【連載】Vol.086「Mike's Boogie Station=音楽にいつも感謝!=」

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RONIN 39年ぶりのLIVE IN JAPAN大成功! ロックなステージに感動! もしキースが客席にいたら100点満点授与!!!


▲Pic.by Masanori Naruse

リンダ・ロンシュタットのバックから始まり、リンダのプロデューサーだったピーター・アッッシャーの助言の下1979年に結成されたのがRONINである。メンバーはワディ・ワクテル (GTR LVHV)、ダン・ダグモア(GTR PS HV LV)、スタンリー・シェルドン(BS HV)そしてリック・マロッタ(DS HV)。4人の凄腕揃いの職人ミュージシャンだ。80年アルバム・デビュー、『RONIN』を発表。


▲CD『RONIN』 from Mike's Collection

翌81年に横浜スタジアムと甲子園球場で開催されたリンダ、ジェームス・テイラー、J.D.サウザー出演の米国西海岸イベント“California Live”ヘ出演。彼らはオープニング・アクトを務めた。 その後セカンド・アルバムにも取り組み始める予定だったのだが、日本を去った直後に解散してしまった。

そんなRONIN再結成の話しをワディ・ワクテルからじっくりと聞いたのは昨年5月。40年の歳月を経てRONINが再結成し、2020年のジャパン・ツアーでスタートすると!2月11日、僕はBillboard Live TOKYOでのRONIN二ステージを楽しんだ(尚、RONIN4人へのインタビューは前日宿泊先のHTLで行った、次号でしっかり掲載させてもらうのでお楽しみに)。この日のファースト・ステージとセカンド・ステージでのセットリストは全く同じ内容だがバンドと観客のノリという点から僕的にセカンドの方が数段良かった。ということでRONINセカンド・ステージをここでレビューさせていただく。


▲Pic.by Masanori Naruse

場内暗転になるとスタンリー・シェルドン、リック・マロッタ、ダン・ダグモア、ワディ・ワクテルの順でステージに登場。“コンバンワ 戻れてきて嬉しいです”のワディの挨拶からメンバーがドラムのリックの前に円陣のように終結。そして1曲目は「Out At Night」。実にパワフルなロックンロール。ワディのリード・ヴォーカルに加えてスタンリー&リックがコーラスで盛り上げていく。何となくザ・エクスペンシーヴ・ワイノーズを彷彿とさせる。リックのドラムも実に確実&パワフル!何とこれは新曲である。ライヴ後この楽曲についてワディはこう解説してくれた。「僕とティト・ラリーヴァの共作。数年前にティトがヴァース1を書きそれに僕がコーラスをつけた。完成されないままになっていたんだけど去年の暮、ツアー3週間前位になってこの曲がRONINにぴったりだということも思いだし、急きょ僕がヴァース2&3を書いて完成させたんだ。まさにホット・ナンバーさ!」

2曲目からアルバム『RONIN』のナンバーが続く。「Love's Coming Into My Life Again」はワディの作詞作曲。ミディアム・アップの80年前後のロックなフィーリングをダイレクトに感じさせる。ここでもワディのシャウトぶりに圧倒される。スタンリーがインタビューやファースト・ステージ、バックステージでは見なかった眼鏡姿で演奏しているのに気がつく…。


▲Pic.by Kaz Sakamoto

ワディがダン、スタリー、リックの順で仲間を紹介した後「Home At Last」へ入っていく。今度はリック&ダンがコーラスを担当。そのリックのドラムが飛びぬけてタイト。ワディ&ダンのGTRバトルも盛り上がる。ワディの作詞作曲。


▲Pic.by Kaz Sakamoto

ダルなイントロで始まる「All I Can Do」はダンの作詞作曲でリード・ヴォーカルも彼だ。コーラス・パートはダン&ワディ。そのワディのGTRが大きくフィーチャーされている。ここでもリックのドラムがズシンズシンと唸る!


