【コラム】赤い公園「それでも楽曲は生きていく。みずみずしい生命力と躍動感を宿して…」

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I pray for you それじゃ、またね
君の旅が
どうか美しくありますように
(「pray」)

優しいメロディに乗せて、願いの気持ちを帯びた声で歌われる「pray」の歌詞の言葉に、こんな悲しい意味が宿るとは思っていなかった。

赤い公園が、11月25日にニューシングル『オレンジ / pray』をリリースする。

10月19日にフジテレビで放送がスタートしたFODオリジナルドラマ『時をかけるバンド』のために書き下ろされたオープニング曲「オレンジ」とエンディング曲「pray」を収録した両A面シングルだ。

ドラマは、三浦翔平演じる「謎の音楽プロデューサー・亮」と出会いデビューを目指し奮闘する女の子3人のガールズバンド「ちゃあはん」の青春と恋愛を描くストーリー。ドラマの中でガールズバンド「ちゃあはん」が演奏する劇中曲「衛星」も津野米咲が作詞作曲を行い、シングルにはその楽曲の赤い公園バージョンも収録。さらにこの3曲は、それぞれ「ちゃあはん」名義でも“時をかけるバンドVer.”として配信リリースされている。

つまり、単に主題歌を提供しただけでなく、赤い公園はドラマと「ちゃあはん」自体にも、深く関わっていたわけだ。

主題歌を担当することを報じた8月のニュース(https://www.barks.jp/news/?id=1000187469)では、これらの曲について、赤い公園はこんなコメントを発表していた。

楽曲というものについて、
ふと、生き物のようだと感じる時があります。一曲一曲が、人を伝い時を越え生きていく姿を信じているからだと思います。
今日のライブが二つと無いように、
いつ、誰が、どう鳴らすかというロマンはバンド活動の大きな醍醐味です。
この作品の歌は、赤い公園の曲であり"ちゃあはん"の曲。
お互いバンドで、オリジナルに響かせよう。

10月11日には、ドラマのメインキャストが登場したトークイベント「地上波放送決定記念!緊急ライブ配信SP!!」が開催され、そこにも赤い公園はサプライズで登場している。「ちゃあはん」が音楽番組の出演を狙っていくという宣言もなされていた。

「オレンジ」は、赤い公園らしい伸びやかで真っ直ぐなメロディを持ったエモーショナルなロックナンバー。「pray」は聴き手を包み込むようなミドルテンポのバラード。どちらの曲にも別れや旅立ちのようなモチーフがあらわれているのは、ガールズバンドの青春を描いたドラマに寄り添ったものでもあるのだろう。そして、「オレンジ」の爽やかな響きは、新たな旅を進む赤い公園というバンドの物語を象徴するものでもあった。

『オレンジ / pray』は、そういう意味合いを持ったシングルだった。

2020年4月に、赤い公園は新体制初のフルアルバム『THE PARK』をリリースしたばかりだ。2017年8月にオリジナルメンバーの佐藤千明が脱退してから約3年。3人編成の時期を経て、2018年5月にヴォーカリストとして石野理子が加入。ツアーやレコーディングを経て結束を増した新たな4人が作り上げた「2度目のファーストアルバム」だった。

アルバムを引っさげてのツアーは新型コロナウイルスの感染拡大を受け中止となったが、2020年8月29日には有料配信ライブ<SHOKA TOUR 2020 “THE PARK” ~0日目~>が開催された。場所はバンドの原点でもあるライブハウス、立川BABEL。そこでも「オレンジ」は新曲として披露されていた。

2020年、新たな体制での希望に満ちた道を、バンドは歩んでいくはずだった。

10月18日、津野米咲は永眠した。享年29歳だった。

あまりに突然の悲しい報せだった。学生時代から共に時間を過ごしてきたメンバーにとっても、スタッフや周囲の方々にとっても、すぐに受け止められるような現実ではなかったはずだ。

筆者はメジャーデビュー当初からたびたび取材を重ねてきた。出会ったときから底知れない才能を感じていた。あっけらかんとしたチャーミングなキャラクターと、優しく繊細な面の両方を持っていた。「NOW ON AIR」や「KOIKI」や「凛々爛々」といった赤い公園の楽曲の数々は、人懐っこいポップスとしての大衆性と、素敵なアイディアに満ちたオリジナリティ、一筋縄ではいかない高級感のようなものを併せ持つ、彼女のソングライティングの非凡さを証明するようなものだった。

その才能ゆえに作曲家としても、ギタープレイヤーとしても、いろいろな場所から求められていった津野米咲だったけれど、それでも赤い公園はずっと彼女の“ホーム”であり続けた。

バンドが今後どうしていくかは発表されていない。きっとそれぞれに、もう少し時間が必要なはずだ。

ただ、言えるのは、楽曲はこれからも生きていくということ。結果として特別な意味を持つようになってしまった「オレンジ」「pray」だけでなく、沢山の曲に、みずみずしい生命力と躍動感が宿っている。それはこの先も、ずっと。

文◎柴 那典

赤い公園『オレンジ / pray』

2020年11月25日(水)リリース
【通常盤CD】\1,091+税
1.「オレンジ」 作詞・作曲:津野米咲、編曲:赤い公園
2.「pray」 作詞・作曲:津野米咲、編曲:赤い公園
3.「衛星」 作詞・作曲:津野米咲、編曲:赤い公園
4.「オレンジ (Instrumental)」
5.「pray (Instrumental)」
6.「衛星 (Instrumental)」
★特典情報★
※数に限りがありますので、無くなり次第終了となります。あらかじめご了承ください。
※下記店舗以外での配布はございません。ご了承ください。
※特典絵柄は追ってご案内いたします。
※各オンラインショップに関して、カートが公開されるまでに時間がかかる場合がございますので、予めご了承ください。
【対象店舗/特典内容】
■赤い公園応援店 ・・・ オリジナルステッカー(Type.A)
※対象店舗は追ってご案内
■TOWER RECORDS全店(オンライン含む/一部店舗除く) ・・・ オリジナルステッカー(Type.B)
■楽天ブックス ・・・ オリジナルステッカー(Type.C)
■セブンネットショッピング ・・・ オリジナルステッカー(Type.D)
■Amazon.co.jp ・・・ メガジャケ

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