【インタビュー】DIAURA、2ヶ月連続リリースの意図

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■自分たちへの宣戦布告でもある

──ちなみに、このバンドの中で一番バイオレンスなのはどなたでしょう?

翔也:yo-kaじゃないですか?

yo-ka:でも、意外と達也かもしれない!

達也:どんだけ意外!?

翔也:ああ、なんかわかる。

──わかるって、どのへんが?

翔也:なんか、この人って……ま、この見た目だし、人当たりもいいんですけど、部屋、超汚かったりするんですよ!

達也:ははは!(笑)

翔也:イメージ的には、すごい爽やかな部屋に住んでそうじゃないですか? でも、陽当たり悪かったり、カーテン閉めっきりにしてたり。なんか怖いな、この人!って。

yo-ka:たぶん、どっかおかしい。

──達也さん、ひどい言われようですよ。

達也:なんて答えていいのか……わかんないですけど……いや、なんでしょうね……。

yo-ka:確かに、パッと見そういうイメージを持たれるのは俺でしょうね。でも、ウチはたぶん達也か佳衣なんですよ。俺とか翔也は割とマトモで、そう見えない方がヤバいんです。

佳衣:いや、自分をマトモって感じてることが、もしかしたらバイオレンスじゃない?

──佳衣さんこそ、自分のことをマトモだと思ってません?

佳衣:思ってないです。ちょっと変わってるな、っていうのは自覚してます。

yo-ka:猫、好きだしね。

翔也:猫好きだったらバイオレンス!?

yo-ka:よく「猫好きに悪い人いない」って言うじゃん。俺、猫嫌いだし。動物は苦手。

──確かに、人間嫌いが過剰な動物好きに転じるケースもありますが(笑)。話を戻して、では「Promised Land」みたいなファンタジックな曲の、どのへんがバイオレンスなんでしょう?

yo-ka:佳衣が持ってきた原曲を聴いたときに、サビで“メリーゴーラウンド”っていう言葉が、まず出てきたんですよ。それがずっと引っかかっていて、確かにパッと聴くと希望のある曲に感じるけど、それだけじゃ終わらない気がして。考えるうちに、俺が「ENVY」と「Hydra」で描きたかった無間地獄というか、その連続性を暗に伝えようとしてるんだ!ってことに気づいたんです。俺が本当に欲しかった曲は、実はコレだったのかもしれない! って。

──そう言われると、この爽やかな曲が、とても恐ろしく聴こえてきます……。

yo-ka:そうなんですよ。佳衣の性格と同じですよね。マトモに見えるんだけど、でも、絶対に違う(笑)。だから在るべくして在る曲で、単に“こういう曲もいいでしょ?”ってバリエーション出すためにカップリングに入れたわけでは全くないんですよね。他2曲が暗いからってバランスを取った的な、箸休めみたいな曲だと捉えられるのは絶対に嫌で、でも、きっとそう思われるだろうから、自分の中では意志をしっかり込めておきたかったんです。

佳衣:自分としては“蛇”というオーダーありきで描いたのが「Hydra」なら、真っ白な紙に好きなものを自由に描いたのが「Promised Land」っていうイメージなんですよ。だから自分が今、本当にやりたいこと、個人的に好きなものを作った感じですね。そういう真っ白なイメージがあるから、何色でも乗せられるんだと思うんです。

翔也:デモ段階で聴いたときから“このベース弾いてみたいな”って思いましたからね。なんかそそられたんです。“いいな”って。

達也:僕はデモを聴いたときは“優しくなれるような曲だな”っていうのがありましたけど、歌詞がついてからは何かが離れていってしまうような切なさを感じてました。最初はハッピーだと思ってたけど、ちょっと違うものが込められてるんじゃないかと。

──だって、メリーゴーラウンドって永遠に回り続けるだけで終わりがありませんからね。それで“終わりなき旅へ”行こうと歌ってるんですから、その状況をリアルに想像すると怖いですよ!

yo-ka:でも、生まれてしまったって、そういうことだと思うんですよ。誰しもがそういう側面を持っているはずで、曲的にも「Promised Land」が終わったら、また「ENVY」に戻されるようなイメージなんですね。わかっていても繰り返してしまう、そういった人間の愚かさを笑っているような全体像が、この2枚のシングルにはあるんです。とはいえ、それを理解してくれとは言わないし、押し付けもしない。押し付けないと理解されないようなものは、無いのと同じですから。ただ、自分の中でしっかりと軸があれば、伝わるものってあるはずなので、わかったときに“こういうことか!”ってハッとしてもらえばいいなと。そういう気持ちで歌詞も全部書きました。

