【インタビュー】日髙のり子×矢内景子「40周年という記念の年に“日髙のり子”としての楽曲を」

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▲(写真左から)矢内景子、日髙のり子

日髙のり子が、今年デビュー40周年を迎える。1980年にアイドル歌手としてデビューし、様々なバラエティー番組等に出演、声優としては『タッチ』の浅倉南、『となりのトトロ』の草壁サツキ、『らんま1/2』の天道あかね等をはじめとする人気キャラクターのボイスを担当、またCMやテレビ番組などのナレーションも数多く務め、日髙の声を聞かない日はないと言っても過言ではない程、幅広い分野で活躍し続けてきた。

そんな日髙のデビュー40周年を記念したベストアルバム『Noriko Hidaka All Time Best ~40 Dramatic Songs~』が12月2日に発売される。デビュー曲「初恋サンシャイン」や、ボイスを担当したキャラクターのキャラクターソングはもちろん、そのほかにもデビュー前の秘蔵楽曲など、彼女の40周年の軌跡を存分に味わえる計40曲が収録された豪華な2枚組となっている。

そして、さらに40周年記念ソングとして、SHADOW OF LAFFANDORの矢内景子によって新たに書き下ろされた新曲「ドラマ」がアルバムの発売に先駆け、本日12月1日に先行配信される。編曲は同じくSHADOW OF LAFFANDORの近谷直之が担当し、とても壮大な楽曲となっている。

今回は、日髙のり子と、新曲「ドラマ」の作詞作曲を手掛けた矢内景子に話を聞いた。

   ◆   ◆   ◆

──まずは日髙さん、40周年おめでとうございます。

日髙のり子(以下、日髙):ありがとうございます。

矢内景子(以下、矢内):おめでとうございます。40周年を迎えるなんて本当にすごいですよね。

日髙:いろいろな舞台に立たせていただく機会をいただけて、本当にありがたいなと思っています。アイドル歌手としてデビューして、デパートのイベントで歌ったり、『たのきん全力投球!』というバラエティ番組にレギュラー出演させていただいたり……というところから始まって、その後、声優としてもたくさんの素敵な役をいただいたり、いろんなナレーションも読ませていただきましたし、それぞれの活動のなかでたくさんの思い出があります。デビュー当初は番組内でコントとかもやらせていただいたんですよ(笑)。歌手としての活動を基盤としつつ、テレビやラジオで歌わせてもらう時間をもらうために番組内でお題にチャレンジしたり……なつかしいな(笑)

──そんな40年の活動のなかで、たくさんの楽曲を歌われてきたと思うのですが、その集大成として2枚組のベストアルバムをリリースされるんですよね。

日髙:そうなんです。アイドル歌手としてのデビュー曲「初恋サンシャイン」はもちろん、声優としてボイスを担当したキャラクターのキャラソンとかも入っています。あとは実は日髙のり子としてデビューする前に歌っていた曲とかも収録されていたりするんです(笑)

矢内:実は日髙さんは小学生の頃から子役として活動されてたんですよね。

日髙:そうなの。当時は本名の伊東範子という名前で活動していました。高校生の時は、『ふた子のモンチッチ』の歌とかも歌わせてもらって、モンチッチと一緒に幼稚園を回ってイベントしたりもしてました。今年2020年は日髙のり子名義としてデビューしてから40周年なのですが、それより前に歌っていたモンチッチの楽曲等もアルバムに収録できたので、収録曲を見てくれたファンの方たちの間ではちょっと話題になってるみたいです。

矢内:モンチッチ! いつもお話を伺えば伺うほど、いろんな経歴がどんどん出てきてびっくりします。


──そして、40周年のために書き下ろされた楽曲「ドラマ」の作詞作曲は矢内さんが担当されているということなのですが、矢内さんに新曲の制作を依頼した経緯は?

日髙:矢内さんとの出会いは、私が声優仲間の山ちゃん(山寺宏一)と関ちゃん(関俊彦)とでやっているバナナフリッターズっていうユニットに楽曲を提供してもらったときだから、2年前くらいかな?

矢内:はい。一昨年ですね。私と編曲家の近谷直之でやっているSHADOW OF LAFFANDORというプロジェクトがあるんですが、そこにゲーム『たべごろ!スーパーモンキーボール』のテーマソング制作のお仕事をいただいた時です。テーマソングとして「恋するバナナーナ」という曲を作ったのですが、まだ楽曲を作った当初はどなたに歌っていただくか決まっていなくて。でも元々どうしてもバナナフリッターズさんに歌ってほしくて、もうその気持ちだけを込めて楽曲を作りました(笑)。そうしたら何とか思いが届いたみたいで、歌っていただけることになって。感激でした!

日髙:熱い思い、伝わりました(笑)。曲を聞いた瞬間、バナナフリッターズの3人で歌いたい!って思いましたよ。その出会いをきっかけに、その後も色々なことをご一緒させていただくようになって。私のYouTubeチャンネルで公開した「『となりのトトロ』歌も演奏も ぜんぶやってみた!」という動画では、タイトル通り、私が声優として出演している『となりのトトロ』の楽曲を一緒に歌ったり、楽器を演奏したりしました!

