【インタビュー】エマ・ウォーリン「自分も何かをやってみよう、そんな前向きな気持ちを応援する曲になれば嬉しい」

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2018年にオランダのSick Indivusalsがプロデュースした「Can’t Have」でデビューしたエマ・ウォーリン。以降もNetflix オリジナルドラマ「Another Life」のグローバルでのタイアップや、Spotifyの「New Music Friday」に世界22カ国でリストインするなど、新曲を発表する度に大きな注目を集めており、次代を担うシンガーソングライターとして世界が注目する存在へと成長を続けている。そんな彼女が新曲「Here Forever」を発表した。これは渋谷区公認の配信プラットフォーム「バーチャル渋谷」で開催されているクリスマスイベント「バーチャル渋谷 au 5G X'mas」のために書き下ろしたもので、渋谷をテーマにしたキャッチーなナンバーに仕上がっている。今回は、改めてエマ・ウォーリンのプロフィールをたどりつつ、「Here Forever」へ込めた彼女の思いに迫る。

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■作詞作曲のレッスンを受けて
■もっと奥深く音楽を感じるようになった

──どんな音楽を聴いて育ちましたか? 子どもの頃、最初に好きになった音楽って覚えています?

EMMA:ディズニー・チャンネルが好きで、ずっと見ていたんです。それで、セレーナ・ゴメスさんがすごく好きになりました。彼女が出演した映画「シンデレラ・ストーリー2:ドリームダンサー」で、「Tell Me Something I Don't Know」という曲を歌うんですけど、たぶん、この曲が一番最初に好きになった曲だと思います。

──セレーナ・ゴメスさんの名前は、これまでのインタビューでもたびたび出てきますけど、どんなところが好きだったんですか?

EMMA:歌だけじゃなくて演技もできるし、女性としても魅力的。歌にもメッセージがあって、ほんとに素敵だなと思いますね。

──歌も演技もできるセレーナ・ゴメスさんに憧れて、自分も歌ってみようと思った?

EMMA:最初はダンスをやっていたんです。一緒にダンスをやっていた友達から「ミュージカルをやってみない?」って誘われたんですよ。それは、教えてくれる先生が脚本を書いたオリジナルのものだったんですけど、そのミュージカルに参加したときに、「あ、自分は歌が好きなのかも」って気がついたんですよね。演技もダンスも好きなんですけど、自分に合っているのは歌だと思っています。

──演技にもダンスにも今でも興味はありますか?

EMMA:今でも続けています。ダンスのレッスンを受けていますし、ライヴでは、歌だけじゃなくて、ダンスでも表現できるようになりたいなと思って。

──ミュージカルをきっかけに歌に目覚めて、それから自分で曲を作るようになったんですか?

EMMA:最初は、好きな曲を歌っていただけで、作曲はLAのアートスクールに通うにようになってからですね。ただ、その前から思いついたこと、感じたことをノートに書いたりはしていました。

──アートスクールでは作詞作曲の授業をとっていたんですよね?

EMMA:そうなんです。トップラインの作り方だったり、作曲のためのコンピュータの使い方だったりを教わりました。

──作曲の授業でコンピュータの使い方から習うというのは、現代的ですね。

EMMA:ふふふ(笑)。最初は楽器を使った作曲からでしたよ(笑)。その後にコンピュータも教わったんです。

──作詞作曲のレッスンを受けて、曲作りや音楽に対する考え方や感じ方は変わりましたか?

EMMA:変わりましたね。ちゃんと理解して曲を作るようになったというか……それまでは、歌詞を読んでも、「どういう意味なんだろう?」とだけ考えていたんですけど、授業を受けてからは、「この書き方は、こういうスタイルだからなんだな」とか「この歌詞を入れることで、次の歌詞が生きるんだ」といった感じで、もっと奥深く音楽を感じるようになった気がします。自分の好きだった曲も、もっと心に突き刺さるように感じたりとか、今まで気づかなかった意味が見えてきたり……新しい発見がいっぱいありました。


■今の時間を大切にして生きて行こう
■そんな気持ちを込めました

──デビューはいきなりSick Indivusalsのプロデュースとなりましたが、これはどういう経緯だったんですか?

EMMA:私のデモがレコード会社の目にとまって、「Sick Indivusalsとやるのがいいんじゃないか」という話になったみたいです。すごく急な話だったので、自分としては、正直、何が起きているんだろうと頭が混乱しました(笑)。

──いきなり世界的なプロフェッショナルと仕事をすることになったわけですけど、戸惑いはありましたか?

EMMA:戸惑いも驚きもありましたね。でも、一緒にレコーディングしたことで学んだことも多かったですし、何より楽しかった(笑)。私、それまではインプロヴァイゼーション(即興演奏)が恥ずかしいというか、怖かった部分があるんです。でも、2人から「もっと自由に、はっちゃけていいんだよ」と言われて、思い切ってやってみたら、そこからインプロヴァイゼーションが好きになりました。

──初めてレコーディングをしてみて、感想はいかがでしたか?

EMMA:シンプルに、音楽ってすごいなって思いました(笑)。自分の声だけで、こんなことができるんだって驚きもありましたね。ただ、初めてのレコーディングのときは、大人の人がいっぱいいたので、ちょっと怖かったというか、すごく緊張しましたけど(笑)。貴重な経験をしたなと思いますし、そういう経験ができてよかったと思っています。

──新曲「Here Forever」は「バーチャル渋谷 au 5G X'mas」への書き下ろしで、渋谷をテーマにした曲だそうですね。EMMAさんにとって、渋谷はどういう街ですか?

