【インタビュー】神宿、5人それぞれの武器で作り上げたニューアルバム

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■今後の作品はもっとこの5人で作っていきたい

──今作はいまの自分たちを引き出すという意味で、メンバーが作詞に携わったところがこれまでの作品と大きく違う訳ですけど。

一ノ瀬みか:そうですね。今回は全ての曲のクレジットにメンバーが入っていて、より自分たちのパーソナルな部分が出たかと思いますし、私は全曲ハモリパートの制作をしたので、そう言った面でも、より自分たちでアルバムを作る事ができたという達成感がありますね。

──個々がSNSで発信する作品、神宿としての音楽作品、衣装などセルフでプロデュースするものがどんどん広がってますよね。

一ノ瀬みか:ホールツアーで着た白×黒のツイードの衣装は私たちで揃えましたけど。

羽島めい:そういうところも。

羽島みき:「自分たちでやってます」って、ね。

羽島めい:露骨にアピールするよりも。

一ノ瀬みか:私たちは作品自体を楽しんでもらいたいから。


──セルフでやってることよりも?

塩見きら:セルフといっても、自分たちは“当たり前”のことをやってるだけなんですよ。YouTubeにしてもクリエイティブにしても、自分が得意なこと、攻められる場所を攻めていって、それが5人集まったときにステージの上で大きな力になる。そこが私たちの武器だと思ってるから“それぞれが攻められるところで自分の力を出し切ってグループに還元する”ことは各々の課題であり、周りにはそれをサポートしてくださるスタッフさんがいる。そういう感覚なので、自分たちがやってることに対して“特別感”はないですし、それを日々当たり前のこととして私たち自身が楽しみながらやってるからこそ、今回の作品に関しても世に出ることが楽しみなんです。

──なるほど。塩見さんが今作から歌詞を書き始めたのも、自分が得意で攻められる場所というところでやり出した訳ですか?

塩見きら:そうです。それも、神宿に入って見つけて頂いた部分なんですよ。根元にあったのは、元々私はアニメが好きで、アニメについて文章を書いていたら、それを「面白いよね」といってもらえることが多かったんですね。そこで、これはファンに見つけてもらった私の武器だと思ったので、そこをグループに還元できるようにというので書き出したんです。作品にメンバーが携わることで聴く側、ファンにとって作品の意味が180度変わってくるという思いもそこにはあって。最初に私が作詞をさせていただきましたけど、どんどんこのアルバムでみんなの名前がクレジットに入っていったんですね。なので、今後の作品はもっとこの5人で作っていきたいなとすごく思いますし、ライブもこの5人で作っていきたいなと思っています。

──その第一歩目となる今作について詳しく聞いていきますね。塩見さんの場合、歌詞はメンバーに当て書きして書いてるんですか?

塩見きら:その場合もありますし、曲の世界観で書く場合もありますね。アルバムのなかの「明日、また君に会える」のようにこのご時世、ファンになかなか会えなかったけどやっと(有観客ライブで)会えたという私たち5人の気持ちを歌詞にした曲もありますし。

──塩見さんの歌詞を最初歌ったとき、どう感じました?

一ノ瀬みか:新鮮でしたよ。むちゃくちゃ。

羽島みき:うん。新鮮だったね。

小山ひな:(しおみぃは)よく見て、知ってくれてるからこそ、歌割とか歌詞とかも信頼してるし。歌詞を見ると「ああ、ここは私を選んでくれてるんだ、じゃあこう歌おう」と思ったりするので、単純に嬉しいですね。「Brush!!」の“真夜中のスイーツでご褒美じゃんって”といって“ice cream”が出てくるところとか“甘えてたいから聞かない”とか、メンバーじゃなかったら分かんない私をそのまま書いてくれるので、そういうのがいいなって思います。歌ってても事実だからめっちゃ心こもるし。

塩見きら:嬉しいです。そういってもらえると。


──塩見さんは、メンバーのことこっそり観察してるんですね。

塩見きら:そうですね。日々の会話、端のほうで話してることは結構聞いてる。

羽島みき:そういうときちょっと笑ってるよね(笑)。

──塩見さんの他に、「Intro:Attitude」ではめいさんは自らの人生をラップ語りするリリックを書かれてましたね。

羽島めい:あれはリアルです。

羽島みき:ガチでやばいよね!

