【インタビュー】yukihiroが語る、2020年とACID ANDROID初配信ライヴ「姿と音がリンクして音楽が出来上がっていく」

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ACID ANDROIDが12月28日より、2020年最初で最後のライヴ<ACID ANDROID LIVE 2020>を配信する。同ライヴは11月25日に関東某所にて実施されたチケット販売数5枚のプレミア公演を収録したもの。先ごろ公開したライヴレポートに記されたとおり、会場にはロックバンドの本質を貫く極上サウンドが渦を巻いた。BARKSはこのインタビュー直前、画像エフェクト処理前の収録映像を観る機会に恵まれたが、その音抜けは凄まじく、yukihiroの一挙一動はもとより、しなやかな指先まではっきり見て取れるカメラワークは見どころに事欠かない。ライヴ会場で体感するものとは、また一味異なる新たな発見がそこかしこに散りばめられた仕上がりだ。

◆ACID ANDROID 画像

冒頭に、“2020年最初で最後のライヴ”と記したが、yukihiroとしては2020年1月より、L'Arc-en-Cielの8年ぶり全国ツアー<L'Arc-en-Ciel ARENA TOUR MMXX>をスタート。新型コロナウイルスの影響でその後半戦は開催中止を余儀なくされたものの、5月には“シーケンスサウンドデザイン/プログラミング”として参加したTHE NOVEMBERSのアルバム『At The Beginning』がリリースされた。5月末からの開催を予定していた全7公演のワンマンツアー<ACID ANDROID LIVE 2020 #1>は延期・中止となったが、yukihiro自身は着々と制作活動に没頭していたという。

BARKSは12月中旬、約1年ぶりとなるyukihiroインタビューを行なった。世界が一変した2020年の足取りを辿りつつ、ACID ANDROIDとしては1年ぶりのライヴ<ACID ANDROID LIVE 2020>を振り返り、いよいよ自身初オンライン開催されるライヴの見どころについて語ってもらった。

   ◆   ◆   ◆

■アリーナツアーの円形ステージは
■意外とやりやすかった

──2020年は新型コロナウイルスによってさまざまな影響や変化が出た1年でもありましたので、まずはこの1年を振り返りながら近況をうかがえればと思っています。yukihiroさんの2020年は、アリーナツアー<L'Arc-en-Ciel ARENA TOUR MMXX>でスタートしました。

yukihiro:もうだいぶ記憶が薄い状態になってますけど、久しぶりのツアーだったので、こんな感じだったかなとかいろいろなことを思い出しながらやっていたと思います。

▲yukihiro

──新型コロナウイルス感染拡大もあり、ツアー終盤は残念ながら中止となってしまいました。その後のBARKSインタビューでHYDEさんは、「画期的なライヴだったと思うんですよ。センターステージで客席が近かったり、アグレッシヴな雰囲気に満ちていたり」とおっしゃってて、手応えを感じていたようでした。

yukihiro:ツアーだったというのが影響してるかもしれないですね。ここ何年かのように大きな会場で2日間やって終わりではなくて、来週もある、再来週もあるっていうのは、心持ちが変わってくると思うんです。継続してライヴのことを考えているわけですから。

──成長の過程があるということですね。

yukihiro:次のライヴは1年後です、というのとは違いますよね。

──このツアーは会場中央に設置された円形ステージもひとつの見どころでした。ドラマーとしては通常のステージとは異なる環境だけに、やりやすいとかやりにくいとかあったと思いますが。

yukihiro:円形ステージは、最初はどうなるかなと思っていたんですけど、やってみると意外とやりやすかったです。後ろに壁がない分、背後からの反響音がないので、ステージ上はデットな音の空間なんですよ。スピーカーもすべて外を向いているし。

──yukihiroさんとしては、デッドなほうがやりやすいですか?

yukihiro:今回の感じはやりやすかったですね。ただ、ステージが回転したんですけど、その動くスピードには気を遣ってもらいました。

──プレイに影響しそうです(笑)。

yukihiro:そういう調整は多少ありましたけど、まあ、あれは回らないとお客さんも楽しめないですからね。

──お客さんにとっては、yukihiroさんの後ろ姿や脚さばきまで見えるのが円形ステージの醍醐味です。

yukihiro:ライヴの写真を見たとき、こんなに丸見えなんだ!?って思いました。

▲yukihiro

──3月以降、コロナ禍でライヴができなくなり、4月には緊急事態宣言が発令されて家に止まる時間も長くなったと思いますが、yukihiroさんはそういうなかでどう過ごされていましたか?

yukihiro:自宅作業をする時間が少し増えたというだけで、僕自身の生活はあまり変わらないんですよ。単純に外に出ることが減ったくらい。

──当初、5月から全7公演の全国ワンマンツアー<ACID ANDROID LIVE 2020 #1>開催が予定されていましたが、そのライヴに向けての準備もされていたんですよね。

yukihiro:その前にTHE NOVEMBERSのアルバム制作があったので、アリーナツアーの後は、まずそれに取り掛かっていました。

──5月にリリースされたTHE NOVEMBERSのアルバム『At The Beginning』では、yukihiroさんがプログラミングで参加していますね。これはどういう経緯で参加することになったのですか?

yukihiro:THE NOVEMBERSがバンドサウンド以外の同期の音をいろいろ使うようになってきて、相談をしたいということは以前から言われていたんです。(THE NOVEMBERSの)ライヴを観に行ったり、一緒にご飯を食べに行ったりしたときに、そういう話を聞いて、その流れで彼らのほうから声をかけていただきました。

──ACID ANDROIDとTHE NOVEMBERSはコラボイベントを開催したり、THE NOVEMBERSのメンバーがACID ANDROIDのサポートメンバーだったり、以前から親交がありましたが、そういったなかでも音楽の話をしていたという。

yukihiro:小林くんは音楽の話が好きですし、ミュージシャン同士なので何かしら通じ合うものもありますよね。僕とはだいぶ世代が違うので、僕がカッコいいと思ってリアルタイムで聴いていたものって、小林くんからすると過去の音楽になるじゃないですか。それを僕よりもさらに掘り下げて聴いているような感じがあるんですよ。たとえば、あの年代にこんな出来事があったからこのアルバムができたんだとか。そういう聴き方をしているっていう話は、聞いていて面白いですね。

◆インタビュー【2】へ
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