【ライブレポート】ストレイテナー、奥田民生、OAU、佐藤タイジが「行くぞ! <THE SOLAR BUDOKAN>!!」

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コロナ禍という現状を踏まえ、9月26日と27日、そして10月3日と4日の2週連続4日間にわたって、配信という形で開催される今年の<THE SOLAR BUDOKAN 2020>。一口に配信と言っても、事前に収録したパフォーマンスと開催当日の生のパフォーマンスを織り交ぜながら、中津川、猪苗代、中野サンプラザ、Billborad Live Tokyoなど、野外および屋内のステージから届けられる映像は、いろいろな意味で見応えあるものになるんじゃないかと期待しているが、9月13日、中野サンプラザで行われた事前収録を観覧するチャンスに恵まれた。

◆<THE SOLAR BUDOKAN IN SUNPLAZA> 画像

唯一、700人限定の有観客のイベントとして開催されたこの日の<THE SOLAR BUDOKAN IN SUNPLAZA>の出演者はストレイテナー、奥田民生、OAUに加え、セッションという形で奥田民生とOAUのステージに客演したイベントオーガナイザー・佐藤タイジの計4組。約2,000人キャパに700人は寂しいんじゃないかと思う人もいるかもしれない。しかし、実際に体験してみると、それほど客席が空いているようには感じなかったし、ライブならではの盛り上がりもしっかりと味わうことができた。


もちろん、それは4組の熱演によるところも大きいと思う。以下は、その熱演のレポートだが、換気時間をたっぷり取ることはもちろん、転換中、消毒液を持った複数のスタッフが会場内を回って、こまめに消毒を促すなど、感染予防対策が徹底されていたことを付け加えておきたい。

イベントは佐藤タイジの開会宣言から始まった。「新しい時代だよね。何か扉を開けるんだから。行くぞ! <THE SOLAR BUDOKAN>開催します!」

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「よろしくお願いします! 俺たち、ストレイテナーって言います!」──開口一番、ホリエアツシ (Vo/G)は、そう挨拶したが、15年以来、彼らが毎年出演していることを考えれば、もはや<THE SOLAR BUDOKAN>の常連と言ってもいい。中津川で彼らのライブを見なければ夏が終わらないというファンも中にはいるのでは。

ステージの4人が1曲目の「Melodic Storm」を演奏し始めると、観客全員が立ち上がり、拳を挙げた。その光景を見たホリエが「シンガロングできないけど、心の声が聴こえました!」と快哉を叫ぶ。





「ストレイテナーは、この(中野サンプラザの)ステージに初めて立たせてもらいます。憧れだったので、これも何かの縁。伝説のサンプラザ、存分に楽しませてもらいます」──ホリエアツシ

彼らにとって8ヵ月ぶりの有観客ライブは思いがけず特別なものになったようだ。「中央線繋がりということで」とホリエが紹介した「吉祥寺」から、4月の配信リリース後、人前で初めて演奏した「Graffiti」を含む新旧のレパートリーを披露。ラウドなリズムとフリーキーなギターサウンドというオルタナロックの醍醐味をたっぷりと観客に味わわせながら、この日、彼らはややテンポを落として、ビタースウィートなメロディの魅力を分かち合えるような曲を選んでいたようにも感じられた。


「気持ちいい!」──ホリエアツシ

観客の前で演奏できる感激を端的に表現したホリエが続けて、いろいろな不安や葛藤を乗り越え、今日のイベントを開催した佐藤タイジら主催者を称え、そのステージに立たせてもらった感謝を述べると、バンドは主催者たちの思いに応えるように「REBIRTH」でラストスパートを掛ける。“羽が折れても飛びつづけた 何をなくしても手に入れるよ”とこの日、ここで歌うことに大きな意味があったはず。そして、ラストはもちろん、夏の終わりにぴったりの「シーグラス」。毎年、中津川で聴いているこの曲を、今年も聴けたたことが個人的にはとてもうれしかった。

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8年ぶりに<THE SOLAR BUDOKAN>のステージに戻ってきた奥田民生は明らかに今回の目玉のひとつだった……と思うのだが、たった一人ふらりとステージに登場した奥田民生は、「ごぶさたしてます。トイレは空いてるんで、この間に行ってもらってもかまわないです。自由にしてください」という冒頭の挨拶から、気ままなステージをゆるゆると繰り広げていった。

