【インタビュー】イケメン和楽器集団・桜men、正式デビュー「新しい和の形をいかに届けていくか」

ポスト

和楽器界で活躍している若手の奏者たち、その中でもルックスやパフォーマンス力にも優れたメンバーを揃えたのが桜menだ。そこにクリアなハイトーンボイスを持つ暦というボーカルが加わり、「男10人で伝統芸能をクールにポップに世の中に広めていく」という、これまでになかったグループが誕生した。

◆『華の大演舞会』全曲ダイジェスト

彼らは5月13日にデビューアルバムとなる『華の大演舞会』をリリースした。本作にはYouTubeで27万回再生を記録している和楽器でのX JAPAN「紅」カバーやボカロの名曲「千本桜」カバーといった話題の楽曲や、オリジナル曲に和楽器インストゥルメンタルナンバーまで、多彩な楽曲が収録されている。


と、ここまで書いただけでも「実力派和楽器奏者」「イケメン10人」「多彩な楽曲」と気になるポイントが満載。今回BARKSではメンバー10人にWEBインタビューを実施し、彼らの魅力に迫ってみた。


   ◆   ◆   ◆

■今までの人生で今が最大に幸せ

──BARKSに初登場していただくのでそもそものところからお伺いしたいんですが、皆さんはどのようにして和楽器に出会ったのでしょうか。

中村仁樹(尺八,篠笛):僕は小さい頃からクラシックピアノを弾いていて、中学生からはエレキギターを始め、バンドで曲を作ってました。高校生の頃に「和楽器って一体どんなものかな」って思って尺八を始めてみました。

──きっかけは意外と「どんなものかな」なんですね!

中村仁樹:そうでしたね(笑)。洋楽ばっかり聞いてきたので、逆に和の音に興味が湧いたというか。そんな時に師匠の音を聞いたんですが、それがすごくて。師匠は自分で曲を作って全国で演奏するような方なので、尺八でエレキギターのソロとか弾けたらかっこいいなと思ったし、バンド活動にも通じるなって思ったのもあります。

▲中村仁樹(尺八,篠笛)

佐藤公基(尺八,篠笛):僕は家族みんなが和楽器に携わった仕事をしていて。民謡というジャンルなんですが、父と叔父も尺八のプロ演奏家として活動しているので、それがきっかけでした。だから聞いてきた音楽もがっつり民謡や演歌でしたね。

──好きだ、嫌いだ、と思う以前に、身近に尺八があったんですね。

佐藤公基:そうですね、良くも悪くも(笑)。最終的には自分が好きになって尺八を始めたので、そこは家族に感謝してます。

匹田大智(津軽三味線):僕も母とおばあちゃんが民謡三味線の先生で。おばあちゃんは趣味で津軽三味線もやっていました。津軽三味線って派手なんで、僕に合いそうだと祖母が勧めてくれたのがきっかけでしたね。もともとはがっつり野球やっててプロ野球選手になるのが夢だったんですが、高校に入ったタイミングで三味線の師匠の元で津軽三味線を本格的に始めました。とはいえ聞いていた音楽は洋楽ばっかりだったんですが。

本間貴士(箏):僕の母もお箏の先生でした。演奏会に出ると和楽器をやっているおじちゃんたちが可愛がってくれていろんなものをくれたりするから、小さい頃からやってました(笑)。

──部活で知ったとかではなく、生まれた時から和楽器が身近にあった方が多いんですね。

本間貴士:でも和楽器で生きていこう、と思ったのは高校の頃です。高校では箏曲部に入ろうかなと思ってたんですが、僕が入学の年に廃部になっちゃって。勉強だけしててもつまらないのでバンドをやりました。ロカビリーってジャンルなんですけどいろんな条件をつけられつつ学校で史上初のライブをさせてもらって楽しんでたんですけど、このまま卒業して大学へ行く……という将来が見えなかったので二年で中退して、お師匠さんのところへ通うようになって大検を受け、和楽器のある音大に入って今に至る、って感じです。

大川義秋(箏):僕は高校でお箏に出会いました。4歳くらいからピアノ、中学では吹奏楽をやっていたのでJ-POPや西洋音楽的なものはずっと好きだったんですけど、高校に箏曲部があって。自分がやったことのないジャンルだったので、興味が湧きました。廃部寸前で僕ともう一人しか部員がいなかったんですけど……。そこからお箏が好きになって、その当時はずっと続けていくとは思っていなかったけど、やっているうちに人に喜んでもらったり人の支えになっていることを実感できて、大学一年生の時からいろんなところで演奏活動をするようになりました。

