【インタビュー】首振りDolls birthday企画第2弾 ナオ編

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新型コロナウィルスという怪物は、大きく世界を揺るがせ、人々の考え方すらも大きく変化させた。“当たり前”だった日常や常識や感情が“当たり前”では無くなり、人々の目の前には、見つめ直すべき日常や常識や、新たに向き合い、作り出していかねばならない世界が広がった。

人間が生きる上で必要なこととは何なのか?
人間が生きる上で音楽とは、エンタテインメントとはどうあるべきなのか?
誰もがこの期間に、それぞれの立場で直面する現状に自問自答したに違いない。そもそも“娯楽”の存在は、人間が生きる上で、空気や医療ほど必須なものではないのかもしれない。そう思うと、こうしてエンタテインメントに関わる仕事をする身としては、とても非力に感じてしまう。

新型コロナウィルス感染症の拡大を受け、3月からライブ活動を中止してきた首振りDollsのナオも、今回の予期せぬ時間の中でいろんなことを考えたのだという。4月に誕生日を迎えたショーン・ホラーショー(B)に続き、今回は、5月15日に誕生日を迎えたナオに、自らと音楽の関係性を語ってもらった。

◆首振りDolls 画像


──新型コロナウィルス感染症の拡大を受け、ライブ活動が止まってしまった今、ナオの中で何か変化はあった?

ナオ:ありましたね。首振りDollsとしては、2月28日の仙台でのライブを最後に3月からのライブは全て自粛しているので。3月20日、21日、22日の3daysで予定していたツアーファイナルの最終日に、無観客で配信ライブをしたんですけど、お客さんを招いての通常のライブというのは、丸々3ヶ月やれていないですからね。生活が一変しちゃった感じ。こんなにもライブをしないなんて、自分の人生の中でなかったから。2月28日のライブのときも、まさかここまでのことになるなんて、想像していなかったですもんね。あの日から全くライブができない生活が始まるなんて、本当に思ってなくて。1ヶ月くらいで収束するだろうと思っていたから。

──3月22日に収録したライブをDVD化するためにしたインタビューの中でも話していたよね。(※【03.22.2020『THE ROCKY GLAM DOLL SHOW II』】6月15日予約開始、25日リリース決定)

ナオ:そう。そのときは、まさかこんな長期戦になると思っていなかったから、1ヶ月ライブをしないってことが、バンドを始めてからの自分の人生においてなかったって話をしてたんだけど、そこから2ヶ月、さらにはこの先、今まで通りにライブができることがいつになるか分からないっていう状況になってきて、本当にいろいろと考えさせられたんですよね。自分と音楽との関わり方を。

──こうなった今、ナオにとって音楽の存在とは?

ナオ:より必要不可欠なものだってことを痛感したのと同時に、やっぱり俺は“ロックバンドとして生きてきたんだな”って思った。音楽をやっている人達の中にも、楽曲制作を中心にやっている人や、プレイヤーに徹して音楽をやっている人や、いろんな音楽との接し方があると思うんだけど、俺は、自分の人生と音楽は供にあることはもちろん、“ロックバンドとして音楽と接してきたんだな”って、実感したかな。普通にライブができてたときって、お客さんが待っててくれるから、とか、お客さんのためにライブしたり音楽やったりしてるんだって思ってたんだけど、今、こうしてライブができなくなって、“俺は生かされていたんだな”って思ったんですよね。

──音楽に?

ナオ:そう。音楽にもお客さんにも。お客さんって、“またライブしに来て下さい!”とか“また観たいです!”って言ってくれるから、その言葉に応えようと思っていっぱいツアーに行くバンドだったし、そのお客さんの声に答えたくてライブをやっていたっていう感覚だったんだけど、ライブができなくなった今、応えていたんじゃなくて、自分がその言葉と、ライブという場所に生かされていたんだなって思うようになったんです。首振りDollsは北九州のバンドだから、ツアーの始まりが九州だったので、東京まで車で走ってくると本当に遠くて、“ふぅ〜。めちゃくちゃ遠いなぁ、、、。疲れたぁ〜”って感じやったけど、ライブが終わる頃には疲れも吹っ飛んで、またすぐにでも東京に来たくなってた。それくらいライブが好きだったんですよね。もちろん、今もだけど、ライブができなくなって、よりそう思うんです。

