【インタビュー】レルエ「聴かれないと意味がない」、大衆性を重視する理由

ツイート

■ひとりでも多くの人に

──5曲の歌詞に、リンクするワードがいろいろ散りばめられてるので、独立しながらも共通点があるというのが星座みたいな関係性を感じて。これは意図的なものですか?

櫻井:ああ、そうですね。この5曲をそれぞれ作ったあとEPにまとめることが決まったので、まだ手付かずだった歌詞の部分をリンクさせようと思ったんです。それこそおっしゃっていただいたように星座みたいな、いろんな景色を集めた集合体になったらいいなって。僕は抽象的な言葉は好きなんですけど、抽象的すぎる言葉は好きじゃなくて。イメージが湧きやすい言葉を探していくと“光”や“夜”というワードが多くなる。聴いている人も想像しやすいと思いますし。

──聴き手に“情景”が思い浮かぶことが重要であると。

櫻井:そうですね。僕のイメージする景色を音楽で表現して、それをどう感じてもらうのかが楽しみというか。

──その情景は、櫻井さんが感動する景色なのでしょうか?

櫻井:僕が感動するとかどうこうというより、“僕がイメージしたこの景色をどうみんなが感じ取るかな?”という感じかな。音と情景が一緒に出てくるパターンがほとんどなんです。

saya:曲自体が物語を持っているファンタジックなものなので、“情景”はそこに入るきっかけなんだと思います。彼はよく銅鑼の音がしたら“中国だ”と言ったりもするので、無意識のうちに音と情景が直結してるんだろうなと感じることは多くて。そういうものって言葉にするのは難しいですよね。頭で考える前に、反射的に浮かんでしまったものだから。

──真紅、灰色、白、群青、透明など、色が多く歌詞に出てくるのも、そういうものとつながっているのかもしれないですね。

櫻井:それぞれすべて“その場面を表す色”として選んだ言葉ですね。楽曲に必要な言葉を色として発しています。ばらばらの材料をパズルみたいに組み立てていってます。でもそこに人間的な要素がないと無機質なものになってしまうので、楽曲の主人公の感情やその情景に宿る想いを意図的に組み込んだりしていますね。物語を作るうえでパズルをしてるんです。でも……曲作りはもっとふわふわしてて、もっと大きいものなのかもしれない。

saya:彼の作る曲は身近な世界ではなく、まったく違う世界を描いた曲なので。なにを作るにもその世界観ありきなんだと思いますね。

──なるほど、そうですね。レルエはリアリティを追求した音楽ではなく、ファンタジックな世界に連れていくパワーを持っている。

櫻井:僕はロックの反骨心とか、“この音楽で世界を変える”みたいな考えをまったく持っていなくて。とにかく僕たちの音楽を芸術として存在させて、それをひとりでも多くの人に受け取ってもらいたいんです。そこに僕個人の日常のフラストレーションとのリンクは一切ないので、物語やファンタジーにつながっていくのかもしれないですね。

──今の時代にその姿勢は、ある意味ロックな気もします。

saya:リアリティのある音楽が多いシーンだと、ある意味そうかもしれない。気持ちを発散したいというよりは、とにかく楽曲のクオリティを高めたい。情熱のベクトルがそういう方向性に向いている気がします。でもそれが自分たちのなかだけで完結してしまっては独りよがりになってしまう。追求しつつ、聴いてもらうためにどうしたらいいかも考えつつ、バランスを取っていきたいですね。

──では最後にタイトルの“Eureka”と掛けまして、メジャー移籍なさってどんな発見をなさったか教えていただいてもよろしいですか?

saya:「キミソラ」をきっかけに新しい層の方々に届けることができて、“こういう方々にも自分たちの音楽を受け入れてもらえるんだな”という発見は大きかったですね。ということは、もっといろんな世界にレルエの音楽を気に入ってくれる人はいるんだなとも思うんです。

櫻井:蓋を開けてみたらすごく気に入ってもらえてうれしかったね。アニメも音楽も、主人公に自己投影できるからこそ、たくさんの人たちに伝わるんだと思うんです。タイアップ曲を書き下ろしすることができて、レルエがもともと持っていた余白と、アニメの世界との調和を取れたことは、“俺たちってこういうこともできるんだ”という新しい発見でしたね。

エンドウ:「キミソラ」はゲームにも実装してもらえて、本当に感動的だったね。『Eureka』はこれまでの作品をアップデートしたうえで生まれた5曲なので、このあとの作品にどうつなげようか、どう発展できるかな、と考えながら作ることができたのも良かったですね。

──さきほど櫻井さんも次の課題を言葉にしてくださっていましたが、『Eureka』はまさに今後のレルエを発見した作品にもなったんですね。

櫻井:『Eureka』を作ったことで、今後もう少しレルエというものをブラッシュアップしていきたいなと思いました。レルエでしかできない音楽をやるために、自分たちの背景にあるものをもう少し掘り下げる必要があるなと思っています。レルエとしての存在感をもっとはっきり出して、オリジナリティを作っていきたいですね。さらにソリッドな作品になる気がしています。

取材・文◎沖さやこ

▲『Eureka』初回限定盤

▲『Eureka』通常盤

1st EP『Eureka』

2020年3月4日(水)発売
■初回限定盤(CD+DVD)
¥2,300(税別)/VIZL-1733
窓開き三方背スリーブケース仕様

■通常盤(CD)
¥1,500(税別)/VICL-65330

[CD]
1.あふれる
2.キミソラ ※アニメ『モンスターストライク』最終章『エンド・オブ・ザ・ワールド』主題歌
3.深海
4.pulse
5.白

[DVD]
・「キミソラ」Music Video
・『LELLE live tour 2019 “Alice” at Shibuya WWW』
Stockholm
時鳴りの街
クローバー
火花
この記事をツイート

この記事の関連情報