【インタビュー】BLUE ENCOUNT「僕らはずっと、いろんな音楽をやりたいバンドだった」

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近年は映画・TVドラマ・TVアニメなど、多彩なタイアップソングの書き下ろしの機会に恵まれた、熊本発の4ピースロックバンドBLUE ENCOUNT。2020年は豪雨被害を受けた故郷の熊本への支援プロジェクト「STAY HOPE」を立ち上げるなど、音楽を通して精力的な活動をしている彼らが、約2年8ヶ月ぶりとなるフルアルバム『Q.E.D』を完成させた。

強力なシングル曲に引けを取らないアルバム曲を新録した全11曲は、彼らの現在位置のなかにソングライター兼フロントマン田邊駿一の青春時代や、見据える未来なども投影されている。自分たちのやりたいことを追求した結果生まれたメジャー4thフルアルバム。バンドが新しいうねりを生み出していることを感じさせる快作について、メンバー4人に訊いた。


──タイトルになっている『Q.E.D』は、BLUE ENCOUNTのフルアルバムではお馴染みの数学用語で。

田邊駿一(Vo、G):はい。そうですね。

──「以上が証明されるべき事柄だった」という意味を持つ言葉を冠したということは、今作はこの2年8ヶ月で導き出した「BLUE ENCOUNTとは?」のひとつの解なのではないかと思ったのですが、いかがでしょうか。

田邊駿一:これまでの作品のなかでいちばん「やりたかったことをやった」という意味は強いかなと。多面性のあるアルバムになりましたね。僕らは高校時代からずっと「特定の音楽性ではなくいろんな音楽をやりたいバンド」だったので、インディーズ時代はライヴハウスの大人から「なにをやりたいんだ?」とよく言われていたんですよね。


辻村勇太(B):特化したジャンルがないから「ブルエンを知らない人に言葉で紹介しづらい」ってよく言われましたね。「明確に言葉にできることを見越したうえで制作をしたほうがいいんじゃないか」とアドバイスをもらうことも多かったけど…その理由も重々理解したうえで、それは僕らじゃないし、つまらないなと思ったんですよね。それでも逃げずに「BLUE ENCOUNTはどんな音楽をやるべきなのか」と自問自答してきた。

田邊駿一:ライヴのセットリストをポップスに特化してみたり、その真逆の方向性でやってみても、どれもどうもしっくりこなくて、縛りを作れば作るほど「ジャンルにとらわれず自分たちがかっこいいと思う音楽をやりたい」と強く思うようになったんです。メジャーデビューして6年経ちますけど、スタッフさんはつねに僕らに「次はどんなことをやりたい?」と聞いてくれる。「音楽性をひとつに絞ったほうがいいのかな」と考えることもあるんですけど、頭のなかではいろんなジャンルの音楽が鳴っているから、「余計なことを考えずに音楽欲求に忠実に作っていこう。それで世の中が振り向いてくれたらいちばんいいよね」というスタンスで活動してますね。

──ここ1~2年はタイアップの書き下ろしも多かったですよね。


田邊駿一:タイアップ作品のおかげで、より異なる顔を持った楽曲を世の中に提示できましたし、すごくいいレスポンスを頂くことも多かったので、これをそのままパッケージングしない手はないなと。だから『Q.E.D』というタイトルにもなりましたし、自分たちのやりたいことを証明するような作品になりました。アルバムの新曲も、一筋縄でいかない曲たちが集まった気がしてます。

──これだけタイアップ曲が入っていて、アルバムとしての物語ができていることに驚きました。タイアップ曲とアルバムの新曲の温度差が出てくることがないというか、異なる音楽性を持った11曲すべてが『Q.E.D』という物語に溶け込んでいるというか。

田邊駿一:そう言っていただけるのは、アルバムの新曲たちもシングル曲たちに負けないエグみやメッセージ性を持った楽曲にしたいと思っていたのが影響しているかもしれないですね。正直、新曲を作るにあたってアルバムの流れは一切考えてなかったですから。


