【インタビュー】神宿 一ノ瀬みか・塩見きら・小山ひなの十八番曲は?

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歌とトークでアーティストの素顔と魅力に迫るTOKYO MXの音楽番組『Artist#18File』。2月は原宿発!の5人組アイドルユニット・神宿から一ノ瀬みか、塩見きら、小山ひなの3名が登場し、それぞれの個性を生かした音楽トークやここでしか聴けない十八番(オハコ)曲を披露している。今回BARKSでは、収録を終えた彼女たちにさらなる深掘りインタビューを実施。十八番曲に秘められたエピソードや音楽に対する気持ちなど、オンエアをさらに楽しむための話を聞かせてくれた。

取材・文◎山田邦子

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■一ノ瀬みか インタビュー

──一ノ瀬みかさんの十八番曲は、シーアの「Chandelier」。その理由は?

一ノ瀬みか:自粛期間中に、洋楽のカバーをYouTubeに投稿していて、そのシリーズであげようと思ったんです。いつかずっと歌ってみたかったということもあり、自分へのチャレンジという意味で選ばせて頂きました。

──シーアはもともと知っていたんですか?

一ノ瀬みか:はい。私は普段から洋楽をたくさん聴いているので知っていました。




──他にもお気に入りの曲がありますか?

一ノ瀬みか:日本版MVで土屋太鳳さんが踊られた「Alive」も話題になりましたが、私は2020年9月に発表された「Courage to Change」という曲がすごく好きです。最初は「Chandelier」に似た雰囲気の曲だなと思ったんですが、よく聴くともっと覚悟があるような歌声だなと思ったんですね。2020年、シーアも同じく人間としてコロナ禍を経験し、いろんな心の変化もあったんじゃないかなと思わされた1曲でもありました。



──なるほど、とても深く聴き込んでいるんですね。ちなみに「Chandelier」の歌詞はどんな風に解釈されました?

一ノ瀬みか:「Party girls don’t get hurt」(パーティーガールは傷つかない)という歌詞で始まるんですが、最初はすごく強気な表面的な部分から始まって、どんどん自分の心の中に手を伸ばしていくんです。そして芯にある心──私は“シャンデリア”というのは自分のその心だと思っているんですが、それを自分で揺らしている。不安定な時間を自分で感じている。そういう歌詞だなと思いました。ここで描かれているのはすごく短い時間、一瞬のことだと思うんですね。しかも、他の人は誰も知らない。これは私の想像ですが、夜、冷たい部屋にひとりでいて、シーア自身が自分と向き合って葛藤しながら書いているような感じだと思いました。朝が来ればリセットされてまたいつも通りの日常に戻るけど、今夜だけはこういう時間を過ごしていたい。今だけは、そんな自分を感じていたい。そんな歌詞のように思います。

──共感出来る部分もありましたか?

一ノ瀬みか:はい。私も表舞台に立つ人間として、表面的に強く見せようとしたり、虚勢を張ってしまうような時期もありました。だけどそんな日の夜はすごく消耗しているし、心が苦しくなるんです。このままじゃ嫌だな、でも今日くらいはこんな自分をちゃんと味わっておこう…。ステージに立つ側としての孤独や情動にすごく共感しました。

──みかさんの場合、そういう夜に音楽は必要ですか?

一ノ瀬みか:そうですね。私はもともとベースが好きでよく弾いたりするんですが、消耗し切って帰ってきた夜は、どんなに遅い時間でも楽器に手を伸ばします。すがっているのかもしれないけれど、辛い時に一番欲しいものはやっぱり音楽なんですよね。

──ベースはどうして弾き始めたんですか?

一ノ瀬みか:もともと音楽が大好きで、歌うことが好きな両親ともよくハモったりするような家庭だったんですね。今は違うお仕事をしているんですが、姉はギタリストで、ギターを作る学校にも通っていたんです。その姉が高校2年の時に「私はギターだから、みかはベース弾きなよ!一緒にセッションしよう!」って言われて、ベースを買ってもらいました。当時小学2年生であまり興味が湧かなかったんですが、学校での生活や親とのやり取りが上手くいかなくなった時に、タンスにしまっていたベースを取り出してひたすら弾くようになったんです。その時も、辛かったからベースに手を伸ばしていたんだなって今気付きました(笑)。


──CDに合わせて弾いたりしていたんですか?

