス映像:
・BAND-MAID WORLD DOMINATION TOUR 【進化】at LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)メイキング映像
・BAND-MAID WORLD DOMINATION TOUR 【進化】at LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)BAND-MAIDメンバーによる副音声収録

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