高村佳秀(Dr):いままでは「曲のキャラクターがかぶらないように」と考えて選曲していたところもあったんですけど、今回はそれをしなかった。シンプルに自分たちが今やりたい音楽やいいと思う楽曲をチョイスしていったら、自然とこうなって。だから無理がないというか、自分たちが信じた曲だけを収録してるんです。

──その結果これだけ多彩になったということは、やはりバンドの本質がそこにあるということですね。

高村佳秀:本当はもっと入れたい曲いっぱいあったくらいで(笑)。

田邊駿一:トータルで18曲にしたいくらい(笑)。でも、この新曲5曲を入れた11曲で「証明」できる自信があったんですよね。どの新曲もシングルにしてもいいくらいの曲になりました。


──7曲目の「HAPPY ENDING STORY」までが未来に視線を置いた曲が多く、それ以降の4曲は青春時代を思い返す楽曲が続くので、結成からの歴史を背負ったうえで前を見ているバンドの現在位置が描かれているように感じました。

田邊駿一:ラストの「喝采」は緊急事態宣言真っ只中に作っていて、その前後で「ユメミグサ」や「あなたへ」を作ったりもしていて…だからこの3曲がいまの僕のマインドでもあるんですよね。

──それだけ過去の自分と向き合う機会が多かったということでしょうか。

田邊駿一:ここ1~2年そうなんですよね。高校時代に軽音楽部でこのバンドを組んで「音楽で飯を食う」と夢を語ると、大反対されて居場所がなくなって…嫌なことからずっと逃げてきた人間だった。だからメジャーデビューしてからも、故郷の熊本に帰るのが怖かった。熊本でライヴをするのも怖かったんです。それってつまり、あの頃の自分から逃げてたんですよね。でも地元の友達と再会したりするなかで、あの頃の自分と向き合うようになって、あの頃の自分に曲を書くようになって。そしたらいいメロディ、いい言葉が出てきたという感覚があるんです。

──「喝采」はフォークのマインドに近いものを感じます。


田邊駿一:僕、音楽を始めたきっかけが森山直太朗さんなんです。特に「直太朗」名義のメロディを超えて思いに任せて吐き出すフォークの良さがすごく好きで。そのテイストにやっとバンドとして踏み込めた実感があります。今後もこういう曲を作りたいなと思いつつ、その第一歩の曲になった気がしています。

江口雄也(G):あんまりフォークという意識はなかったですけど、最初に聴いたときにいいメロディだなと思いました。でも田邊は歌詞を書くタイミングでよくメロディを変えるんですけど(笑)。

高村佳秀:「喝采」はだいぶ変わったよね。

田邊駿一:最後に歌詞を書くので、そのタイミングで言葉がより際立つようにメロディを変えるんですよね。「喝采」はAメロはもっと強いメロディだったんですけど、言いたいことに合わせてかたどっていきました。

──言葉を優先させるところは、フォークというルーツも影響しているかもしれませんね。あとはそこから派生したパンクとか。






田邊駿一:学生時代、銀杏BOYZもすごく好きだったんですよ。銀杏BOYZのギターメロディと峯田(和伸)さんの泣き歌の影響も「喝采」には出てるかな。実際にレコーディングブースで歌ってみて初めてわかることも多いんです。メンバーはレコーディング後の音源を聴いて驚くこともあるんですけど(笑)、僕のなかでは最終的に言葉が勝つので、メロディに関しては基本任せてくれてますね。

辻村勇太:サウンド面も言葉を際立たせることを意識してますね。だからフレーズもどんどんシンプルになっていく。最近ライブで大きなステージに立たせてもらう機会が増えたことで、「エリアの奥までちゃんと届けたいね」とメンバー間でも話し合いをしていて、そのためにも4人でひとつの音を出さないといけないなと思ったんです。でも「喝采」みたいな曲ばかりが10曲あるのもBLUE ENCOUNTじゃないから、引くところは引いて、思いっきりやるときはやっちゃおう、というスタンスでやってます。

