【レポート＋インタビュー】MSTK™、正体を現した初ライブに大人の遊びとサプライズ「改めてバンドって最高」

■この超絶テクニックの持ち主の正体は
■一体誰なのか!? 深まった謎がある

──たった今、初ライブが終わりましたが。直後の感想はいかがですか？

MASATAKA：いやぁ、最高でしたけど、やっぱりだからこそ、お客さんの前でやりたかったですね。

AZ：本当ならこの日、お客さんを入れてライブするはずでしたからね。パンパンだったはずなんですよ、チケットもソールドしてたし。(携帯のコメントを見ながら)でも、たくさんコメント寄せてくださってて、嬉しいです。

MASATAKA：しばらくお客さんを入れてライブができないという状況が続くと思うので、自分たちがこの環境に慣れていかないといけないんだなっていうのも実感しましたね。と、同時に、やっぱりお客さんが見てくれているからこそ、そこでの押し引きがあるからこそ生まれてくるものってあったんだなっていうことも、改めて実感しましたしね。お芝居もライブも、そんな空気の押し引きがあってはじめてやれていたんだなってことを再確認したというか。そこに頼っていた自分もいたんだなって。


──アーティストのみなさん、無観客というライブをしてみて、“お客さんの歓声を待っている自分に気づいた”とおっしゃる方々が多いですよね。

MASATAKA：その感覚、すごく分かりましたね、今日やってみて。それに、ずっと歌っては来てましたけど、バンドという形は学生の頃以来だったので、改めてバンドって、やっぱいいなって思いました。最高だなと。寂しくない（一同爆笑）。いや、本当にそうなんだよ。ソロで歌ってるときも、生で演奏してくれるバンドはいるんですけど、なんていうんですかね、違うんですよ。“さぁ、どうぞ”感みたいなものがソロにはあるんですよ。

AZ：“さぁ、どうぞ”感（笑）！

MASATAKA：本当にそうなんだよ（笑）。でも、それがなかったですからね、今日は。本当に一緒に進めてる感じがしてすごく心強かったし、メッセージもまたアコースティックとは違った届き方になっていた気がしましたね。ただ……。

──おっと。“ただ……”!?

MASATAKA：そう（笑）。ただ……MCになった途端の“さぁ、どうぞ感”が半端なかったです！　“おいおい、1人にするなよ！ 俺たち仲間だろ!?”っていう、完全なる“さぁ、どうぞ感”（一同爆笑）。


──言葉を選ばずにハッキリと言いますが、MCは本当に素顔すぎましたからね（笑）。全くキャラが定まっていないという、息の合った演奏からは想像が付かない、いきなりの素人感に驚きましたから（一同爆笑）。

MASATAKA：本当に！ “お前ら、喋れよ！”って思ったからね（笑）。最初に振ったJINなんて、“え？ 何ですか？”って感じだったもんね（笑）。“あれ？ 俺なんか間違ったかな？”って思っちゃったという（笑）。

JIN：あ、すみません（笑）。

MASATAKA：あははは。でも、それだからこそ、気負いがなくなったというか。あ、こんな感じでいいのね！って、肩の力が抜けたというかね。

──MASATAKAさん、歌っているときは凛とした雰囲気でしたけど、またお客さんを入れたリアルライブだと違ってくるのかもしれないですね。

MASATAKA：うん、それはあると思う。配信とリアルとでは確実に魅せ方が違ってくるんじゃないかな。そこもお客さん側の楽しみとして、その日がくるまでお待ちいただけたらいいなと思いますね。


──そうですね。楽しみ方が無限にあるバンドだと感じました。でも、今回5曲という短い時間でしたけど、それぞれのキャラではなく、人間性は伝わったかと思います（笑）。しかし、O.N.Z.Bは、もうちょっとしっかりキャラ設定を当日までに作りこんでおいて欲しかったですね（笑）。

O.N.Z.B：ゴメンナサイ………。

AZ：初ライブ後の初インタビューでいきなり叱られるという（笑）。まぁとにかく無礼講ですよね！ ライブ中にNosukeがMASA(MASATAKA)さんのことを「マーくん」って呼んでたのには笑いましたからね（笑）。

MASATAKA：いやいや、そういうのがいいんだよ！ O.N.Z.Bは、今日のライブのMC中に「オーちゃん」と呼ぼうって決まりましたからね（笑）。そして、インタビューの発言もカタカナにしようって、今、決まりましたから（笑）。この超絶テクニックの持ち主の正体は、一体誰なのかっていう（笑）。

O.N.Z.B：我、オーチャンヤデ〜。メチャメチャ楽シカッタデ〜！ デモナ、1曲目カラ、MASAサンガアイコンタクトシテ絡ンデ来タカラ、“エ、ヤメテヤ〜”ッテ思ッテン。デモ、ソノ瞬間ニ、始マリヲ感ジタデ！ “バンド、エエヤン！ 最高ヤン！”ッテ。