──ナオにとって、音楽は、=ライブってことね。

ナオ:そう。本当にそう。音楽=ライブって言ってもいいくらい。それくらいライブが好き。ライブするために生きてた、って感じ。ライブできなくなった今も、曲を作ったりして音楽はずっとやり続けていて、音楽に触れない日は1日もないんだけど、なんかやっぱ物足りたいというか。何のために曲を作っているのか? って考えちゃう自分がいるんですよね。俺が音楽作るのは、ライブでみんなと共感し合えるために作ってんだなぁ〜って、今回の時間の中で改めて、自分が曲を作ってる意味を見つめれたっていうか。

──ショーンにも訊いたことなんだけど、ナオはスタジオミュージシャン志向ではない感じ?

ナオ:そうね。でも、プレイヤーとしての意識が無いってことではないけどね。俺はボーカリストでもあり、ドラマーでもあるから、プレイヤーとしては、ドラマーとしていろんな音色や技術的なことの知識もだんだん増えて来てると思うし、それなりにこだわりもあるし。知識的なところは後から身に付いていった気がするけど、そこよりも、感覚的なところの方から研ぎ澄まされていってた気がしますね。バンドマンとして。ライブをやり続けたからこそできるようになったことというか。体で覚えた感じというかね。だから、もともとプレイヤー気質ではなく、本当に叩き上げのバンドマン気質なんだろうなぁって思いますけどね、俺は。

──間違いなくね。

ナオ:そう(笑)。間違いなくバンドマン(笑)。

──最初に手応えを感じる瞬間って、どの作業をしてるときだったりするの?

ナオ:いやもぉ、手応えも何も、ライブやんないと手応えなんて感じられないもん!。

──いいフレーズが浮かんだときとか、“よっしゃ! キタ!”ってならないの?

ナオ:なんないかなぁ〜。スタジオで3人で音を合わせたときに、“おっ、いいじゃんいいじゃん!”ってのはあるけど、まだそこでは手応えまではいかないというか。作ってる段階で、“おしっ。これキタな!”っていう感覚があった曲とかも、ライブでやってみたら、“あれ? そうでもなかった!?”ってときもあるからね(笑)。逆に、30分くらいで書き上げた曲とかが、アンセムみたいになったりすることもあるし。だから面白いんですよね! 自分の感覚が全てではないというか。そこで生まれる感覚と科学変化ことそが醍醐味というか。“よし。最高のヤツ出来た!”っていうだけの自己満足ではないというかね。だから面白い。自己満足も必要なんだと思うけど、それだけじゃ足りない。ライブやってこそなんですよ、バンドマンって。ライブがなくちゃ生きれない生き物なんです。

──そうだね。自分が見る側で音楽を欲していた時代は、どういうところに魅力を感じていたの? どういうキッカケでその音に惚れたのか。興味を持ったのか。

ナオ:ん〜、そうねぇ。流行りの音楽は聴かないっていうタイプではなかったんだけど、圧倒的にオーバーグラウンドではない路線の音楽に魅力を感じるタイプであったのは確かで。好きになるキッカケは匂いかな。

──匂い?

ナオ:そう。でも、共通した匂いではないと思うんだけど、匂いが好き。だから、“このアーティストのことは何でも知ってる!”っていうタイプではなく、“このアーティストのこの曲のこと、この曲が入っていたアルバムのことは、誰よりも語れる!”っていう好きになり方なの(笑)。このバンドだから、全部が好きっていう訳ではない。でも、“このアーティストのこの曲のことなら誰にも負けないくらい語れます!”みたいな感じ。なんなら、この1曲しか好きじゃないけど、その1曲があるがためにそのバンドのことめちゃくちゃ好き! とにかく大好き! っていうのもあったりする。とにかく気に入ったアルバムがあったら、そのアルバムを一生聴く! みたいなタイプなのね(笑)。

──あ、そういえば、このマンスリーインタビューで、THE BOHEMIANSの平田ぱんだとTHE BLUE HEARTSの話をしてたとき、ぱんだに、“このアルバムを聴いてなくてTHE BLUE HEARTSは語れないってば!”って言われてたよね(笑)!

