【インタビュー】CHIHIRO、聴き手のハートを直撃するさまざまな恋愛模様を描く『Rose Quartz』

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恋する女子の涙や笑顔にリアルな言葉で寄り添ってきたシンガーソングライターCHIHIROのニューアルバム『Rose Quartz』。今作には、今年4月から3ヶ月連続で先行配信されてきた「冷たくしないでよ」「もうおしまい」「幸せになってね」など、これまで以上に聴き手のハートを直撃するさまざまな恋愛模様が極上のメロディーとともに収められている。心の傷を癒す作用があると言われ、恋愛成就のお守りとして身につけている人も多いパワーストーンである”ローズクォーツ”の名を掲げた今作に込められたCHIHIROの想いとは──。

■『Rose Quartz』は淡いピンク色で恋愛成就の石
■パワーストーンとか好きな方は絶対に知っていると思います


――今日はニューアルバム『Rose Quartz』についてお伺いしたいのですが、その前にぜひCHIHIROさんの近況を聞かせてください。今年の春、ハワイから日本に戻ってこられたそうですね。

CHIHIRO:はい。向こうにいた経験は自分にとってすごく良かったなと思う部分が多いですし、気付いたこともたくさんありました。だけど、ファンの方とはなかなか会えないという状態でもありましたからね。それが「やっと…!」というタイミングでコロナ。(帰国が)もう少し遅かったらいろいろと難しかっただろうなと思いますし、もちろん今もコロナの問題とかありますが、やっぱり日本はいいなって改めて感じているところです。

――『Rose Quartz』の楽曲は、そういう状況の中で制作されていたんですか?

CHIHIRO:その前から始まってはいたので、引き続きやっていたという感じですね。いつもならミックスやマスタリングの時は実際のスタジオに行ってチェックするんですが、今回はリモートでした。レコーディングだけはスタジオでやることが出来たんですが、少人数で行って、みんな距離をとってという感じでしたね。

――完成したアルバムのタイトルは『Rose Quartz』。ローズクォーツは、パワーストーンの名前なんですよね。

CHIHIRO:はい。淡いピンク色をしているんですが、恋愛成就の石と言われているんです。パワーストーンとか好きな方は絶対に知っていると思いますし、実際持っている方も多いですよね。私が住んでいたハワイは石に宿っているパワーがとても強いと言われていて、スピリチュアルな先生なんかもすごく多いんですよ。占いをしながらその人に合うパワーストーンを選んで、作ってくれるところもたくさんありました。悪いものを吸い取ってくれたり、身代わりになってくれるような力があるみたいで、普通に使っているだけなのに突然黒く濁ったり、割れたりするんですよね。なんとなく自分を見守ってくれているものというか、お守りみたいな感じで私も身に付けていました。あと、ファンの女の子が手作りで作ってくれてすごく嬉しかったのを覚えています。

――恋愛成就の石なら、CHIHIROさんの作る音楽との相性もバッチリですからね。

CHIHIRO:(笑)。確かに私がいつも書いていることや、今回のアルバムのコンセプトにもすごく合うなと思ったんですよね。『Rose Quartz』って、名前も可愛いから「これだ!」と思ってタイトルにしました。

――今回はこのアルバムとローズクォーツのブレスレットがセットになったものも数量限定で販売されるそうですね。

CHIHIRO:アルバムを聴きながら身に付けてもらったら、最強かなと思って(笑)。


▲『Rose Quartz』【初回限定盤】


▲『Rose Quartz』【通常盤】

――こういうパッケージのアイデアも、CHIHIROさん自身のアイデアがベースになっているんですか?

CHIHIRO:そうですね。タイトルなどを早い段階で決めて、そこからどんどんイメージを広げながら作っていきます。例えばこれまでだと、香りと恋をコンセプトにしたアルバム『Love Fragrance』(2011年)ではCDのパッケージの中に香水の絵があったり、特典で香りのするものを付けたりもしました。常に、女の子が持っていて気分が上がるようなものをイメージしていますね。持っていたら恋愛力が上がるとか、女子力が上がるとか、そういうものをコンセプトにするようにはしています。

――CHIHIROさん自身も、身に付けるものなどはそういう気持ちを大事にされるんですか?

