【詳細レポート】TETSUYA (L'Arc-en-Ciel)、3夜連続のXmasライヴ最終日にサプライズ発表「メリークリスマス!」

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L'Arc-en-CielのリーダーTETSUYAが12月23日から25日の3日間、3夜連続のライヴ<TETSUYA”Xmas LIVE STREAMING 2020”>を配信した。TETSUYAからファンへ贈るクリスマスライヴの最終夜には新たなアナウンスも用意されるなど大盛況。先ごろ公開した収録当日の速報レポートに続いて、配信ライヴ3daysの詳細レポートをお届けしたい。

◆TETSUYA (L'Arc-en-Ciel) 画像

2020年、予期せぬ新型コロナウイルスの影響により、アーティスト達は通常のライヴ活動の実施が制限され、それは今なお続いている。そんな状況下において、TETSUYAの音楽を求めるリスナーは多いと思う。煌びやかで、柔らかく気持ちを引き上げてくれたり、癒してくれたりする彼の音楽はコロナ禍で疲弊した心をやわらげる力を持っているからだ。

TETSUYAの音楽に触れていたい、ライヴを観たいと思うリスナーの気持ちに応えるべく、TETSUYAは7月12日に<TETSUYA “LIVE STREAMING 2020”>をSHOWROOMで実施。そして、10月初頭に開催がアナウンスされたのが、クリスマスを彩るストリーミングライヴ<TETSUYA “Xmas LIVE STREAMING 2020>だ。同公演は12月23日から25日の3夜連続配信、彼にとって初となる“有観客+配信”という形で行われるもの。アンコールは日ごとに異なるメニュー、クリスマスにフィットするL'Arc-en-Ciel楽曲のセルフカバーなど、TETSUYAからのクリスマスプレゼントという言葉が似つかわしいスペシャルな内容で、告知と同時に大きな話題を呼んだ。TETSUYAのファンはもちろん、シーン全体の注目を集めるなか、3日間にわたってTETSUYAのライヴが配信された。



ライヴの幕開けを告げる穏やかなストリングスの調べが流れ、ゆったりとした足取りでTETSUYAがステージに姿を現した。ライヴはL'Arc-en-Ciel楽曲のセルフカバー「Time goes on〜泡のように〜」からスタート。沢山のモールがあしらわれたコートにロングブーツというスクエアな衣装に身を包み、大きなクリスマスツリーが置かれたステージの中央に立って歌うTETSUYAの姿は華やかさに溢れている。彼の甘い歌声やエモーショナルなサウンドも相まって、ライヴが始まると同時に、場内がTETSUYAの世界に染まったことが如実に感じられた。

その後はグラムロックテイストとポップネスを巧みに融合させた「愛されんだぁ I Surrender」や、軽やかに疾走する「I WANNA BE WITH YOU」、TETSUYAの妖艶なヴォーカルとラグジュアリーなサウンドをフィーチュアした「TIGHTROPE」などが披露される。曲調に合わせて表情を変えるTETSUYAのヴォーカルは聴き応えに溢れ、それぞれの楽曲に込めた思いが伝わるステージングにも目を奪われる。そんなTETSUYAのパフォーマンスを生々しく捉えるカメラワークやハイファイなサウンドなども見事で、TETSUYAのライヴの醍醐味をリアルに味わえる配信ライヴになっていることが印象的だった。



夏が香る「15 1/2フィフティーンハーフ」や、ウォームなミディアムチューンの「Fantastic Wonders」などでさらに世界観を深めた後、ライヴ中盤では“全てはやがて上手くいくよ 悪い事はもう起こらない 怖い夢を見ていたんだね”と歌う「Eureka」と、“まだ誰も知らないこの路の先 何が起きたってもう怖くはない”という歌う「Make a wish」が続けて演奏された。2曲ともにコロナ禍以前につくられた楽曲だが、今の状況でこの2曲を聴くと心に響くものがある。「Eureka」と「Make a Wish」はTETSUYAが今回のライヴで伝えたかった大きな思いのひとつが込められているように感じて、グッとくると同時に明るい気持ちになった。

