【レポート】<Tokyo Music Evening Yube>、NHK交響楽団メンバーによる室内合唱団にてGLOBAL RINGでの有観客演奏再開

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<Tokyo Music Evening Yube>が、数ヶ月ぶりに池袋GLOBAL RINGでの有観客演奏を再開した。

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<Tokyo Music Evening Yube>は、「誰もが主役になれる劇場都市」豊島区において、劇場での観劇鑑賞後の余韻とともに池袋でのナイトライフを満喫できる“アフター・ザ・シアター“を推進するため、そのきっかけとして本格的なクラシック音楽を堪能できるプログラムだ。新型コロナウイルス感染防止対策のため休止を余儀なくされ、無観客でのライブ配信という形を取っていた同プログラムが、ソーシャルディスタンスを保つ形で入場人数を制限しつつ、本来の場である池袋GLOBAL RINGでの公園と相成った。


記念すべき幕開けを飾ったのは、NHK交響楽団メンバーによる室内合唱団(N響)だ。本人確認のため1時間前にゲートは開かれた。おなじみの<YUBE>紹介ムービーが流れ、約250席ほどに制限された客席が招待客で埋まっていく。19時5分、開演のアナウンスとともに、この日の司会を務める田添菜穂子と手話通訳士が現れ公演がスタートした。

N響は、翌18日、続く19日より毎月二日間、GLOBAL RING目の前に位置する東京芸術劇場で、N響としては初となる主催公演を定期開催することになっている。今回のNHK交響楽団メンバーによる室内合唱団は、世界的巨匠やソリストたちと共演を重ねたN響の名手たちにより結成されたスペシャルな面子と言えるだろう。



一曲目は「モーツァルト/ディヴェルティメント ニ長調 K.136-アレグロ」。普段は室内で聴くことの多いクラシックだが、開放的な空間で美しい弦楽器のアンサンブルを聴くのもなんとも言えない趣だ。小曲が終わると進行役を務めるヴァイオリンの横溝耕一がマイクを握る。「大変な世の中ではありますが、せめて音楽に触れている時間くらいは幸せを感じていただけたらと思ってこの曲を最初に演奏しました」。また、横溝によると池袋駅の東武東上線1・2番線ホームの発車メロディにもなっているとのこと。さすが“「誰もが主役になれる劇場都市」豊島区”、普段クラシックに触れることが少ないという観客たちもどこかで聞いたことのある耳触りの良い一曲であったに違いない。

続いて演奏されたのはグリーグ/組曲「ホルベアの時代から」 op.40-「前奏曲」「サラバンド」「リ ゴードン」。横溝の解説から「ノルウェーのベルゲンで生まれた作家、エッセイスト、哲学者、歴史家、劇作家“ホルベア”の生誕200年を祝ってグリーグが作曲したもので、当初ピアノ曲でしたが、のちにグリーグ自身が弦楽合奏版に編曲し直して、いつからか弦楽合奏版の方が有名になった曲です。このような演奏会には相応しい曲だと思います」。リズミカルかつスピーディな演奏で、二曲目ながらグッと弦楽器の音色に引き込まれるような作品である。演奏終了後には会場から拍手喝采となった。


最後の曲は管楽器のメンバーが参加し、「モーツァルト/交響曲第40番ト短調 K.550」を。「楽章を割愛したものばかりを披露するわけにはいかないということで、全楽章、披露します。新型コロナウィルスの影響で3月から全公演が中止となり楽団員だけでなくスタッフ共々辛い日々を送ってきました。明日から東京芸術劇場を第二のホームグラウンドとし、毎月定期公演を開始します。さまざまなプログラムをご用意しておりますので、皆様と一緒にまた音楽を楽しむ時間を過ごせたらいいと思います」。





20分を超える圧巻の演奏に、会場からは拍手とともにブラボー!の掛け声も。鳴り止まぬ拍手に応え、「モーツァルト/ディヴェルティメント ニ長調 K.334-メヌエット」をアンコール演奏。座席に着いた観客はもちろん、惜しくも会場に入れなかった観客たちからも盛大な拍手が送られた。演奏後、この<Tokyo Music Evening Yube>の再開を一番楽しみにしていたという豊島区長の高野之夫が壇上に現れ、N響のメンバーにエールを送った。


なお、本映像は2021年3月末までアーカイブされており、だれでも気軽に閲覧可能だ。また今後は9月26日(土)西本智実&イルミナートフィルハーモニーオーケストラ、10月7日(水)青島広志の10倍楽しいオペラの演奏が予定されている。観覧応募は<Tokyo Music Evening Yube>のHPを参照していただきたい。

「誰もが主役になれる劇場都市」豊島区において、劇場での観劇鑑賞後の余韻とともに池袋でのナイトライフを満喫できる“アフター・ザ・シアター“を推進するため、そのきっかけとして本格的なクラシック音楽を堪能できるプログラム<Tokyo Music Evening Yube>。今後も池袋GLOBAL RINGは、だれでも気軽に音楽を楽しめるスポットとなりそうだ。


◆<Tokyo Music Evening Yube> オフィシャルサイト
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