【インタビュー】神宿、5人それぞれの武器で作り上げたニューアルバム

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神宿における“化学反応”、それがアルバム『THE LIFE OF IDOL』で露わになった。神宿のヒストリーのなかで“衝撃作”といえる今作は、これまでの明るくコミカルで元気な笑顔でエールをおくるこれまでの神宿から激変。

◆撮り下ろし画像(12枚)

塩見きらの加入、さらには有名YouTuberなどが所属するクリエータープロダクションであるUUUMへの所属で、彼女たちのなかには明らかに化学反応が起きた。YouTubeを中心にメンバー各々が自らを発信していくアイドルグループとなった彼女たち。今作は、そこでセルフ・プロデュース能力が格段にアップした神宿が初めて収録曲全曲の作詞に携わり、メンバー個々の内面を初めて吐露。

それが「神宿でも、アイドルでもそんなときがあるんだ」と共感性をくすぐる作品を創り出した。ダークな曲調、大人セクシーな神宿から初のユニット曲など、神宿としても個々としてもさらなる可能性を大胆に見せてきた今作について、5人に話を聞いた。

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■“普通”じゃつまんない

──アルバムのことを聞く前に、まず聞きたいのがライブのことなんです。緊急事態宣言が出されるギリギリまでライブ活動を続け、解除後もいち早く7月3日から有観客で全国ツアーでスタートさせたのって、神宿ぐらいだと思うんです。このような状況下で、配信だけではなく神宿が有観客ライブにこだわる理由を教えてください。

羽島めい:いろんな人たちが“無観客”“配信”というやり方でライブを再開してるなか、私たちがなぜそこで“有観客”を選んでいるかというと、直接届けることに意味があるからなんですよ。いまってコロナのことも含め、暗いニュースが続いてるじゃないですか。そのなかで、みんな仕事だったり学校でもいろんな制約があるなかで生きてるからすごいストレスを感じてるんですよね。そういう環境のなかで「じゃあ私たちはなにができるんだろう?」って考えたとき「ライブだな」と思ったんです。私たちがライブをする意義は“みんなを幸せにすること”なんですね。直接会うことで伝わるもの、届けられるものってやっぱりあって。直に目を見てアイコンタクトをして歌、動きで伝える。直接合わないと分かち合えないそういう時間って大事だなと思ったから、いろんなところに会いに行ってるんです。こういう環境だからこそ。会いに行くとみんな直接会えたことに対して、涙を流して喜んでくれるんですよ。

▲一ノ瀬みか

──そこはコロナ前の感覚とは。

羽島めい:違いますね。それぐらい、みんないまのこの状況がツラいんだと分かりました。ウチらが会いにいくことで「ありがとう、元気出た」っていってくれる声がいまはすごく多いんですよ。だから、私たちは有観客を続けることは意味があるなと思ってます。もちろん、そのためにも感染対策は徹底してやってます。

──やはり有観客に勝るものはない、と。

全員:はい。

羽島めい:配信だとその人に向けてというのが届きづらいんですよね。有観客だと、目が合うことで「いまあなたに届けてるんだよ」というのが伝わる。そこは違いますよね。

──では、ここからはアルバム『THE LIFE OF IDOL』について聞いていきたいと思います。衝撃作でしたね。

全員:ありがとうございます!

小山ひな:褒めてくださってますよね(笑)?

──ええ。攻めてますよね。

羽島めい:攻めの姿勢、ウチら的にはこれぐらいがちょうどいいんですけどね。

▲羽島めい

──攻めモードに入ったきっかけは?

羽島めい:“普通”じゃつまんなくないですか? ウチらのいいところって、日々成長して進化を止めない。その姿勢が武器だと思うんですね。こういう系統しかやらないという売り方のほうが世の中的には印象は残りやすいと思うんですが、ウチは個人それぞれが武器を持ってて。だからこそ、いろんなジャンルに挑戦することで、さらにグループにも磨きがかかってくるんじゃないかと思ってるんですね。こういう神宿もあんな神宿も出せるよって。例えば、ちょっとセクシーな大人な神宿もカッコいい神宿も出せれば、可愛いのも面白い神宿も出せるよって。そうやっていろんなことに挑戦できるのがウチらの強みなので。

──そこが強みだっていつ気付いたんですか?