KIJU(津軽三味線):僕は音楽にすごく興味があったわけではなくて。新年の時とか親が日本料理屋さんに連れていってくれてたんですけど、そういう場で流れている曲がかっこいいなと思って調べたらそれが和楽器だったんです。その中でも一番デザインとか様式がかっこよくて力強いなと思って三味線を選んだ感じです。

▲KIJU(津軽三味線)

──KIJUさんは三味線を作る職人・三絃師としても活動しているそうですが、そのきっかけが日本料理屋さんだったとは。

KIJU:作ることが好きなんです。おじいちゃんもお父さんも物を作る系の人だったし、作ることが楽しくて。

花原京正(和太鼓):僕もたまたま行った和太鼓のイベントがきっかけになりました。音楽一家で育ったとかではなく、音楽よりも器械体操やサッカーなどのスポーツが好きでした。中学三年生の頃に母親に和太鼓のイベントに連れて行かれて、そこで和太鼓の音に衝撃を受けて。スピーカーから出る音ではなくて、生の直接伝わってくる音に感動して、そこから和太鼓を始めました。

──京正さん、秀正さん、古里さんは和太鼓パフォーマンスグループ「無限-MUGEN-」も結成していらっしゃいますが、その経緯は?

花原京正:和太鼓とスポーツを両方続けていたんですが、高校にサッカー部がなく。和太鼓を通じて音楽が好きになったので軽音楽部でいろんな楽器に触れたんですが、やっぱり太鼓の方が好きだなと思って、卒業と同時に本気で太鼓の道を目指してみようと東京に出ました。弟の秀正とは一緒にやろうと思っていたんですが、2人では何もできないのでメンバーを探していたところ、偶然、古里祐一郎を見かけて……。

古里祐一郎(和太鼓):俺いなかったら無限-MUGEN-はないですよ!!!!

花原京正:そうそう(笑)。一緒のイベントに出演していたんですけどすごく華のある奴がいたんですよね。それが祐一郎で。一目見て彼だなと思って、今に至ります。

▲花原京正(和太鼓)

花原秀正(和太鼓):僕も兄と一緒に行った和太鼓のイベントがきっかけで和太鼓を始めました。プロの和太鼓の演奏を見た時に、古臭いイメージだったのがガラッと変わって衝撃を受けましたね。その後、兄が東京に出てしまうんですが、僕も高校三年生の時に就職がひとまず決まっていたにも関わらず、誰にも何にも言わず東京に行きました。

古里祐一郎:僕は9歳の頃から和太鼓を始めました。きっかけは小学校の担任の先生が「サークルで太鼓やってます」みたいな案内をクラスに配ってくれたこと。和太鼓の迫力と音がすごく気に入って、そこからずっと続けています。僕も音楽一家とかじゃなくて、和太鼓単体が好きで始めた感じでした。実は高校ぐらいまでバンドをやっていて、BUMP OF CHICKENをコピーしたり、40歳くらいのおじさんとおばさんとバンドを組んでテクノポップみたいな音楽をやったりしてました(笑)。

──やっぱりパートはドラムだったんですか?

古里祐一郎:いえ、ボーカルです。なので、いつかは歌も……って、あっためてます(笑)!

暦(Vo):あはは(笑)。僕は母親が美容師だったんですけど、お店で有線が流れてて小さい頃からそれをずっと聞いていたのが音楽との出会いですね。L'Arc-en-CielやJUDY AND MARYが好きでした。そこから思春期になるにつれて、僕マジメなタイプなんでいろんなことに悩んでしまって……。そんな時、歌を聴いて救われたことがあったので、自分も歌ってみたいと思うようになりました。自分も孤独に悩んでいたから、そういう人がいたら歌で見えない力を届けたいなと。

▲暦(Vo)

──こうして聞いてみるとルーツや音楽との出会い方が様々で。そんな10人が集まったってすごいことですよね。

中村仁樹:古里祐一郎、KIJU、大川義秋と僕の4人で、2.5次元俳優の崎山つばさくんとコラボレーションしたのが桜menの始まりですね。大きな舞台を経験していく中でだんだん構想が大きくなってきて、自分たちの和のパフォーマンスをよりアピールしていきたいなということで、新たなメンバーと出会いながら今回のアルバム『華の大演舞会』を作りました。

──「桜men」というグループ名の由来は?