ナオ:あははは。そうそう(笑)! よく言われるんだけどね、そのときの対談でも言ったけど、俺の中では負けないくらいTHE BLUE HEARTSのこと好きなんですよ(笑)。自分の好きなTHE BLUE HEARTSの曲についてだったら、誰よりも語れる自信があるっていうか(笑)。めちゃくちゃ好きなの(笑)。

──人を好きになるときもそういう感覚?

ナオ:人を好きになるとき? い、いや。ん? どうなんやろ? いや、人を好きになるときは、全部が好き。全部を好きになる。いいとこだけじゃなく、嫌いだなぁ、嫌な部分だなって思うところも全部好きって思える。本当に好きになった人のことはね。

──じゃあ、嫌いになるときは?

ナオ:自分のこと嫌われたときかな。今まで生きてきて、憎しみ合うようなことが無かったことはないから、人を嫌いにならないことはないけど、自分に興味のない人は追いかけようとは思わない。自分が好きな人のことは追いかけるけどね。どんなことがあっても。対バンライブとかで、自分たちが演奏してるのに、興味なさそうにしてる人が居たら、振り向かせてやる! って頑張るけど、普通に生きてる中で自分に興味の無い人を、そこまで必死で振り向かせようとは思わないもん。

──ナオはバンドのリーダーでもある訳で、バンドを引っ張っていくためには自分が先陣切って人の輪の中に入って行かねばいけない立場でもあるけど、それは苦痛ではないの? 人見知りとかではないの?

ナオ:人見知りはしなくなったかな〜。小学生の頃は人見知りしてた気がするけど、大人になってからは人見知りしなくなった。父親がお店をやっていたこともあって、子供の頃からそこで手伝いとかしてたから、そこまで人見知りはなかったと思うけど、大人になって人見知りとかしてたら仕事できないから、自然としなくなった感じだったんじゃないかな。恥ずかしがってちゃ仕事できないから、人の接し方が変わったんだと思う。仕事をするなら、自分の殻を破っていかないとね。ガキの頃からバイトしまくりだったのもあって、普通の子供よりもスレるのも早かったと思うよ。自分で自分の殻を破ってみて思ったのは、怖がらなくてもいいんだなってこと。相手のことを不快にしない話し方を心掛けたら、相手もちゃんと自分のことを受け入れてくれると思うし。真っ直ぐに人と向き合えばいいんだなって。そう思えるようになってからは、人と話すのが怖くなくなったんですよね。

──そんな風に考えていた時期もあったんだね。

ナオ:うん。なんで人見知りかどうか訊かれたの(笑)?。

──あんまり人見知らないなと思ってたし、人に気を遣える人だし、生粋の後輩気質であるナオだけど、ナオの書く歌詞を読むと暗いから。明るく見えているけど、根は暗いんじゃないかと思ったから(笑)。

ナオ:あははは! 暗いとか言わないで(笑)! でもそうね〜、根暗なところはあるのかもね〜(笑)。そういうとこ歌詞には出ちゃうんだよね〜。


──最初に歌詞を書いたのはいくつのとき?

ナオ:中学生の頃。

──もうバンドやっていたの?

ナオ:うん。最初のバンドは中学2年のときだったかな。コピーもやってたし、オリジナルもやってた。SHAKALABBITSとかORANGE RANGEのコピーやってた。高校の頃にも掛け持ちでいろんなバンドやってたけど、その頃はCHARCOAL FILTERとかもコピーしてた。この前、CHARCOAL FILTERの「やさしさライセンス」聴き返してみたんだけど、改めていい曲だな〜って思ったしね。

──懐かしいなぁ、チャコフィル。本当にいいバンドだった。「やさしさライセンス」、いい曲だったよね。インタビューしてた頃が蘇るなぁ。

ナオ:曲聴くとその頃に引き戻されるよね。それが音楽のすごいとこだと思う。首振りDollsという音楽性のバンドをやっている今の俺をみたら、この頃にコピーしてたバンドは、自分が本当にやりたいバンドではなかったってのが分かると思うけど、コピーしてたバンド全部カッコイイし、今聴いてもイイバンドだなって思うんだよね。それぞれ本当にカッコイイと思う。でも、自分が本当にやりたかったのは、ザ・スターリンとかだったから。その頃、自分がやりたい方向性でコピーができていたのは、Nirvanaだったかな。

──Nirvanaには片鱗を感じるからね。バンドはドラムで?