羽島めい それはしおみぃが入ってからかな。

──ああー。塩見さんが起爆剤となって。

塩見きら:(うつむきながら)いえいえいえ。

──控え目でいながらも、グループに化学反応を起こしていったというのが面白いですね。

一ノ瀬みか:すごい努力家なんですよ。あんまりいうと嫌かもだけど、あえてここではいうけど、裏ではすごく歌も振り付けもとことん練習してて。今回のアルバムにも収録された「Erasor」で、ステージ上でも圧倒的存在感を出せてるそのお陰だと私は思いますね。……って、なんかいってよ(笑)。

塩見きら:(照れながら)すごい助けてもらってるからなんです。私は神宿じゃなかったら正直、ここまでやれてたのかなって思うので。

▲羽島みき

──ああ。神宿だったからここまで自分でやってみようと頑張れた訳ですね。

羽島みき:うわっ、嬉しい!

一ノ瀬みか:しおみぃは、みきが一番いろいろ面倒みて教えてあげてるからね。私はそれをはたから見てて思っただけで。

羽島めい:でもさ、面倒みてるそれがオタク目線なんだよ。ガチ恋な(笑)。

羽島みき:だって可愛いんだもん!

羽島めい:オーディションのときから激推しだったもんね?

羽島みき:そう! 超好きだったから。しおみぃは泣きながら「自分は全然ダメだから」みたいにいってたんだけど、いや絶対変われるって思ってたんで。

▲塩見きら

──その読みが見事に当たって。

羽島みき:ねっ! 変わるとは思ってたけど、こんなに早く才能が開花して、追い抜こうとするところまでくるとは予想してなかったのでびっくりしました。

──そういう塩見さんに触発されて、もっと自分も頑張らなきゃと思う部分は?

羽島みき:あります。刺激になります。

小山ひな:しおみぃは本当に歌、上手いんですよ。私は人と比べるのは苦手だから、みんなそれぞれ違う歌が歌えるようになったらいいなと思ってるので。私は頑張ってないから、もっと頑張らなきゃいけないんですけど。

──いや、小山さんも塩見さん加入以降どんどん歌の存在感が増してきてると思いますよ。

小山ひな:ん〜……。

羽島めい:こういう謙虚なところが彼女のよさなんで。

▲小山ひな

──塩見さん加入以外にもグループに化学反応が起こった理由はあるんでしょうか。

羽島みき:年齢もあると思います。みんな20代になったんで10代の頃とは違う魅力がそれぞれ出てきてるからこそ、変わったところはあるかも。女性アイドルって、やっって30歳ぐらいじゃないですか? でも、神宿はそういう年齢という壁もぶち壊していきたいんですよね。

──ホールツアーでも「おばあちゃんになっても神宿やりたい」っていってましたもんね。

羽島みき:腰曲がっちゃって踊れないかもしれないけど「神宿で〜すヨボヨボ」って。

羽島めい:それ、お客さん来てくれる(笑)!?

羽島みき:それぐらい、気持ち的には長くみんなと神宿を続けていきたいので、そのためには“いま”の自分を一番引き出せるものを舁夫(神宿のファンの呼称)さんに見せていきたいと思ったんですよ。

──それで、リアルな自分たちを作品に描こうと。

羽島みき:これを舁夫さんたちがどう受け取るのかが、いまは楽しみで仕方ないんですよ。

羽島めい:アルバムはこういう作品になってるけれども、ライブでこれを披露したときは、前後に置く曲によってアルバムの曲も変わってくると思うんですよ。だから、そこまで舁夫さんたちには楽しみにしてて欲しいなと私は思いますね。

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