<hide Birthday Party 2020>、初の無観客開催。配信ライブでも変わらぬ優しい時間を共に

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12月13日、hideの56回目の誕生日となるこの日に、初となる無観客配信ライブ<hide Birthday Party 2020 Sing along live ”Hi-Ho!”>が開催された。毎年多くのファンが集い、共に喜びを分かち合う神奈川県・CLUB CITTA’より、今年は生配信が行われた。

◆ライブ画像(19枚)

2020年はhideが旅立ち22年、23周忌を迎える年。5月のメモリアルイベントでは、今もなお鮮やかに咲き誇り聴き継がれているhideの楽曲たちを、会場に集ったアーティスト、ファン、そしてhideが一緒に歌う「Sing along live」を企画するも、新型コロナウイルスの感染拡大につき中止に。本企画は今回、無観客配信ライブとして実現した。

今年はhideのみならず、多くのアーティストが配信ライブに挑戦をしてきた1年だったが、ここで我々には思い出すべきことがある。それはhideの新しいテクノロジーへの好奇心だ。「PSYBORG ROCK」と呼ばれる人間のグルーブと機械のビートを融合させた独自の楽曲制作スタイルがその象徴であり、また90年代後半といえばインターネットはおろかパソコンさえも一般的には普及していない時代に、自身のホームページで楽曲を公開していたり、ファンとメールでのやり取りをしたりと、そのエピソードには事欠かない。

中でも特筆したいのが、1997年に開催されたオールナイトクラブイベント<hide presents MIX LEMONed JELLY>だ。このイベントは東京・六本木エリアのクラブ5カ所にて同時されたものであるが、なんと既に各地の様子をインターネットで中継を実施しており、この1年の出来事を20年以上も前から先取っていたかと思うと、またしても言葉を失うほどの衝撃に襲われる。hideが“未来人”と呼ばれる所以を改めて感じた。


そうは言っても、例年hideを愛するファンたちが集い笑顔あふれる1日となるこの日も、今年は直接顔を合わせることができない。いささか寂しい気持ちを覚えていたファンもいたかと思うが、空を見上げれば相変わらずの晴天で、我々は同じ空の下にいる感覚を共有することができ、本ライブに併せて新しくリリースされたhideモデルのワイヤレスイヤホンを装着すれば、離れていても一緒にライブに参加している不思議な感覚を得られる。そんなことを考えながら、普段とは少し違ったワクワク感と共にパソコンの前で開演を待つ。

今年もhideに縁のあるアーティスト達の参戦が発表されている中で先陣を切ったのはdefspiralとCUTT(SPEED OF LIGHTS / shame)。hideのセカンドアルバム『PSYENCE』のファーストトラック「PSYCHOMMUNITY」にて壮大なオープニングの幕が開く。hideに見出されたこの二組は、毎年のようにイベントを盛り上げ、hideの“SPIRITS”を継承する存在となっている。



「行こうか!」というdefspiralのTAKA(Vo)からの掛け声とともに、こちらもhideに見出されデビューを果たした木村世治 (ZEPPET STORE)が加わり、hideの楽曲「DICE」を披露。全員でシンガロングをするこの配信ライブでは、楽曲の歌詞が画面にも表示され、ファンも自宅で一緒に歌うことのできる新しいライブスタイルだ。


木村世治とTAKA、CUTTの声が有機的に絡み合い、緊張感がピンと張り詰めるようなステージに息を呑む。一瞬の静寂の後、転じて弾けるようにカラフルな「Beauty & Stupid」が飛び出し、会場は一気に華やかなムードに。ステージで楽しそうにダンスを交え演奏をするメンバーを見ていると、自宅で視聴をしているこちらまでもが笑顔になる。

「次に一緒に歌いたいのはこの曲です!」とCUTTが「50%&50%」をポップに、「嘘つき...」とTAKAが「DOUBT」を妖艶に、木村世治が「SPACE MONKEY PUNKS FROM JAPAN」をパンキッシュに歌い、3人の個性と共に、hideの楽曲の幅広さを改めて感じる。“おもちゃ箱をひっくり返したような”音楽性とは、まさにこのことであろう。


徐々に緊張感もほぐれてきた中で、スペシャルゲストとしてhideと公私ともに交流があったMAGUMI(LÄ PPISCH / MAGUMI AND THE BREATHLESS)が、生前のhideとのエピソードを織り込んだ紹介映像と共に登場。hideの「ピンクスパイダー」をdefspiralのメンバーと力強く歌い上げる。


続いて、ZI:KILL時代には、X、LUNA SEA同様にエクスタシーレコードに所属し、hideとは衝撃的な映像作品「Seth et Holth」を制作したTUSK(THE SLUT BANKS / ex ZI:KILL)が登場。ギター一本で「GOOD BAY」を、広い会場の中で独り響かせる。