CHIHIRO:はい。やっぱり持っていて気分が上がるものがいいですよね。そうすると自分磨きにも繋がる気がしますし、気分の切り替えになったりもするかなと思うので。フレグランスもローズクォーツもそうですけど、たとえ嫌なことがあったとしても、持っているだけで気持ちを変えられる。そういうものに、このアルバムもなったらいいなというイメージです。

――では今回の収録曲を見ていきたいのですが、まず、今作のリリースに先駆けて3ヶ月連続で先行配信されていた3曲について聞かせてください。

CHIHIRO:私は泣き歌が多いので(笑)、3ヶ月連続して出すのであれば、最後はちゃんと幸せな方向に進みたいなというイメージでした。女の子が失恋したり、もうおしまいにしなきゃいけない恋を終えたりするんだけど、最後は幸せになってねっていうストーリーになったかなと思います。

――まず「冷たくしないでよ」ですが、今は好きな人の近況がSNSで追えてしまうからこそ、1人でモヤモヤしてしまうその状況が描かれていますね。

CHIHIRO:知らなくていいことまで知れてしまうじゃないですか。だから余計に、想像して妄想してしまう。LINEのメッセージだって、相手が読んだってわからなければまだ楽なのに、わかっちゃうからモヤモヤするんですよね。

――この曲は連続ドラマ「マイラブ・マイベイカー」のエンディングテーマにもなっていますが、どんな風に物語を彩っていくのかも楽しみです。

CHIHIRO:今回のお話をいただいたのがちょうどこの曲のデモを作っていた時だったので、原作になっているマンガを読みながら歌詞を仕上げていきました。そんな風に作ることはあまりないので、自分の中では挑戦でもあり、楽しく作る事ができました。

――第2弾の「もうおしまい」は、とにかくタイトルが強烈です。

CHIHIRO:みんなからよく言われます。「なんでこんなタイトル!?」って(笑)。でも自分では、全然普通に出てきた言葉なんですよ。曲も一気に書けたんですが、タイトルも迷わず付けましたね。すごく自然に。あと、「どうして私の気持ちをそのまま書いているんですか!?」って特に歌詞の反響も大きく共感していただけて嬉しかったです。

――みんながそう言いたくなる気持ち、わかります。

CHIHIRO:以前「RESET」(2014年)という曲を出したんですね。この「もうおしまい」に近い世界観の曲なんですが、終わりにしなきゃいけないってわかっているけどやめられない恋っていっぱいありますよね。都合よくされたり、あやふやにされたり。恋愛に関する相談も、そういうものが一番多いです。「「RESET」を聴いてリセット出来ました」という女の子もいれば、「やっぱり出来ない、やっぱりまだ好き」っていう女の子もすごく多くて。でも「もうおしまい」は「RESET」よりももっと強いワードだから、みんなの感想も今回は「私ももう終わりにします!」みたいな感じではっきり決断できた女の子も多かったです!

――みんな、CHIHIROさんの曲を聴いて強くなっていくんですよ(笑)。

CHIHIRO:(笑)。でも私の中に確固とした恋愛感があるから、きっとみんなそこを理解してくれているんですよね。その上で、私が書くメッセージを聴いてくれている子が多いのかなって思います。

――MVでは、たくさんの靴が象徴的に使われていたのも印象的でした。

CHIHIRO:最初はたくさんの女の子に出演してもらうか、たくさんの靴にするか悩みました。(結果的には)女の子の象徴というか、1人の女の子がひとつの靴みたいな感じで表現していただいたんですが、いろんな女の子が恋を頑張ってきた証として…50足くらいだったかな?たくさんの素敵な靴を揃えていただいたんです。監督さんとも、靴のほうが逆に迫力あったかもねって話してました。

――個人的には、1人の女の子が経験してきたいろんな恋が、靴のバリエーションで表現されているようにも感じました。

CHIHIRO:そうですね。あとは人生とか、歩みとか。靴って結構個性が出るじゃないですか。だからその女の子の歩いてきた道みたいなことも、表現できているかなと思いました。黒い靴が静かに落ちていくシーンとか、女優の内山愛さんの表情、赤い糸がほどけていく感じとかすごく好きなんです。ぜひじっくり見ていただきたいです。

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