【インタビュー】DUAL CREED、現代に継承すべきカリスマとド派手なロックを語る「閉ざしちゃいけない」

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■偽りの自分を愛されるよりも
■本当の自分を憎まれるほうがいい

──『TERRITORY』はこのコロナ禍で、制作に没頭してできたものですか?

Kent:2020年はアルバム収録曲以外にもたくさん作ってました。こういうご時世になって、いろいろ振り返る機会もあったし、改めてSNSの在り方について考えたり、もっと自由に音楽を発信しようと思ったり。とことん好きなことを形にして、“これがカッコいいんだ!”って伝えたかったんですよ。僕らみたいなロックをやっているバンドって少ないと思うし、世界的に見ても受けているスタイルじゃないかもしれない。でも自分たちが好きになって影響を受けた音楽は、継承していくべきだし、閉ざしちゃいけない。スター性があって輝いていたものがアンダーグラウンドなものになるなんてイヤなんですよ。

──先ほどYutoさんがおっしゃった「世間の流行り廃りに流されずに好きな音楽をやっていきたい」ということですね。

Kent:そうですね。「LOVE IS DEAD」のミュージックビデオを作る前にティザー映像を制作したんですけど、そこにカート・コバーンの“偽りの自分を愛されるよりも 本当の自分を憎まれるほうがいい”っていう名言を引用させてもらったんです。僕らもまさにそう思っているので。

▲Yuto (Dr)

──だからこそアルバムタイトルが『TERRITORY』なんでしょうか?

Kent:そうですね。タイトルはみんなで考えた中で僕が思いついたものに決まったんですけど、自分たちの居場所。

Ryuga:領域。我々のゾーンみたいな意味ですね。

Kent:楽曲に一貫性を持たせるというよりも、3人で集まって出来た曲の詰め合わせです。ジャケット写真は飲み屋街で撮影したんですけど、ピンクネオンが僕たちのアルバムに合うなって。ワイン好きでもあるし(笑)。ミュージックビデオを撮った「LOVE IS DEAD」はいちばんバンドの色がわかりやすい曲かな。俺ららしさが全開。

Ryuga:ジャケット写真に通じるカラーの曲だよね。

Kent:「TAKE ME HIGHER」はデンジャーでアダルティーな曲もありますし。バッドボーイズロックな曲ですね。

──やばいムードがあってグルーヴは骨太です。

Kent:今でいうとニッケルバック的なね。

Ryuga:歌と歌詞以外は僕がサウンドプロデュースしているんですけど、意識したのはグランジ以降に流行ったハードロックですね。まさにニッケルバック。チューニングを下げて重ための。

──アルバム『TERRITORY』収録曲は、「Rock'n'Roll Star」以外の全がセルフ録音/セルフミックスで行われたとのことですが、全体のサウンドとしてはどう捉えています?

Ryuga:僕らのカッコよさを全部ここに置いてきたっていう感じのアルバムになりましたね。

──ギタープレイも多彩です。

Ryuga:いろいろとやってますね。最近の音楽からちょっと昔っぽいロックのフレーズまで。ギター好きには絶対聴いてほしいです。

──先ほどYutoさん加入前に「Rock’n Roll Star」をセッションしたという話が出ましたが、アルバムにはライブでおなじみの曲と書き下ろしの新曲が混ざっている感じですか?

Kent:「FAITH」「DISCO」「Rock’n Roll Star」は昔からライブでずっとやっていた曲で、ほかの4曲が書き下ろしです。

▲Yuto (Dr)

──Yutoさんのドラムはキックの入れ方がヘヴィでタイトですが?

Yuto:「TAKE ME HIGHER」だったら後ノリでグルーヴィーなキックの感じを聴いてほしいし、新しい曲は重心低めのものが多いですね。俺はドシッとしたロックが好きなので、そういう音楽を好きな人にはぜひ聴いてほしい。もちろん嫌いだったらそれはそれでかまわないし、そういうスタンスが俺ららしさであり、『TERRITORY』というタイトルにも繋がっていると思います。

Kent:来る者拒まず、去る者追わずだね。

Yuto:ドラムアレンジに関してはRyugaくんのセンスも入っているんですよ。「このフィルにしたらカッコよくない?」とか、いろいろ提案してくれるんです。

Ryuga:僕はギタリストのくせにドラムの手グセがある(笑)。

Yuto:これまで他のパートの人とそういうやりとりをしたことがなかったので、DUAL CREEDに入って衝撃を受けましたね。

──「determination」や「OUTCAST」など新曲のほうが激しい印象を受けましたが。

Kent:そうですね、「determination」はエモい。この曲の歌詞は読む人によっていろいろな解釈ができるように書いたんです。

──“再会はあるの?”と問いかけているので、思うようにライブができないコロナ禍の状況下で書いたのかなと思いました。

Kent:ラブソング的ではあるんですが、“想い通りになんて 決してならない世界”という歌詞はコロナ禍と重ねられるし、“再会はあるの?”という歌詞は、僕らが好きなライブのシーンは果たして戻ってくるの? という問いかけも含めて書いています。後半の“抗う術も無いさ ボクらは試されてる”という歌詞は、答えはわからないけれど自分次第っていう想いですね。

──全員の演奏スキルが高いのもDUAL CREEDの武器だと思いますが、Kentさんは声や歌い方に色気がありますね。

Kent:ありがとうございます。なぜLAメタルが好きかっていうとみんな色気があるからなんですよね。1990年代の日本のロックバンドもX JAPANにしろL'Arc-en-Cielにしろ黒夢にしろ、ちょっと危うい感じが良かったり。

──たしかにみなさん、LAメタルからの影響を受けてますし。

Kent:そうですよね。僕自身、低い声でシャウトしたり、ウィスパーで歌ったり、アルバムでもいろいろなキャラを使い分けるような歌い方をしています。

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