さらに、hideが中学生の頃に初めてライブに行ったバンド、BOWWOWのギタリストであり、hideがファンであることを公言していた山本恭司(BOWWOW/VOW WOW/WILD FLAG)が登場。少年時代のhideとの逸話も披露し、暖かく、優しく包み込むようなギターで「FLAME」のイントロから「Ave Maria」を演奏。こちらも三者三様で、hideと同じ時代を駆け抜けたアーティスト達が、円熟のステージでhideのバースデーを彩ってくれた。


再び、木村世治、TAKA、CUTTがステージに現れ、3人だけで「LEMONed I Scream」「ever free」をパフォーマンス。木村世治のギター一本のアコースティックアレンジの途中からdefspiralのメンバーも加わり、スペシャルゲスト3名のステージの意匠を引き継いだような大人のステージを魅せてくれた。




ライブも中盤に差し掛かり、ついにhideの相棒であるPATA(X JAPAN / Ra:IN)が登場。hide作詞・作曲のXの楽曲「CELEBRATION」を披露し、お祝いモードが一気に加速。「呑んでますか!?自宅!」との煽りから「ROCKET DIVE」を「みんなで響かせていきましょう!」と「TELL ME」が立て続けに展開。


「思い残すことなく、楽しんでいってください。この曲を皆で響かせていきましょう」と披露された「MISERY」は、「痛み」や「悲しみ」といったタイトルの意味とはうらはらに、ポップなメロディーで明るく励ましてくれるような優しさを感じる楽曲。今は悲しい時代だけども、悲しみをすべて受け止めて、いつか笑える日が来るというhideからのメッセージが、この20年以上の時を越えてファンのもとに届けられた。

最後に、この日の全出演者がステージに呼び込まれ、公演タイトルともなっている「Hi-Ho」を大セッション。超巨大hide人形もステージに登場し、笑顔あふれるこの光景は、どんなことがあっても毎年変わらないhideのバースデーパーティーの光景である。ラストは、この日の主役hideによる「HURRY GO ROUND」が披露され、<hide Birthday Party 2020>は幕を閉じた。


終演後には、「hide The 23rd Memorial」として映画の制作や、hide MUSEUM 23回忌特別企画展示、hideとこの日出演したTUSKが制作、出演した「Seth et Holth」のデジタル・リマスターDVDが付録となるフールズメイトアーカイヴブックの発売など、hideの来年に関する数々のプロジェクトがアナウンスされた。

今夜は配信ライブという形によって、ある意味でhideが想像していた未来にて、hideに出会えた1日だったのではないだろうか。新型コロナウイルスによって通常のコンサートが実施できないこの時代で、hideだったらどんなワクワクすることをしていたのだろうか?と考えてみると、きっと我々が想像もしない方法でファンを楽しませてくれただろう、と今日のライブを見た後なら確信を持てる。2021年もまた、hideが描いた未来で、hideに出会うことができそうだ。

撮影◎上野宏幸(nonfixcreative)

<hide Birthday Party 2020 Sing along live ”Hi-Ho!”>

【出演】 ※順不同
hide
木村世治 (ZEPPET STORE)、defspiral、CUTT (SPEED OF LIGHTS / shame) 、TAKA(defspiral)
【Special Guest】
MAGUMI(LÄ-PPISCH / MAGUMI AND THE BREATHLESS) 、PATA (X JAPAN / Ra:IN)TUSK (THE SLUT BANKS / ex-ZI:KILL)
山本恭司(BOWWOW/VOW WOW/WILD FLAG)※映像出演

プロジェクト概要

■「hide The 23rd Memorial」映画
23年続く数々のhideプロジェクトその第一歩を踏み出した物語誕生
2021 COMING ON SCREEN

■hide MUSEUM
23回忌 特別企画展示『PSYCHOVISION -hide MUSEUM Since 2000-』
2021 COMING SOON

■アーカイヴブック
FOOL’S MATE ARCHIVES hide × HIDE発売決定
税込価格:8,800円+送料
音楽誌フールズメイトに掲載されたHIDEとhide、その重要記事のすべてが一冊に。
レアカットも多数収録特製クリアケース入り。
さらにHIDE発案・企画・音楽・主演の幻の映像作「Seth et Holth」がデジタルリマスター初DVDとして付録に。
そして刊行記念としてオリジナルTシャツも限定発売。黒ボディ、白ボディの2種類。
税込価格:4,400円+送料
アーカイヴブック、TシャツともにHMV&BOOKS online とフールズメイトWEBショップにて販売
2020年12月25日より受付開始
2021年3月下旬より発送予定
詳細はフールズメイト hide特設サイト
http://fools-mate.co.jp/hidexhide/

商品情報

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