【インタビュー】ディズニーの名曲を歌う7人組ディカペラ「僕たちの歌で元気な笑顔になってほしい」

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2018年に1500名以上の応募者から選ばれた7名で結成されたディカペラ。2019年のデビュー作『ディカペラ』でみせたのは緻密に構築された見事なアカペラだった。それから約1年、届けられた新作『オール・イアーズ』は、緻密さはそのままに即興的なライヴ感、フィンガースナップや手拍子が加わり、より心躍る歌を聴かせてくれる。レパートリーはもちろんディズニーの名曲たち。大ヒット曲から懐かしい曲まで多彩な内容も魅力だ。メンバーにリモートで話を聞いた。

■名曲の宝庫から厳選した13曲
■『スピーチレス~心の声』はみんなのアンセム
■「声をあげるのをやめないで」と伝えたい


――今回も楽しい曲ばかりで、この時期に気持ちが救われる思いでいっぱいです。

アントニオ:『アイ・トゥ・アイ』とか、聴くと思わず笑顔になるよね。理由はそれぞれでも、今は多くの人が辛い時間を過ごしている時。このアルバムを聴く人に喜びをもたらし、みんなが元気や笑顔を取り戻し、さらに家の中で踊ってくれたりしたら最高だと思っているよ。

――2作目というのはデビュー作の経験を踏まえて、クリエイティヴ面により深く関わりたくなると思うのですが、ディカペラはいかがでしたか。

カレン:前作は、メンバー決定の直後からレコーディングが始まったので、収録曲はすでに決まっていた。今回は白紙の状態から制作に加わり、私達にとって重要な選曲に関してアイディアをいろいろ提案したわ。


――実際にどんな楽曲を提案したのでしょうか。

カレン:アントニオが最初に話した『アイ・トゥ・アイ』は、テノールのRJとバリトンのオーランドが歌ったら、絶対にいいと思って私が提案した曲。オーランドが強く推したのが『俺のおかげさ』で、アントニオがディカペラ結成の日から歌いたがっていたのが『ゴー・ザ・ディスタンス』で、今回採用されたわ。

アントニオ:希望が叶っただけではなく、日本のファン投票で一番リクエストが多かった曲と聞いて、すごく嬉しかった。

――念願叶った楽曲を歌っていかがでしたか。

アントニオ:実際にマイクに向かい歌い始めると、なかなか思い通りにいかなくて、それを察知してくれたオーランドが「僕に何かできることはないか、どういう思いを込めて歌いたいと思っているの?」って声を掛けてくれたんだ。彼の言葉にあらためて僕は、この歌で何を伝えたいのか、自問することができた。ここがまた今回の良さだった。前回は7人が別録りしたので、互いに刺激したり、助けたりが出来なかったけれど、今回は7人全員で歌った曲もあるので、めちゃくちゃ楽しかったよ。

――7人全員で歌ったのって『みんなネコになりたいのさ』とか? コール&レスポンスがすごく楽しい。

アントニオ:そう、レスポンスの部分を7人全員で小さなブースにぎゅうぎゅう詰めになりながら、1本のマイクで歌ったんだ。

――アントニオばかりに聞くことになってしまうけれど、ヴォーカル・パーカッションのワザはどうやって磨いているの? いつもすごいと感心しちゃう。

アントニオ:僕はここに辿り着くまでに19年かかった。僕がビート・ボックスに夢中になるのは自分が楽器になれるのと、想像力で遊べるところ。ドラムの音は、ひとつじゃないから、スネアとクラッシュ・シンバルを合わせた音とかをどう出すか、そんなことばかりを考えている。でも、新作では僕以外にRJもヴォーカル・パーカッションに挑戦しているよ。


――そうなの? RJ、挑戦してみてどうだった?

RJ:めちゃくちゃ楽しかったのと同時に、アントニオは本当にすごいとあらためて思った。彼がドラムの話をしたけれど、いろいろな音があるから難しいんだ。スネアもブスッ!なのか、カチッ!なのか、迷うことばかり。アントニオにずっと相談していた。しかもヴォーカル・パーカッションは、いつも最初に録音するので、楽曲の出来を左右する責任感があるうえに孤独。ひとりで想像力を働かせながら歌うことになるからね。『俺のおかげさ』は、アントニオと2人で組んでやったよ。

――今回は手拍子とか、フィンガースナップも使っているでしょ。あれもアントニオが担当したの?

アントニオ:『大切なのはバスケット!』のヴォーカル・パーカッションは僕だけれど、手拍子とか、胸を叩いて音を出したのはジョーだよね?