江口雄也:「STAY HOPE」とかも骨太かつシンプルにすることを意識して、凝りすぎず、ちゃんと尖っている部分があるものにしたいなとは思ってました。

──1曲目「STAY HOPE」はまさにBLUE ENCOUNTど真ん中とも言えるロックですね。タイトルは7月10日に開催されたBLUE ENCOUNT初のオンラインライヴのタイトルであり、熊本支援プロジェクトの名称でもあります。

田邊駿一:「STAY HOPE」という言葉は今年のブルエンの重要な屋号でありテーマになりました。最初は「STAY HOME」という言葉をもじって作った言葉なんですけど、オンラインライヴをやってこの言葉がもっと好きになったんです。やっぱりオンラインライヴをやる前は「ライヴはしばらくできないんだな」という諦めがあって「オンラインライヴで伝わるのか?」と思ってた節もあったんです。



──ライヴバンドですから、なおさらですよね。

田邊駿一:でもやってみないとわからないし、まずは自分たちのもやもやした気持ちを晴らすという意味でもやってみることにしたんです。そしたらすごくたくさんの方々に観ていただけただけでなく、リアルタイムでコメントを読んでいくなかで「ブルエンが希望を取り戻そうとしている姿に希望をもらってます」という言葉をいただいたりもして、行動を起こすことが大切で不満ばっかり言ってると行動は起こせないなと痛感しました。そのオンラインライヴの前後で熊本が豪雨災害に襲われてしまって、熊本が壊滅的なダメージを受けているのを見て、「どうにかしたいんだよね」とメンバーと相談して支援プロジェクトを始めることにしたんです。

──それを行動に移せたのは、「喝采」や「ユメミグサ」などのように「あの頃の自分」と向き合って許すことができて、それを楽曲に昇華できていたからこそではないでしょうか。

田邊駿一:言われてみると、あの頃の自分を許せてなかったら誰かのやっていることに対して協力するくらいに留まっていたかもしれない。ほんと、あの頃の自分を許せるようになって生まれ変わったような感覚なんですよ。だから僕がプロジェクトを立ち上げる事自体、身の回りの人がいちばんびっくりしてると思います。「なんでそんな動こうとしたん?」って。

辻村勇太:そうだね。

田邊駿一:スタッフさんに提案したときも「本当に大丈夫?」って何度も念押しされた。でも僕はなにが大丈夫じゃないのかわからなかった。もちろん支援プロジェクトを立ち上げることはリスクも伴うけれど、故郷に対して還元したい想いがそれをだいぶ上回っていたんだと思う。その原動力はなんなの?と訊かれたら、正直それはまだわからないけれど、行動を起こすことって理屈じゃないと思うんです。

──ああ、なるほど。素敵な見解だと思います。

田邊駿一:これまで曲が生まれてきた瞬間もすべてが理屈じゃなかったし、ロックバンドこそ理屈じゃないと思う。行動力もそれと同じなんだろうな…理屈をこねていたらここまでテンポ良く行動できてないだろうなと、いろんな方々のお力添えをいただくなかで思っています。だから「あの頃の自分」を許せたから行動に移せた、と言っていただいたことは腑に落ちるところもあるし、それを実感するのは5年後・10年後なのかもしれないとも思うんです。

──BLUE ENCOUNTはいつの時代も、生み出した曲たちがバンドをさらに突き動かしている印象があります。


田邊駿一:じつは「STAY HOPE」は4年前にプリプロをした曲で、目の前にあるレスポールとマーシャルの歪みをマイクで拾って録っただけの音がすごく良かったんです。今回収録するにあたって何度もトライしたんですけど、どうしても4年前の音に勝てなくて。

──それこそ理屈じゃないなかで鳴った音がきらめきを放っていたと。

田邊駿一:どうしても妥協したくなくてTDも2回お願いしました。レコーディングが終わって、曲のタイトルを決めるタイミングで……その頃に自分の気持ちを奮い立たせるためにずっとこの曲を聴いてたんですよね。それでふと「この曲は「STAY HOPE」というでっかいテーマを背負っていける曲になったな」と思って。この曲をいろんな場所で歌うことで誰かの「STAY HOPE」になったらと思いますし、それが僕らにとっての希望を続ける理由にもなるのかなと。歌詞に書いたように「容赦なき愛をこめて」行動することが大事なのかなと思ったので、歌い続けていきたい曲にもなりました。

