【インタビュー】『M 愛すべき人がいて』で話題の安斉かれん、原点はザ・ローリング・ストーンズ

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放送中は毎回Twitterのトレンド入りを果たすなど、大きな話題を呼んでいるドラマ『M 愛すべき人がいて』。アユ役の安斉かれんは、ちょうど1年前にシングル「世界の全て敵に感じて孤独さえ愛していた」でデビューしたソロアーティストだ。

◆ドラマ画像(13枚)・MV

鏡越しや映像技術を駆使したライブ出演など、デビュー当初はその姿をリアルの場で見せずに活動してきたため、バーチャルな存在なのでは囁かれることもあった彼女が、今、ドラマ出演という大きな挑戦で新たなフィールドへ旅立とうとしている。

BARKSにももちろん初登場ということで、気になるドラマ撮影の裏話から、これまで謎に包まれてきた安斉かれん自身のルーツやパーソナリティをひもとくインタビューをお届けする。明るく笑いの絶えないムードでストレートに放たれる言葉から、ミュージックビデオなどで見せていたクールなイメージとはまた違う彼女の魅力が見えてくるはずだ。

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■今こういう形で音楽に関わらせていただけて、ありがとうございます!って思っています。

──ドラマ『M 愛すべき人がいて』は、音楽やファッションはもちろん全体的に90年代のノリが癖になる感じで、私も楽しませていただいています。反響も届き始めていると思いますが、今どんなお気持ちですか?

安斉かれん:自分がテレビの画面に映ってるっていうのがまだ不思議です(笑)。まわりの友達や家族が「見たよ!」って言ってくれるんですけど、そういう会話も不思議な感じがします。見てくれる方が本当にたくさんいらっしゃって、自分のSNSにもコメントがたくさん届くので、反響の大きさに驚いています。

──ドラマ初出演で、大人気の俳優さんとか、ベテランの方々と共演しているわけですが、現場の雰囲気はどんな感じなんですか?

安斉:現場の雰囲気はすごく楽しいです。みなさん優しくて、わいわい喋っているんですけど、やっぱりカメラが回ると本当にバチッと役に入る感じがあって。そういう空気を感じるのは初めてだったので、すごく新鮮でしたし、勉強になります。


──しかも、みなさんのキャラクター設定が濃いじゃないですか。

安斉:めっちゃ濃いですねえ! 印象的だったのはやっぱり水野美紀さん。強烈ですよね! 思わず笑いそうになっちゃう時もあります(笑)。

──たしかに(笑)。いろんな方の表現を目の当たりにして、ご自身の音楽活動に還元できることや、刺激を受けることはありました?

安斉:ありますね。現場に入ってお芝居をしてみて、今まで気づかなかった目線の配り方だったり、「カメラに自分はこう映ってるんだ」って客観的に思ったり、自分がそうやっているつもりでも、映像に映ったら全然違うふうに映ってたり、いろいろ気づくことがありました。そういうところは今後のパフォーマンスだったり、ミュージックビデオ撮影とかにも活かせると思います。

──特に安斉さんの今までの活動では、人前で喋ったり、動く姿を見せてこなかったので、余計に新鮮ですよね。ドラマで新しい安斉かれんを見せられている感触もあるのでは?

安斉:そうですね! 結構みんなにびっくりされます。話す声を聴いて、意外でしたってコメントがあったりして。いろんな面を徐々に出せてるかなっていうふうに思います。


──安斉さんは1999年生まれということで、ドラマではご自身が生まれる前の90年代のエネルギッシュな空気を、音楽やファッションも含めて初体験しているわけですが、そういう空気感についてはいかがですか?

安斉:華やかな90年代の感じが現場では本当にリアルに再現されていて、タイムスリップしたみたいな感じなんです。実際にディスコとか行ったことはないけど、そういうところに本当にいる気分になれるんですよ。ファッションも、私達の世代からすると逆に新しく思えてきたりしますし。音楽もそうなんですけど、そういうのが全部新鮮で、すごく楽しいですね。

──流行は巡るって言いますし、ファッションは今見ても可愛いですよね。

安斉:超可愛いですよね。ドラマで使っている携帯も可愛くて! 私は携帯を持ち始めたのが、スライド携帯とか、ガラケーの最後くらいだったんです。だから、アンテナを伸ばすっていうのを知らなくて(笑)。監督さんが「それアンテナ伸ばすんだよ」って教えてくれました。ストラップじゃらじゃらつけるのも可愛いですよね。

