【ライヴレポート】ユナイト、11ヶ月ぶりの日常に鳴り響くファンファーレ「純粋に幸せだなって」

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ユナイトが1月21日、渋谷TSUTAYA O-EASTにて有観客ライヴ<ユナイト 無料ワンマン 生存確認(生)>を開催した。同公演のオフィシャルレポートをお届けしたい。

◆ユナイト 画像

338日──当たり前だったものが当たり前でなくなり、我々の日常の何もかもが変わってしまった。冒頭の数字はまだまだ元通りとまではいかないまで、彼らがガイドラインに沿っての有観客ライヴを取り戻すまでにかかった日数である。9周年記念に予定されていたLINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)公演は中止を余儀なくされ、その間は『生存確認』と題したトーク配信や5ヶ月連続配信リリースなど工夫を凝らし活動していたユナイトが、ついに11ヶ月の時を経て有観客無料ワンマンライヴ『生存確認(生)』を東京・TSUTAYA O-EASTで開催した。






いつもならオールスタンディングのこの場所もフロアには椅子が並べられ、発声やヘッドバンギングは禁止。それでも多くのU's(ユナイトファンの総称)が会場に集まっているのを見ると、不要不急といわれるエンターテインメントが我々の日常にとってどれほど大事かが伝わってくる。定刻、メンバーを呼ぶ声はないものの色とりどりのペンライトが会場を美しく染めるなか和装のメンバーが登場。ステージインするなりU'sの顔を見て感極まり、顔を手で覆う莎奈(Dr)がその会えない期間の長さを物語っていた。

「O-EAST!会いたかったよ!一年間溜め込んだ想いを今日は表情と仕草で届けてね!」と結(Vo)が叫ぶと「AIVIE」でライヴは幕を開ける。“離れても大丈夫 心は一つだよ 悲しくて折れそうな時 君が必要なんだ”という一節は11ヶ月という長い空白を埋めるには充分すぎるオープニングだった。さらにこの日は制限があるライヴの新しい楽しみ方としてペンライトを配布し、声が出せない代わりにペンライトの色を変化させて楽しむという試みが見られた。その試みは続く「BadRequest」の導入部で早くも見られ、会場をメンバーカラーに合わせて青、緑、オレンジ、紫、ピンクと変化させ、ニューノーマルな楽しみ方として会場をひとつにした。



MCでは久しぶりのライヴということもあり、メンバーそれぞれの声をU'sに届けようという粋な計らいがなされ、莎奈は「リハで泣きそうだった。これまでも配信で演奏はしてきたけど、俺からの(見える)角度の景色は特別。ライヴは11ヶ月ぶりで、顔と顔を見合わせて実際に会うという凄さを11ヶ月分感じています。来てくれてありがとうございます」と語り、LiN(G)は「イベントでは殺気が一番出るこの会場もワンマンは初めてで、O-EASTのステージの醍醐味ともいえるステージ前方が(客席との距離の問題で)進入禁止ゾーンになっているのは残念だけど、前に出なくてもカッコいいバンドを目指そう」と話した。また、この日はユナイトのYouTubeサブチャンネルで定点カメラによる無料配信も実施されており、椎名未緒(G)がステージからその様子を監視し、コメントを読み上げる場面も見られた。

「次の曲もライトが映える曲なので、みんな好きな色で僕らを照らしてください」と始まったのは未緒とLiNのツインリードが映える「Kud'」。タイトルコールをするなりフロアから歓声が上がったこの曲では、“だからもう二度と泣かなくていいんだよ” “僕らがいる 君は一人じゃない”と11ヶ月分の悲しみを吹き飛ばしてくれた。ツインギターが魅せればリズム隊もと言わんばかりに会場にラテンの風を吹かせたのは「PiNKY_she_SWeAR」だ。手数の多い莎奈のダイナミックなドラムと絡むハク(B)のうねるベースが印象的で、それぞれのソロでは会場が青と緑に染められた。スペインの風を感じたら次は中国へ。中華系EDMソング「隕石系スタジオパンダ」ではミラーボールが回り、U'sが飛び跳ねてフロアを揺らす。こういった万華鏡のようにコロコロと国や曲調を飛び越えるのもユナイトの魅力のひとつだ。






