5G時代の新たなライブ・フォーマット、XRライブ<Jupiter - A VIRTUAL JOURNEY ->開催レポート

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Jupiter制作委員会は、2020年9月26日(土)21:00より新時代を迎えたライブエンターテインメントの最先端フォーマットのXRライブ<Jupiter - A VIRTUAL JOURNEY ->を開催、各種プラットフォームより、約3時間に渡って世界中に生配信し、のべ26,107人が視聴した。

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今年1月、最先端テクノロジーを駆使した世界初のバーチャルヒューマンライブで大きな話題を呼んだYELLOCKのバーチャルヒューマンライブの制作を行った株式会社Vi-TWINをはじめ、少数精鋭のクリエイティブチームが、本イベントのXRライブ空間を独自に制作している。新たな試みとして、360°のバーチャル空間の中で2DのVJと3DのVFXを掛け合わせたハイブリッドな演出を行った。オフラインのライブイベントのようなその場の熱気やバイブスに沿ったDJとVJのプレイをXRライヴ空間にリアルタイムに反映させている。これは事前収録や予めプログラミングされた演出で行われるオンラインライヴに対し、“ライブ感“を創出する挑戦となった。

バーチャルヒューマンアーティスト、YELLOCKの所属する弊社と株式会社Mawariと共に、来る5G時代の未来を見据え、XRコンテンツをフル3Dで大規模に配信することを中期的な展望としている。本イベントをエンターテイメント業界の進化に対する探求を落とし込むリアルケースだと捉え、この取り組みが昨今盛り上がりを見せているバーチャル音楽表現に大きな活力を与えることを期待し、実施した。当日の様子を、イベントレポートをお届けしよう。

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■3Dと2Dのハイブリッド……
■リアルタイムで世界を再構築するXRライブ




新型コロナウイルスの影響により、世界中でフェスやイベントが開催延期・中止となる中、その多くは広大なバーチャルの世界へと移行。この半年間で多種多様なイベントがオンラインで実施されてきた。 そんななか行われた<Jupiter - A VIRTUAL JOURNEY ->は、既存のオンラインイベントとは一線を画す新たなライブエンターテインメント……VRやAR、バーチャル、3D、全てを網羅したXRライブだ。それは目を見張るほどのビジュアルが生み出す圧倒的なリアリティ。人類未踏の地・木星をバーチャル上に荘厳に生み出す、その想像・創造力もさることながら、何より驚くべきは脅威の映像表現。言うなれば3Dと2Dのハイブリッド、バーチャル空間に投影されるVJ表現。3次元バーチャル空間の至るところがスクリーンとなりVJ映像の照射が可能に。それこそ大地や空中、ビルの窓1枚1枚などリアルでは到底不可能な場所も含め、あらゆるところにVJ映像が浮かび上がる異次元の世界観で視聴者を圧倒する。

また、もうひとつの醍醐味はリアルタイム・エンターテインメント。映像や音楽、全てあらかじめ作り込むのではなく、瞬間瞬間に生み落とされる、それはまさにリアルイベントで享受する感動そのもの。雨や煙、レーザーなど全てエフェクトコントロールされ、リアルタイムで演出し、出演者も絶えず視聴者とコミュニケート。しかもその一体感を強化すべくTシャツやグラス、お弁当などのアイテムも用意され、超インタラクティブな世界を実現した。

■音楽と映像で人類未踏の地へ
■オンラインライヴの新たな挑戦


月と木星が最接近する稀有な夜に行われたXRライブ<Jupiter - A VIRTUAL JOURNEY ->。人類未踏の地・木星に誘うのは YELLOCK、DJ AKi、さらにはUKからFutureboundだ。未知なる旅路の魁は日本ドラムンベース界の至宝DJ AKi。木星へと向かう宇宙船を舞台にDJ AKi+YELLOCK feat. Kid Drama「ID」で幕を開け、序盤には新たな体験を“身体で感じろ”とばかりにDRUMCATCHER「FEELIT」をプレイ。そして、目的の地・木星に到着すると現実世界さながら視聴者と喜び共有し、祝杯をあげるDJ AKi。その後も様々なビートアプローチ、多彩なサウンド、ドラムンベースの無限の可能性を感じさせるセットは、まさに未開の地を旅するかのようだ。


続くはVIPER RECORDINGS主宰Futurebound。誰も見たことない木星の地で冒頭からPendulumの新曲「Driver」と、手つかずの地を駆け巡る姿を想起させる開拓精神溢れるセレクト。そして刻一刻と木星の景色が移りゆく中、Futureboundのプレイも絶えず変化。そのハードかつエモーショナルなセットはビジュアル同様、超シームレスで圧巻の没入感が得られる。


そしてトリを飾ったのはYELLOCK。直訳すると“どこか別の場所へ”、まさに異空間を指し示すMUZZ「Somewhere Else」で幕を開け、舞台は名残惜しくも木星を後にし、一路地球へ。日本は東京・渋谷スクランブル交差点へと帰還すると自身の楽曲「The Beginning」で新たな世界の始まりを演出する。今回はDJ AKi、Futurebound、そしてYELLOCKと三者三様ながら音楽でひとつの物語を紡ぐ、それがまた実にドラマチック。世界を身体で感じ、未開の地を駆け巡り、異空間を旅しながら新たなタームへ。XRライブという挑戦を音楽で表現する素晴らしいストーリーだった。

そして、ラストは誰もが見慣れた渋谷に巨大なバーチャルヒューマンが現れたかと思えば、大輪の花火とともに街が崩落。瓦解する渋谷は果たしてどんな世界へと生まれ変わるのか、オーディエンスに様々な想いを喚起させ幕を閉じた。

今後はXRライブのさらなる進化を図りつつ、中長期的にはより高度なVR・AR表現、モーションキャプチャー&バーチャルヒューマンライブとの結合。さらにはアバターでのユーザー参加も視野に入れつつ、2次元と3次元のさらなる融和が生み出す超ハイブリッドな映像表現を示唆するYELLOCK。バーチャルヒューマンライブ、そして今回のXRライブ、エンターテインメント新時代に次々にかつてない体験を生み出し、シーンにシンギュラリティを巻き起こす、エポックメイキングかつアンタッチャブルな彼らの動向に今後も要注目だ。


<Jupiter - A VIRTUAL JOURNEY ->

2020年9月26日(土)21:00〜24:00
主催:Jupiter制作委員会(06S Records / 株式会社HiGH CONCEPT / 9B / 株式会社YELLOW / 株式会社Vi- TWIN / 株式会社Mawari)
特別協力:よろにく / 青山fai

◆<Jupiter - A VIRTUAL JOURNEY -> オフィシャルサイト
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