THEイナズマ戦隊、“生きてこそ”が形になった「世明けのうた」MV

THEイナズマ戦隊が2021年1月13日に、14枚目となるニューアルバム『世明けのうた』をリリースする。そのリード曲「世明けのうた」のミュージックビデオ撮影が、12月都内某所にて行われた。この撮影現場の写真、現場でのメンバーコメントとともに、ミュージックビデオの内容を振り返ってみたい。

◆撮影現場写真（21枚）

ライブ活動を積極的に行い、ファンとの繋がりを大切にしているTHEイナズマ戦隊にとって、コロナ禍による自粛期間はまさに苦節。配信ライブを行うなど、“やれる事をやる精神”で魂の歌を育み続けてきた。その賜物のひとつが「世明けのうた」だ。作詞を手掛けた上中丈弥（Vo）は、楽曲についてこのように回想する。


「コロナ禍の中で感じたメッセージを、僕たちなりの言葉で届けた曲です。今でしか生まれ得なかった歌だと思っています。だから、生きてこそなんです。人生は生きてこそ」


ミュージックビデオは、様々な人の人生が交錯するバスの中が舞台となっている。家族連れ、お疲れ気味のサラリーマン、OL、スマホを眺める学生、老人。決して平坦とはいかない人生を誰もが葛藤し、生き抜き、帰るべき場所へと帰っていく。“生きてこそ 生きてこそ そこに火が灯るから”──上中は彼らを見守り、見届けるように「世明けのうた」を熱唱し続ける。まるで、心の中に響く応援歌のように。



乗客が下車し、カメラが引いていくと楽器を持ったメンバーがフレームイン。バスの中で情感豊かに「世明けのうた」を演奏し終えると、目的地に到着。メンバーが降りようとすると、その後ろ姿を見守るバスの運転手。運転手役を務めたのは、名脇役としても知られる俳優の宇野祥平。実は上中、山田武郎（G）、中田俊哉（B）の高校時代の先輩で、上中と中田は同じ野球部に所属していた。宇野はデビュー前から彼らを見守り続け、お互いの道で切磋琢磨してきた存在で、いつか仕事で共演したいという夢が実現した。


宇野は「『世明けのうた』を聴いて、良い意味で若い頃のままというか、ずっと真っ直ぐな気持ちを持ち続けているんだなと嬉しくなりました。高校時代もそうですし、小さなライブハウスでライブをしていた頃から見てきたので、バスの運転手としてみんなの背中を見送った時、色々な思い出と重なって、純粋に嬉しかったですね」とコメント。


上中も「宇野さんとは、いつか一緒にお仕事をしたいなと昔から思っていたんです。なかなか作品と結びつく機会がなかったのですが、今回は作品ともマッチするなと思って。俳優として、先輩として僕らの先を走り続けていて、僕らもそれを追い続けてきたからこそ完成したミュージックビデオ。だから、生き続けないとわからない。宇野さんに出演していただいて感無量でした。一緒にひとつのことを達成できたのが本当に嬉しいですね」と述べた。


多くの人の想いを乗せて完成したミュージックビデオは、まさに“生きてこそ”が形になった作品と言えるだろう。

ニューアルバム『世明けのうた』は、初の地上波タイアップとなるテレビ東京系ドラマBiz『行列の女神～らーめん才遊記～』の主題歌「WABISABIの唄」、BS12トゥエルビ ドラマ『課長バカ一代』の主題歌「リーダー論争」、ステイホーム期間中にメンバーがリモートで制作し、制作の模様をYouTubeにて公開した「流れる日々を君と共に」を含む全12曲を収録。がむしゃらで不格好で、それでも聴く者の人生に寄り添い、心の灯火となる楽曲たちをぜひ感じてほしい。

文◎溝口元海（be stupid）