FIELD OF VIEW、25周年記念公演で「その拍手でもう十分だよ! 言ってもいいかい?」

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FIELD OF VIEWが10月15日(木)、新宿ReNYにて<FIELD OF VIEW 〜25th Anniversary Special / 観客限定&配信Live>を開催した。同公演のオフィシャルレポートをお届けしたい。

◆FIELD OF VIEW 画像

1995年にシングル「君がいたから」でデビューを果たしたFIELD OF VIEW。2ndシングル「突然」がいきなりミリオンヒットを記録し、その後も「Last Good-bye」や「DAN DAN心魅かれてく」「ドキッ」など、数多くのヒット曲をライブを中心にした活動で残したが、2002年に惜しまれつつも解散。その後、一時的な再結成ライブはあったものの、デビュー25周年となる2020年にベストアルバムのリリース、そしてライブツアーの発表を行い、往年のファンを歓ばせた。


今回行われたライブ<FIELD OF VIEW 〜25th Anniversary Special / 観客限定&配信Live>はもともと5月開催の予定だったが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で10月に延期へ。さらに延期、ということも協議されたそうだがメンバーの強い希望もあり、会場キャパシティの半分の観客収容した生ライブと、収録した同ライブの模様を配信するという、ハイブリッド公演として行われることとなった。

多少規制が緩和されてきたとはいえ、コロナ渦の中でライブに行くのは“密だから…”と、足が遠のいてしまっている人もいるかもしれない。しかし今回、ライブ会場に入ると、スタッフのきめ細かな対応が目に入った。そこから感じたのは、“コロナ前のようにアーティストにもオーディエンスにも安心してライブに参加して欲しい”といった、強い思い。入場時の体温チェックはもちろん、座席前列にはフェイスシールド、そしてすべての来場者に問診票が配られていく。スタッフ側のそうした動きに対して来場者もとても協力的で、スムーズに入場が行われていた。“ライブ会場”という、世間で言うところのネガティブな情報はまったくなく、実際目の当たりにすると、実はどこよりも清潔で安全な対策が取られ、コロナに対して“メンバー”“会場”そして“来場者”が三位一体となって“ライブを成功させるんだ!”という空気感に満ち溢れていた。

「今回オープニングの演出や照明は、25年前のデビューライブのものを、できる限り再現しています」というライブスタッフからの事前情報もあり、期待に胸が膨らむ。そしていよいよ開演。まさに1曲目はその予告通り、大ヒット曲「突然」からスタートした。オープニングSEが会場に鳴り響き、ステージの幕がゆっくり開くと、そこにはメンバーが当時と変わらずシルエットとともに立っている。感動的なオープニングの演出が忠実に再現されていて、会場にいたファンもステージに吸い寄せられるかのように、静かにゆっくりと、声をあげずに思わず立ち上がって拍手している姿がとても印象的だ。


「みなさんこんばんは! 令和2年のFIELD OF VIEWです!」

というボーカル浅岡の挨拶とともに、会場がとても温かく鳴り止まない拍手に包まれる。もちろんコロナを配慮して一切のコール(声援)はない。しかしコロナ前は当たり前に行われていたこの“拍手”という行為。コールができない今だからこそ、その気持ちを必死に伝えようとする来場者の一人一人の拍手がこんなにも感動的で会場が一体となって伝わるものなんだということを、再認識させられた。浅岡も思わず込み上げてくるものがあるようで、上を向いたまましばらく動かなかった。もちろん久しぶりに会場に駆けつけたファンの目にも涙がこぼれている。

「その拍手でもう十分だよ! 言ってもいいかい? FIELD OF VIEWです!」

と何度も噛みしめるかのようにグループ名を連呼する掛け声とともに、次から次へと惜しみなくヒット曲を披露していく。特に印象的だったのが、5月に発売されたベスト盤収録新曲「キボウメロディー」だ。1990年代のビーイングサウンドを支えてきた多々納好夫による作曲で、まさに全盛期のFIELD OF VIEWを彷彿とさせる素晴らしいナンバー。浅岡曰く、「こうした世の中に出ていない楽曲が実はまだまだある」という。


「夢見続けて今も」「everywhere」は今回改めて聞くと、歌詞の世界観がまさに25周年ライブを予言していたかのようで、月日を重ねたから今だからこそさらに感動を増す、とても素敵な楽曲だ。途中のMCでドラムの小橋が語った言葉も印象的なものだった。

「解散してからずいぶん経つのに、いまだに多くの人がFIELD OF VIEWの聴き続けてくれている。いつか自分もずっと恩返しをしたいと思っていました。今回再結成ができて嬉しい。ただこれも浅岡がFIELD OF VIEWが解散してから、ずっとソロで頑張って活動し続けてきたからこそ、今回こういう機会があったわけで、とても浅岡君に感謝しています」

後半戦も「Last Good-bye」や「DAN DAN心魅かれてく」などお馴染みのヒット曲が続く。自分の人生と寄り添ってきたこれらの楽曲をファンが心の底から楽しんでいるのがわかる。決して声は出せないが、曲が終わるたびに拍手の大きさがどんどん増していく。そして何より、色褪せない楽曲に加え、当時と変わらないみずみずしい浅岡のボーカルが、会場を一層盛り上げていく。もちろん当時と同じキーによる歌唱だ。


そしてラストはデビュー曲「君がいたから」。小橋の力強いドラムのビートに、浅岡の語りかけるような優しい歌声、そして徐々にバンドの音が重なり合って、何度聞いても緻密なアレンジ。素晴らしい高揚感を生む楽曲でこの日のライブが締めくくられた。

今回のライブのメンバーで、FIELD OF VIEWのオリジナルメンバーはボーカルの浅岡雄也とドラムの小橋啄人の二人。しかし、FIELD OF VIEW、そして数々の1990年代のヒット曲のアレンジを手がけてきた葉山たけし(G)と、アマチュア時代も入れると30年来の付き合いの徳永暁人(B)含め、錚々そうたる顔ぶれで行われた。

このライブの模様は22日から配信がスタートする。配信用特典映像として当日ライブ終演直後の楽屋でのトークも用意されているとのことだ。

取材・文◎ペリー今村

■<FIELD OF VIEW~25th Anniversary Special/観客限定&配信Live>配信情報

収録:2020.10.15(木)@新宿ReNY
▼配信Live観覧チケット購入方法
配信開始日:10/22(木)午後20:00から
配信終了日:10/29(木)23:59まで
金額:¥4,000
https://ima-ticket.com/event/175
※同配信Liveは2020.10.15(木)に東京・新宿ReNYで行われたライブの模様を収録したものになります。
※本編最後には、配信用特典映像として、当日ライブ終演直後の楽屋でのトークもお届けします。

▼メンバー
浅岡雄也(Vo)
小橋琢人(Dr)
▼サポートメンバー
葉山たけし(G)
徳永暁人(B)
今井隼(Key)
森本隆寛(G)
大場-hana-映岳(Mp&Key)

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