【レポート】<THE SOLAR BUDOKAN>DAY2、the band apart「MV撮影よりもすごいことになってます」

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猪苗代湖畔で事前収録を実施しての出演となったthe band apart。<中津川ソーラー>常連バンドであるthe band apartだが、この猪苗代との縁は、昨年開催された<猪苗代 THE SOLAR BUDOKAN>にアコースティックスタイルのthe band apart(naked)で出演したことによる。そのときは会場にテント付きのステージが組まれたが、今回は湖畔の広い砂浜がステージだ。

◆the band apart 画像

4人が向かい合うように、それぞれの楽器や機材がスタンバイしてあるが、かなり広めにソーシャルディスタンスが取られていて、キャッチボールもできるんじゃないかという空間使いである。さらに、ドローンの空撮映像で見るそのステージは、湖と山や緑に囲まれて、日本にもこんなダイナミックな景色があったのか、という最高のロケーションだ。MCでメンバーも語っていたが、これは配信だからこそできるライブであり、ひとつの作品を作り上げるような醍醐味がある。





オーガナイザーである佐藤タイジも現地に向かって立ち会ったthe band apartのライブは、「ZION TOWN」、そしてFRONTIER BACKYARDへの提供曲セルフカバー「夜の改札」と、これぞバンアパというスムースなグルーヴが冴える曲でスタートした。普段の<中津川ソーラー>同様に、この猪苗代もまた好天に恵まれて、バンドアンサンブルが爽快な風を運んでくる感覚を画面越しにも味わうことができる。

小暮栄一(Dr)のキレのいいドラム、原昌和(B, Cho)がメロディアスに印象深いフレーズを重ねながら、曲のスピードを加速していく「shine on me」では、4人の距離感が一気に近くなる感覚を覚えるほど、濃厚なアンサンブルを編み上げる。早くもクライマックスという勢いで、キラーチューン「Eric.W」では傍で見ている佐藤タイジが気持ちよく踊っている姿もカメラが捉えた。現場にいることがとてもうらやましい。ただ、何台ものカメラやドローンにて、多角的で、動きある映像作品として見ることができるのは、画面の前にいる観客だけの贅沢でもある。




荒井岳史(Vo, Gr)は「普段ライブを、こんな立ち位置でやるのはありえないこと。これは配信ならではの新しい試みというか、逆境を逆手にとって楽しんでやろうというもので、ミュージックビデオの撮影よりもすごいことになってます」と語り、原は「ロケーションがすごすぎるよね。でも撮影をしながらライブをしちゃうというのは、こんな時期じゃないとできないじゃないことで。どんな状況でも楽しくする人がいるというのはいいね」と、オーガナイザーである佐藤タイジや<THE SOLAR BUDOKAN 2020>を作り上げるスタッフにも思いを伝えた。





中盤は4ヵ月連続リリースの第一弾で、8月にリリースした新曲「AVECOBE」や「9th Grade Bubble Pop」を中心に、ロックでエモーショナルな曲を連投。「AVECOBE」はバンアパの曲としてはあまりないような、ロックなギターリフと8ビートで直線的なサウンドで、ライブのシーンをガラリと変える。川崎亘一(G)のソリッドなギターが気持ちよく、続く「8月」から「9th Grade Bubble Pop」、そして「DEKU NO BOY」と青みを帯びた歌心ある曲に、まっすぐに飛び込ませていく。サウンドや歌がまとう切ないような、甘酸っぱいような空気が、夏の名残を感じらせる景色と合わさってブーストされる。キャリアを重ねた今奏でられる、このシンプルでグッドメロディの曲が、新鮮であり深い味わいも放っている。

最後の曲にいく前に改めて、今やこの<THE SOLAR BUDOKAN>が、ソーラーを使い、ライブというコンセプトを超え、ひとつの新しい方法を提示するフェスになっていることを告げ、常に刺激をもらう存在になっていると語った荒井は、「次はみんなの前でできることを楽しみにしている」と言って、「夜の向こうへ」に突入した。まさに夜の向こう、その先の世界へと歩みを進めいていくように熱が上昇していくサウンドはドラマティックで、広々した光景を映すドローンの映像と混じり、感動的だ。画面の前で歓声を上げたくなるそのエンディングの余韻に浸ろうかという瞬間、なにやらたくらみの笑みを浮かべた原と川崎が足元のバケツを取って、頭から水をかぶるというオマケ付き。ただでは、終わらないthe band apartなのだった。


取材・文◎吉羽さおり
撮影◎柴田恵理

【the band apart@Billboard Live TOKYO セットリスト】

01. ZION TOWN
02. 夜の改札
03. shine on me
04. Eric.W
05. AVECOBE
06. 8月
07. 9th Grade Bubble Pop
08. DEKU NO BOY
09. 夜の向こうへ

【配信第一週目タイムテーブル】

■ハイブリッド型オンラインフェス<THE SOLAR BUDOKAN 2020>

▼DAY1
9月26日(土) 15:00〜21:00
※アーカイブ期間:10月2日(金)23:59まで
出演者:シアターブルック / a flood of circle / 怒髪天 / 奥田民生 / 田島貴男 (ORIGINAL LOVE) / PUSHIM with HOME GROWN / 小坂忠 with SOLAR JAM (佐藤タイジ・KenKen・Dr.kyOn・沼澤尚) / NOTHING BUT THE FUNK (US)
▼DAY2
9月27日(日) 15:00〜21:00
※アーカイブ期間:10月2日(金)23:59まで
出演者:ACIDMAN / the band apart / LOW IQ 01 & THE RHYTHM MAKERS / 武藤昭平with ウエノコウジ / Nothing’s Carved In Stone / ROVO / The Sunpaulo / Cian Ciaran from Super Furry Animals (UK)
▼DAY3
10月3日(土) 15:00〜21:00
※アーカイブ期間:10月9日(金)23:59まで
出演者:Anly / THE BAWDIES / ComplianS (佐藤タイジ・KenKen) / 藤原さくら / NakamuraEmi / 四星球 / ストレイテナー / Major in Body Bear (Taiwan) / ヤバイTシャツ屋さん
▼DAY4
10月4日(日) 15:00〜21:00
※アーカイブ期間:10月9日(金)23:59まで
出演者:Afro Begue feat. ComplianS / THE BACK HORN / Char / 民謡クルセイダーズ / 仲井戸“CHABO”麗市 / OAU / ROTH BART BARON / 竹原ピストル / 10-FEET
※仲井戸“CHABO”麗市はコメント出演と<中津川 THE SOLAR BUDOKAN 2017>でのSPECIAL SESSIONを配信予定

【チケット】
販売開始:9月9日(水)18:00〜イープラスにて
・1日券:3,000円 (税込)
・1日券 [サポート1000]:4,000円 (税込)
・1日券 [サポート2000]:5,000円 (税込)
https://eplus.jp/tsb20-st/


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