【レポート】大黒摩季、自身初の有料ライブ配信で「世界も、みんな一つになりましょう」

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大黒摩季が8月27日、自身初の有料オンラインライブ<MAKI OHGURO ON–LINE LIVE 2020 〜待たせた分だけ10倍返しーっっ!‼︎〜>を実施した。8月にスタートした新しい配信プラットフォーム“LINE LIVE-VIEWING”で実施されたライブ会場はビルボードライブ東京。本来であればこの8月、昨年も開催した<アレサ・フランクリン追悼ライブ>を行う予定だった大黒にとって思い入れの深い会場だ。同公演では新曲2曲が初お披露目となるなど、止まることのない大黒摩季の姿が印象的なものとなった。そのオフィシャルレポートをお届けしたい。

◆大黒摩季 画像

2020年、新型コロナウイルスの影響により音楽業界は大打撃を受けた。特にこの春からライブツアーを計画していたアーティストにとっては、ライブの延期や中止を余儀なくされ、多くが活動自粛せざるを得ない状況にあった。大黒摩季もその一人だ。4月からスタートする予定だったライブツアー<MAKI OHGURO LIVE TOUR 2020>は当初、延期を予定していたが、政府からのイベント等の開催制限要請に基づく感染防止策として“イベントやコンサートなどの動員を50%以下”とすることで、すでにチケットを購入している方の来場を一部お断りする必要が生じたため、大黒摩季の「お客様の選別をしてはいけない」というポリシーから止む無く中止に至った。

中止決定はファンにとって残念なものではあるが、2019年末に50歳を迎えた大黒が、“50th/50try”を掲げて50の目標を立て50本ライブをしようと意気込んでいただけに、本人の無念さは想像に難くないだろう。しかし、すぐさま彼女は活動を開始。様々な配信番組に出演したほか、中止となったライブ20本の開催日ごとに「同じ時間を共有しましょう!」と自宅からの生配信を続けた。これに加えて3月より新曲6ヵ月連続配信、7月に無料オンラインライブ開催、そして8月27日、自身初の有料オンラインライブ<MAKI OHGURO ON–LINE LIVE 2020 〜待たせた分だけ10倍返しーっっ!‼︎〜>が実施されることとなった。


8月27日19:30、アカウントサイトには過去のMV集が流されていた。ふんだんに現れる1990年代の懐かしい映像が、これから始まるライブへの期待感を高める。右手を高々と上げて歌う大黒の写真が掲げられたサイト画面を注視しながら開演を待っていると、定刻20:00に画面がライブ会場であるビルボードライブ東京の映像へと切り替わった。ステージ上にはすでにバンドメンバーがスタンバイ。通常のライブと違い、スタッフは全員がマスクとフェイスシールドを装備し換気と消毒を定期的に行うなど、厳重な感染防止対策の中でのライブとなる。各メンバー間がアクリル板で仕切られ、ソーシャルディスタンスも万全。そんな光景の中、ついに大黒摩季がステージへ登場した。ペパーミント・グリーンの爽やかに揺れるポンチョに、白のハーフパンツといった夏らしい出で立ちで、「まずは楽しもう」と!第一声。

オープニング曲はアニメ『スラムダンク』挿入歌の「あなただけ見つめてる」だ。このライブを固唾を飲んで見守っている画面の向こうの数千人のファン一人一人に語りかけるように歌い出した大黒。曲間では「皆さん一緒に〜!」と、観客のいない客席に向かって大きく手を振るなど、画面に映っている姿は通常のライブと変わらない。大ヒット曲ということもあって一曲目から掴みはバッチリだ。そのテンションのまま、「独身者は手を挙げてーっ! そして“恋待ち族”のみんなに最高の夏が来ますように〜」と歌われたのは「夏が来る」。さらにアニメ『名探偵コナン』オープニングテーマの「Lie, Lie, Lie,」「いちばん近くにいてね」といったラテン調のキラーチューンが続くなど、盛り上がり必至のナンバー連発に、周囲の目を気にせず室内で暴れまくったであろう画面の向こう側が想像できる。オープニングから4曲連続大ヒット曲披露のセットリストには、ヒットメーカーならではの強さを思い知らされた。そして初めてのMCタイムへ。聞こえてくるまばらな拍手の音に、無観客ライブであることを思い出す。


「改めまして、皆さ〜ん! こんばんわ、大黒摩季です。今日は、ファンクラブの医療従事者、介護従事者の皆さんや、色んな方々からのアドバイスをいただき、スタッフも私達もしっかり感染対策をして。ステージにパーテーションも立ててしっかりと頑張っていこうと。ですので、皆さんも安心して、この時間は私達の音楽に身を任せて、ストレス発散! 自粛で委縮した感情も解放して、辛い現実を忘れて、夢中になって“心のお掃除”しちゃいましょう! 今日は目一杯楽しんで下さいね!」──大黒摩季

