【インタビュー】なきごと「寄り添う曲を作っていきたい」、[NOiD]発 2人組ロックバンドの胸の内

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注目の女性2人組ロックバンド、なきごとが2ndシングル「 sasayaki 」をリリースした。音楽番組『バズリズム02』で「2020年これがバズるぞ!BEST10」ランキングの12位にランクインした彼女たちは、SUPER BEAVERやsumikaらを輩出したレーベル、[NOiD]発の第4弾アーティスト。水上えみり(Vo&G)と岡田安未(G&Cho)の阿吽の呼吸のギターサウンドとユニークな視点で情景や心情を切り取ってみせる歌詞は結成1年半とは思えないマジカルな世界を描き出している。シンプルな弾き語りが曲作りのスタート地点だという水上、ギターソロのほとんどを鼻歌で考えるという岡田。2人の話を聞いている内に“なきごと”の曲がじわじわくる理由が少しだけ解明できたような気がした。

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■2人とも末っ子で血液型はB型(笑)

──なきごとの楽曲を聴いたり、MVを見るとお2人の演奏の息がピッタリなのに驚きます。どういうふうにコミュニケーションをとって曲が完成していくのか気になりました。性格の共通点はありますか?

水上えみり(Vo&G/以下、水上):たぶん、基本的な性格は似てるんですよ。

岡田安未(G&Cho/以下、岡田):似てますね。

水上:好みは真逆だったりするんですけど、2人とも末っ子で血液型はB型(笑)。妹っぽさはどこかにあるのかなって。

岡田:「こう思ったからこう言ったんだな」とか考え方は近いですね。

水上:確かに。組んだばっかりの頃はお互いになにを考えているのかわからなかったし、ぶつかることも多かったんですよ。2人ともためちゃうタイプなので意見を言い合うたびに「こういうふうに思ってるんだ」とか「こういう状況だから、こうなってるんだ」って理解しあえるようになった感じですね。

──月日を重ねる中で本音を言い合えるようになったんですね。

水上:ワンマンとか遠征するときは彼女が運転してくれてるんですけど、眠くならないように話をする機会も増えて、「こういうことを経験して生きてきたんだな」っていうこともわかってきて。

──仲が深まっていくにつれて、グルーヴ感が出てきたのかもしれない。

岡田:出す音に関しては単純に一緒に演奏する機会が増えたことが大きいと思います。積み重ねてきたことでようやく息が合った感じですね。

▲水上えみり(Vo&G)

──作詞、作曲は水上さんが手がけていますが、どういうスタイルで曲を形にしていっているんでしょうか?

水上:基本的に、作った曲をスタジオに入って弾き語りするんです。そこから「ここはこうしたいんだよね」とか「あそこはこうしない?」とか話し合いながら作っていきます。リリースする曲に関してはレーベルのスタッフさんを含めて話し合いながら決めていくんですけど、自分たちの意見を尊重してくれることが多いですね。今回のシングル「 sasayaki 」でいうと3曲目の「癖」は絶対に入れたいって伝えたんですよ。

岡田:そうですね。

水上:始動ライブ(2018年10月)は自主企画だったんですが、その1曲目にやったのが「癖」で自分たちにとって思い入れが強い曲なんです。“なきごとの曲といえば”って言えるぐらいの曲だと思っているので入れたかったんですね。

──PC上でのデータのやりとりではなく、岡田さんの目の前で「こんな曲できたよ」って弾き語るところから始まるんですね。

水上:はい。送るときもあるんですけど、リハーサルスタジオに入る前に「今日、曲持ってきたんだけど、時間あまったらやってもいい?」とか。

岡田:私は「どういうギターがいい?」ってえみりに聞いたりして。

──原石の状態からどんどん色がついていくんですね。シングルには「セラミックナイト」、「アノデーズ」、「癖」の3曲がパッケージされていますが、タイトルを「 sasayaki 」にしたのは、なぜですか?

水上:リード曲「セラミックナイト」の歌詞“囁いてみる”からとったタイトルなんですけど、ほかの2曲も囁いているように歌う箇所が出てくるんです。囁くっていう行為自体が表と裏があるような含みを持っているし、今作の3曲にもそういう面があるので、表現にしても歌い方にしてもピッタリくる言葉なんじゃないかなって。



──なるほど。これまでの作品と変化した部分はあります?

岡田:わりとポップなんじゃないかと思います。「セラミックナイト」と「アノデーズ」はJ-POP寄りですね。前回のミニアルバム『夜のつくり方』は「のらりくらり」という曲のようにけだるい感じのロックが多かったんですが、新曲は珍しい曲調だと思います。

水上:これまでは、CDを作るために締め切りがあって曲を書くことがなかったんですよ。今回は「セラミックナイト」も「アノデーズ」もできたてほやほやの状態だったので、そこは以前と違うかもしれないですね。

──ライブで披露していないフレッシュなナンバーをメインで収録したシングルなんですね。

水上:そうですね。以前に書いた歌詞だったり、サビだけはあって、そこから膨らませて書いた曲ですけど、作り方が違いましたね。

岡田:「セラミックナイト」はレコーディング前にサポートのバンドのメンバーと1回だけ合わせたんですけど、「アノデーズ」に関しては1回も合わせてなくて、いきなりレコーディングでした。

◆インタビュー(2)へ
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