メロディアスにしてロマンチックなクリスマスソング「lonely girl」や、抒情的な「REVERSE」などを経て、ライヴは後半へ。爽やかなサウンドとTETSUYAの弾力感のある歌声を活かした「Can't stop Believing」でさらに熱気を高めた後、続く「Roulette」では中間のブレイクパートでステージにサンタクロースとトナカイが登場。フリーズ状態のメンバー1人1人に小さなプレゼントを渡すという演出を披露。ほのぼのとした情景に癒され、プレゼントを素直に受け取らないTETSUYAの姿も微笑ましかった。

場内のムードが高揚していくこと伝わってくるなか、本編のラストソングとして「Are you ready to ride?」が披露される。フィジカルなパフォーマンスを展開するTETSUYAとアッパーなバンドサウンド、サンタクロースとトナカイがダンサーとして加わった編成などがない交ぜになって、ステージが華やかに盛り上がる。ライヴを観ているすべてのリスナーが笑顔になっていることを感じさせ、TETSUYAは晴れやかな表情を浮かべてステージから去っていった。



ここからがお楽しみの日替わりアンコールだ。23日のアンコールではTETSUYAの「ちょっとだけクリスマスっぽい曲いきます」という言葉とともにL'Arc-en-Cielの「snow drop」が演奏された (24日は「I Wish」、25日は「Don't be Afraid」といったL'Arc-en-Cielのセルフカバーを披露)。TETSUYAが書く楽曲は時代を超える普遍的な魅力を備えていることを改めて感じたし、彼ならではの爽やかな歌声や、タータンチェックのシャツにブラックジーンズというパンキッシュな出で立ちも楽しむことができた。

その後は、温かみとほのかな切なさをまとった「魔法の言葉」を挟んで、壮大なスケール感を放つスローチューンの「流れ星」がラストナンバーだった。夜空をたゆたうようなゆったりとしたサウンドと力強く歌い上げるTETSUYAのヴォーカルの取り合わせは絶妙で、強く惹き込まれずにいられない。「流れ星」が終わり、深い余韻を残して<TETSUYA “Xmas LIVE STREAMING 2020>は幕を降ろした。



今回の配信で、クリスマスのための素晴らしいライヴを披露してみせたTETSUYA。クリスマスらしい演出はもちろんライヴのムードを最大限引き上げることに成功したが、一方では基本的にTETSUYAのライヴをストレートに見せるスタイルで、ひたすら楽曲を聴かせる配信ライヴだったことは注目といえる。音楽を最重視したライヴでいながら、エンターテイメント性が高く、物足りなさを全く感じさせなかったのはさすがの一言。TETSUYAがつくる音楽のクオリティーの高さや彼の存在感の大きさなどを再確認させられた。

もうひとつ、TETSUYAの楽曲がクリスマスによく合うことも印象的だった。これは、彼がつくる音楽が一貫してロマンチックさや洗練感を内包していることの証といえる。強い美意識を持ち、それを貫く意思の強さや音楽家としての優れたスキルなどを持ったTETSUYAは本当に魅力的な音楽家だ。12月に入ってコロナ第三波が席捲している現在。今後のTETSUYAのライヴがストリーミングになるのか、生で観れるようになるのかは今のところ未知だ。だが、どんな形態であれ、2021年のTETSUYAも素晴らしいライヴを見せてくれることを確信できた良質なステージだった。


なお、クリスマスライヴ<TETSUYA “Xmas LIVE STREAMING 2020”>終演後の画面上では、2021年にソロ始動20周年のアニバーサリーイヤーを迎えるTETSUYAが、同年1月1日より自身のオフィシャルYouTubeチャンネルにて、過去のライヴ映像を『20th Anniversary Special Edition』として期間限定配信することが発表となった。なお、この他にも数々のアニバーサリープロジェクトが進行中とのことだ。

取材・文◎村上孝之
撮影◎緒車寿一

■配信ライヴ<TETSUYA “Xmas LIVE STREAMING 2020”> Dec 23.24.25 セットリスト

01. Time goes on〜泡のように〜
02. 愛されんだぁ I Surrender
03. I WANNA BE WITH YOU
04. TIGHTROPE
05. empty tears
06. 15 1/2フィフティーンハーフ
07. Fantastic Wonders
08. Eureka
09. Make a wish
10. lonely girl
11. REVERSE
12. Can't stop Believing
13. Roulette
14. Are you ready to ride?
encore
en1(23日). snow drop
en1(24日). I Wish
en1(25日). Don't be Afraid
en2. 魔法の言葉
en3. 流れ星


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