あらかじめセットリストを決めずに臨んだ出たとこ勝負の50分だったことは、アコースティックギターをジャカジャカ鳴らしたロックンロール調の「俺のギター」を演奏して以降、次に何をやろうかタブレットを繰りながら決めていたところからも明らかだった。しかし、その間、決して観客を退屈させることなく、「サンプラザもとうとう喫煙所が外になった」などとボヤキ交じりの軽妙なトークで笑わせるんだから、もはやそれは芸の域と言ってもいい、さすがデビュー33年のキャリアは伊達じゃない。それがバシッとキマるのは、奥田民生の人間力の成せる業だ。



「曲と曲の間の沈黙、全然平気です。見ている人のほうがイヤだと思うんですよ。シラけさせてんじゃねえかって。全然大丈夫です。声も拍手も何もなくても無観客よりいいです。イエーイ!」──奥田民生

そこからウルフルズの「バンザイ」になだれこむと誰もが思ったんじゃないか?

「30人ぐらいは思ったでしょ? 違うんです。いろいろあるんです。著作権とか(笑)」──奥田民生

どこまでが本気なのか、冗談なのか。「次にやる曲が思い浮かばない」とボヤき、「今日はけっこうがんばってる」と自画自賛しながら、「コーヒー」「SUNのSON」「マシマロ」と歌メロが染みる懐かしい曲に繋げ、「家にいないといけないみんなにこの曲を捧げます。オススメはしません(笑)」と「さすらい」を披露。




観客の手拍子を誘い、ぐっと盛り上げたところで、佐藤タイジを呼び込み、「ルート2」と「イージュー★ライダー」の2曲を、佐藤とともにワイルドにギターをかき鳴らしながら歌い上げ、会場の温度をさらに上げる。

その熱気は、まさにフェスならでは。奥田民生、やはり今回の目玉だった。

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ストレイテナーと奥田民生が作り上げた盛り上がりを、大団円にふさわしいものにするという意味で、OAUはまさにトリにぴったりだった。なぜなら、アコースティックサウンドを身上としながら、6人のメンバーが奏でるのは、曲によってはダンスミュージックにもなる祝祭の音楽だからだ。

演奏はフォークロック調の「Thank You」でスタート。跳ねるリズムに早速、立ち上がった観客が手拍子で応える。そこから繋げた「Midnight Sun」は、MARTIN (Vo / Violin / AG) がヴァイオリンを弾きながら歌うトラッドフォーキーな曲と思わせ、熱情あふれるOAU流のダンスナンバーだ。




「久しぶりのライブがこんなにいい感じになるとは思わなかった。ありがとう!」とMARTINをはじめ、メンバーたちは観客の反応に大満足。もちろん、OAUの魅力はそんなふうに会場がひとつになって盛り上がれる楽曲だけにとどまるものではないが、「幸せってどこにあるのかなと子供たちに伝えたいと思って作った」とTOSHI-LOW(Vo / 12st AG)が曲に込めた思いを語った「世界の地図」で持ち前の抒情性もアピールしながら、今日はとことん盛り上がりたいと考えたのか、「こころの花」「Again」と伸びやかな声で歌い上げ、KAKUEI (Percussion) とRONZI (Dr) のソロの応酬にステージが白熱したところで、「Mr.Solar!!」とTOSHI-LOWが佐藤タイジを呼び込み、「Where have you gone」と「Americana」の2曲をセッションする。

TOSHI-LOWとエレキギターを手に現れた佐藤タイジの「1人だけ楽器が違うんですけど、大丈夫ですか?(笑)」「エレキ持ってこいって言ったじゃん(笑)」という掛け合いに思わずニヤリとなったが、バラードの「Americana」を情熱的に盛り上げたMARTINのヴァイオリンと佐藤タイジのエレキのソロバトルを見た誰もが、“なるほど!”と心の中で快哉の声を上げたに違いない。





そこから、「Bamboo leaf boat」と「Making Time」の2曲でさらに盛り上がる。そして、「黙ってても本当の人間がいるっていいね。本当に気持ちいい。楽しいです」と破顔一笑したTOSHI-LOWをはじめ、OAUがこの日、ラストナンバーに選んだのは「帰り道」だ。

「また会えたらと思います。また会える時まで行ってらっしゃい」──TOSHI-LOW


アイリッシュフォーキーなサウンドの中に日本人情緒が入り混じる不思議な味わいに、さっきまで盛り上がっていた観客がうっとりと酔いしれている。そしてTOSHI-LOWはこんな一言で、4時間におよぶイベントを締めくくった。

