モーリス・ジャール劇伴『マンディンゴ』、半世紀のときを経てリバイバル公開

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1975年の公開当時、その過激極まる内容からセンセーションを巻き起こし、アメリカ映画史から抹消された歴史大作『マンディンゴ』が、46年の時を経てデジタルリマスターでリバイバル公開されることが決定した。

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19世紀半ばのルイジアナ州を舞台に、“奴隷牧場”を経営する父子の栄光と没落を描いた壮大な歴史スペクタクル『マンディンゴ』。原作はベストセラーになったカイル・オンストットの同名小説。製作は『道』『キングコング』で知られるイタリア人の大プロデューサー、ディノ・デ・ラウレンティス、監督は『ミクロの決死圏』『絞殺魔』の鬼才リチャード・フライシャー、音楽は『アラビアのロレンス』のモーリス・ジャールという盤石の布陣で映画化され、公開されるや否や世界中でヒットを記録した。


監督はリアリズム演出を貫いたが、全米の批評家からはあからさまな人種差別的な設定、偏見を助長する屈辱的な内容、吐き気を催す程のおぞましい描写などと指摘され「最悪の映画」と酷評されてしまう。その後クェンティン・タランティーノ監督が本作にインスピレーションを受けた『ジャンゴ繋がれざる者』を手掛けるなどして一部で話題になるものの、長らくアメリカ映画史からほぼ抹消された形になっていたこの呪われた大作が、1975年以来、実に約半世紀ぶりに日本で公開されることになった。


トランプ大統領の登場や“Black Lives Matter”などで先鋭化したアメリカ社会に今なお残る根強い差別感情。コロナ禍によってさらに世界の分断が加速し、なんの疑いもなく信じていた常識が揺るがされ続ける2021年。南部を美しく描いた『風と共に去りぬ』への強烈なアンチテーゼとも言われた本作の持つ意味は大きい。従来の価値観をえぐるような究極の問題作を、今こそ見る時が来たと言えよう。


『マンディンゴ』

2021年3月12日(金)より新宿武蔵野館他にて全国順次公開
1975年/アメリカ映画/127分
監督:リチャード・フライシャー
製作:ディノ・デ・ラウレンティス
原作:カイル・オンストット
脚本:ノーマン・ウェクスラー
撮影:リチャード・H・クライン
音楽:モーリス・ジャール
キャスト:ジェームズ・メイソン、スーザン・ジョージ、ケン・ノートン、ペリー・キング
配給:マーメイドフィルム、コピアポア・フィルム

■STORY
19世紀半ば、ルイジアナ州の広大な土地を所有するマクスウェルは、そこで黒人奴隷を育てて売買する“奴隷牧場”を経営していた。息子のハモンドは名家の娘、ブランチと結婚するものの彼女が処女でなかったことに怒り、黒人女エレンとの情事に溺れる。一方のブランチも屈強な黒人奴隷ミードと関係を結んで妊娠、権力者として振る舞ってい た一家は破滅の道を歩む・・・。

◆マーメイドフィルム オフィシャルサイト
◆コピアポア・フィルム オフィシャルサイト
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