SARD UNDERGROUND、9ヵ月ぶりライブにして初単独ホールツアーで全20曲を熱演

ZARDトリビュートバンドのSARD UNDERGROUNDが11月8日(日)、大阪・堂島リバーフォーラムにて、東阪ツアー＜SARD UNDERGROUND LIVE TOUR 2020＞の初日公演を開催した。10月7日にリリースした2ndトリビュートアルバム『ZARD tribute II』を掲げて行われた同ツアー初日のオフィシャルレポートをお届けしたい。

◆SARD UNDERGROUND 画像 / 動画

デビュー以来、インストアイベントやライブイベントにも参加し、単独以外でも積極的にライブパフォーマンスを披露してきたSARD UNDERGROUNDだが、もともと予定していたライブやインストアイベントは、コロナの影響で2月下旬から行うことが出来ず、ファンの前での演奏は実に約9ヵ月ぶりとなった。



大阪公演は当初1回のみの予定だったが、多くの反響を得て昼公演を追加、一日2公演となる。「Good-bye My Loneliness」で始まったライブでは、最新アルバム『ZARD tribute II』収録曲はもちろん、『ZARD tribute』収録のZARDの名曲たち、そしてZARD・坂井泉水の未公開詞により完成したSARD UNDERGROUNDのオリジナル楽曲を含めた全20曲を披露した。

SARD UNDERGROUNDとしては初のホールツアーであり、単独ホール公演も初となる。さらには、万全の感染対策のもと集まったファンの前での久しぶりの演奏ということもあって感慨ひとしお。ファンにとってもそれは同じで、歓声代わりの大きな拍手が終始ステージに送られていた。その拍手はライブ開催への感謝と同時に、4人の演奏、MC、その一挙一動から伝わってくるZARDリスペクトへの共感のしるしでもあったようだ。前回よりも確実に成長したパフォーマンスを万雷の拍手が称えていた。



神野友亜によるボーカルの表現力はより多彩に、赤坂美羽(G)はZARD永遠のスタンダードナンバーを印象付けるギターソロの数々に挑み、杉岡泉美のベースは安定感を増してバンドサウンドを支え、坂本ひろ美(Key)の奏でる音色もより美しく華やかだ。また、ある種のサプライズでもあったのが、「あの微笑みを忘れないで」で聴かせたメンバー全員による見事なコーラスワークだった。目にする度、耳にする度に確実な成長を感じさせるSARD UNDERGROUNDは、まだまだ完璧ではないけれど真摯でまっすぐで努力を惜しまない姿勢を垣間見ることができる。

そして、残念ながらZARDのライブでは披露されることの無かった多くの名曲たちをライブで楽しめるという奇跡がここにはある。SARD UNDERGROUNDによって「負けないで」や「揺れる想い」といったヒット曲だけでなく、隠れた名曲も含め、まだまだ多くの坂井泉水の“詞(ことば)”が今の時代に伝わる可能性が広がっている、そう実感できる時間でもあった。この後、SARD UNDERGROUNDは11月13日(金)にヒューリックホール東京で約1年ぶりの東京公演を開催する。

取材・文◎高橋真衣