羽島めい:自分の生き様、その過去といまと未来を歌ってるんですよ。あの曲は。自分のことを歌ってるけど、舁夫さんのこと、メンバー、スタッフさん、家族、自分の周りにいるみんなを思って歌ってるんで、1曲目からこれを聴いて驚いて欲しいです。

一ノ瀬みか:驚くよ、これは。

羽島めい:「全編ラップだよ!」って(笑)。

一ノ瀬みか:YouTubeの影響もあるかと思いますが、コロナ禍でもファンの輪が広がり続けていることを実感しています。なのでこの曲を聴けば、初めて神宿を知る人にも、神宿の歴史を知っていただける機会になるのではないかと思います。ぜひ聴いて欲しい。


──大人カッコいいセクシーな「MAD GIRL」、これは衝撃作じゃないですか?

羽島めい:ウチはこれ大好き。自立してるから。この曲の当たり前というものに媚びてない感じが好きなんですよ。女の子はこういのが可愛いからこうするのが当たり前でしょとか、勝手な常識があるんだけど。

羽島みき:そういう理想をこっちに押し付けてくるなっていう感じの曲ですよね。私は私、みたいな。

──歌詞は一ノ瀬さんと塩見さんの曲作ですね。

一ノ瀬みか:曲のデモを頂いたとき、歌は英語だったんですよ。そこからデモを何度も聴いていくうちに、これは“私対誰か”がいる曲だと思ったんですね。自分は文章を書くよりも感覚的なものを音楽から感じ取るのが得意だから、感覚を言葉にしていった感じです。たぶんしおみぃとは全然歌詞の書き方が違うと思います。

塩見きら:私は歌詞を書くときは世界観、テーマをまず決めてから書いていきますからね。


──「在ルモノシラズ」にしても「Error」にしても、塩見さんが歌詞を書くようになって、暗い曲でネガティブな感情を歌う曲も増えましたよね。

羽島みき:アイドルだからみんなの前でキラキラ笑顔でいたい、元気を届けたいってなると明るい曲が多くなっちゃうんですよ。しかも、神宿のKMYDのY=YELLっていってるから、自分たちのネガティブを見せるのは違うっていうも最初の頃はあったと思いますね。推測ですけど。でも、いまは違うね。いまは闇もポイッってみんなに(笑)。

羽島めい:発言、雑すぎだから(笑)! ウチらがダークな部分、ネガティブなところまで歌うことによって聴いてる側はこの5人も、神宿もこういう気持ちになるときもあるんだなって、逆に勇気づけられると思うんですよ。なので、いままでのウチらの元気なYELLとは真逆のところからの共感のYELL。それをしおみぃは持ってきてくれたなと思ってます。聴いたら、共感性はすごくあると思いますよ。

塩見きら:「在ルモノシラズ」は、曲を聴いたときに普段抱えている苦しさを表現するのがいいんじゃないかなと思ったんです。5人各々、日々抱えているものというのはもちろん私たちにもあって。それを隠しながら生きていくのは自分の人生をみんなに見せて応援してもらう立場にある人として、果たして本当に正解なのか、と。そこも共感としてみんなに受け取ってもらいたいなという思いでこれは書きました。「Erasor」はさらにそこをディープに書いた感じですね。

──一ノ瀬さん、小山さん、塩見さんのユニット曲「Erasor」。こちらは、ライブで披露するとその歌に圧倒されて場内が静まりかえるという化学変化がライブでも起こっているわけですけど。みきさんとめいさんは3人のパフォーマンスを見てどう思いました?

