【インタビュー】MSTK™、謎多き大型ロックバンドの全貌「大人だからできるヤンチャがしたい」

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MASATAKAこと藤重政孝がボーカルを務める謎多き大型ロックバンド“MSTK™”が10月2日、配信新曲「Under the Gate」と「my Home」を2曲同時リリースした。2020年6月に3曲同時配信という形で本格始動したMSTK™の配信リリース第二弾となるものだ。

◆MSTK™ 画像

前述したとおりMSTK™は2020年6月、“こんな無責任な間違いだらけの世の中に、あえて思い切り間違えてみる。もっと自由でがむしゃらな、ミステイク”をコンセプトに掲げて始動した5ピースだ。当初はメンバー名のみ公表されたものの、いわゆるアーティスト写真や各メンバーの経歴が明かされることなく、謎に包まれたまま。そして、9月13日の無観客無料配信ライブで初めて露わとなった全貌は、レポートおよび終演後のミニインタビューに掲載したとおりだ。

喜びと哀愁を感じさせる多重サウンドは、“大人による本気の遊び”という彼らのスタンスを象徴して、多くのロマンを感じさせる。しかし初ライブでの、神秘的なスタンスとは裏腹にナチュラルなステージ上の佇まい、加えて、想像以上の高い演奏力と楽曲クオリティに、ますます謎は深まるばかり。BARKSではメンバーの素性やサウンドコンセプト、そして2曲の新曲についてじっくりと話を訊いた。

   ◆   ◆   ◆

■“歌って死にたい”ってこと
■それがバンドで歌うことへのテーマ

──9月13日に御披露目ライヴを配信という形で実施されたMSTK™ですが。まず結成の経緯から伺ってもよいですか?

MASATAKA:発端はですね、僕とAZ(G)に共通の知人がいまして、その人からAZのことは聞いて知っていたんですよ。数年前に、とある現場の楽屋で一緒になったときに初めてちゃんと話したんですけど、そのとき、「バンドをやりたいんだよね」っていう話をAZにしたんです。3〜4年前くらいだったかな?

──そんなに前の話なんですか?

AZ:そう。僕、MASA(MASATAKA [Vo] / 藤重政孝)さんから「ギター弾いてくれない?」って言われたんですけど、“またまた〜、MASAさん、みんなにそうやって声かけてんじゃないの?”って思ってたので、そこから1年くらいその話を寝かしてるんですよ(笑)。でも、その後にまた「ギター弾いてくれない?」って言われたんで、“あ、本気なのかな?”と。

▲MASATAKA(Vo)

MASATAKA:地元・山口県で僕は学生の頃にバンドを組んでて、よくコンテストとかに出たりしてたんです。けど、ソロでデビューしたので、ずっとバンドに憧れがあったんですよ。それで、THEGOLDのAZのギター聴いたときに、なんかビビビッときて。

AZ:嬉しい〜!

MASATAKA:あははは。それが始まりでしたね。

──同じ歌うにも、バンドとソロだと違いがあるんです?

MASATAKA:ありますね。藤重政孝っていう枠がずっとある……まぁ、バンドでも歌えば藤重政孝なんだけど、やっぱりソロで歌うとより藤重政孝なんだよね。そういう枠を取っ払いたかったんですよ。新しい空気の中で歌ってみたかったし、久々にバンドがやりたかったんです。

──バンドで歌うことにおいて、何か特別なテーマ性はあったんですか?

MASATAKA:“歌って死にたい”ってことかな。自分には子供がいるんですけど、楽しく歌って最高の人生を送ってるパパの姿を見せて死ねたらいいなって思ってるんです。“最高に楽しい人生を送ってたパパだったな”って思われるように生きたいんです。

──それ、カッコいいですね。すごくいい話。

MASATAKA:そこはAZに最初に話したところでもありましたね。バンドのコンセプトとしては、“大人なバンド”がやりたくて。大人だからできるヤンチャがしたかったんです。

▲AZ(G)

──なるほど。そこからどういう流れで他のメンバーが集まっていったんですか?

AZ:まず僕が、サポート現場で一緒にプレイしたことがあったHighsidEのNosuke(Dr)をMASAさんに紹介して、MASAさんから謎のベーシストO.N.Z.B(B)を紹介されたという感じでしたね。ギターはツインでいきたかったので、前々から“いいギターを弾くなぁ”と思っていたアレンジャーでありギタリストのJIN(G)に声をかけて、この5人のメンツが集まったんです。

MASATAKA:プレイ的には本当に声を大にして「最高だ!」と言えるメンツですからね。ギラギラと華やかなギターを弾く飛び道具のAZと、安定してブレないギタリストであるJINの相性はバッチリ。最高のリズムを刻む、これまた飛び道具のNosukeのドラムも本当に素晴らしい。そして得体の知れないO.N.Z.Bは見た目からは想像付かない超絶テクニックを持つ変態ベーシストですから。

O.N.Z.B:変態ッテ言ワレタイ! 嬉シイ! 褒メ言葉ジャナク、本当ノ変態ノ粋マデ行キ切リタインデス!

AZ:そんな変態ベースとの相性バッチリなのが、Nosukeのドラムプレイ。これまた最高なんです。

MASATAKA:全てが最高なんです。ブレない天然キャラなJINの人柄も最高ですから!

JIN:あ、そう言っていただけて嬉しいです! ブレなくやらせてもらってます!

AZ:Nosukeに至っては、自身のルーツに無い音楽性だったりするんですけど、そんな中でNosukeらしさを出してくれてるところが、またいいんですよ!

Nosuke:僕はまだ自分の色を出さないという手段を持っていないので、わりと等身大で挑んでいる感じはありますね。チャレンジしつつな感じです。

▲JIN(G)

──それぞれの個性が集まって起こる化学変化が、MSTK™の魅力になっているんでしょうね。

AZ:だと思いますね。MSTK™の楽曲は、歌詞も曲も全部僕が書かせてもらってるんで、MASAさんもそういう意味ではすごく新鮮だと思うんですよ。

MASATAKA:そう。自分の言葉じゃない歌詞を歌いたいというのも、MSTK™の大きなコンセプトだったりするんです。自分の言葉じゃないから、ある意味すごく入り難いんですけど、そこに敢えて挑戦したかったんです。

──昔は“絶対に自分の言葉で歌いたい”っていうこだわりもあったでしょうからね。

MASATAKA:そう。それこそが自分だっていうね。でも、今は自分じゃないものをどう歌えるかを試したい。それは大人になったからそう思えるのかも。僕は普段“僕”って言葉で歌わないですからね。

AZ:そうなんですよね。だから新曲では“俺”にした曲もあります。

Nosuke:え!? 逆に寄せちゃってるじゃないですか(一同爆笑)!

──本当に! 今、一瞬にしてインタビューの流れが断ち切られましたからね、AZくん!

AZ:あははは。すみません(笑)。つまり、何でもありなんですよ! でも、逆に自分は歌詞を書くとき、いつも“僕”なんで“俺”は新たな挑戦だったりしたんです。その曲には“俺”が必要だったという。

O.N.Z.B:オー、ナルホド(納得)。

MASATAKA:それぞれに積んできたキャリアがあるので、いろんな実験ができるんです。振り幅はいくらでもある感じですね。それがめちゃくちゃ面白いんですよ。

AZ:めちゃくちゃ楽しいです。かなり自由に曲を書かせてもらってるんで(笑)。

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