中村仁樹:和楽器ってちょっと古いと思われがちな部分があるので、もっとポップに華やかに伝えていけたらいいなという思い、そしてメンバーが男だけということから、桜menになりました。

──確かにキャッチーです。そして今回10人で正式にメジャーデビューという形になったわけですが、今のお気持ちを聞かせてください。

KIJU:メジャーデビューはとっても嬉しいです! メンバーが10人もいるけど一人もかけることなくここまでたどり着けて嬉しいなと思うし、これからもみんなで頑張っていけたらいいなと思います。僕個人としては、大好きだからずっと続けてきたことが、メジャーデビューという形で周りの人たちに認められることがすごく嬉しいなと思っています。

暦:今までいろんなバンドや音楽活動をやってきた中で、やっぱりメジャーデビューというのは一つの目標だったので、応援してくれている方にも何か恩返しができたような気分でもありますね。

▲花原秀正(和太鼓)

花原秀正:僕もいろんな活動をさせていただきながら、まず一つ目指したかったところがメジャーデビューなので、嬉しい限りです。ここからどんな風に桜menが進んでいくのかが楽しみな反面、ここが一つのスタートラインという感じで、ピリッとする感じもあります。

花原京正:この世界で勝負していくことを決めた時からの目標だったので、素直にすごく嬉しい。ただタイミング的に今世の中が大変な状況なのでちょっと複雑です。早く応援してくれている方々に感謝を伝えたいです。

大川義秋:アルバムが、和楽器と暦さんの声が組み合わさった力強さだったり切なさだったり、言葉の一つ一つが皆さんの元に届くきっかけになると思うととても嬉しくて。少しでも多くの方に「いい曲が聞けたな」と思ってもらえるように頑張っていきたいと思います。

古里祐一郎:和楽器ってこういうメジャーシーンに乗ることが少ないんですよね。でも和楽器のそれぞれの世界にプロフェッショナルがいる。僕らも実は結構すごいんですよ! なんだけど、なかなかメジャーの音楽シーンに乗ることってなかった。僕たちはこよみん(暦)と出会って、和楽器の音色に歌が乗ることですごくキャッチーでポップになり、人に伝わりやすくなって。さらにavexに後押ししていただいて、今僕らがここにいるんだなと感じられています。

本間貴士:そう、本当に和楽器でメジャーって珍しくて。avexからZANという男性和楽器ユニット、Rin'という女性和楽器ユニットが昔デビューしてたんですが、それもすごい上の先輩なんで、僕らが和楽器を始めた時には全然違う舞台だと思ってた。僕、群馬出身なんですがback numberがメジャーデビューしたときに地元がすごい騒ぎになって。メジャーデビューってそれくらい、映画で見る世界のような。だから正直まだ実感は湧いていなくて。こういう時期じゃなかったらいろんなリリースイベントとかあって実感できたのかもしれないです。

匹田大智:僕も実感がないですね。ただ、みんなが言う通り和楽器がメジャーシーンにのること自体が珍しくて。僕も三味線をやっていると言うと「珍しいね!」って言われちゃうくらいマイノリティなんで、これから良さをしっかり伝えていくということに対して気が引き締まりました。

▲匹田大智(津軽三味線)

佐藤公基:メジャーデビューまで行ける和楽器奏者が少ない中で、身内もメジャーデビューしているので僕もそれが夢のひとつでした。憧れの先輩と同じになるということは、後輩たちというか、これから和楽器始める子たちにも、憧れられる存在にならなきゃと思う。大智がいっていたように、演奏はもちろんですが、発言や言動にも責任を感じて、一音一音演奏していきたいなと思います。

中村仁樹:今までの人生で今が最大に幸せだなと感じるんですよ。もちろんこれから先も上に向かっていくんですが、今までの音楽人生のクライマックス的なのが今。桜menも10人体制になるまでにいろんなことがあったし、崎山つばさくんとのコラボだったりアニメ『ONE PIECE』のBGMに参加させていただいたり、いろんなことがあって、やっと「これが桜menの音楽です」というのを10人で形にできた。ここからは「和の世界をいかに世界に届けていくか」というチャレンジをしていかなければならない。喜びと決意というか、デビューできた喜びをモチベーションに、ここからさらに新しい和の形を今後届けていきたいとみんなで思っています。

◆インタビュー(2)へ
この記事をポスト

この記事の関連情報