矢内:そうなんです。リコーダーやピアノ、ヴァイオリンなどのたくさんの楽器を全部2人だけで演奏したんですよね! 『となりのトトロ』は、映画を観ながらキャラクターと一緒にセリフをそらで言えるくらい子供の頃から大好きで、100万回は見てると思います(笑)。なので、サツキちゃんと『となりのトトロ』を演奏できるなんて、本当に贅沢な時間でした! しかも、今回発売されるベストアルバムの中にも収録されているんですよね! 楽曲を聴きながら、色々な楽器を演奏している私たちの姿を想像してみてくださいね。

日髙:こうやって何度もお仕事をさせていただく中で、矢内さんとは気が合うというか、矢内さんが作品一つ一つに大切に熱を込めて楽しんで作っている姿を見て、矢内さんとなら一緒にいいものが作れる気がして、今回、40周年の新曲の制作を依頼させていただきました。

矢内:そんな風に言っていただけるなんて光栄です。大切な40周年という機会に声をかけていただいてとってもうれしかったです。

──「ドラマ」はすごく壮大で素敵な曲ですね!

日髙:ありがとうございます。40周年という記念の年に、“日髙のり子”としての楽曲を作りたかったんです。アイドルとして、声優として、いろんな場面でいろんな顔を使い分けてきているなかで、もちろんたくさんいろんな体験をさせていただいてきたのですが、同時に自分を見失ってしまったというか……。例えばキャラソンって、そのキャラクターとして歌を歌うでしょ? そうなると必ずしもきれいに歌ったり、リズムとか音程があっていたりするのがいいとも限らないんです。あくまでもキャラクターとして、アニメの成分を入れないといけない。そして、声優として活動していると、ナレーションのお仕事の時に“南ちゃんっぽく読んでください”って言われたりすることもあったりして。そうすると、だんだんと自分の声がわからなくなってきてしまうんです。それで悩んでしまうこともあったりして……。40周年を機に今の自分“日髙のり子”というものをきちんと確立したくなったんです。それで矢内さんに相談してみました。

矢内:何度も打ち合わせしたり、デパートのカフェでモンブランを食べながら何時間も話したりしましたよね(笑)。日髙さんのお仕事の経歴のお話ももちろんですが、日髙さんからこぼれる色々な言葉も含めて曲にしたいなって思って、たくさんお話を聞かせていただきながら、曲を作っていきました。大人だけど自由で前向きで、いつでも心を解き放っているような日髙さんの生き様を表現できてたらいいな。

日髙:もう本当に素敵な曲に仕上げていただきました。今の私がギュッと詰まっている曲。はじめは壮大がゆえに重く受け取ってしまったけれど、何度も聴いたり歌ったりしていくうちに、だんだんと軽やかで楽しい、大人がスキップしているような曲に感じてきて、なんだか不思議な感覚の楽曲でした。矢内さんに歌の練習に付き合ってもらった甲斐もあって、レコーディングの時にはすごく自然に自分らしく、楽しく歌えました。聴いてくださるみなさんにも、お茶を飲みながらゆっくりワルツのリズムを感じてほしいですね。

矢内:日髙さんの、いろんな経験から、人生が深みを増している中で、常に楽しい自分に向かっていくというか、大人だけど大人だからこそ楽しく自由にできる姿や感覚を歌にしたかったんです。劇場とかハイヒールとかドレスとか、型にはまったルールとかおしゃれがあったとしても、その中でどれだけ楽しく生きることができるかを表現したかった。だから日髙さんご自身に、楽しさを感じながら歌っていただけているのはすごくうれしいです。楽曲を提供するお仕事もよくいただいたりする中で、いい曲ができるとつい自分で歌いたくなっちゃったりもするんですが(笑)この曲はすごく気に入っているけど、絶対自分ではなく日髙さんに歌ってほしいって思う楽曲になりました。



──そしてミュージックビデオも矢内さんのプロデュースのもと制作したんですよね。

日髙:はい。もう全部矢内さんにお任せしたいなって思って。

矢内:ありがとうございます。楽曲を作りながら、もうすでに頭の中で映像が浮かんでいました。ここで日髙さんがドレスを着てくるくる回って……みたいな(笑)。すごく鮮明に頭の中で出来上がってしまっていたので、実際の撮影の際には衣装を探すのがすごく大変でしたよね。

日髙:イメージをイラストに描いてくれたりしてたんだけど、そのイメージのドレスがなかなか売ってなくて、”これはボリューム感が足りないね”とか”これは色が違うかなー”とか、テレビ電話をしながら何着も試着して決めましたよね(笑)。

矢内:最後の最後にすごくぴったりのイメージのものが見つかってよかった(笑)