AZ：いやぁ〜、本当に、配信ライブからのスタートになってしまったという、盛大な間違え (ミステイク)ですけど（笑）。逆にこれからのエンタテインメントの形と言いますか、生ライブ全盛の時代に、また新たな風が吹いたのかなって感じましたね。“生と配信”という狭間に置かれている“今”を実感しました。今日はライブハウスからでしたけど、この先、配信ならば、どこでもライブできちゃうなって思ったんですよ。そんなことも考えながら、ライブ中に、この先やっていきたいアイディアがいっぱい浮かんできたんです。無観客と有人ライブを両立していく中で、もっともっといろんなことができるなって思いましたね。


──初ライブ中にアイディアが浮かびまくっていたとは。さすがの創造脳だね、AZくん。

AZ：ですね（笑）。ライブ中、ずっと“あ、こんな曲やりたいな！ 今度作ろう”って、新たな曲のアイディアもいっぱい浮かんできてたんですよ。

JIN：全然ライブに集中してなかったんですね（笑）！

AZ：演奏中は集中してたよ……集中しながら盛大に間違えたけれども（笑）！ MC中にいろいろと考えてたんだよね。もう新曲の構想を（笑）。

MASATAKA：それだよ、それ、“さぁ、どうぞ感”！ 1人にすんなよ（一同爆笑）！

──JINくんはどうだった？

JIN：お客さんは目の前に居なかったですけど、画面の向こうでたくさんの人たちが観てくれてると思ったら、すごくテンションを高められたというか。新しい感覚で、すごく楽しかったです。AZが言ったように、本当にどこでもできるって思うと、ちょっと世界が広がった気がしましたね。

──AZくんとのツインギターの相性もバッチリで。

JIN：ありがとうございます！ ちょっと今日はワイヤレスの関係もあったので、なかなか絡みにいけなかったですけど、次のライブではもうちょっと絡みたいですね（笑）。


──Nosukeくんのドラミングが、安定感と勢いはもちろんのこと、このバンドの中でとても初々しく響いていて。そこもすごく良かったなと。

O.N.Z.B：セヤナ。若イリズムヲ感ジンネン。“メッチャエエワァ〜”ッテ思ッタデ。

Nosuke：ありがとうございます！ 今回ライブをやってみて、AZさんが言ったみたいに、この先やっていくべき課題が見えた気がしました。今、実際に自分達のバンドで経験できたことで、すごくリアルに感じ取れたというか。もっと配信やデジタル面を駆使した魅せ方をしていく方向でも考えていけたらなって。例えば、一人一人をフィーチャーした魅せ方の生配信とか。

O.N.Z.B：オッ！ マルチアングルヤネ！

AZ：いいね〜！ マルチアングル配信ライブ、やりたいね！

Nosuke：今回はVJとかも入れて作り込んだライブをしたけど、本当にいろいろとやっていけることってあると思うから。この経験から、さまざまなことを吸収できたなって思います。本当に楽しかったです！ まだ現在5曲しかない状態なので、もっともっと挑戦していけたらと思ってます。


──6月に配信リリースされている「Seven Reasons, Why」をラストに持ってきてたけど、時事ネタを集約したVJとのリンクが素晴らしくて。

MASATAKA：俺は背中にVJを背負っちゃってるんで、実際は見れてないですけど、観てくださる方に少しでも多く、深くメッセージが届けられるといいなと思って考えたんです。

AZ：「時事ネタを採り入れたVJにしたい」というMASAさんのリクエストを受けて、僕が作ったんです。津波や戦争や災害や殺人とかの犯罪や、コロナや……目を背けたくなるようなことにも、しっかりと向き合っていくという意味も込めて作りました。僕はドネーションにすごく興味があるんですけど、自分の善意で守れるものって限りがあると思うんです。もちろん、全員を救いたいんですよ、でも絶対にそんなことは不可能で。ただ、僕らに救える人がいるなら、それをやるべきだと思うんです。世界中の恵まれない子供を全員救うことができたら、それが一番いいんだけど、それが不可能ならば、僕たちが動くことで何十人が動き、それが広がってもっと大きな力になってくれる。それならば、動くべきだと思うんです。「Seven Reasons, Why」は、生きるための7つの理由という意味なんですけど、そこに自然の映像と人間が犯してきた罪を重ねた映像を作ったんです。それによる地球の罪を描きたかったから。この先もVJありきの魅せ方ということも考えていけたらいいなと思ってます。

MASATAKA：VJも含め、さっきAZが「いろんなところでライブができそう」って言ってたけど、屋上とかでライブしてみたいね。

O.N.Z.B：映像ガアルッテ、エエネ〜。

──たくさん伝えていける方向がありそうですね。

AZ：そうですね。今回のセットリストの案はMASAさんなんですけど、曲調の振り幅もすごくあるので、曲の並べ方によっては、全く違ったライブの魅せ方ができると思いますね。

JIN：1曲目から新曲「Under the Gate」を初披露するという斬新な感じだったし、本当にこの先いろんなことをやっていけたらと思いますね。

MASATAKA：その「Under the Gate」と、「my Home」を両A面扱いで10月2日に2曲同時配信リリースする予定です。

AZ：BARKSさんではそれら新曲に加えて、MSTK™のバンド紹介的なインタビューもしていただいているので、そちらもぜひ楽しみにしていてください！

MASATAKA：それに年内、あと一回は配信ライブがあるかもよ！

取材・文◎武市尚子
撮影◎okadai



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