【インタビュー】BLINDMAN、11/11・11曲入り・11枚目のアルバム『EXPANSION』は「バンドとして最高の状態」

ツイート

──では、曲の紹介をして行きましょう。「Love Drifter」はBLINDMAN的プログレぽいですね。

中村:変わった曲ばかり書いていたので、ストレートに1曲目になるキラーチューンを書こうと頑張りました。でもここまで変わったものを書いてきたので3拍子にしようと。とても気に入ったものに出来たし、バンドにとっても大事な曲になるんじゃないかな。

Ray:最初リハーサルでも珍しく最後まで行かなかったよね。

中村:だいたいこんな感じだね?ってところまで普通は行くんだけど、これ全然最後まで行かなかったよね。どこかで誰かが4分の変拍子が入っちゃうの(笑)。

實成:初めてリハーサルまるまる一回分使いましたよね。

中村:テクニカルって事ではなくて慣れの問題なんだけど、そういう意味での難易度はBLINDMAN史上最高ですね。「Angel Smile」は、ミニアルバムの段階でもう出来ていた曲。わりとメロディアスでソフトで、過去のそういう曲よりも更に明確にそっち方向に振ってやろうと思ってね。これ凄く気に入ってます。「Promise of Love」は追加曲組で、一番BLINDMANらしい曲かもしれない。

實成:あ、メタルきたと思ったんですけど、聴き終わったらBLINDMANでした(笑)。リフとバスドラのユニゾンがモダンなメタルと思ったんですけどね。

松井:今までの中で一番仰々しい曲ですよね。

中村:「Tonight」は、かつてなかったわけではないタイプの曲なんだけど、ここまで本気でブルースロック寄りを狙ったのは初めてですね。ギリギリのところまで踏み込みたいと思って。多分、新鮮なんじゃないかな?

── そして先日のライブでも披露されました初のインスト曲「Over There」は、ゲイリー・ムーアと重なりましたよ。

中村:やっぱりな~(笑)。僕はゲイリー・ムーアに関してはマニアなので、とても及ばないと思っているし、ただ別の良さが自分にはあるかもしれないと思って弾きました。もうね、どのインタビューでもそう言われるんで認めます、ゲイリー・ムーアだよね(笑)。


▲實成峻(Dr.)

──しかも5曲目に持ってきたのはやはり「The Loner」的ですよね?

中村:それは全然わかんなかった(笑)。A面ラストね。僕自身、初めてインスト曲を書いたし、今まで書きたくなかったわけではなくて、その能力があると思えなかったから。でもそろそろやってもいいかな?と思えたのでね。

松井:メンバーとしても、やっとやってくれたと思っています。

Ray:戸田ちゃんのベースも本領発揮しているよね。

戸田:まぁ、ライトハンドしたり、アームやワウ多様しない限り、ゲイリー・ムーアって言われるって(笑)。

全員:笑。

中村:自分の中で一番大きな存在なので、全然嫌なわけじゃないし、私なんぞが、というくらい好きなんですよ。

──「Never Say Never」は珍しいコード進行のような気がしますね。

中村:これがミニアルバムで1曲目に作った曲で、これからがスタートなんです。最初の曲でエレキギターが要らないという訳わからない発想が原点。これをエレキで歪んだ音でガッツリ弾いたらこうはならない。実際に録ってみて正解だったと思います。普通、ハードロックバンドがアコギを使いますと言った時、イメージするのはこういう曲ではないと思うのね。自分なりの自由な解釈で出来ましたね。

──アコースティックギターはそもそも弾かれないと思っていました。

中村:うん、あまり弾かないけど、ミニアルバムの段階ではもう少し増やして入れようと思ってました。「Angel Smile」ももともとはアコギで弾くつもりの曲でしたけど、最終的にはその曲が一番良い形に収めてやる事が大事なので変えましたね。「One Step Closer」もミニアルバム企画の中のひとつ。エレピが浮かんだので、ドラムとベースを考えたらこれで音楽が成り立ってしまったのであまりギターを入れませんでした。アレンジ上、必要な事を後ろで弾こうかなと。「Solitude」もアコギばかり弾いていたので出来ちゃった曲ですね。

──ディープ・パープルばりのオルガンが映えた「Your Melody」もカッコイイですよね。

中村:そんなに今までのBLINDMANと違うわけではないけど、ヒラメロのメロディの付け方が今までやっていない感じかな。サビに向かってBLINDMANらしくなるよね。

戸田:これだけ変わった曲の中で、これが出て来た時の安心感ね。わかりやすい、この曲はこうやればいいんだというね。

實成:今回は人によって推し曲も全然違うんですよね。

Ray:同じようなものがひとつもないからね。

中村:凄く早いとか、凄く遅い曲がない中で、これだけの変化を付けられたのは面白味かなと思うよね。


▲松井博樹(Key.)

