【体験レポ】スマホやPCを使っておうちでピアノレッスンができる「flowkey」

ツイート

「ピアノが弾けたら楽しいだろうな」「でも、自分には難しそう」「ピアノ教室に通うのも大変だし」。そんな人にオススメなのが、自宅でPCやスマホ/タブレットを使って気軽に練習ができる「flowkey」というアプリ。洋楽やクラシック、J-POPなど1,500以上の曲を揃え、好きな時に、自分のペースでレッスンが受けられる。


▲動画と楽譜を使って練習できるレッスンアプリ「flowkey」。初心者にもわかりやすい日本語による解説で無理なく上達することができる。

本記事では、「flowkey」アプリの概要をピアノ初心者による体験レポートも交え紹介する。レッスンを受けるには有料のプレミアム会員になる必要があるが、一部は無料で利用可能。さらに1週間のプレミアム会員のお試し期間ではすべての機能と楽曲の練習を体験することができる。スマホ/PCと、ピアノやMIDIキーボードを用意して、まずは無料で試してみよう。


▲flowkeyのウェブサイト。このサイトまたはiOS/Androidアプリから、メールアドレスやFacebookアカウント、Googleアカウントなどで登録すればすぐに使い始めることができる。

flowkeyはドイツ・ベルリン発のオンライン練習アプリ。flowkey GmbHにより2014年に同名の専用アプリを使ったオンラインレッスンのサービス提供がスタート。先ごろ日本語化が完了し、日本のアーティストの楽曲が追加されたことで、日本での注目度が急上昇している。開発はヤマハ・ミュージック・ヨーロッパとの提携により行われており、ドイツなどではヤマハの電子ピアノを購入すると3ヶ月間フリーでサービスが提供されているそうだ。

レッスンはビデオ映像と楽譜を使ったインタラクティブな構成で、画面表示だけでなくビデオ映像の音声解説もしっかり日本語化されている。内容はとてもわかりやすく、ピアノや楽譜の知識がゼロで始めても「何を言っているかわからない!」とパニックになることはない。

まずはこのYouTubeビデオをチェックしてほしい。デモ動画は英語版のもので音声も英語だが、字幕をONにして自動翻訳で「日本語」を指定すれば、その概要がつかめるはずだ。


■1,500曲以上の練習曲

flowkeyの最大の特徴は膨大な練習曲をラインナップしていること。ポピュラー・ミュージックを中心に、クラシックやJ-POP、映画音楽、ゲーム音楽など幅広く用意されている。いずれも実際に演奏している動画を見ながら練習できるので、指の運び方などもしっかりチェックできるようになっている。


▲アプリにログインすると表示される曲選択の画面。ここで表示される4つのレベルで絞り込みが可能。この色は各練習曲の左上にも付いている。画面はスマホ用のもの。

▲こちらは人気曲一覧。「菊次郎の夏 Summer」「レモン」は上級者用、「プリテンダー」は中級者用が人気。先にレベルを選択しておけば初心者用のみ、中級者用のみといった具合に絞り込みが可能。

練習曲は、「初心者」「中級者」「上級者」「プロ」のレベルがあり、それぞれ色分けされているので、一目瞭然。また、カテゴリーは以下がラインナップされている。ロック、ジャズといった音楽ジャンルだけでなく、ロマンチック、エネルギッシュといった曲のイメージからも探すことができるのもおもしろい。


▲カテゴリーは20を用意。「ゲーム音楽」や「映画&テレビ」に加え、「クリスマス」といった意外なものも(写真はPC版のアプリ画面を組み合わせたもの。内容はスマホ版も同じ)。

▲画面はウェブブラウザChromeで動作するPC版。上に並ぶカテゴリーは横スクロールする。スマホで登録したアカウントはPC版でも使用可能。一度に多くを見渡せるPC版で曲を試聴、気に入ったら「マイソング」に登録、その後スマホを持ってピアノの前に移動してレッスン開始という進め方もできる。

J-POPは上記「アジアンポップ」にカテゴリー分けされており、「菊次郎の夏 Summer」(久石譲)、「プリテンダー」(Official髭男dism)、「白日」(King Gnu)、「レモン」(米津玄師)、「パプリカ」(米津玄師)、「桜」(河口恭吾)などがナインナップされている。すべての曲で難易度が異なるアレンジが複数用意されるのも特徴のひとつ。たとえば「パプリカ」は初心者/中級者の2つ、「菊次郎の夏」や「レモン」は中級者/上級者/プロの3つがそれぞれ用意されている。初心者用がない曲は練習をがんばって上達してからチャレンジしよう。なお、いずれの曲もレッスン開始前に試聴することが可能だ。

