キャバーン・クラブ、コロナ感染拡大の影響で閉店の危機

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英国リバプールにある世界有数のライブ・ハウス、キャバーン・クラブが、新型コロナウイルスの影響を受け、閉店の危機にあるという。ザ・ビートルズの聖地の1つである同クラブは年間約80万人が訪れる盛況ぶりだったが、3月に英国でロックダウンが実施されて以降、毎週3万ポンド(約420万円)の損失を出しているそうだ。

◆公開された映像

先週終わり、オーナーの1人Bill Heckle氏は「雨の日(万が一の場合)には備えていたが、嵐だった」と苦境を訴える映像を公開した。「7ヶ月前、キャバーンが立ち行かなくなるというシナリオなど誰も思いつかなかった。僕は実際そう言っていたしね。数年前、僕らは雨の日(万が一)に備え、できる限りの金を銀行に預けておこうって決めたんだ。それが嵐になるとは考えていなかった」「140万ポンド(約1億2,000万円)あったのが、いまは半分だ」

閉鎖していても週3万ポンドの負担があり、すでに約20人を解雇し、この先さらに20人の人員削減を検討しなくてはいけない可能性があるという。



リバプール市議会は、キャバーン・クラブの存続は政府の文化芸術分野への緊急支援基金の対象になるかどうかにかかっているとコメントしている。Heckle氏は、利益と同じだけの補償があることを望んでいるわけでも期待しているわけでもないが、少なくとも損失が出ないようにして欲しいという。

この映像を公開後、キャバーン・クラブのTwitterでは「いますぐ閉鎖という状況ではないが、このような状態が続けば困難に直面し決断を迫られる」「ビデオが作られた後、政府はライブ・ミュージックは間もなく再開できると発表した。そうなれば、我々はこの国有数の名所/ライブ会場の1つとしての地位を維持/発展できると信じている」とつぶやいており、また、世界中から届く支援の声に感謝した。

キャバーン・クラブは今月終わりよりオンライン配信を始める予定。「収益があるわけではない。我々がここにいることを人々に思い出して欲しい、この状況を抜け出すのが目的」だという。

キャバーン・クラブは1957年に開業。1973年に地下鉄建設計画により取り壊されたが、1984年にオリジナルのレンガを使い再建された。不況に見舞われた80年代後半に再び閉店したが、1991年にHeckle氏、Dave Jones氏らがオーナーとなり営業を再開し今に至る。

Ako Suzuki
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