【ライブレポート】谷山浩子、自身初の配信ライブ開催「何ていうか……ビビっています」

谷山浩子が、duo MUSIC EXCHANGEにおいて『谷山浩子とduo MUSIC EXCHANGE ～ Birthday Eve LIVE～』と題したピアノ弾き語りのコンサートを8月28日に開催した。

このコンサートは、会場となるduo MUSIC EXCHANGEと、アーティスト・オーディエンス・スタッフで力を合わせて、音楽を発信し続けたいという思いを込め企画されたもの。会場内は少人数限定とし、同時に谷山自身初となるライブ配信（有料）も行われた。

夜8時、オーディエンスの拍手に迎えられ谷山浩子がステージに登場。“こんばんは、谷山浩子です。今年2月の奈良でのコンサート以来、半年と半月ぶりとなります。こんなに間が空いたことがなかったので、何ていうか、、、ビビっています（笑）。いつもより距離を取ってマスクをしてくださっているお客様、配信で観てくださっている皆様、少しの間悩みを忘れて楽しんでいただけたらなと思います。”

谷山浩子のコンサートでは珍しい冒頭のMCが、会場の緊張をやわらげていく。

1曲目に披露されたのは、遠くに離れている誰かに向けて歌うことをテーマにした「同じ月を見ている」。歌の中に出てくる“元気でいると伝えたい”という内容が、会いたい人に会えないこの時世と相まって、より一層心に響いた。

続いて、NHK『みんなのうた』つながりの「まっくら森の歌」「花さかニャンコ」を歌唱。MCを挟んで、元気がなくなっている人のために岩男潤子作曲、谷山浩子作詞の励ましソング「ここにいるよ」、そして谷山浩子が歌いたい楽曲としてセレクトした「白雪姫と七人のダイジョーブ」、映画『ゲド戦記』の挿入歌として提供した「テルーの唄」と続く。前半最後の楽曲は、谷山浩子の中で一番“密な歌”だという「終電座」。みんなが心置きなく密になれる時間が来れば良いなという思いを込めて歌唱された。

休憩をはさみ、後半は谷山浩子のライブではおなじみのリクエストライブ。会場のオーディエンスは事前にメールで、配信視聴者からはチャットでリクエストを募り、その中から谷山浩子がセレクトして歌うという企画。

まずは、普段からリクエストも多く人気の高い「カントリーガール」からスタート。自身も好きな曲だがあまり歌う機会がないという「果物屋のテーマ」、「猫が行く」とみんなが聴きたい谷山楽曲がセレクトされる。

次のセクションでは、「絶対に成功するはずがない！なぜなら難しく速い曲だから。弾き語りの曲ではない」と断言して会場から笑いを誘った谷山楽曲のなかでも指折りの難曲「パズル」、「無限マトリョーシカ」を披露。発言とは裏腹に、見事に歌い切り会場のテンションも高鳴っていく。ラブソングをテーマにセレクトしたラストのセクションでは、Dennis De Youngの楽曲を谷山が日本語詞にした「DESERT MOON」、少年の失恋の歌である「星より遠い」を披露しステージを降りた。

オーディエンスの拍手に応えアンコールで再登場。お礼の曲として谷山自らがセレクトした「さよならのかわりに」を演奏。鳴りやまぬ拍手に包まれながらコンサートの幕を閉じた。

約半年ぶりのコンサートを終えた谷山浩子だが、9月16日には自身初の映像作品で初のDVD化となる『1991 谷山浩子コンサート with ねこ森アンサンブル』（DVD）のリリースも決定している。今回のコンサートとはまた違うオーケストレーションされた谷山の貴重な映像となっているので、ぜひこちらもチェックして欲しい。