【コラム】東京ディズニーシーのショーに心奪われた日 〜BARKS編集部の「おうち時間」Vol.042

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つい先日、東京ディズニーランドと東京ディズニーシー初の公式プレイリストが各種ストリーミングサイトにて配信された。ショーの音楽、アトラクションの音楽、各テーマポートの音楽……それらを順番に聴いていくなかで、パークに通いつめていた時期のことを思い出した。

子どもの頃からディズニーが大好きだったが、本格的にハマったキッカケは2006年〜2010年に東京ディズニーシーのアメリカン・ウォーターフロントにあるドックサイドステージで上演されていたミュージカルショー<オーバー・ザ・ウェイブ>だ。

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※<オーバー・ザ・ウェイブ>とは(Wikipediaより)
ミッキーらがクルーを務める「ドリーム・クルーズ」で多くの客を招くが、そこにイタリアの母の元を目指す兄妹トニオとマリアが密航し、そこで起きる様々な騒動の様子を描くミュージカルショー。



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それまでの私はショーにはまったく興味がなく、アトラクションに乗ること、お土産を買うことだけを目的にワンシーズンに1回ほどの頻度でパークに遊びに行っていた。

2006年の夏、ドックサイドステージの前を通りかかったとき、「まだ席が空いている」というアナウンスが聞こえ、「なにかやるっぽいしとりあえず観てみよう」という軽い気持ちで、キャストさんに案内された席へ。全体的にそこそこ座席は埋まっていたにもかかわらず、最前列のど真ん中だったので「なんで真ん中なのに誰も座ってないの……?」と少々困惑しながらショーの開始を待った。

あの日、後ろの方から観ていたら「ふーん、すごいな」で終わっていたと思う。最前列のド迫力はいとも簡単に私を“沼”へと引きずり込んだ。

ストーリーの良さ、道具を使った演出の数々に驚いたし、ミッキーやミニーなどの登場キャラクターはもちろん、ダンサーさんたちがかわいくてかっこいい! 「ディズニーのショーってこんなにおもしろいんだ」と気づき、様々な葛藤を乗り越えて3年後に年間パスポートを購入した。

▼1分24秒〜1分26秒あたりで<オーバー・ザ・ウェイブ>が一瞬映る


年間パスポートを持って、一人で遊びに行っていることを人に話すと、必ずと言っていいほど「一人で何するの? アトラクションに乗るの?」と聞かれる。私は完全にショー派で、時間があればグリーティングをするという楽しみ方をしていたため「ショーを観てるよ」と答えると、次の質問は「なんで同じショーを何度も観るの?」になる。

その理由は、“まったく同じ”になることは絶対にないから。多いときは週に1回ほどのペースで通い、1日に2〜3回は<オーバー・ザ・ウェイブ>を観ていた。もちろん展開は決まっているが、キャラクターを含めた出演者はよくアドリブを入れていたので毎度発見があったし、照明によって昼と夜の印象も全然違った。

だから、終了が発表されたときはショックが大きくて言葉にならなかった。

最終日の2010年9月8日、当日は台風が舞浜を襲った。空は不気味な紫色。それでもわずかな可能性にかけてパークに向かった。最終回が始まる時間の少し前に奇跡的に台風の目に入り雨風はやんだが、ステージは屋外なので床が濡れていて危険であるという理由から、キャラクターによる挨拶などもなく最終日の全公演が中止となった。ステージの周りに集まっていたファンたちは諦めきれずにその場に立ち尽くしていたが、一人、また一人とステージから離れていった。

結局、9月7日が実質の最終日となったわけだけど、私のなかで<オーバー・ザ・ウェイブ>はまだ終わっていない。いや、“永遠に終わらないショーになった”と言わせてもらってもいいだろうか。

夏は暑いし、冬は凍えそうなほど寒くて、ショーが始まるまでの待ち時間は非常に厳しいものだった。それにもめげずに通うくらい、本当に本当に大好きだった。早いもので、あれから10年が経とうとしている。

▲2010年9月に購入した、東京ディズニーシー9周年ぬいぐるみバッジ(ガラケー画質)

いま、東京ディズニーランドと東京ディズニーシーは休園中だが、音楽を聴けば大好きだったショーが目の前に蘇り、アトラクションに何度も何度も並んで乗ったあの日の風景が浮かびわくわくする。

春の<スプリングカーニバル>、夏の<ボンファイアーダンス>、秋の<ミステリアス・マスカレード>と<マウスカレード・ダンス>、アラビアンコーストに現れるストリート・シークス……もう1回観たいなあ。

年間パスポートを卒業してずいぶん経ったが、ディズニーが好きという気持ちは変わっていない。

文◎高橋ひとみ(BARKS)

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