【インタビュー】WANDS、21年ぶりのニューアルバムを語る「ちゃんと前に進めている」

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2019年11月、第5期として始動した上原大史、柴崎浩、木村真也によるWANDSが、オリジナルアルバム『BURN THE SECRET』を10月28日にリリースする。先ごろ、テレビ朝日系音楽番組『ミュージックステーション』へ27年ぶりに出演したほか、アルバム収録曲「Secret Night ~It’s My Treat~ [WANDS 第5期ver.]」がTBS系音楽番組『CDTVサタデー』9月度エンディングテーマに約25年ぶり再起用されるなど話題を集めるなかでのアルバムリリースとなる。

◆WANDS 動画 / 画像

オリジナルアルバムとしては1999年10月の『AWAKE』以来21年ぶりとなる本作には、アニメ『名探偵コナン』のオープニングテーマに起用された第一弾シングル「真っ赤なLip」やオリコン週間シングルランキング(6/1付)で初登場3位を記録した第二弾シングル「抱き寄せ 高まる 君の体温と共に」も収録。ミュージックビデオが先行公開された「David Bowieのように」など書き下ろしの新曲はもちろん、WANDSのヒット曲をリアレンジした第5期バージョンなど、期待を裏切らない充実の全10曲だ。

WANDSを始動させたとき、3人はどんな気持ちでいたのか? 今だから話せる当時の心境を赤裸々に振り返ってもらいつつ、書き下ろし新曲のエピソードを中心にアルバムについてたっぷり語ってもらった。なお、リリース直後の10月31日および11月1日に、WANDSは配信ライブ<WANDS Streaming Live〜BURN THE SECRET〜>を開催する。

   ◆   ◆   ◆

■“今のWANDSもWANDSなんだよ”と
■認めさせたいっていう気持ち

──ついに第5期WANDSとして初のアルバム『BURN THE SECRET』がリリースされますが、新曲と代表曲のリアレンジVer.が非常にいいバランスで混ざり合っていると感じました。各楽曲についてお聞きする前に、第5期WANDSにご自身が抱いていたイメージや、今WANDSをやる意味について、どう考えていらっしゃったか改めて教えてください。

柴崎:過去のWANDSの楽曲を今、また聴ける状態にしたいということと、新しいWANDSとしての曲を作っていきたいという気持ちで始めたんですが、昔の僕らを聴いていたファンがどう思うのか?とか、認めてくれるのか?とか、新たに知る人が好きになってくれるか?についてはわからないけど、信じてやるしかないという気持ちでした。そこは今も変わらずだけど、上原の歌唱を認めてくれる人も増えて、いい感じかなと思っていますけどね。

──シングルをリリースしたり、イベントに出演されたりするうちに手応えを感じていったというか。

柴崎:そうですね。アルバムはリアレンジした過去曲と新曲が入っていても統一感がある。違和感がないものになったと思っています。

──そこは意識されていたんでしょうか?

柴崎:いや、意識はしてないですね。

▲上原大史 (Vo)

──上原さんには加入したときの心境とアルバムの手応えをお聞きしたいです。

上原:加入したときは、まず聴いてもらわないと始まらないという気持ちがありましたね。同時に完全に受け入れてもらうのは難しいというか、僕自身が拒絶されるんじゃないか?と思っていました。

──どうしたって前のボーカリストと比較されてしまいますものね。

上原:はい。昔のWANDSが好きだったファンの方々に否定されると思っていたので、不安がありましたし、半年なのか1年なのか2年なのか、どれぐらいそのプレッシャーに耐えないといけないんだろう?って。実際に活動し始めて喜んでくださる方がじわじわと増えているので、思っていた以上の反応にひと安心したところはあります。

──ホッとしたのは2020年に入ってからですか?

上原:そうですね。第一弾シングル「真っ赤なLip」と、第二弾となった「抱き寄せ 高まる 君の体温と共に」をリリースしてからです。もちろん“前のボーカルじゃないと”っていう意見も当たり前にあるんですが、好意的に受け止めてくれたり、前向きに応援してくれる方がどんどん増えてきて、頑張れそうだなと思ったんです。今回のアルバムは新曲が6割で過去の曲が4割のバランスで。個人的には全部新しい曲でいきたいという気持ちがあったんですが、結果的には自分も違和感がないと感じていて、思っていた以上の出来になりました。

──自信作になったという手応えが?

上原:最初は全く想像がつかなかったんですよ。「WANDSのアルバム」と言って、大丈夫なものができるんだろうか?って。

──上原さんはかなりの重圧を感じながら活動を始めたんですね。柴崎さんと木村さんも、それをひしひしと感じていましたか?

柴崎:ええ。すごい役回りをさせてしまってるなって。

上原:ははははは。

木村:僕が彼の立場だったら耐えられないです(笑)。



──はははは。アルバム『BURN THE SECRET』が完成して、やっとひとつ壁を越えられたという心境なんですね?

上原:はい。ちゃんと前に進めているって。不安だったので、さっき柴崎さんが「統一感がある」と言ってくれましたけど、その言葉が嬉しいし、アルバムを世に出せることが純粋に嬉しいですね。

──木村さんはどうですか?

木村:第5期が始まるときは、“1ヵ月後には御披露目ライブだ”みたいなバタバタした状態だったので、新しいWANDSをこういうふうにしようというより、ただただ一生懸命やっていたんですね。インタビューではよく“WANDSとは?”みたいなことを質問されるんですけど、考えれば考えるほどわからなくなって、過去の曲をたくさん聴き直したんです。そうしたら、その時代時代の中、新しいことをやっていく形態がWANDSなんじゃないか?っていうところに自分の中で昇華することができたので、柴崎のギターがあって、上原のボーカルがあって、という在り方にWANDSっぽさがあると思っちゃったんです。

──その都度その都度、新しいことを取り入れて昇華していくのがWANDSの在り方なんじゃないかという。

木村:僕個人はそう思っています。コロナなどいろいろな状況があって、今回のアルバムにはヒザを突き合わせるように関われていないんですが、柴崎のギターがずっと好きだったので、“やっぱりカッコいいな”と思ったし、そこに上原のボーカルが加わって、単純にファンとして“いいアルバムだな”と思いました。

──これまでより客観的に聴かれたんですか?

木村:はい。このアルバムだったら俺も買うなって(笑)。WANDS第3期とか第4期と繋がっている作品になっていると感じています。

──ちなみにアルバムを作る上での共通認識はありましたか?

柴崎:それぞれ置かれている立場や考えていることが違う気がしているので、共通っていうのは意外とないかもしれないですね。

──共通点はWANDSということでしょうか?

木村:おおー(笑)。

柴崎:上原は上原で思うことがあるだろうし、僕は“今のWANDSもWANDSなんだよ”って認めさせたいっていう気持ちがあって、その部分は共有していることかもしれないですね。

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