──今の話を聞いて、バンドの潜在意識をあらわにするのが楽曲制作なのかもしれないなと思いました。

田邊駿一:うん、そうですね。よく「ライヴで曲が育つ」と言いますけど、バンドが演奏のなかにその瞬間に沸き上がる気持ちを見せないとファンのみなさんには伝わらないですし、これからもちゃんと「聴かせたい」という意志を持って曲作りをしないと、これからの世の中より届かなくなると思うんです。まだまだ音楽や言葉にしたいことはたくさんありますし、つねに「証明」していくことがバンドにとって重要なんだと思います。『Q.E.D』の「D」の後ろのドットをつけなかったのも、そういうことです。今回ひとつ証明したけど、答えはほかにもあるかもしれない。まだまだその可能性があるうちは、ひたすらバンドというものを解いていきたいですね。

──アルバム曲の「棘」は音色もシックだけど華やかさや色気があって、いままでの経験を総動員させているのではないかと。


辻村勇太:歌を映えさせて奥まで届けることを考えたサウンドメイクでしたね。本当はベースももうちょっと派手な箇所を作ろうかなと思ったんですけど、曲を聴いた瞬間に早朝の鋭くて清らかな空気が思い浮かんだんです。その空気と激しさをすごく大事にしたいから、やりすぎないほうがいいと思った。ごりごりかつクールという温度感になったし、それがサビのエモさにつながってる気がしますね。

──早朝のイメージって面白いですね。わたしは22~24時くらいの終電が近い時間帯を想像してました。

辻村勇太:あ、そうだったんですね。4時くらいの夜から朝に変わる瞬間の刹那的な空気感がパッと思いついて。俺はその時間にランニングすることも多いから。

田邊駿一:ああ~「気付けばこの時間」みたいな時間ね(笑)。よっちゃん(高村)は?

高村佳秀:俺は夕方かなあ。コケそうになりながら全力疾走してる人を想像しながら叩いた。

江口雄也:俺も夕方かな。よっちゃんのイメージに近いかも。田邊はどういうつもりで作ったの?

田邊駿一:昼間にガラスを踏みつけて血まみれのイメージかなあ…。

高村佳秀:ああ~そっちなんだね。でもみんな感じる時間帯が違って、1日が完成したね(笑)。

辻村勇太:(笑)。それぞれ違うイメージを持ってひとつの世界を表現しようとしてるのが、各々のフレーズのアプローチにつながっている気がしますね。


──たしかにそうですね。歌詞も「棘」だけ物語調なので、そういう意味でも異質だと思います。おまけになかなか普通じゃないシチュエーションという。

田邊駿一:なぜこんな曲が出てきたんだろう。これも緊急事態宣言が出ているときに作った曲で、たしか昼間にベランダで書いた曲かな? 近隣の人たちもよくベランダに出てたから物語っぽくなったし、バッドエンドになったのは気持ちが荒んでたからかも(笑)。でもこの直後に「HAPPY ENDING STORY」を書いてるんですよね(笑)。

──ははは。渦巻いていた闇を「棘」で書ききったのかも。最後にとうとう転んでしまったと感じさせる絶望感もインパクトあります。

田邊駿一:最後にブツッと切れる場所とか、次の「VOLCANO DANCE」に入るまでのタイム感とか、こだわりましたね。

──「VOLCANO DANCE」も、「STAY HOPE」とは違う趣向のBLUE ENCOUNTらしい曲だと思います。

江口雄也:これはもともとメジャーデビュー曲候補だったんですよ。

田邊駿一:念願の収録ですね。ずっと大切にしていた…というか僕がGOサインを出さなかったんですけど(笑)。

江口雄也:そうそう。自分で作ったくせに嫌いだって(笑)。メンバーもスタッフさんも曲会議のたびに「この曲かっこいいからやろうよ」と推してたんですけど、ずっと田邊が首を縦に振らなかったんです(笑)。

──なぜ田邊さんはこの曲が嫌いだったんですか?

