【インタビュー】ZIGZO、岡本竜治×大西啓之が語るコロナ禍と12ヵ月連続リリース「毎月対峙できる喜びがある」

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■感動がそのまま音に出るだろうから
■勝手に出てくるものが滝のようにある

──コロナ禍によって改めて音楽の大切さや素晴らしさを感じる場面は少なくありません。お二人にとって音楽はどのようなものになっていますか?

岡本:俺は今、フヌケているんですよ。というのも、RYOとDENの二人が今年50歳を迎えることを記念してtest-No.主催イベント<CHAIN THE ROCK FESTIVAL>を8月に開催する予定だったんですが、コロナ禍の影響で早々に延期発表したんです。2008年から10年間行っていたイベントを2020年に復活させて、お祭り騒ぎしようとしていたもので、参加するメンツも内容もほぼ出来上がっていた。その段階での延期発表だったから喪失感が強くてね。中止ではなくて延期としたのは絶対に開催するという意思の表れではあるんですけど、今現在、新たな日程を決めて進めることができる状況ではない。それが決まると自分の気持ちも変わってくるのかなとは思うんですけどね。

──それだけ、イベント<CHAIN THE ROCK FESTIVAL>に思い入れがあるんですね。

岡本:完全に安全なライブが開催できるようになったら、必ず実現させたいですね。さっきも話したように、この2~3ヶ月はステージに立っていなかったし、配信ライブに弾き語りで参加したときも“アコギってこんなに音、大きい!?”ってビクッとしたくらいで(笑)。それほど演奏から遠ざかっていたんですけど、その配信ライブでやっぱり気持ちいいと思ったんです。みんなで騒いだりすることも魅力的だし、それ以前に大音量に身体が包まれることの醍醐味を改めて感じて。自分自身、生きる上で大切にしているものを見つめ直すことができた。


大西:<CHAIN THE ROCK FESTIVAL>の延期判断が、僕らの中では一番先だったんですよ。ZIGZOとしてライブを“やる/やらない”という話よりも早かった。お客さんに危ない思いをしてもらいたくないという考えが一番にあったし、様々なバンドやスタッフが集まるイベントだから無理だという判断もあった。これは僕個人の考え方ですけど、音楽やライブが大好きだとしても、それは人命よりも大事なものではないと思っていて。人を救うために音楽をやめてくれと言われたら、僕はやめられるんです、ほかにまた面白いことをやれるだろうから。今回はその選択に近かったですね。やる気満々だったけど、延期という声に平然と賛同できた。みんなに生きていてほしいし、誰かの不幸の原因になるのは絶対に嫌なんです。

岡本:考え方はDENと全く一緒ですね。仮にライブ会場で感染しなかったとしても、行き帰りの電車の中で感染するファンが居るかもしれない。どんな形であれ感染のきっけかになるのは良くないことだから。

大西:イベント延期を決めた後、バンド活動すらできない状態になってしまって。その間、さっきお話したような制作や配信をしていたら、時間はアッという間に過ぎてしまったんですね。僕は7月19日にSAKURAと鍵盤の吉田トオルと3人でアコースティックライブ(ZIGZO Tour 2020代替公演<ZIGZO、そのかわり!>)を行うんですけど、衣装はどうしよう?と思って、昨日はミシンをかけてました(笑)。

岡本:マルチだなぁ(笑)。

大西:ははは。コロナ禍について深く考えないようにもしているんですよ。相手が見えないものだし、終わりも見えない、来年もっと酷いことになっているかもしれない。僕らはそれに対して、知恵を絞って新しい表現方法を提示することが必要だし、即座に対応できるような準備はしておきたいんです。ただ、乗り遅れないようにという気持ちはあるけど、新しい層に向けて広げたいわけではなく。応援してくれる人のために、自分がやりたいことを突きつめていきたいです。

岡本:ここにきてようやく、ガイドラインに沿った形であれば、お客さんを入れてライブができるという流れになってきた。だったら、その方法を模索しつつ歩み始めたいという気持ちにもなっています。たとえば、7月から始まるライブ(ZIGZO Tour 2020代替公演<ZIGZO、そのかわり!>)は、その新しい一歩になるわけで。もちろん細心の注意を払って、みんなで気をつけるんだけれど、それでもなにか起きてしまったらという事態も踏まえている。覚悟を決めたうえで、新型コロナと戦っていこうと思っています。

──頼もしい限りです。では、完全形のライブができるようになったら、どんなことを伝えたいと思いますか?

岡本:考える必要はないですね。感動がそのまま音に出るだろうから。勝手に出てくるものが、滝のようにあるだろうし。苦しい時期を乗り越えたうえでのライブは、1本1本がおのずと今までのライブにはなかった色濃いものになると思う。そういったことを自然体で受け止めたいし、それを楽しみにしている。そこから生まれる新しい曲もあるだろうし。

大西:いつもどおりのライブをすると思います。コロナ禍で思ったことは、それまでやってきたライブって、実はすごいことだったということ。だからまた、いつものライブを取り戻すことが、最初というか。そこから先は、発したいものがとにかく大量にあるので、自分のパフォーマンスとかもヘタに張り切りすぎて、とっ散らかるかもしれない(笑)。空回りしても、それでいい。嬉しいという気持ちが伝わるライブにしたいし、それを実現できる日常が1日も早く戻ることを願っています。

取材・文◎村上孝之

■ZIGZO Tour 2020代替公演<ZIGZO、そのかわり!>開催決定

※少人数観覧限定ライブ / 生ライブ配信

▼<髙野哲と岡本竜治の「ZIGZO、そのかわり!」>
7月17日(金) 東京 高田馬場 CLUB PHASE
open18:30 / start19:00
出演:髙野哲・岡本竜治

▼<DENと櫻澤泰徳と吉田トオルの「ZIGZO、そのかわり!」>
7月19日(日) 埼玉 浦和ナルシス
open18:30 / start19:00
出演:DEN・櫻澤泰徳・吉田トオル

▼<髙野哲と岡本竜治の「ZIGZO、そのかわり!」>
7月23日(木) 京都 KYOTO MOJO
open18:30 / start19:00
出演:髙野哲・岡本竜治

▼<髙野哲と岡本竜治の「ZIGZO、そのかわり!」>
7月24日(金) 神戸 VARIT.
open18:30 / start19:00
出演:髙野哲・岡本竜治

▼<髙野哲と岡本竜治の「ZIGZO、そのかわり!」>
7月26日(日) 大阪 LIVE SQUARE 2nd LINE
open18:30 / start19:00
出演:髙野哲・岡本竜治

▼<髙野哲と岡本竜治と吉田トオルの「ZIGZO、そのかわり!」>
8月15日(土) 東京 kichijoji Planet K ※7/18延期公演
open18:30 / start19:00
出演:髙野哲・岡本竜治・吉田トオル

【チケット】
前売¥5,000 / 当日¥6,000
※税込 ※ドリンク代別 ※全席自由
一般発売日;2020/7/4(土)
※未就学児童入場不可 / 小学生は要保護者同伴・有料
※詳細は後日発表

■セレクトリテイクシリーズ第二弾「The World Introduction (2020ver.)」

2020年7月20日(月)配信リリース
▼配信URL
https://linkco.re/bMpESmub


■セレクトリテイクシリーズ第一弾「FOREVER YOUNG (2020ver.)」

2020年6月20日(土)配信リリース
▼配信URL
https://www.tunecore.co.jp/artist/zigzo



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