EMMA:賑やかでユニークな人がたくさんいて……渋谷といえば、誰でも知っていて、みんなの集合場所、そんなイメージです。

──渋谷でお気に入りの場所やお店はありますか?

EMMA:お気に入りの場所ではないですけど、渋谷に行くと人間観察というか……どういう人がいるのかなって見ていることが多いですね。

──サウンド的にもこれまでとはちょっと趣が違って、ポップな要素も感じられる曲になっていると思うのですが、これは「バーチャル渋谷 au 5G X'mas」からリクエストがあって作ったものなんですか?

EMMA:「楽しくてアップテンポな曲がほしい」というサジェスチョンはありました。なので、そこは意識しながら書いた曲です。

──曲はどのように作っていくんですか?

EMMA:曲によるんですけど、「Here Forever」は歌詞が先でした。歌詞というか、どんな歌詞にしようかというアイディアをバァ~ッと書き出して、そこから歌詞を完成させていったんです。今は、コロナの影響でまだまだ大変な状況ですけど、みんなで支え合うことの大切さについてとか、みんなが楽しくなること、元気になれることは何だろうとか、いろいろなことを考えていたら、「あ、これは歌詞に入れよう」「こういうことを歌ったらみんなが元気になれるかな」という感じで言葉が出てきたんです。

──歌詞には前向きな思いがつづられているように感じました。

EMMA:ありがとうございます。自分自身、コロナの感染が拡大し始めたときに、人に会えなくなってしまったことが辛かったんです。なので、今はこんな状況ですけど、ずっとこのままではないはずだから、今の時間を大切にして生きて行こう、そんな気持ちを込めました。「Here Forever」を聴いて、人に会えなくて悲しいなといった、落ち込んでいる気持ちが、ポジティブな気持ちになってもらえたら。厳しい状況でもやれることはいっぱいあるので、自分も何かをやってみよう、そんな前向きな気持ちを応援する曲になれば嬉しいです。

──自粛期間に始めたことはありましたか?

EMMA:始めたことではないですけど、私はあまりまめに連絡をするタイプではなかったんですけど、自分から友達にいろいろと連絡するようになりました(笑)。オンラインでも、みんなと会話することって大切だなって思ったんです。それから、オンラインで知り合った友達と、オンラインで音楽を作ったりしています。音楽でやってみたいこと、試してみたいことを実際にやってみるための曲という感じなので、あまり発表するつもりはないんですけど。完成して、めちゃくちゃ気に入ったら発表するかもしれません(笑)。


──実験的というか、曲作りにおける挑戦といった意味合いのものなんですね。でも、完成したらぜひ聴いてみたいですね(笑)。「Here Forever」は、田中知之(FPM)さんによるリミックスバージョンも発表になりましたが感想は?

EMMA:自分の曲がこんなスタイルに変装するんだと思いました(笑)。面白いな、こんなに変わるんだなって。音楽って不思議ですね。

──自分で作った曲なのに、自分の想像していたものとは違う形になっているというのは、不思議なものかもしれないですね。ちなみに「バーチャル渋谷 au 5G X'mas」は文字通りクリスマスのイベントですが、EMMAさんの思い出に残っているクリスマスはありますか?

EMMA:友達とイルミネーションを見に行ったことがあって、すごくきれいだったので、それはよく覚えていますね。あとは、幼稚園の頃に、プレゼントが中央のテーブルに並べて会って、その周りをみんなが走って、音楽が止まったらみんなも止まって、目の前にあるのが自分のプレゼント……そんなゲーム?をやったんですけど(笑)、それがなんだかすごく楽しかったのを覚えています。

──最後に、今後はどんなシンガー、アーティストになりたいですか?

EMMA:いろいろなことにチャレンジできるアーティストでありたいです。歌ももちろんですけど、最初に話したように、ダンスや演技にも興味がありますし、絵を描くのも好きなので、デザインもできたらいいなと思っています。やりたいと思ったことにどんどんチャレンジしていきたいです。


■FPM田中知之 コメント

とにかく彼女の謎めいたキャラクターと唄声は、今の日本の音楽シーンにおいて、とても魅力的な存在だと思います。今回のオリジナルの楽曲は彼女の歌唱にフォーカスしたシンプルなアレンジだったこともあり、私のリミックスでは圧倒的な華やかさをプラスしたいと考えました。実はスケジュールが非常にタイトだったのですが、スタジオでいくつもの奇跡が起こり、とても満足のいくリミックスが完成しました。


<Very Merry X'mas from FPM by au 5G>
2020年12月25日(金)21:00〜22:30
FPM田中知之氏が世界中の世代を超えたオールジャンルのクリスマスソングを90分ノンストップでミックス。90分90曲のチャレンジ!という前代未聞のDJセットをお届けします!


「Here Forever」

2020年12月20日(日)
Knees Up
配信プラットフォーム:https://linkco.re/8QQ1Uhuc


◆エマ・ウォーリン オフィシャルサイト(英語)
◆バーチャル渋谷 au 5G X’mas 特設サイト
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