ナオ:そう。ドラムで。父親がドラムやってたからね。実際のドラムに触ったのは中学の頃だけど、たぶん4歳くらいの頃から手遊びで教わってた。

──本当に英才教育だな(笑)。ザ・スターリンは、ナオがお腹に居る頃にお母さんがよく聴いていたからっていう話は前に聞いたことがあったけど、CHARCOAL FILTER、SHAKALABBITS、ORANGE RANGEをコピーしていた流れの中で、Nirvanaだけはちょっと異色だよね? そこはナオ発信?

ナオ:そう。俺発信。友達に、これやりたいって聴かせてやったの。Nirvanaを知ったキッカケってなんだったかな? やっぱ親父かなぁ。親父が車の中でThe OffspringとかMetallicaをよく聴いていたから、そこらへんを漁ってるうちにNirvanaにも辿り着いて、自ら『In Utero』(Nirvanaのアルバム)を聴いてみようと思って聴いたんだっけな。たしか。そのアルバムの中に入ってる「Very Ape」って曲がヤバくて! とにかくカッコ良くてめちゃくちゃハマって。“俺もこんなバンドやりてぇ〜!”って思ったの。

──出た(笑)。1曲集中主義!

ナオ:あははは。さっきした話と繋がるよね。その1曲で誰よりも語れる自信があるって話ね(笑)。でもね、そうなの。本当に「Very Ape」でNirvanaにドハマリしたからね。誰よりも好きな自信あるから(笑)。「Very Ape」はマジでヤバイ。俺ね、本当にヤバイくていい音楽って、すごく単純なんだと思うんですよ。単純なんだけど、絶対に飽きさせないの。そこがすごいんだと思う。「Very Ape」も、まさにそんな1曲。俺が好きになる曲って、そういう曲多いんですよね。俺が最初に、“これでいいのかぁ!”って思って好きになったのは、ゆらゆら帝国の「夜行性の生き物3匹」。あの曲ヤバイんですよ。本当にいい。感覚的なものなんだけど、本当にすごいと思うし、本当に好き。

──たしかに、「Very Ape」もすごく単純な曲だもんね。

ナオ:そう。その持論は今も変わらないなぁ。俺ね、好きな音楽は増えたけど、変わってない。今思うと、音楽をめちゃくちゃ吸収してた時期ってあったんだなって思う。本当に、体に染み込んでいってた時期がある。あの頃みたいに音楽聴きたいもん。

──聴き方が変わったってこと?

ナオ:うん。変わった変わった。

──スポンジじゃなくなったってこと?

ナオ:そう。スポンジじゃなくなった。

──どうして?

ナオ:自分で音楽やりだしたからかな。いろんなことが分かるようになったからかも。もちろん、今も純粋に聴いているんだけど、好みが昔よりハッキリしてきたのかなって思う。ん〜、でもポップスも今だに好きだったりはするんだけどね。昔、とにかくカッコイイなって思って憧れて聴いていたのはロックンロール。ロックバンドやパンクバンドには、スタイルも憧れてた。けど、普通に流行ってた浜崎あゆみさんとかも聴いてたし、aikoさんは歌詞も曲もコーラスワークも大好きだったしね。浜崎あゆみさんは、親父のやってた店に住み込みで働いてたバイトのお兄ちゃんの影響だったけど、aikoさんはテレビで歌を聴いて好きになって、自分でCD買いに行ったんだよね。そういう音楽も聴いてたけど、やっぱりザ・スターリンとかはずっと好きだったし。アンダーグラウンドな音楽は掘り続けてた。でも、転校も多かったから、友達と話すとき、誰も俺の好きなアンダーグラウンドな音楽を好きなヤツは居なかったから、好きな音楽を聴かれるときは、浜崎あゆみさんって言ってたりしたのもあって、めちゃくちゃファンだと思われて、誕生日とかにはいろんな浜崎あゆみさんグッズを貰ったりしたんだよね(笑)。母親に、“あんた、そっちに行ったかぁ〜”って言われたけど、12歳だった俺は、その言葉にわざわざ反論することもなく、心の中で、“いや、ちゃんとずっとザ・スターリンとかが好きだぜ!”って思ってたっていう(笑)。

──あははは。バンドで食っていけるようになりたいって思ったのは?