▲Pic.by Masanori Naruse

曲間MCで1981年のカルフォルニア・ライヴを振り返る。5曲目は「Hey Nadine」。ダン、ワディ、ラス・カンケルの共作。ここでも実にタイトなロックを披露。ワディがリード・ヴォーカルでまたまたビッグ・シャウト。ダンはコーラスも…。


▲Pic.by Masanori Naruse

続いてもアルバム『RONIN』からで「It Touches Everyone」。ワディの作詞作曲。ここでダンは椅子に腰かけラップ・スティール・ギターをスタンバイ。そのダンのLSがイントロから楽曲を引っ張っていく。スロー・テンポなダウン・トゥ・アースなサウンド、アメリカン・ロックの醍醐味を味わう。




▲Pic.by Kaz Sakamoto

この日のライヴのために用意されたカバー曲が登場。ワディの大好きなニール・ヤングの楽曲から「The Loner」。二―ルの69年リリースのファースト・ソロ・アルバム『NEIL YOUNG』収録。ワディの溌剌とした姿を見ながら懐かしの名曲を味わう。僕には彼のGTRがすっごくセクシーに聴こえる。ファースト・セットより10倍くらい良かった…。リックも実にしっかり叩き上げているのだ。


▲Pic.by Masanori Naruse

そして8曲目は「Independence Day」。曲前、ワディが“この曲はダンの作品、皆さん知らないと思うけど…”とMC。ダンがリードをとるとても素敵なビューティフル・ナンバー。途中のハーモニーはダン&ワディ。ライヴ後ダンはこう解説してくれた。「1981年娘が高校を卒業し大学へ進学。家を出て独立したんだ。その時のことを書いた楽曲。まさにその時期に作ったんだ」


▲Pic.by Masanori Naruse

“次は1981年に演奏した曲を…”ということで横浜スタジアムや甲子園球場で登場した思い出の「Up On The Cross」。ワディ&ダンの共作でアルバム『RONIN』には未収録。ストレートなロックンロールでイントロと中盤でのワディとスタンリーのバトルが必見だった。


▲Pic.by Kaz Sakamoto

10曲目はアルバム『RONIN』から「Here Comes The Runner」。ワディとマイケル・ボッツの共作。ボ・ディドリー御大のあのジャングル・ビート(勿論ストーンズもJBにはお世話になっている)をフィーチャーしたアップ・ビートなゴキゲン・ナンバー。ワディとダンのスライド合戦を楽しむ。


▲Pic.by Masanori Naruse

ここでまたまた新曲の登場だ、「Slide Slow」。と言ってもワディ&ダンの共作のこのナンバーはRONINのセカンド・アルバム用に81年に完成していた。ダンがリード・ヴォーカル。コーラスはダン&ワディ。そして後半のリード・ヴォーカルはワディにチェンジ。スタンリー&リックが向かい合いながらニコニコ顔でとても楽しそうにプレイするシーンに僕は心打たれる。尚、この楽曲のリハーサル・カセット・ヴァージョンが昨年リリースされた『アンフィニシュッド・ビジネス/ワディ・ワクテル』(ViViD SOUND/VSCD3962)
に収録されている。


▲CD『アンフィニシュッド・ビジネス/ワディ・ワクテル』 提供:ViViD SOUND

そしてラスト・チューンは「Fells Right」。アルバム『RONIN』から、ワディ作詞作曲。エキサイティングなサウンドをフル回転させたアップビート・ナンバー。スタンリーはここで眼鏡をはずす…。照明もファースト以上に頑張ってくれている。もう一度言おう、アメリカン・ロックの醍醐味、これぞリアルなROCK。素晴らしきRONINのLIVE。


▲Pic.by Kaz Sakamoto

大盛り上がりでステージは勿論アンコールだ!ワディは観客に厚く御礼。そして東京のファイナルはチャック・ベリー楽曲で“ FU***** GRAT TIME!!!”、「Round And Round」(Around And Around)。CB58年のヒット「Johnny B.Goode」B面ソング。ローリング・ストーンズが取り上げ世界中のファンに認知された。アニマルズほか多くのアーティストが取り上げまさに今やマスターピースでありロックンロール・スタンダードとして知られる。このよのアンコールはリード・ヴォーカルをダンが担当。


▲Pic.by Masanori Naruse

ワディ&ダン、ワディ&スタンリーのバトル・シーンが総立ちの観客をより熱く大きくエクスプロージョンさせる。最後はワディがピックを客席へスローイング。




▲Pic.by Kaz Sakamoto


▲ワディからピックをいただく… for Mike's Collection

一緒に観ていた評論家の保科好宏くん、金澤寿和くんたちと大騒ぎしながらRONINロックンロールBLTライヴを楽しんだ。


▲セットリスト(サインしてもらった)M12はファースト&セカンドとも諸事情により演奏されなかった) for Mike's Collection

*次号のRONINインタビューお楽しみに!!!


▲RONINと筆者

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