田邊駿一:なんだろう…なぜか嫌だったんですよ(笑)。

高村佳秀:イントロのギターフレーズも「本当にこれでいいのかな?」って言ってたよね。僕らとしてはかっこいいなと思ってたけど。

辻村勇太:とにかくいろんなところが嫌いだったよね(笑)。

江口雄也:でも作った瞬間は好きだったよね?

田邊駿一:今までにも「作ってみたはいいけど、この曲大丈夫か?」と思うことはちょこちょこあったんですよね。プロデューサーの玉井健二さんの手と、メンバーの考えたフレーズによって「これならいけるかも」と思うことは常々あったし、いつでも周りの人たちのことは信じてるんですけど…それでも嫌いやったから。

──生理的に無理、みたいな。

辻村勇太:だから田邊は、この曲とあまり向き合ってくれなかったんですよ。

江口雄也:でも今回「やろうよ」と言ってみたら、田邊が「うーん…」っていつもより強い反対を示さなかったんですよ。「あ、これはもっと押せば作れる」と思って「ひとまずやってみようよ」って。

辻村勇太:ナンパ師の手口だね(笑)。

高村佳秀:なんとか田邊っちにこの曲を好きになってもらいたくて、楽器陣はアレンジをものすごく頑張りましたよ(笑)。


田邊駿一:ご時世的にいろんな予定が後ろ倒しになったり、新しいことを始めたりと時間がなかったんですよね。この曲を入れるしかないのかー…という思いもあったから曖昧な返事をした記憶があります。メンバーもすごく緻密なアレンジやかっこいいフレーズを作ってくれているんだけど、どうしても歌レコーディング直前まで嫌いなままで、歌詞を書いてる時も「大丈夫かな?」と思っていたし、メンバーには言ってなかったけど最悪この曲を削って10曲にしようとも思ってた。でも嫌いだったからこそ「ならばここで思いっきり毒吐いてやろう」って、こういう歌詞にもなったんですよね。

──嫌いなやつに嫌われたって構わないからどんどん毒を吐いてやろうと(笑)。

田邊駿一:歌ってみたらすっごく気持ち良かった(笑)。いちばん歌レコーディングがスムーズでした(笑)。楽器陣もみんなかっこいいし、TDでエンジニアさんが出してくれた早口の部分にエフェクトかけるアイデアとかもビタッとハマって、いまでは大好きな曲になった(笑)。こんなの人生で初めてでした。

江口雄也:「大嫌い、大嫌い、大嫌い、大好き」だ(笑)。

田邊駿一:ほんとそれ(笑)。

──「VOLCANO DANCE」は楽器隊の得意技や個性が洗練された状態で出ていますし、このタイミングで世に放つべきだったということかもしれないですね。

田邊駿一:本当にそうですね。「STAY HOPE」の「OVER AND OVER」のみんなで歌っているところは、10年前からあるんです。今作は昔からやりたかったことができていたり、昔の嫌いだった部分…コンプレックスとも向き合えた。だから「過去との遭遇」というニュアンスも色濃いし、強いシングル曲が揃っているからこそ、安心してやんちゃできたところもあるんだろうな。みんなで長年のできなかったことができたと思います。

──メンバー全員、頑固でいいですね。ロックバンドらしいというか。

辻村勇太:メンバー各々こだわりは強いですね。ポイントはみんな違うけど。

田邊駿一:高村さんも意外と譲らないところがあったりしますから。結構やりたいことぶっこんでくるもんね?

高村佳秀:やりすぎたら必ずストップが掛けられるので、言われたらほかのことをすればいい精神というか(笑)。だからいつも自分の納得したドラムを叩けてますね。

辻村勇太:よっちゃんはレコーディング当日にほかの楽器がフレーズを変えても全然対応してくれるんですよ。助かってます。

田邊駿一:今回は本当にメンバーに助けられてますね。制作やレコーディングと同時期に他にも考えなければならないことがあって、アレンジもメンバーに丸投げすることも多かったけど、みんなきっちり期待以上のものに仕上げてくれた。僕がその曲に対してビジョンが見えなかったとしても、各々違うビジョンをしっかりと持ってくれて、それが面白いバンドなんだなとも思えました。まだまだ俺がGOを出してない曲もあるし、ストックもたくさんあるし、でも俺はすぐ新しい曲を作りたがるので、まだまだやりたいことは尽きないですね。