──BLINDMANは、ひとつひとつの曲はもちろん良いんですけど、アルバムになってみて更に曲の良さが実感出来るんですよね。

中村:それは嬉しいね。それを目指して作っているし、むやみに曲を増やせばいいわけでもないよね。僕の中ではアルバムは46分テープで収まる感じがやっぱり良いよね。この感じ、今の子にはわからないだろうな(笑)。

實成:46分テープ、わからないです(笑)。

中村:オートリバースとかね、わからないだろ?(笑)。

全員:笑。

中村:「In the Autumn Wind」はバラードと言っていいのかな。イントロの頭からこれ絶対良い曲になると確信しましたよ。

── 最後のBLINDMAN的ロックンロールな「I'm Falling Down」(メジャーデビュー直前のEP『In The Dark』からのリレコ)も違和感ないですね。ところで、これまで日本語タイトルの楽曲ってありましたか?

中村:日本語の曲もないし、タイトルもないよね。考えた事もないかな。

Ray:僕もこれまでの流れ的にそういうものかなと思っていたので、日本語タイトルは付けようと思った事はなかったですね。

中村:歌詞が英語なので自然にそうなっているよね。僕自身は日本語歌詞にしようと思った事もない。昔メジャーに居た頃に次は日本語でと言われたけれど、拒否したね。昔ね、20歳頃に友人から韓国で今一番のメタルバンドだと言うテープを貰って聴いてみたらハングル語で歌っていたのね。それ自体は良いんだけど、サビが英語だったの。その違和感がもの凄くて、英語圏の人からしたら日本語と英語もこう聴こえるんじゃないかと思ってしまって、それからはもうずっと英語のみと割り切りましたね。

──そしてとにかくいつも音質が素晴らしいと思います。ご自身で全ての作業が出来るのは強みですね。

中村:ありがとう。実際、僕が録音からミックス、マスタリングまでやらせて貰っていて、そこにひとつの明確なイメージを持った人間がやっているという事ですよね。確実なプロのエンジニアともたくさん一緒に仕事をして来ましたけど、彼らのような仕事は僕には出来ない。ただひとつ、どうしたいかを明確にわかっている事と、自宅にスタジオと呼べる程ではないけれど防音の部屋を作っているので、圧倒的に時間が使えるんだよね。レコーディングスタジオで行えばとてつもない費用がかかるくらいの時間を使えてますね。それはエンジニアとしての能力を補うものになっているかな。『Blazing Crisis』から僕がやるようになって確実に毎回良くなっていると思うし、今回は曲調に幅があったのでミックスも難しい部分もありましたね。

──ハードロックの王道バンド的に例えると、過去にも黄金期はあったと思いますが、現在がまた第何期かの黄金期に思えます。

中村:同じラインナップで3枚続けて作ったのも初めてだし、厳密に言うと3枚作ったメンバーは居るんだけど、脱退後に戻ったりだったので続けては今回が初。これがとても大事な事でね、ひとり変わったら振り出しに戻るみたいなところもあるので。それがアルバムに反映されていると思います。

──ニューアルバムのレコ発ライブが11月21日に決まっているようですね、こちらも楽しみにしています。最後にファンの方へメッセージをお願いします。

中村:毎回同じような事になりますが、とにかくアルバムを聴いて貰わないとね。僕らは自信作と思ってるので、気になったらサブスクでもいいのでチェックしてみて下さい。

實成:今のBLINDMANを是非聴いてみて下さい!

松井:11月11日に11曲入りの11枚目のアルバムという事です、是非聴いてみて下さい。レコ初もまずは東京だけなんですが、ライブにも是非。

戸田:昔BLINDMAN聴いていたよ、という方にもまた聴いて貰いたいし、自分たちも成長している自負があるのでまた興味を持って貰えたら嬉しいですね。

Ray:いちヴォーカリストとして最高の歌が録れたと思うし、バンドとしても最高の状態がパッケージされていると思います。

取材・文:Sweeet Rock / Aki

【BLINDMAN are】
中村 達也(Tatsuya Nakamura)- Guitar
Ray - Vocal
戸田 達也(Tatsuya Toda)- Bass
實成 峻(Shun Minari)- Drums
松井 博樹(Hiroki Matsui)- Keyboards

リリース情報

タイトル:『EXPANTION』(エクスパンション)
発売日:2020年11月11日(水)
レーベル:Walküre Records(ワルキューレ・レコード)
フォーマット:CD
品番:WLKR-0049
定価:3,000円(税抜)/ 3,300円(税込)
【収録曲】
1. Love Drifter
2. Angel Smile
3. Promise of Love
4. Tonight
5. Over There
6. Never Say Never
7. One Step Closer
8. Your Melody
9. In the Autumn Wind
10. Solitude
11. I'm Falling Down

配信情報

【先行配信】
BLINDMAN 11/11(水)リリースの最新作『EXPANSION』より“Promise of Love”の先行配信中
10/21(水)よりApple Music、Spotify及び iTunes Storeで配信中。
iTunes/Apple Music
https://music.apple.com/jp/album/promise-of-love-single/1533785553
Spotify
http://open.spotify.com/album/2go4fHSbGCvu2B3yJ2ThM7

ライブ・イベント情報

『LIVE EXPANSION Vol.1』
2020.11.21(Sat)東京目黒鹿鳴館
Open 17:00 / Start 18:00
前売4500円
e+のみで80枚限定
https://eplus.jp/sf/detail/3322600001-P0030001

◆インタビュー(1)へ戻る
この記事をツイート

この記事の関連情報

*

TREND BOX

編集部おすすめ

ARTIST RANKING

アーティストランキング

FEATURE / SERVICE

特集・サービス