ライヴは終盤戦。5ヶ月連続配信でリリースされた「NASTY_Q_APRI?」ではU'sがモンキーダンスを踊って会場がダンスフロアと化し、歌詞にも“ピザパーティー”とあることから無料配信のコメント欄では大量のピザのスタンプが舞った。メインディッシュのあとはデザートがあるのがお決まり。「それではTSUTAYA O-EASTの皆様、イタダキマス」とおなじみの口上から始まったのはキラーチューン「ice」だ。「一年ぶりだから君たちのことを想うと、気絶しそうだ!」と結が吼えると、続けて投げかけた「会いたかったよ。待たせてごめんね」はいつも以上に気持がこもって聞こえた。そして「きょうは声が出せないけど、心の中で一緒に歌ってくれるかい?」と問いかけ始まった「シトラス」、さらに会場中を白いペンライトで染め上げたラストナンバー「ホワイトスイマ→」で会場をひとつにし、「一年ぶりに再会して、純粋に幸せだなって思いました」という結の言葉とともに11ヶ月ぶりとなる有観客ライヴは幕を閉じた。

終演後、彼らの10周年を記念したミニアルバム『ファンファーレ』が3月3日にリリースされることが発表され、リードトラックである「ファンファーレ」が公開された。タイトル通り、10周年を迎えるユナイトを祝福するかのような多幸感溢れる楽曲で、“今、僕の目の前に君がいて僕らがここに立っている たったそれだけの事が幸せなんだ”というサビの歌詞が印象的だ。もちろん彼らが10年の月日を経て感じた素直な気持ちであるとともに、この会いたくても会えない11ヶ月をもってその想いはさらに強まったともいえるだろう。まもなく来たる10周年に向け、日常を取り戻すための第一歩を踏み出したユナイトに高らかにファンファーレが鳴り響いた。


取材・文◎オザキケイト
撮影◎MASANORI FUJIKAWA

■<ユナイト 有観客無料ワンマン「生存確認(生)」>2021年1月21日(木)@TSUTAYA O-EAST セットリスト

SE. ここは天国ですか?
01. AIVIE
02. BadRequeest
03. WONDER f∞l PEOPLE
04. ナユタの秘密
05. Kud'
06. PiNKY_she_SWeAR
07. 隕石系スタジオパンダ
08. NASTY_Q_APRI?
09. ice
10. シトラス
11. ホワイトスイマ→

■1stミニアルバム『ファンファーレ』

2021年3月3日(水)リリース
【通常盤】DCUN-30 ¥3,300(税込)
【爆上げ盤付】DCUN-30~31 ¥5,000(税込)
1. ファンファーレ
2. NASTY_Q_APRI?
3. さよならユーフォリア
4. 液体の夜
5. 弧媚
6. 優しい嘘
▼爆上げ盤
1. ファンファーレ (off vo.)
2. ファンファーレ (結 爆上げver.)
3. ファンファーレ (椎名未緒 爆上げver.)
4. ファンファーレ (LiN 爆上げver.)
5. ファンファーレ (ハク 爆上げver.)
6. ファンファーレ (莎奈 爆上げver.)
※“爆上げver.”は各パートの音量が極端に大きく聴こえやすくなっています。
※各配信サイトおよび通販サイト「city!」にて販売
https://citycity.theshop.jp/

■ワンマンライヴ<UNiTE. 10th Anniversary oneman live [U&U's -Fanfare-]>

2021年3月28日(日) LINE CUBE SHIBUYA (渋谷公会堂)
※詳細は後日改めて

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