【インタビュー】めいちゃん、憧れの“場所”から発信するメッセージ

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■死ぬこと以外、かすり傷

──ではここからその3曲について聞かせてください。アルバムリリースからそんなに間を開けずに配信がスタートしましたが、これは当初から予定をしていたことだったんですか?

めいちゃん:いや、していませんでした。コロナの期間になってから、全てがキャンセルになってしまったんですね。時間という時間が有り余ってしまったので、何かできることはないかなって考えているうちに、これはもう曲を作りまくってしまおう!というマインドに切り替わりまして。

──6月の「ブライトサイン」を作るにあたっては、実際にコロナの状況なども影響していますか。

めいちゃん:高校の友達とかと話す機会が増えたんですよ。お互い「大丈夫?」とか「何してる?」みたいな感じで。そういう時に話を聞いていると、やっぱり外に出られなかったりして、みんなすごく孤独を感じていたんですよね。よく一生のうちに“親友”が2人いればいいとか言いますけど、そう考えた時に、自分は全然いないと。でも、強いて言うならと言いますか、“友達”と呼べる人は絶対にいっぱいいるはずなんですよ。そういう人をなぜか見ないようにして「友達はいない」って言うのがすごく寂しいなと思って、<孤独じゃないよ>っていうこの曲を書いたんです。

▲めいちゃん/「ブライトサイン」

──単純に知り合いで留めておくというか、友達という関係にまで踏み込みたくないっていう気持ちが働いているんでしょうね。

めいちゃん:たぶん。相手はきっと友達だと思っているのに、なぜかガードみたいなものを作って、閉鎖的になっている気がするんですよね。

──その点、めいちゃんはどうですか?

めいちゃん:僕は友達大好き人間なので、最近もそうですが、結構僕から「何してる?」とか声を掛けるほうですね。逆に、自分もそうされると嬉しいし。その気持ちが一番大事だと思うので、歌詞の中にも<幸せなエコロジー>って言葉があるんです。そんな風に、巡っていけばいいなと思うから。

──とてもナチュラルに気持ちを前向きにしてくれる曲だなと思いました。MVはちょっと懐かしいテイストのアニメーションでしたね。



めいちゃん:80年代、90年代っぽいああいう感じがすごく好きで。このイメージを言葉にして伝えるのは難しかったんですが、思っていた通りのことを汲み取って作品にしてもらえたので、めちゃくちゃ気に入っています。

──8月の「ラプラス」は、何もかもをなぎ倒していくような疾走感が貫かれています。

めいちゃん:この曲は、何ものにも縛られず、妥協せず、走り続けることが大事だなと思っていたその気持ちを込めて書きました。危ない綱渡りに億劫になっていた自分がいたりしたので、そういうのもガンガンやって進んで行かなきゃなと思って。未来は決まっていないと思っているので、ひとりひとりが、自分自身で切り拓いていけたらいいなっていう曲になっています。

▲めいちゃん/「ラプラス」



──めいちゃんの思い描く未来は、どのあたりまでイメージできているんですか?

めいちゃん:本当に、目の前のことをやるので精一杯(笑)。1ヶ月後すら何も決まってないような感じです。

──その都度、瞬時にベストな判断をしながら進んでいるわけですね。ではもし何かの選択を迫られて迷った場合、背中を押してくれるものはありますか?

めいちゃん:僕、座右の銘が「死ぬこと以外、かすり傷」なんです。

──名言ですね。

めいちゃん:最初にどなたが言ったのかはちょっとわからないんですが、この言葉がマジで響いて。本当にそうだなと思うんですよ。みんな、始まりがあって終わりがある。一緒じゃないですか。どんなにお金持ちになっても死ぬし、どんなに貧乏でも死ぬ。どんなに幸せであってもそうじゃなくても死ぬ。だったら、自分のベストを求めて常に動いていたほうが絶対にいいなと思うんですよね。死ぬこと以外はかすり傷なんですから(笑)。

──次はぜひ、その方向で1曲お願いします(笑)。

めいちゃん:(笑)。

──9月の「水滴」はまたガラッとタイプの違う楽曲ですが、これはかなりグッとくる名曲ではないかと。胸が締め付けられるような切なさを感じた後に、恋をするって本当にいいなあとシンプルに思わされました。

めいちゃん:ありがとうございます。そうですね、今回は恋する乙女みたいな感じを主人公に書いてみました。女性目線に立って物事を考えたり歌詞を書いたりするのは難しかったですが、広がりましたね。自分以外の目線で物事を考えることで、いろいろと。

▲めいちゃん/「水滴」

──ちなみに女心の理解度、何パーセントくらいですか。

めいちゃん:ゼロです。マジでわからない(笑)。

──歌詞を書くための思考と実際の理解は違うということですね(笑)。そもそもどうして女性目線で書こうと思われたんですか?

めいちゃん:これは僕の周りに限っての話なんですが、気持ちが報われていない女性が多いなと思っていて。例えば誰かのことが好きなんだけど、振り向いてもらえないとか。映画で言うバッドエンドじゃないですが、何も報われないような、ちょっとその間を描いたような曲にしたいなと思ったんです。報われなくて雪が水滴になる、溶けて無くなっちゃうみたいなイメージで。結構寂しい曲なんですけどね。

──だけどどこか、聴き終わった時にほのかなあたたかさを感じるなと思いました。

めいちゃん:なんとなく、女性を包み込むような雰囲気があるからかなと思います。言葉にするのは難しいですけど。

──コード進行のイメージかもしれないですね。これは曲から作ったんですか?

めいちゃん:僕はいつも、コード進行から作るんです。で、大体曲の伴奏ができた後にメロディーを打ち込んで、歌詞を乗せていきますね。



──女性目線は難しかったとのことですが、これからもそうやってソングライターとしての引き出しが増えていくんでしょうね。

めいちゃん:そうですね。作れば作るだけと言うか、ここをこうすればもっと良かったなとか、こういうこともできるなとか、アイデアは無限に出てくるようになって来ましたし。その広がりをこれからも大事にして、表現していければと思っています。具体的なことは決まってないですが、とりあえずしばらくは、曲を出しまくりたいなと思っているところです。

──となるとやはり、早くライブもということですよね。

めいちゃん:このコロナが終わったらファンのみんなにすぐ会いたいし、全国ツアーもやりたい。まずはライブですよね。

──延期になっていた<めいちゃんワールドツアー7「超迷惑」>は12月に開催予定ですが、本当の意味での“ワールドツアー”についてはどうお考えですか?SNSなどを見ていると、海外からの反応なども多いですよね。

めいちゃん:いやいや、どうなんですかね(笑)。でも確かにコメントなどは世界中からいただいたりしているので、お礼を言いに行きたいなという気持ちはすごくあります。

──海外公演でもぜひ、生のバンドでガッツリやってもらいたいなと思います。バンドでのパフォーマンス、すごく迫力ありますよね。

めいちゃん:ありがとうございます。もちろんオケで歌うのもいいことだと思うんですが、バンドで歌うと、その時のグルーブが生まれるんですよね。その日のライブが、唯一無二になると言うか。そういうの、すごく好きなんですよ。調子いい日ばかりじゃなくて悪い日だってあると思うんですが、それすらも、その日ならではのものになっていく気がして。だから基本的には、ライブはずっとバンドでやっていきたいですね。

取材・文◎山田邦子

リリース情報

「ブライトサイン」
2020年6月29日(月)配信

「ラプラス」
2020年8月29日(土)配信

「水滴」
2020年9月4日(金)配信

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