本人曰く、自粛期間中はひたすら作曲に没頭していたそうだ。その間に人生初、3月から連続して楽曲配信リリースを継続中で、8月までの6ヵ月間、ひたすら新曲を発表し続けている。「今の私をいかしてくれた社会への恩返しとして、それらの曲を今夜は披露していきます」と、3月に配信された『名古屋ウィメンズマラソン』公式ソング「Let’s☆Go!! Girls」へ。「闘う女子たち、LGBTQの皆さん、全ての頑張る女子のために!」と紹介された同曲は、エレクトロなアレンジとロックテイストが融合した現在の大黒摩季を表現したナンバーだ。モダンな中に大黒の情熱ボイスが絶妙に絡むなど、ポジティブにしてキュートな応援歌でもある。

暗転後は、ジャジーでブルージーなピアノのイントロに導かれ、ゴスペル調のコーラスから始まった「OK」。デビュー28周年記念日に配信された同曲は、コロナ禍の不安を打ち消す希望の歌だ。ソウルの女王アレサ・フランクリンの再来のような荘厳さに満ち、心に染み入る晩夏の思い出のひとつとなった。続くMCでは、サーフィンがオリンピック競技になったということで、オリンピック大好きな大黒が、盟友であり大黒組の若頭・光永亮太と共に作り上げたビーチソング「Shaka♬シャカ You’ll be all right」が、光永亮太本人をゲストに迎えて披露。アコースティックな響きが癒しをもたらしつつ、アーシーにしてナチュラルな二人の温かいハーモニーが大黒摩季の本質を物語る。

そして次の新曲は、8月31日配信リリース2曲のうちの1曲だ。令和2年7月豪雨は全国に甚大な被害をもたらしたが、コロナ禍でボランティアに行くことができずに祈るしかない状況の中で作り上げたバラード「Pray for you ~ 7月のélégie ~」。ゲストにジャズ界の奇才フリューゲルホルン、ボーカルにTOKUを迎え、魂の歌が奏でられた。低音から高音までの繊細なウィスパー、大黒本来のエモーショナルな泣きのハイトーンなど、一曲の中に込められたさまざまな心情が多彩。同曲は50歳を迎えた大黒摩季でなければ再現できないものであり、まっさらな心境を吐露した新曲披露コーナーだった。


ここで換気タイム。ライブ開始からすでに1時間以上が経過していた。新型コロナの感染防止の観点から必須の換気時間になるが、画面でライブを1時間以上凝視し続けているファンにとっても必要な時間なのかもしれない。10分程の休憩を挟み、いよいよ後半戦へ。衣装もガラッと変え、“ロックアーティスト”大黒摩季の登場だ。

「後半行くよ!」と始まったのは「熱くなれ」。さらに「チョット」「永遠の夢に向かって」「Anything Goes!」とイケイケでノリノリのアップテンポな3曲を連打して一気に本編を締めくくった。怒濤の後半は6曲ぶっ続けで、ラストに近づくにつれパワーが増していくボーカル力は凄まじい。尽きることない高音の抜けと貫禄。どんなに分厚いバンドサウンドも凌駕してしまう圧倒的なパワー感に魅了された。最後に手を天に向けて振りかざした大黒は、「ありがとうございました〜」と言ってステージを下りた。


アンコールも配信ならでは。スタッフの小さなアンコールと画面にアンコールの文字が踊る。再びステージに現れた大黒は、打って変わってカラフルなシフォンドレス風のワンピース姿。観客のいない会場、画面を見つめている視聴者をまっすぐ見据えて語りかけた。

「自分のお母さんやお父さんを思えば、50歳の頃はもう、肌もカサカサして、海辺のおうちかなんかで隠居でもしている予定だったわ。それがこんなスーパーサイヤ人になっちゃって! 皆さん、私を大黒摩季にしてくれてありがとうございます! ワタシの人生もいろいろありまして(苦笑)、今年は「夏の甘い恋」でもしようと思ったらステイホーム、代わりに猫だけ増えました(笑)。というわけで私、彼氏を雇いました! 皆さんも共有ください。素敵なラテン系です❤ 連続配信リリース第6弾として8月31日に「Pray for you 」と同時リリースする「Dee Dee Dee Dee Deeper Love 〜恋のソーシャルディスタンス〜 feat.當間ローズ」から當間ローズ君!」──大黒摩季

長身イケメンの當間ローズがステージに登場した。生まれはブラジル、静岡育ち、母がブラジルとスペインのハーフ、父がイタリアと日本のハーフのスーパーラテンMixtureな彼は、まさしく“ラテンの貴公子”たる風貌ながら腰が低い。そんな若い彼との切なく情熱的なデュエットに、“また一つ新しいタイプのスタンダード曲登場か”と思わされた。二人のセクシーなラテンダンスもみどころ。感染防止対策のために立てられたアクリル板越しのやりとりは“恋のソーシャルディスタンス”であり、なんとも悩ましい楽曲世界を視覚化した。