──どんなに人に言われたところで、結局、自分で気づかないと身になりませんからね。

yo-ka:そう。それを気づかせる作品にしたかったし、気づかせるツアーにしたいっていうのが一番なんですよね。ツアータイトルの「BRILLIANT MONOCHROME」──つまり“鮮やかなモノクローム”というのが、何よりも重要な意味を持っていて。最初に話した通り、これまでのDIAURAの足跡だったりを再び見つめ直す時間っていうのが、去年からまだ続いているんですよ。俺たちの基本は、やっぱりどうあがいても“黒”だし、きっとそれは死ぬまで変わらない。そういった俺たちの中での覚悟も踏まえつつ、じゃあ、その“黒”を、どう鮮やかな世界に見せてあげられるのか? その鮮やかさを自分たちも感じられるのか?っていう、ただの黒=モノクロームに凝り固まっていた自分たちへの宣戦布告でもあるんですよね。だから、この「BRILLIANT MONOCHROME」というのは、今のDIAURAというものを象徴した言葉であり、これからあるべきスタンスであり。ツアーファイナルになる6月28日のマイナビBLITZ赤坂で、それを4人で感じられていればいいなという想いがあります。

佳衣:バンドが成長してきた中で、ライブで出す音一つとっても変わってきてるだろうから、きっと昔の曲も、今、やったら違う色になると思うんですよ。なので、例えば“この曲、黒だと思ってたのに、今、聴いたら実は赤だった!”みたいな驚きを与えられるように、1曲1曲のイメージを変えられるようなライブにしていきたいですね。

達也:僕はシンプルに自分に磨きをかけて、前回のライブよりも良いライブにしていきたいなと。自分がレベルアップすることで、過去の曲も色が変わったり、より輝いたりするだろうから、少しでも“何か変わった気がする”って感じてもらいたいですし、“音源で聴くよりもライブのほうがやっぱいい!”って思わせたいですね。

翔也:ただただ真っ直ぐ“カッコよくなりたい”っていうだけかな。きっとツアーを回っていく中で、見たことのない自分が見つかったりすることもあるだろうし、特に“こういうモードで行くぞ!”って決め込むことなく、頭でっかちになりすぎないようにしてます。

──ただ10年近くやっていると、見たことのない自分を見つけるのも、なかなか大変でしょう?

翔也:すごく大変ですね。でも、冒頭に話したように“真面目”なんで(笑)。たくさん楽しんで、たくさん苦しんで、乗り切りたいです。

yo-ka:長年やってきてるぶん、皆さんの中でのDIAURAに対するイメージが凝り固まっているのは重々承知の上で、ただ、自分自身は9年の中で今が一番DIAURAをリアルに愛せているんですよ。客観的に見ても主観的に見ても、今回の2枚が自信作なのはもちろん、ツアーやライブに対しても“どうなるんだろう?”っていうワクワク感が強いんです。自分で作ってるくせに(笑)。ホントに未知数で、観に来てくれる人たちと一緒にワクワクできそうだから、もう、これは単純に楽しむしかない! 9年経ったタイミングで、そんな謎のワクワクを味わえたのは、本当に幸せだと思いますね。

──ちなみに、結成が2010年の12月15日ということで、10周年アニバーサリー的なものも何か考えてます?

yo-ka:まぁ、12月はDIAURA始動の情報が出た日で、初ライブは2011年の1月22日だから、そのへんの日付は迷うところですけど、盛大にやりたいなとは考えてます。ただ、我々にとって何より大切にしている9月3日の“愚民の日”もあるので、今年もそこは空けとけよ!ってことは言っておきたいですね。9月3日は我々だけの日なので、楽しみにしておいてください。

取材・文◎清水素子

▲「Hydra」初回限定盤 A Type

▲「Hydra」初回限定盤 B Type

▲「Hydra」通常盤 C Type

18th Single「Hydra」

2020年4月1日(水)発売
■初回限定盤 A Type(CD+DVD)
NDG-010/¥2,200
[DISC 1]
1. Hydra
2. ポワゾ
[DISC 2]
1. Hydra(MV)

■初回限定盤 B Type(CD+DVD)
NDG-011/¥2,200
[DISC 1]
1. Hydra
2. ポワゾ
[DISC 2]
1. 「2019.12.24 恵比寿LIQUIDROOM Dictatorial X'mas」(6曲収録)ライブ映像

■通常盤 C Type(CD)
NDG-012/¥1,650
1. Hydra
2. ポワゾ
3. Promised Land

<DIAURA単独公演2020「BRILLIANT MONOCHROME」>

※公演に関する最新情報はバンドのオフィシャルサイトにてご確認ください
2020年
4月18日(土)神奈川】F.A.D YOKOHAMA
4月25日(土)埼玉・HEAVEN’S ROCK さいたま新都心 VJ-3
5月05日(火・祝)東京・渋谷WWW X
5月06日(水・祝)東京・渋谷WWW X
5月09日(土)千葉・柏PALOOZA
5月14日(木)広島・広島SECOND CRUTCH
5月15日(金)福岡・福岡DRUM Be-1
5月17日(日)岡山・岡山IMAGE
5月19日(火)静岡・静岡sunash
5月26日(火)茨城・水戸LIGHT HOUSE
5月28日(木)宮城・仙台MACANA
5月30日(土)北海道・札幌Crazy Monky
5月31日(日)北海道・札幌Crazy Monky
6月06日(土)大阪・大阪MUSE
6月07日(日)大阪・大阪MUSE
6月13日(土)愛知・名古屋ell.Fits All
6月14日(日)愛知・名古屋ell.Fits All
6月28日(日)東京・マイナビBLITZ赤坂

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