──お二人のいいものを作りたいという気持ちがすごくリンクしてて素敵です。

日髙:新曲「ドラマ」やミュージックビデオも、矢内さんにたくさん協力してもらって、すごく楽しくて素敵な40周年を迎えられそうです。あと本日夜にアルバムをひっさげた配信ライブもやるんですが、そちらにも矢内さんも出演していただくんです。

矢内:コーラスなどでお邪魔させていただきます。

──配信ライブの情報はこちら(https://www.youtube.com/watch?v=_T29OXvyU_s)です。いろいろお話を伺ってきましたが最後にみなさんにメッセージをお願いします。

日髙:今年の8月にお客さんを入れてのライブをさせていただいたのですが、客席にアイドル時代のファンの方の顔を拝見できたりして昔の気持ちを思い出したり、逆に20代の新しいファンの方も来てくださったりしているのを見つけたりして、なんだか本当に胸が熱くなったんです。私自身、結婚して子育てもして、なかなか仕事に打ち込めないときもあったし、悩んでいた時期もありました。でも私にはまだエネルギーがあります。40周年は、いろんな方に応援していただいて、みなさんの愛情に触れながらたどり着くことができた通過点です。これからもみなさんと一緒に前へ前へ進んでいきたいと思っています。

矢内: 日髙さんは本当に太陽みたいにキラキラした方で、日髙さんに会って元気をもらわない日はないってくらい本当に素敵な方。そんな素敵な方の記念すべきタイミングに関わることができて幸せです。たくさんの想いが詰まった「ドラマ」をぜひ聴いてくださいね。


   ◆   ◆   ◆

<Noriko Hidaka 〜 Thanks for 40 years 〜 “Dramatic Night” in OMOTESANDO CONNECT>

配信日時:2020年12月1日(火)19:00〜
配信サイト:日髙のり子YouTube チャンネル(無料配信)
https://www.youtube.com/watch?v=_T29OXvyU_s
▼#nonko40th DRAMATIC BAND
日髙のり子(Vo)/矢内景子(Vo,Cho)/近谷直之(Pf)/渡辺裕太(G)

デジタルシングル「ドラマ」

2020年12月1日(火)配信開始
配信先: https://lnkfi.re/40thanniversary_Drama
1. ドラマ

ベストアルバム『Noriko Hidaka All Time Best ~40 Dramatic Songs~』

2020年12月2日(水)発売
PCCG-01953
※CD2枚組
DISC1:Myself(アーティスト・セレクション)
1. 初恋サンシャイン
2. もう一度・ブラックコーヒー
3. ひとつぶの涙
4. 風のジュエリー 〜MERRY WIND〜
5. 幸せの軌跡(フットルース)
6. ときめきは Forever
7. 晴れた日にも愛をください
8. 不思議だね、愛
9. Come On!
10. ウルティマ 〜瞳のナイフ〜
11. ハートの磁石
12. 潮風のサーキット
13. TRY TO JUMP 〜あきらめないで〜
14. SO YOU CAN【1990年愛知県知多市制20周年記念イメージソング 】
15. BE NATURAL
16. それぞれのStation
17. 未来(あした)への翼
18. ひとりではない
19. 声だけはあげる2020【セルフカバー/リアレンジ新録音】

DISC2:My Dear(キャラソン&アニソン・セレクション)
1. ふた子のモンチッチのうた 〈『ふたごのモンチッチ』〉
2. タッチ 〈『タッチ』〉
3. Dreamin' Kids 〈『タッチ』〉
4. 青春 〈『タッチ』〉
5. 愛がひとりぼっち 〈『タッチ』〉
6. アホ!No.5 〈『ついでにとんちんかん』〉
7. トップをねらえ!~Fly High~ 〈『トップをねらえ!』〉
8. ハート ないしょ/2 〈『らんま 1/2』〉
9. あかねの子守唄 〈『らんま 1/2』〉
10. やさしい、いい娘になれない 〈『らんま 1/2』〉
11. 乱馬とあかねのバラード 〈『らんま 1/2』〉
12. レッツ・ゴー・ジャンくん 〈『ふしぎの海のナディア』〉
13. 夢見るキ・モ・チ - Dreaming Heart - 〈『炎の転校生』〉
14. ドッジもドッジ(弾平、珍念のテーマ) 〈『炎の闘球児ドッジ弾平』〉
15. 夢の扉(ビデオ収録バージョン) 〈『The Spirit of Wonder チャイナさんの憂鬱』〉
16. 私だって 〈『蒼き伝説シュート!』〉
17. ヨロシク(4649型)!ピーノ! 〈『Wonder Project J 機械の少年ピーノ』〉
18. Journey 〈『るろうに剣心-明治剣客浪漫譚-』〉
19. 涙よ、Au revoir(オゥ ボァール) 〈『サクラ大戦 3』〉
20. そして王子様が 〈『烈車戦隊トッキュウジャー』〉
21. Bonus Track:となりのトトロ 〜2020夏の思い出編〜【カバー/リアレンジ新録音】

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