ジョー:ほとんどは僕がやったけれど、どうしても上手く出せない音があって、それだけはプロデューサーのディークが代わりにやってくれたんだ。

アントニオ:ディークがやったの? 最高にクールだね。楽器を使わず、体で表現できるのかアカペラの魅力。胸だって叩く場所によって違う音が出るからね。

――他の人にも聞きたいわ。レコーディングはどうでしたか?

カレン:スタジオでも常にアイディアを出していたので、ソプラノのモーガンとメゾソプラノの私が歌うパートを交換してみたら、より曲が良くなった、という風にその場で曲がどんどんブラッシュアップされていった。それによって今回も、ディズニーの魔法に溢れたアルバムが出来たと思っているわ。

――新作で印象的だったのは実写版映画『アラジン』の劇中でジャスミンが歌った『スピーチレス~心の声』が1曲目に入っていたことなんだけれど、この曲は?

カレン:メンバー全員が好きな曲で、レーベルから提案された時は大喜びだったわ。この美しくて、力強いバラードは、自分の声なんて世界に届かないとか、自分はちっぽけな存在と思い込んでいる人達のアンセムだと思う。ディカペラは“声を届ける”ことを大切にしているグループ。この曲を通して、「誰かが阻もうとしても、声を上げること、自己表現することを止めてはダメよ」というメッセージを届けたいと思ったのよ。


――印象的なのはアルバム・タイトルもそう。『オール・イアーズ(All Ears)』にはどんな意味が込められているの?

ケリー:さまざまな解釈が出来る言葉なので、私達も気に入っているんだけれど、RJはまるで“掛詞”だねって言うの。ひとつは音楽的な意味合いでのAll Ears。私達はうまく歌うためには互いの声にしっかり耳を傾けて、注意をはらい、連携をとることを心に今回もレコーディングに臨んだ。ふたつめは新たに挑んだ収録曲への手応えや思い入れも込めている。そして、最後はEars(耳)と言えば、ミッキーマウスでしょ。ミッキーへの敬愛もたっぷり込められているわ。

――最後に日本のファンへのメッセージをお願いします。

カレン:世界が安全になって、自由に活動が出来ることになった時にはぜひ日本でみなさんに再会したいと思っています。劇場が再開されて、パフォーマンス出来る日を私達も心待ちにしています。昨年の日本での経験は、全てが素晴らしかった。

モーガン:本当にそう、私は日本の文化に興味を持っているので、訪ねた土地全てに感動したわ。特に京都は、美しい自然が身近に存在していて素敵だった。次に日本に行く時は、原宿のカフェにも行きたい!

ケリー:新宿のレストランにも行きたいんでしょ(笑)。

カレン:また、日本で会いしましょう!! 日本のファンが私達を忘れないでいてくれることを願っているわ。

取材・文●服部のり子
©Disney

■1分でわかるディカペラ


▲購入者特典

リリース情報

『All Ears /DCappella』
2020年6月10日(水)発売
デジタル配信スタート
UWCD-1079 ¥2,500(+税)
1.Speechless /スピーチレス~心の声 (アラジン)
2.I Just Can’t Wait to Be King/王様になるのが待ちきれない (ライオン・キング)
3.Ev’rybody Wants to Be a Cat/みんなネコになりたいのさ (おしゃれキャット)
4.Get’cha Head in the Game/大切なのはバスケット!(ハイスクール・ミュージカル)
5.I’ll Make a Man Out of You/闘志を燃やせ!(ムーラン)
6.I See the Light/輝く未来(塔の上のラプンツェル)
7.Circle of Life/He Lives in You/サークル・オブ・ライフ /ヒー・リブス・イン・ユー
(ライオン・キング/ライオン・キングⅡ シンバズ・プライド)
8.All I Want/私の願い(ハイスクール・ミュージカル:ザ・シリーズ)
9.You’re Welcome/俺のおかげさ (モアナと伝説の海)
10.I2I/アイ・トゥ・アイ(グーフィー・ムービー/ホリデーは最高!!)
11.Hawaiian Roller Coaster Ride/ハワイアン・ローラーコースター・ライド(リロ & スティッチ)
12.Into the Unknown/イントゥ・ジ・アンノウン(アナと雪の女王2)
Go the Distance/ゴー・ザ・ディスタンス (ヘラクレス)

[特典]
早期購入者特典:CDジャケット柄ステッカー(120mm×120mm)
Amazon 購入者特典:メガジャケ(240mm×240mm の特大ジャケット)
楽天 購入者特典:CDジャケット柄ポストカード(100mm×148mm)
※特典は早期配布終了、また対象外の店舗もございます。店頭にてご確認ください。
※特典のデザインは、CDジャケットと同様、後日発表いたします。
※発売日、商品内容等は予告なく変更となる場合がございます。

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