【レポート+インタビュー】Angelo、最新アルバムを掲げて全国ツアー開幕「それでも進むしかない」

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■今このタイミングでできる最大限のことやる
■それが今回のツアーなんです

さて、いまだコロナ禍からの夜明けが見えず、まだまだ手探りで構築していくことを余儀なくされるライヴシーンだが、バンドセットの有観客公演を重ねることができていることは、彼らにとってのひとつ自信となり、そこから前進できている実感が得られているはず。実際、この夜のクラブチッタ公演もフロアに椅子を配置したスタイルであったが、声こそ上げられないもののオーディエンスが激しく髪を振り乱して頭を振り、一斉に拳を突き上げる光景には胸を熱くさせられた。そんな場面を前に、ステージに立つメンバーは何を感じていたのだろうか。

▲KOHTA (B)

「オーディエンスのリアクションはすごく良かったと思いますね。やっぱりAngeloのファンの人は、本当に臨機応変な対応力があるんですよ。それは長い年月の間で培われたものだと思うんですね。だから、こういう状況下においても最大限のライヴの楽しみ方っていうものを実践してくれている。俺たちもそのことはちゃんと分かっているので。それに、今ある土俵の上で最大限何ができるのかを考えることは、俺たち自身も得意ですから。逆境でこそ燃えるというかね」──キリト (Vo)

「“もっと違う見せ方ができるんじゃないかな”っていうところで、僕自身が試行錯誤しながらやっているので、そういう意味ではこれからかなっていう伸びしろがまだまだあるんです。お客さんが精一杯気持ちを届けてくれようとするあの感じは、すごくいいなって感じましたし、ステージにいても伝わってくるものがありました。それが演奏やライヴ自体をより良くさせるんです」──Karyu (G)

「今回はしっかりと準備期間を作ることができたので、スタジオでリハーサルをしている段階から5人のグルーヴが出せている実感があったんですよ。それが本番でも良いクオリティで披露できたと思います。ただ、……やっぱり喋りは難しいですね(笑)。お客さんはみんな優しいので拍手で返してくださったり、とても温かかった。観に来てくれたファンの方々に本当救われているなって感じました」──ギル (G)

「声を出せないことや、席が決められていること以外は、みなさん今までどおりじゃないですか。指定席だけどスタンディングはOKだし。だからやろうと思えば、このままでもいつものライヴを作ることはできるんです。その一方で今日改めて感じたのは、やっぱりお客さんの声のパワーの大切さで。そういうものがなくなってしまった。今は耐える時期だけど、その先にまたあの光景が戻ると信じてる。そういう覚悟を持って僕たちもやっているんですよ」──KOHTA (B)

「声が出せないとか制約のある環境のなかでのライヴで、拍手や体の動きだけで応えてくれた。そういうところから、みんなのパワーをストレートに感じられたし、こういう状況でもすごく良い時間が作れてれるなって思いましたね。今回は本数的にそんなに多くはないツアーですけど、逆に言えば、ひとつひとつの瞬間を大切にすることができる。いろいろな楽しみや気持ち良くなれる部分をより多く感じられるように、一本一本やれたらいいなと思いました」──TAKEO (Dr)

▲TAKEO (Dr)

また、この夜のライヴでは、アルバム『[evolve]』収録曲以外にもAngeloのスタンダードナンバーの数々がセットリストに装填され、特に本編終盤の「Daybreakers」からメンバーは、よりアグレッシヴな動きを見せてオーディエンスを煽動した。そんな本編の興奮の余韻を継承する形で、アンコールでは「ACTIVATE RESONATE」「CONNECT」、そしてラストに「STOP THE TIME, YOU ARE BEAUTIFUL」をドロップしてツアー初日は幕となった。

すべてのメニューを演奏し終えると、ステージ上に一列に並んだ5人が、コロナ禍ゆえ、それぞれの専用マイクを手にして感謝を伝えた。その都度オーディエンスが拍手のみで応える様はクラシックのコンサートさながらだが、実験的アプローチを重ねた日々を経て辿り着いたそんな光景も、今の時期しか見られないものだと考えれば、気持ちもアガる。最後に、今ツアーに賭ける想いを改めて彼らに訊いてみた。

「今回はもちろん今まで以上に体調面に気をつけているし、一回のライヴにかける集中力みたいなものが特に高いんです。一本一本の大切さを感じながらやっていかないとって思ってます。明日もまたライヴがありますけど、それは喜びでもあり、同時に緊張でもありますよね。とにかくみんなが無事にやれることが大切ですから。この状況に慣れたくないっていう自分と、早く慣れて次のステップへ上がらなきゃないけないっていう自分がいる。そこはシビアな問題ですね」──Karyu (G)

「本数は限られてますけど、バンドスタイルとしては2020年初のツアーなんですよ。やっと無事に始めることができた。あとは、この形でどれだけ綺麗にやりきれるか。我々はもちろん、チーム全体が意識を高く持ってひとつひとつのライヴを作っていく。お客さんが安心して来られる環境を必ず作っていきながら、このツアーを走りきりたいという想いでいっぱいです」──ギル (G)

「お客さんもスタッフも、もちろんメンバーも、みんなそれぞれがいろんな想いを抱えて、ようやくここに辿り着くことができたと思うんですね。アルバム収録曲で提示したように、僕たちはここからさらに前に進んでいかなきゃいけないというメッセージを込めてライヴをやっている。しんどかったことを糧にして、しっかりとこの状況を受け入れた上で、今までの流れとはまた違う形で進んでいくことができれば、と思っています。まあ、そういうことも踏まえて、みんなで楽しんでやっていきましょう。そう思いながらツアーを続けますよ」──KOHTA (B)