──音楽もですが、全体的に盛り気味というか、テンションが高いんですよね。

安斉:ノリが熱いですよね。すごい時代だったんだなって思います。ドラマの中でも出てきた、東京ドームをディスコにしたイベント(<avex rave '93>)の動画も見たんですけど、「これ本当に日本?」ってくらい華やかで。今よりめちゃくちゃ元気っていうか、キラキラしてて、すごく楽しそうだなって思います。

──そんな90年代の名曲をエイベックスの若手アーティストがリバイバルした『avex revival trax』では、安斉さんはm-floの「come again」をカバーされています。

安斉:カバーが初めてだったので、ありがたいのももちろんなんですけど、自分なりにどう歌えばいいのかというプレッシャーもありました。私は中学生の時からこの曲を聴いていたので、すごく思い入れもあって。改めて、いつ聴いてもすごくいい曲ですよね。


──リリースは2001年ですね。

安斉:え、そんなに前なんですか? でも、いつ聴いてもフレッシュで新しい感じのサウンドがすごく好きです。あと、私自身は今までJ-POPな曲を歌ってきたので、新しいテイストの曲に挑戦したという感じもありましたね。冒頭の英語の発音がめちゃめちゃ難しくて、メロディも難しかったんですけど、こういう雰囲気の曲はほんとに大好きなので頑張りました!

──「CAN'T STOP THIS!!」のほうは、若手アーティストのみなさんと参加していて。懐かしいビートなんですけど、新しく生まれ変わってるなあと思いました。

安斉:音が送られてきた時は、めっちゃ90年代!って思いましたね(笑)。でもこういう曲も歌ったことがなかったので、歌う前からすごくワクワクしてました。私は普段ソロだし、90年代の華やかさって、なかなかひとりじゃ出せない部分だったんですけど、みんなで歌うことでその力強さみたいなものを表現できた気がします。完成するまでもすごくワクワクしてたんですけど、完成したものを聴くと、やっぱりみんなのパワーが集まった感じがしましたね。この曲本当に中毒性があるんですよ。ドラマの挿入歌にもなっているので聴く場面が多いんですけど、1回聴いたら頭の中でめっちゃ流れるから、思わず歌っちゃう(笑)。ノリやすくて覚えやすいし、みんなで歌うのにぴったりですよね。


──ドラマの中の音楽というと、やっぱり浜崎あゆみさんの音楽も重要なポイントになっていて。歌詞も曲も、今聴いても共感できるというか、時代を超える普遍的な良さを感じますよね。

安斉:それは私もすごく思います。あと、本当にこういうストーリーがあってこの曲ができたのかなって思うと、演じていてもすごいなって思うし。素敵ですよね。

──役を通してっていう感覚もあると思いますけど、改めて浜崎あゆみさんの歌詞を読んで、どう思いましたか?

安斉:感じたことをまっすぐに表現されているなあと思います。口に出せそうで出せない言葉を素直に書かれているので、多くの人が共感できる歌詞になっているんだなって、改めて思いました。

──安斉さんも歌詞を書いている側として、共通点を感じるところはありますか?

安斉:歌詞の部分で比べたことはないですけど……言葉選びも違えど、ずっとリアルに等身大な歌詞を書いているっていうところはちょっと共通してるかなって思います。


──なるほど。作詞する大変さとか、役を超えて気持ちがわかるところもあるのかなと。

安斉:そうですね。でも、作詞の仕方が全然違うので。私は、日々書きためてきた歌詞を曲に乗せるって感じなんです。ドラマの中では明日まで!みたいな期限があって、集中して書いたりする場面が出てきたりするので、そこはすごいなって。私にはできないと思います。私は今まで書きためたメモの中から引っ張ってきて、曲に合わせて組み立てていく感じで、結構早いんですよ。もちろんメモから言い回しを変えたりはしますけど、モチーフとか、なんて表現しようかとかはそんなに悩まないです。悩んでも、出てこないものは出てこないので(笑)。

──昔の感情をメモから掘り起こすみたいな感じなんですね。

安斉:はい。ほんとに日記読むって感じです。だから、恥ずかしくて自分ではあんまり聴けないです(笑)。特にデビュー曲は16歳の時の詞なので。結構恥ずかしいですね。

──そのメモは今も増えていってるんですか?