羽島めい:自分の心のなかで葛藤していることが歌詞になっていて、元々歌唱力がある3人なので、ライブをするたびにその表現力が上がっていってる気がしますね。「いまの歌い方、めっちゃ響くな」とか、舞台裏で聴きながら思ったりしてます。


──では、これとは対照的な楽曲、羽島姉妹による「SISTERS」。こちらのパフォーマンスを見て3人はどう思いましたか?

小山ひな:可愛いなって思ってます。

塩見きら:舞台裏で踊ったりしてますよ(笑)。パフォーマンス以外でも、ステージのトークでも盛り上げてくださるし。

──作ってみて、改めて自分たちそれぞれのアイドル人生をここまで見せた今作について、最後に読者にメッセージをお願いします。

羽島めい:恥ずかしいことは書いてないですから。どんなこといわれようが、堂々と受け止めますよ。我々は。歌詞は伝えたいことしか書いてないので。ウチらが思ってることを自由に考えて、聴いた人それぞれが勝手に考察して楽しんでくれって感じ。だから「めっちゃ聴いてくれマジで」って思ってます。

取材・文◎東條祥恵
写真◎青木早霞(PROGRESS-M)

ニューアルバム『THE LIFE OF IDOL』

2020年9月30日 Digital Release
配信リンク:https://orcd.co/kmyd

2020年10月21日 Physical Release
01. Intro:Attitude
02. Brush!!
03. 明日、また君に会える
04. MAD GIRL
05. 在ルモノシラズ
06. Erasor
07. SISTERS
08. Orange Blossom

<KAMIYADO Autumn Tour 2020 また君に会える>

2020/10/10 (土) 大阪 ESAKA MUSE
昼公演※舁夫会限定:OPEN 13:30 / START 14:15
夜公演:OPEN 17:15 / START 18:00
2020/10/11 (日) 名古屋 ダイアモンドホール
昼公演※舁夫会限定:OPEN 13:30 / START 14:15
夜公演:OPEN 17:15 / START 18:00
2020/10/17 (土) 福岡 DRUM SON
昼公演※舁夫会限定:OPEN 13:30 / START 14:15
夜公演:OPEN 17:15 / START 18:00
2020/10/18 (日) 福岡 DRUM LOGOS
昼公演※舁夫会限定:OPEN 13:30 / START 14:15
夜公演:OPEN 17:15 / START 18:00
2020/10/24 (土) 名古屋 BOTTOM LINE
OPEN 13:30 / START 14:15
2020/10/25 (日) 大阪 ESAKA MUSE
昼公演※舁夫会限定:OPEN 13:30 / START 14:15
夜公演:OPEN 17:15 / START 18:00
2020/10/31 (土) 東京 渋谷ストリームホール
昼公演※舁夫会限定:OPEN 13:30 / START 14:15
夜公演:OPEN 17:15 / START 18:00
2020/11/1 (日) 東京 KANDA SQUARE HALL
昼公演※舁夫会限定:OPEN 13:30 / START 14:15
夜公演:OPEN 17:15 / START 18:00
2020/11/8 (日) 札幌 cube garden
昼公演※舁夫会限定:OPEN 13:30 / START 14:15
夜公演:OPEN 17:15 / START 18:00
2020/11/14 (土) 埼玉 HEAVEN’S ROCK さいたま新都心 VJ-3
昼公演※舁夫会限定:OPEN 13:30 / START 14:15
夜公演:OPEN 17:15 / START 18:00
2020/11/15 (日) 東京 EX THEATER ROPPONGI(ツアーファイナル)
OPEN 17:00 / START 19:00

詳細はこちら
https://kamiyado.jp/tour/autumn-tour-2020/

◆神宿 オフィシャルサイト
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365日、アイドルが作るアイドルメディア Pop'n'Roll 準備号創刊

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