「今回のツアーはアルバムリリースに伴うものなので、純粋に新曲を披露できることが嬉しいんですよ。そういう部分でも“始まった”っていう感覚があるんです。何より、今日改めて実感しましたけど、やっぱりライヴは気持ちいいですから。こういう特殊な環境のなかでも、Angeloとファンはどんどん新しい景色を作れていくだろうなと思える初日だった。それを自分自身も期待しつつ、楽しみながらやっていけたらいいなと思っています」──TAKEO (Dr)

「ものすごく変化していく状況のなかで、それに対応しながら何ができるのかを常に考えて、試行錯誤を重ねて前に進んできたんです、Angeloは。だからこそ、どこまでできるのかをしっかりと把握した上で、今このタイミングでできる最大限のことやる、それが今回のツアーなんです。とはいえ、コロナが落ち着いて平気になったってことではないから、状況が変わってきたら、それにまた対応していかなきゃいけない。そういう危うさは常にあって。ただ、以前のように、本当に何も分からない手探りの状況で、“とにかく立ち止まらないといけない”っていう時期とはずいぶん違ってきている。どういう対応をすればどこまでできるのかが、ある程度分かってきた状況ではあるから。それでも進むしかないよねって」──キリト (Vo)

▲キリト (Vo)

そうした移ろいやすい状態にあっても、キリトのなかではポジティヴな想いのほうが強いということだろうか?

「割合としてはどちらかというとポジティヴではあるけど、ただやっぱりどうなるか分からない緊張感のなかにいることは確かなので。あまり楽観的でもないけどね。とにかく大事なのは、どう状況が変化しているかっていうことに、こちら側が常にアンテナを張っておかないといけないということで。そこでマズい状況になっているにもかかわらず強行するわけにはいかない。はっきり言ってしまえば、自分らだけの問題だったらね、もっと自由にできるんですよ。関係ないってやってしまうこともできる。でも今、やみくもに突っ走ってしまっては、お客さんをはじめ自分たち以外の人たちに迷惑かかってしまうので。しっかりと状況を見据えた上で、だけど最大限の力で行けるところまで行くしかないよねって、今はそう思ってます」──キリト (Vo)

ツアー初日かつ制限付きの環境のなかでのライヴというところで、開演前はメンバー自身も独特の緊張感をまとっていたはずだ。しかし、ようやくツアーのスタートを切れたことでメンバーからは少しの安堵感と共に、少々クサい言い方だが、燃え上がる想いも伝わってきた。また、この日のMCでは、「どんな状況になっても大丈夫なんだよ。やり方を変えて俺たちはこうやってステージに立つから。生きてさえいれば、俺はこうやって歌うし、Angeloは攻めていくから」とキリトが力強く語った。彼のコメントにもあったように感情の針がどのような形に振り切れていくのか、今後のライヴが見ものである。

取材・文◎早川洋介



■LIVE & 生配信<Angelo Tour 2020-2021「THE FORCED EVOLVE」>

▼2020年
11月17日(火) CLUB CITTA'川崎
open18:00 / start19:00
(問)ディスクガレージ 050-5533-0888
11月18日(水) CLUB CITTA'川崎
open18:00 / start19:00
(問)ディスクガレージ 050-5533-0888
12月19日(土) 大阪umedaTRAD
open17:00 / start18:00
(問)キョードーインフォメーション 0570-200-888
12月20日(日) 名古屋ボトムライン
open16:45 / start17:30
(問)サンデーフォークプロモーション 052-320-9100
12月25日(金) TSUTAYA O-EAST(FC限定)
open18:00 / start19:00
(問)ディスクガレージ 050-5533-0888
12月27日(日) 仙台Rensa
open16:45 / start17:30
(問)キョードー東北 022-217-7788
▼2021年
01月09日(土) TSUTAYA O-EAST
open17:30 / start18:30
(問)ディスクガレージ 050-5533-0888
01月10日(日) TSUTAYA O-EAST
open16:30 / start17:30
(問)ディスクガレージ 050-5533-0888

【チケット】
▼販売チケット
・¥13,200 (税・ドリンク代込/全指定)
・ファンクラブ先行:¥12,650 (税・ドリンク代込/全指定/同行者非会員可)
※制限枚数:お一人様1公演につき2枚まで
※12/25 TSUTAYA O-EAST公演のみ FC会員のみお一人様1枚まで
※3歳以上有料/別途手数料あり

▼配信チケット
11月17日(火) CLUB CITTA'川崎 open18:30 / start19:00
https://angelo.zaiko.io/e/Tour20201117
01月09日(土) TSUTAYA O-EAST open18:00 / start18:30
https://angelo.zaiko.io/e/Tour20210109
01月10日(日) TSUTAYA O-EAST open17:00 / start17:30
https://angelo.zaiko.io/e/Tour20210110
¥3,800 (税込)+ZAIKO手数料
支払い方法:各種クレジットカード、コンビニ決済、PayPal、WeChat、Alipay。



■オリジナルアルバム『[evolve]』

2020年11月11日(水)リリース
【初回限定盤(CD10曲+DVD)】IKCB-9573~74 ¥3,500(本体価格)+税
DVD:LIVE映像(10/4@大宮ソニックシティ 大ホールより「:evolve」他4曲)
【通常盤(CD10曲)】IKCB-9575 ¥2,800(本体価格)+税


▲『[evolve]』初回限定盤


▲『[evolve]』通常盤

▼CD収録曲
01. Enter the NEOPHASE
02. Swallow
03. :evolve
04. CELL DIVISION
05. Amon
06. AN ENDLESS MULTIVERSE
07. ティアドロップ
08. 春の風
09. MISSING LINK
10. ALL FOR YOU


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