また、アカウントの登録直後から、サブスクリプション契約のプレミアム会員にならなくても、8曲の練習曲をプレイすることが可能だ。

■レベルに合わせて選べる練習モード

練習には複数のモードが用意され、レベルに合わせて効率よく練習できるのもポイントだ。正しい音を弾くまで楽譜表示が進むのを待ってくれる「待機モード」や、演奏に関わらず流れていく「50%スロー再生」「75%スロー再生」「元のテンポ」の再生モードが選択できる。


▲自分のペースで練習できるモードを用意。待機モードでは、正しい鍵盤を弾くことで楽譜が進む。

▲右手、左手、両手の選択も可能。まずはメロディだけ(右手)、次は左手だけといった練習も。

▲鍵盤を弾くのを待ってくれる「待機モード」。タッチした状態で左右に動かすと戻したり進めたりといったことも可能。上達すれば一定のテンポで譜面が流れるようにプレイできるようになる。

▲「待機モード」では、正しく鍵盤が弾けるとチェックマークが現れ、画面が左に移動する。

初心者ならまずは「待機モード」で、鍵盤を間違いなく弾けるようじっくり練習しよう。また、これとは別に「右手のみ」「左手のみ」を選んで練習するといったこともできる。さらに範囲を指定して繰り返し練習することも可能。苦手なパートもこれでクリアできそうだ。


▲苦手パートのクリアに欠かせないリピート再生は、まず再生停止状態で楽譜上の繰り返しマークをタップ。左右の境界線を移動させることで範囲指定する。楽譜はピンチ操作で拡大縮小が可能。あとはプレイボタンで繰り返し再生がスタート。

■ピアノとPC/スマホの接続は不要、マイクでピアノの音を拾ってくれる

flowkeyを使った練習のメリットのひとつは、ピアノをちゃんと演奏できているかをアプリが判断してくれることにある。それが単にレッスンビデオを見て練習するのとは大きな違いだ。ここで、「PC/スマホとピアノの接続はどうするの?」「機械オンチの自分には難しいのでは?」と思う人もいるかもしれない。でも、flowkeyならその心配は無用。ピアノを弾いた音をPC/スマホ内蔵のマイクが拾うことで、ちゃんとピアノが弾けているかを判断してくれる。アコースティックピアノでも問題ないというわけだ。

同居する家族に迷惑がかからないよう、電子ピアノ&ヘッドホンで練習したいなら、MIDIやUSBによる接続がオススメ。最近の電子ピアノの多くはMUSB端子が搭載されている(スマホの場合はUSBアダプターなどが別途必要)ので、これらを利用すれば、アプリの反応もマイクによる音声認識よりも格段にいい。Bluetooth MIDIによるワイヤレス接続が可能な電子ピアノなら配線の面倒もない。

■充実のレッスンコース

いくら多くの練習曲が用意されるとはいっても、ピアノ未経験でいきなりこれらに向き合うのは無謀というもの。まずはピアノ演奏の基本を学びたい。うれしいことに、flowkeyには充実したレッスンコースが用意されている。コースは以下の8つ。

・ピアノにふれてみよう(8コース)
・両手で弾く練習(7コース)
・中級ピアノテクニック(6コース)
・コードをマスターする(7コース)
・コードを使った即興演奏(5コース)
・読譜の練習(8コース)
・長調と短調(10コース)
・長調と短調II(12コース)


▲各コースには5~12のコースが含まれる。無料で試せるのは各コースの1つめのみ。2つめ以降を選択するとプレミアム会員への加入をすすめられる。

▲各コースのアイコンはレベルごとに色分けされている。コードのマスターは中級(オレンジ)、即興演奏は上級(赤)。初心者は先に緑(初心者)の読譜の練習もチェックしたい。

これらを順番にクリアしていくことで、指が動くようになってくる。以下では、鍵盤初心者が実際にチャレンジした過程をレポートしたい。

◆鍵盤初心者のチャレンジ・レポートは次ページ
この記事をツイート

この記事の関連情報