──「VOLCANO DANCE」のように蛇の生殺し状態の曲がまだあるんですね。

田邊駿一:ありますね(笑)。本当は『Q.E.D』に「敏感」という曲を入れる予定でプリプロまでしたんですけど、僕がそれを除けました。

辻村勇太:あの曲好きだったんだけどな~(笑)。

田邊駿一:僕は好きな曲がどんどん変わっていくので「あ、もういいや」と思ったら切り捨てがちなんです(笑)。でもそうか、「VOLCANO DANCE」みたいにバンドマジックが起こるかもしれないな。

高村佳秀:この先の俺たちで「敏感」を完成させたら、もっとかっこよくなるかもしれないしね。

田邊駿一:たしかに。サブスクの影響で、音楽は届きやすくもなったし離れやすくもなった気がするんですよね。取捨選択がシビアになる時代だからこそ、ひとつひとつに意味を持たせたいし丁寧なものが残っていく時代だと思うんです。今は経験も積んだからこそ余裕も生まれてきているので、僕らここからですね。昔から好きでいてくれる方々、最近好きになってくださった方々と一緒にどんな未来を見せていけるかがこれからの課題なので、やりたいことを愚直にやっていくのがいちばんなんじゃないかなと思ってます。

写真◎浜野カズシ
取材・文◎沖さやこ

BLUE ENCOUNT『Q.E.D』


2020年11月18日発売
完全生産限定盤(CD+DVD+GOODS)KSCL-3270〜72 ¥4,700(税抜)
初回生産限定盤(CD+Blu-ray)KSCL-3273〜74 ¥4,700(税抜)
通常盤(CD)KSCL-3275 ¥2,800(税抜)
1.STAY HOPE
2.バッドパラドックス(*日本テレビ系土曜ドラマ「ボイス 110緊急指令室」主題歌)
3.ポラリス(*アニメ『僕のヒーローアカデミア』第4期オープニングテーマ)
4.FREEDOM(* TVアニメ「BANANA FISH」第2クール オープニング・テーマ)
5.棘
6.VOLCANO DANCE
7.HAPPY ENDING STORY
8.あなたへ
9.ユメミグサ(*映画『青くて痛くて脆い』主題歌)
10.ハミングバード(* TVアニメ『あひるの空』オープニングテーマ)
11.喝采
DVD/Blu-ray ※ライブにはメンバーによる副音声も収録
- MUSIC VIDEO -
1.LAST HERO
2.さよなら
3.VS
4.FREEDOM
5.バッドパラドックス
6.ポラリス
7.ハミングバード
8.ユメミグサ
- LIVE HISTORY -
9.HANDS(TOUR2014 DESTINATION IS "PLACE" 2014.07.05 at SHIBUYA CLUB QUATTRO)
10.MEMENTO(TOUR2014 ROOKIE'S HIGH FINAL 2014.12.13 at SHIBUYA O-EAST)
11.HALO(TOUR2014 ROOKIE'S HIGH ENCORE SHOW 2015.01.28 at EBISU LIQUIDROOM)
12.DAY☓DAY(TOUR2015 GRAB THE LIGHT 2015.06.12 at Zepp DiverCity(Tokyo))
13.はじまり(TOUR2015-2016「≒U」FINAL 2016.01.17 at Zepp Tokyo)
14.だいじょうぶ(LIVER'S BUDOKAN 2016.10.09 at Nipponbudokan)
15.Survivor(TOUR2017 break“THE END” 2017.03.20 at Makuhari Messe)
16.もっと光を(HALL TOUR 2019 apartment of SICK(S)2019.06.21 at Nakano Sunplaza Hall)
17.ANSWER(「STAY HOPE」2020.07.10 at SHIBUYA O-WEST)
- BONUS TRACK -
18.Road to Yokohama Arena

◆BLUE ENCOUNTオフィシャルサイト
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