一ノ瀬みか:はい。当時好きだったレッド・ホット・チリ・ペッパーズとか、RIZEとかを聴きながら弾いていました。私のベースヒーローはRIZEのKenKenさんなんです。私、昔からちょっと不思議ちゃんみたいに言われていたんですね。自分では、周りの子より全然まともだと思っていたんですけど(笑)。そんな時にあの強烈な、個性的なベーシストであるKenKenさんを知って。彼のスラップの技術や指遣い、分析の仕方がすごく面白いなと思ったんですよね。頑張っているつもりはなかったのかもしれないけど、根気よくひたすら練習し続ける姿勢もすごく好きだなと思いました。

──ベース基準だとかなりゴリゴリな感じですが、カバーするとなるとまた方向性が違いますね。これまで、ジャスティン・ビーバーの「Love Yourself」やハリー・スタイルズ(ワン・ダイレクション)の「Watermelon Sugar」、BTSの「DYNAMITE」などを歌われています。







一ノ瀬みか:やっぱり私はアイドルですから、まずファンのみんなに喜んでほしいという気持ちでカバーを始めたんですね。外出自粛期間中ということで会えない時間が多かったから、みんなでわちゃわちゃするような動画も上げつつ、自分の歌で癒されたりしてもらえたらなって。今回十八番曲で選んだ「Chandelier」も、聴いてくれた方に「うわぁ、感動したな」って思ってもらえたらなっていう気持ちからなんです。カバーはファンに対しての感謝の気持ちや喜んでほしいという気持ちで曲を選びますが、その「Chandelier」と「Watermelon Sugar」はファンの方からのリクエストでもあったんです。

──そういうことだったんですね。歌う時の発音などは、何かレッスンを受けたりしているんですか?

一ノ瀬みか:(ジャズのスタンダードナンバーである)「Fly Me To The Moon」とジャスティン・ビーバーの「Love Yourself」に関しては、いつもお世話になっている英会話の先生が歌も歌っていらっしゃるので、色々と教えていただきました。そこから要領を得て、少しずつ自分で練習したりするようになりましたね。自分の特徴を理解することがすごく大事なんだなということもわかりました。自分と、英語で歌っているそのアーティストは何が違うのかを研究して、完全に理解をしてから実技に落とし込んでいくんです。出来ないところは、何度も何度も繰り返し練習。そうすると、だんだん身に付いていくんですよね。



──表面的な技術じゃなく、歌が身体に染み込んだ状態で歌うことが大切なんですね。

一ノ瀬みか:偽物を聴かせたいわけではないんです。シーアの偽物を聴いてもらいたいわけじゃなくて、「私」の歌を聴いてもらうには本当の意味で理解する必要があると思うし、そこから目を背けることは出来ないと思うから。本質的な部分を掘り下げていく作業には、すごく時間をかけますね。

──そういう時、本人のMVや音源、楽譜などの他にも何か参考にされているものがあるんですか?

一ノ瀬みか:私はダンスがすごく好きなので、そういう動画もたくさん見ますね。とある韓国のダンサーの方が「Chandelier」をオリジナルの振り付けで踊っていらっしゃったんですが、その方の表現にグッときて。ここはどうしてこういう手の動きにしたんだろうとか、同じサビなのに同じように見えないのはなぜだろうとか、とにかくその表現に衝撃を受けたんです。そういう解釈もあるのか!って、新たな刺激を受けたりもしました。


──みかさんは関ジャニ∞の番組で「令和のアイドル界 スゴいボーカリスト10人」にも選出されましたが、そういった目に見える形での評価も励みになりますか?

一ノ瀬みか:ファンのみんながいつもたくさん褒めてくれるのでそれが励みになっているんですが、さすがにあの時の反響は大きくて、直後のライブはプレッシャーを感じていました(笑)。自分ではアイドルとアーティスト、白黒つけるような意識ではなかったんですが、アーティストとしても見られるようになってきたということで、私自身の意識や自覚も持たないといけないなと思いましたね。でも、やっぱり嬉しかったです。ファンのみんなへの思いが、回り回ってみんなが誇り思ってくれるような有名な一ノ瀬みかになる──その第1歩になったかなって思うから。

──その思いも、きっとファンの皆さんに伝わっていると思います。では、卒業などを迎えるこのシーズンにオススメの曲を教えてください。

一ノ瀬みか:神宿の「Erasor」です。変わりたい、もっと成長したいという気持ちはきっとみんな心の中に持っていると思うんですが、環境や状況の変化の中で踏み出せなかったり、葛藤したりする方も多いと思うんです。そういう時に、背中を押してあげられる曲じゃないかなと思うので。私自身、歌っていて何度も泣きそうになったくらい好きな曲です。



──最後に、神宿の楽曲でカラオケのオススメ曲は?

一ノ瀬みか:女の子には特に、「Brush!!」を歌ってほしいですね。歌って、盛り上がって、女子力を磨いてほしいです。ちなみに私、こういう状況になる前は毎日ひとりでカラオケに行ってました(笑)。そもそも歌うことが大好きだし、家では大きな声で歌えないですからね。あとカラオケ店の、シャリシャリのアイスが回っているやつが大好きで。あれをお供に、ひたすら歌っていましたよ(笑)。



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