安斉:もちろん! 新しく刺激を受けたことがいっぱいあるので、そういうのも日々書いています。だから、それをまた歌詞にして、歌に乗せていけたらいいなって思います。

──ドラマの中で、アユはデビューを目指して頑張っているわけですが、安斉さんが音楽を志し始めたきっかけはそもそもどういうところだったんですか?

安斉:そもそもは音楽に興味を持ったのは、ザ・ローリング・ストーンズのライブに初めてお父さんに連れていってもらった時に、バンドメンバーがサックスを吹いているのを見て、わたしもサックスをやりたいって思ってやり始めたことですね。部活でやるようになって、そこからエレクトーンとかほかの楽器もやるようになって。高校生になって、もっと音楽全般をやりたくて歌を始めました。楽器のインストラクターを目指したりもしていたんですけど、何かしら音楽に関わっていきたいなって思っていたので、今こういう形で音楽に関わらせていただけて、ありがとうございます!って思っています。

──最初は楽器だったんですね。歌よりも、演奏する楽しさに惹かれたんですか?

安斉:そうですね。今も楽器好きですし。歌は、喉もひとつの楽器だろうってことで、歌ってみようみたいなノリでした(笑)。もともとカラオケも好きだったですけど、別にデビューしたいからっていうわけじゃなくて、音楽をやりたいからっていうだけでレッスンに通っていたので。だから、これから楽器を披露する機会があったらやってみたいし、作曲とかもやってみたいし、いろんなことに挑戦をしていきたいんですよね。

──ザ・ローリング・ストーンズが原体験っていうのが渋いですけど、そうすると原点にあるのはロックサウンド?

安斉:そうですね。お父さんの車でずっとザ・ローリング・ストーンズやハノイロックスを聴いていて。お父さんが趣味で家でギター弾いていたから、それに釣られてギターを弾いたりしているのが、楽しかったんですよね。そこから、最初はそういうロックばっかり聴いていました。今はロックも好きですけど、R&Bとかも好きです。何でも聴いて、いろんな音楽のいいところを探るようにしています。


──じゃあ、今ドラマでかかっているような昔のJ-POPのあたりは、意外とあんまり聴いてこなかったんですね。

安斉:そうなんです。最近になって聴くようになって、そういうのもいいなって思うようになりました。だから、自分のデビュー曲も90年代を思い出させるようなサウンドだったんですけど、私の中では逆に新しかったんですよ。いろんなことができるのがすごく楽しいので、さらにどんどん幅を広げていけたらいいなって思います。

──まだまだ引き出しはありそうですね。

安斉:そうですね! いつ引き出されてもいいように準備してます(笑)。


──デビュー2年目に入って、ドラマという新しい挑戦もされて。自分の将来に対してのイメージって見えてきました?

安斉:うーん……まだないですね。ははは! ずっと言ってるんですけど、自分の目標は特にないんです。この会場でやるとか、誰みたいになりたいとかはなくて。でも、とにかくずっと音楽を好きでいたいっていう気持ちから始まって、自分が今できることを全力でやるっていうふうに生きてきて、ここまで来たので。これからもそういうふうにやって行こうって思っています。完全にマイペースですね(笑)。やっぱり自分が一番音楽を楽しんでいなかったら、音楽の楽しさを伝えることもできないですから。

取材・文◎後藤寛子

安斉かれんInformation

4月1日(水)サブスクリプション音楽ストリーミングサービス限定リリース
4th SINGLE「FAKE NEWS REVOLUTION」配信中
https://avex.lnk.to/anzaikaren_fakenews

ドラマ情報

土曜ナイトドラマ「M 愛すべき人がいて」
【4月期】毎週土曜 よる11:15〜0:05 テレビ朝日系24局
・テレビ朝日公式HP:https://www.tv-asahi.co.jp/

「Abemaビデオ」配信日程:地上波放送終了後
「Abemaビデオ」URL: https://abema.tv/video/title/87-304
「AbemaTV」放送チャンネル:AbemaSPECIALチャンネル(放送日未定)
「AbemaTV」放送URL:https://abema.tv/channels/abema-special/slots/8THZqQdea

現在、「新型コロナウイルス」の感染拡大を受け、撮影スケジュールに変更が生じているため、「M 愛すべき人がいて」第4話の放送を当面の間、延期させて頂きます。放送日が決まりましたら、またお知らせ致します。

◆安斉かれん オフィシャルサイト
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