ナオ:音楽でプロになりたいとか、ご飯たべれるようになりたいって思い始めたのは、大学に入ってからじゃない? それまでは、そんなこと考えることもなく、音楽をやってることが当たり前だったから。音楽がない人生なんて考えられなかった。中学や高校の頃は、自分から音楽が無くなるなんて思ってもみなかったし、世間が狭かったから、周りに居た友達より音楽のこと詳しいって思ってたし、楽器もみんなよりはできたから、ずっと音楽やっていくものだって思ってた。当たり前にね。周りには音楽でプロを目指そうなんてヤツは居なかったからね。

──大学の頃からは、【当方プロ思考】になったの?

ナオ:いやいや。そんなことを取り立てて考えたこともなかった感じだったんだよね。けど、大学に行ったら、自分と同じような音楽の趣味の人達に出逢って、あぁ、世間は広かったんだなって思ったよね(笑)。井の中の蛙状態だったんだなって、そのとき思った。でも、やっぱりそれでも世間が狭かったから、ここまで当たり前に音楽やってるんだから、プロになろうと思えばいつでもなれるっしょ! って思ってたんだよね。偉そうな意味じゃなく、本当にそれくらい自分にとって音楽って当たり前に自分の中にあったし、共にあったものだったんですよね。だから、周りのヤツ焚き付けて、“一緒にプロ目指そうぜ!”って言うこともなかったしね。中学や高校のときの環境とは違って、大学にはすごく上手いヤツもいたんだけど、一緒に音楽をやり続けたいって思えるメンバーに出逢えていなかったのもあったのかもね。でも、今思えば、大学の頃くらいから、チラッとプロとして音楽をやるこを考え出したのかも。音楽の話を深くできるヤツらともそこで出逢ったし、そこで、ちょっと一旗あげたろかい! みたいに思うようになったのかもな。コンテストで優勝した先輩とかも居たりして、その先輩に頼まれてドラムで加入してオーディションとかも受けたこともあったから、そのあたりからちょっとプロとして音楽をやっていくということを意識するようになっていったんだと思う。その人は今も音楽続けているけど、すごくポップな音楽性だったから、ずっと一緒にやろうとは思わなかったしね。今、首振りDollsとしてジョニーとショーンと一緒にやれてることは、本当に幸せ。自分のやりたいことができてるからね。でも、現状に満足はしてない。不満があるという意味じゃなく、日に日にやりたいと思うことが増えていってるし、どんどん自分の中で可能性が広がっていってるのが分かるの。やりたいことが尽きることがない。“あ〜もぉ〜やりきっちゃったなぁ。つまんないなぁ〜”とか、スランプになるとか一切無い。やりたいことだらけ! 楽器の数も、今はギターとベースとドラムだけの音でやってるけど、そこの基本は絶対に変えずとも別の楽器の音も入れてみたいなって思ってたりもするし、音色ももっといろんな音を入れていきたいしね。個人的には、1番好きなハードコアとかもやってみたいし、チルアウトみたいな優しいふわっとした音楽もやりたいし。

──チルアウトかぁ。ちょっと意外だと思ったけど、でも、首振りDollsの曲の中でも、とことん柔らかい曲を作っていたりするもんね。「BROWN SUGAR」とか「月のおまじない」とか。

ナオ:うん。そうね。あとね、女の人の声が出るようになんないかなぁ〜って思ってる。なんかね、俺、自分の体一つじゃできない音楽がやりたいんだよね。まぁ、それはいつかね。お金かけてできることが増えたら、やりたいことなんて無限にあるけど、今は、ロックバンドとしてジョニーとショーンととことんロックンロールがやりたい。3人の音でもっともっとできることがたくさんあると思うから。いけるとこまでいかないと、やりたいこともできないから。ただただ今は3人の音で最高の首振りDollsの音を作りたいと思ってる。本当にまだまだ無限にあるからね。ジョニーとショーンと作りたい曲。

──いいことだね。期待してるよ。

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