【レポート】<Tokyo Music Evening Yube>、青島広志の10倍楽しいオペラ開催

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2020年10月7日(水)、池袋GLOBAL RINGにて<Tokyo Music Evening Yube>が開催された。

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<Tokyo Music Evening Yube>は、「誰もが主役になれる劇場都市」豊島区において、劇場での観劇鑑賞後の余韻とともに池袋でのナイトライフを満喫できる“アフター・ザ・シアター“を推進するため、そのきっかけとして本格的なクラシック音楽を堪能できるプログラムだ。新型コロナウイルス感染防止対策のため休止を余儀なくされ、無観客でのライブ配信という形を取っていた同プログラムが、ソーシャルディスタンスを保つ形で入場人数を制限しつつ、本来の場である池袋GLOBAL RINGでの公演と相成った。

NHK交響楽団メンバーによる室内合奏団、西本智実&イルミナートフィルハーモニーオーケストラに続いて登場したのは、作曲家の青島広志だ。今回は「青島広志の10倍楽しいオペラ」として、青島のトークと声楽家の歌唱、演奏者の演奏で子供から大人まで楽しめるオペラの魅力を伝えることとなっている。



この日はあいにくの小雨模様。とはいえ本公演を楽しみにしていた観客で会場は徐々に埋まっていく。19時、定刻に青島が登場すると予定外の演奏が始まった。「あめふり」である。天気を踏まえつつ、テレビなどでおなじみの思わず笑みが漏れる“青島トーク”から公演がスタートした。

コントラバス、チェロ、ビオラ、第二バイオリン、第一バイオリンがステージに現れ、一曲目が始まる。ジュゼッペ・ヴェルディが1853年に発表したオペラ『椿姫』から「乾杯の歌」だ。事前には青島の分かりやすい楽曲解説が入り、よりオペラを楽しめる仕掛けになっている。演奏が始まると、シャンパングラスを手にしたテノールの小野勉、ソプラノの横山美奈が豪華な衣装をまとい登場。ハリのある若々しいテノール、そして伸びやかなソプラノに初っ端から引き込まれる。ステージ上は悪天候を感じさせない夢の舞台のようだ。

続いて同『椿姫』から「ああ、それはあの人か〜花から花へ」。こちらは横山の素晴らしい美声が堪能できる一曲。さらにだれもが一度は耳にしたことがあろう、ヴェルディの『リゴレット』より「女心の歌」が続く。こちらは日本語、イタリア語で小野の歌声が味わえる。



今回は豊島区に関係のある演奏者を選んだという青島。それぞれクスッと微笑んでしまうトークを交えつつ、5名の演奏者が紹介される。続いてその5名と青島による『カヴァレリアルスティカーナ』より青島曰く「この楽曲で一番キレイな曲」という「間奏曲」。そして横山が登場し、演奏前にインタビュー。爆笑トークはアーカイブ映像で確認していただきたい。

横山が歌うのは“オペラ王子”と言われるジャコモ・プッチーニ『ジャンニ・スキッキ』より「私のお父さん」。続いて小野が登場し、プッチーニの最後の作品『トゥーランドット』より「誰も寝てはならぬ」が始まる。そして“一応”本日最後の作品、オペラではなくミュージカル『マイフェアレディ』より「一晩中踊りたい」。軽やかな演奏と伸びやかな歌声で、今日の公演のクライマックスと言える瞬間だ。


最後の挨拶が終わるとすぐにアンコール演奏に入る。「オペレッタは2曲知っていればツウになれる」という、そのうちの一曲『メリー・ウィドー』より「ワルツ“唇は黙っていてもヴァイオリンはささやく”」。こちらは観客とともにハミングをする楽曲。雨模様ながらたくさんの歌声とともに大団円を迎えた。分かりやすい解説、そして素晴らしい演奏、さらに青島広志のトーク……短い時間ながらオペラの楽しさを感じ取れたに違いない。この模様はぜひアーカイブ映像をご覧いただきたい。

池袋GLOBAL RINGで行われる<Tokyo Music Evening Yube>。今後は11月1日(日)西村智実とイルミナートフィルハーモニーオーケストラ、11月26日(木) 小林研一郎とコバケンとその仲間たちオーケストラと続く予定だ。チケットは応募抽選となっており、詳しくはホームページで確認していただきたい。


◆<Tokyo Music Evening Yube> オフィシャルサイト
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