「次は中津川で会いましょう。どうぞお達者で」──TOSHI-LOW

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以上、熱演の模様は、前述したとおり4日間にわたって配信されるので、ぜひご覧いただきたい。観客の前で演奏する歓びを全身で表現しているミュージシャンの姿を見ることは、我々音楽ファンにとって歓び以外の何物でもない。

取材・文◎山口智男
撮影◎柴田恵理

■ハイブリッド型オンラインフェス<THE SOLAR BUDOKAN 2020>

▼DAY1
9月26日(土) 15:00〜21:00
※アーカイブ期間:10月2日(金)23:59まで
出演者:シアターブルック / a flood of circle / 怒髪天 / 奥田民生 / 田島貴男 (ORIGINAL LOVE) / PUSHIM with HOME GROWN / 小坂忠 with SOLAR JAM (佐藤タイジ・KenKen・Dr.kyOn・沼澤尚) / NOTHING BUT THE FUNK (US)
▼DAY2
9月27日(日) 15:00〜21:00
※アーカイブ期間:10月2日(金)23:59まで
出演者:ACIDMAN / the band apart / LOW IQ 01 & THE RHYTHM MAKERS / 武藤昭平with ウエノコウジ / Nothing’s Carved In Stone / ROVO / The Sunpaulo / Cian Ciaran from Super Furry Animals (UK)
▼DAY3
10月3日(土) 15:00〜21:00
※アーカイブ期間:10月9日(金)23:59まで
出演者:ComplianS (佐藤タイジ・KenKen) / 四星球 / ヤバイTシャツ屋さん / ストレイテナー / ...and more
▼DAY4
10月4日(日) 15:00〜21:00
※アーカイブ期間:10月9日(金)23:59まで
出演者:THE BACK HORN / ROTH BART BARON / 10-FEET / OAU / ...and more

【配信第一週目タイムテーブル】

【チケット】
販売開始:9月9日(水)18:00〜イープラスにて
https://eplus.jp/tsb20-st/
・1日券:3,000円 (税込)
・1日券 [サポート1000]:4,000円 (税込)
・1日券 [サポート2000]:5,000円 (税込)
■通常のチケットと合わせて、1,000円、2,000円をプラスした「サポートチケット」の販売も実施■
・サポートチケットは THE SOLAR BUDOKANプロジェクトの活動資金、活動を支えてくれているステージスタッフの活動資金として活用させて頂きます。
・サポートチケットと通常チケット、配信されるライブの内容は全て同じですので、ご賛同頂ける方のみサポートチケットをご購入頂けますと幸いです。

【オンライン+リアル/事前収録+生配信のハイブリッド型フェスとして本年は開催】
・現在の社会情勢を鑑み、中津川会場でのリアルフェス開催は行わず、オンライン視聴の配信スタイルとして行います。
・THE SOLAR BUDOKANプロジェクトが、事前に撮影したライブパフォーマンスと、開催当日の生パフォーマンスとを融合。中津川、猪苗代、中野サンプラザ、Billborad Live Tokyo など“野外”と“屋内”を織り交ぜ、ハイクオリティな映像と音をお届け。
・中津川は無観客として実施。東京 中野サンプラザでの事前収録のみ、少人数限定でのリアルイベントとして開催。キャパシティの1/4以下の参加人数で、最大限の注意喚起を行い、徹底した安全対策と共に開催致します。
【“100% SOLAR”でのオンライン配信を目指して】
・事前撮影、生配信ともに太陽光発電での蓄電池を活用したSOLAR電力で開催します。また、オンラインにて自宅でも使えるSOLARモバイルバッテリーの販売も行います。



■<THE SOLAR BUDOKAN 2020>オフィシャルグッズ販売スタート

販売期間:9月9日(水)18:00~10月9日(金)23:59
https://shop.eplus.jp/solarbudokan/
※オンラインで受注生産販売

■『こどもソーラーブドウカン ALL JAPANセッション』

・全国のこども達と大規模リモート型セッション企画参加者募集中。
・課題曲「もう一度世界を変えるのさ」を、一緒に、唄って、演奏して、踊って、みんなでひとつの動画を作ろう。
・10月4日(日)、<THE SOLAR BUDOKAN>配信ライブ内で公開予定。
応募受付:9月28日(月)23:59まで
http://solarbudokan.com/2020/workshop/session.html


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