「さぁ、最後はあの曲で!」と大黒が本日登場のオールキャストを呼び込んだ。「LOVE&PEACEを感じながら、日本も、世界も、みんな一つになりましょう!」と「ら・ら・ら」へ。途中、“みんな年だし〜”の歌詞のくだりを“関係ない”と言い放ち、「無観客と言っても、必ずやるこのコーナー」と“ら・ら・ら”のフレーズをメンバーに歌わせたり、視聴者に大合唱させた。景色が変われば未来も変わる。いつかその日が訪れるまでみんな元気でいようね……そんな前向きなメッセージ、前向きな歌、前向きなサウンド。大黒摩季の輝きが終始笑顔を引き連れてくる、そんな美しくも楽しい配信ライブだった。

第2次感染拡大が続くコロナ禍で、不安な日々を過ごす人たちにパワーを届けたい!自宅だからこそ、一緒に思いっきり歌って踊って楽しんで、委縮したハートを解放して欲しい!と企画されたこのライブ。ツアーでお馴染みのレギュラーメンバーとともに、アンコールも含めて15曲2時間を超える1年ぶりのステージとなった。同ライブの告知には、“#コロナを吹っ飛ばせ”というハッシュタグが付けられていたが、そのパワーが彼女のライブにあることを実感すると同時に、生のライブが近い将来、開催されることを期待せずにいられなかった。

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初の有料配信ライブで初披露となった新曲「Dee Dee Dee Dee Deeper Love ~ 恋のソーシャルディスタンス feat.當間ローズ ~」と「Pray for you ~ 7月のélégie ~」の配信が8月31日にスタートした。

「Dee Dee Dee Dee Deeper Love ~恋のソーシャルディスタンス feat.當間ローズ~」は、ラテン・クラブサウンドに乗せて、極プラトニックな真夏の恋を濃厚&セクシーに歌ったラブソング。このコロナ禍において恋愛のチャンスが生まれにくい情勢ではあるが、それをむしろ“触れたら負けのLOVE GAME 極プラトニックしましょう”とポジティブに転換してしまった。なお、振付けは全て當間ローズが行い、大黒もこのライブのためにボクササイズをはじめとするトレーニングとダンスレッスンを猛特訓。今年のスローガン“50th/50try”の一つ「ラテンダンスを身につける♥」を無事クリア。同曲のMVも公開となっている。

一方の「Pray for you ~ 7月のélégie ~」は、ライブレポートでも触れたとおり、長く降り続いた令和2年7月豪雨の際、コロナ禍で「祈るしかできない」無力感と被災地への想いから、「君を守って」と願いを放つように生まれた魂のバラードナンバーだ。配信ライブでも、ボーカルに寄り添うようにTOKUのフリューゲルホルンが美しく、その音色がまた大黒摩季のナイーブな声を引き出し新たなる扉をいくつも開けたように思えた。

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■<MAKI OHGURO ON–LINE LIVE 2020 〜待たせた分だけ10倍返しーっっ!‼︎〜>アーカイブ

アーカイブ視聴期間:9月27日(日)23:59まで
配信プラットホーム:LINE LIVE-VIEWING
配信チケット料金:4,000円(システム手数料込・税込)
※すでにチケットをご購入の方はそのままご覧になれます。
https://linliv.ee/RobBGsk/co/ot/sh/pl

▼Live Member
Guitar:原田喧太
Bass:徳永暁人 (doa)
Keybord:柴田敏孝
Drum:平陸
Sax:竹上良成
Chorus:原田由佳
Manipulate:下田泰基
Guest:TOKU (Flugelhorn) / 當間ローズ (Vocal) / 光永亮太 (Vocal & A.Guitar)



■2曲同時配信シングル「Dee Dee Dee Dee Deeper Love ~ 恋のソーシャルディスタンス feat.當間ローズ ~」「Pray for you ~ 7月のélégie ~」

2020年8月31日(月)配信リリース
「Dee Dee Dee Dee Deeper Love ~恋のソーシャルディスタンス feat.當間ローズ~」
作詞:大黒摩季
作曲:大黒摩季&Yohey
編曲:Yohey

「Pray for you ~7月のélégie~」
作詞&作曲:大黒摩季
編曲:Yohey

・iTunes
https://itunes.apple.com/jp/album/1527551335?app=itunes&ls=1
https://itunes.apple.com/jp/album/1527689723?app=itunes&ls=1
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・mora
https://mora.jp/artist/177546/
・レコチョク
https://recochoku.jp/artist/2000000605
・BEING GIZA STUDIO
https://sp.being.co.jp/music/maki



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