ドミコ、LIQUIDROOMで<VOO DOO TOUR?>追加公演

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ドミコのワンマンライブ<VOO DOO TOUR?-EXTRA->が2月9日、東京・LIQUIDROOMで開催された。同公演のオフィシャルレポートをお届けする。

◆ドミコ画像

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ドミコが2月9日に<VOO DOO TOUR?-EXTRA->を恵比寿LIQUIDROOMで開催した。本公演は最新ミニアルバム『VOO DOO?』のライブとして2020年、全国6か所で開催したツアーの追加公演。東京では11月のTSUTAYA O-EASTでのファイナル以来となった。

暗転と同時にお馴染みロゴのネオン管とピンクのライトが灯り、ステージ背景の緞帳と相まって、レトロなショーを想起させる。そこにさかしたひかる(G,Vo)と長谷川啓太(Dr)が登場し、サイケデリックかつブルージーなセッションから「まどろまない」へ繋いでいく。しょっぱなからローの圧が凄まじい。さかしたのボーカルがスタッカート気味でパッシブだ。珍しく「行くぜ、よろしく、ドミコです!」と叫ぶと、キラーチューン「ペーパーロールスター」を序盤から惜しみなく投下。オーディエンスの体が自然に揺れる。すでに昨年も有観客ライブを行なっているドミコだが、LIQUIDROOMは久しぶり。観客とより一体感を得られるこのハコならではのムード、全身で生の音も圧も感じられる幸福が言葉はなくとも、伝播する。インプロを盛り込んだ「噛むほど苦い」のソリッドにアップデートされたアレンジも冴え、エンディングではさかしたと長谷川の1対1の真剣勝負の抜き差しが展開。一段と拍手のボリュームも増した。


久々にライブで披露した「マカロニグラタン」はルーズなロックンロールで踊る感じの音源から、さらにソリッドなギターカッティングとタイトなドラミングで転生。続く「My Body is Dead」は11月の時点でもアレンジが更新されていたが、さらに長谷川の打音一つ一つがツボに入るほど痛快になった。ジェンダーレスでねっとりしたさかしたのボーカルが満喫できる「アーノルド・フランク&ブラウニー」では間奏の単音のフレーズが、音そのものの説得力で陶酔へ誘う。ステージ上の二人の演奏もリフ一つ、キック一つが洗練されてきているのだが、それをアウトプットするライブPAとの息の合い方が尋常ではないレベルだったのだ。それはライティングも然り。映像演出はないが、曲のグルーブやキメを共有していなければ叶わないカタルシスを生む光の演出は特筆ものだった。

酩酊を誘うギターサウンドとフレージングの「さなぎのそと」から、ギターシンセ的なエフェクトが、バンドサウンドだが感覚としてはトラックメーカーのライブのようなイマジネーションを拡張する「問題発生です」など、中盤はドミコの楽器に対するオリジナルなセンスを再確認。そんな感覚に陥らせるさかしたの音作りはもとより、長谷川の飛躍的に柔軟になったドラミングがその理由だろう。さかしたのファルセットや主人公が架空の生き物っぽいレパートリーもドミコの特徴だが、「ロースト・ビーチ・ベイべー」、「くじらの巣」でそのニュアンスをたっぷり堪能。しかし、エコー感が印象的な「くじらの巣」のラストの歌詞である《息がしたい 止めたくない》がやけに今の状況と重なり、ほんの少し切なさも残したのだった。続くサイケデリックなサマーソング「WHAT’S UP SUMMER」。享楽的でありつつ、実は体験したことのない架空の夏を演出する。

そして季節が夏から冷たい風の吹く冬に突入するように、ニール・ヤングの「Hey Hey, My My」の太いサウンドのフレージング、そしてこの日は《Hey Hey my my, Rock and Roll can never die》以降の歌詞も歌い、そこから「深海旅行にて」のイントロに繋いでいく。バイオレントなほど真っ赤なライトに照らされて、かなり長尺のインプロバトルを展開、緊張感を保った技の掛け合いを見る思いだった。




濃厚なライブのハイライトを経て、すっかりドミコ・サウンドの新しい武器となったアルペジエーターが作り出す摩訶不思議でドラッギーなサウンドの「おばけ」から「化けよ」へ。ギターでもシンセでもないような謎のギターサウンドと、部分的にジャングルビートの速さとダブの遅さがミックスされたドラムという、恐ろしく情報量が多く、未知のサウンドに巻き込まれ、さかしたが「ラスト、ありがとう!」と声を発し、本編ラストは「びりびりしびれる」で幕を閉じた。

感情が乗った、鳴り止まない拍手に迎えられ、まず長谷川が登場し、初めて口を開き「アンコールありがとうございます。もう何曲かやるんで楽しんで帰ってください」と言えば、さかしたも後から、長谷川と同じセリフを言い、この日初めてフロアに笑いが起きた。オルガンっぽいギターサウンドから始まる物語性のある「地動説」では、珍しいモノクロームなライティングに映画を見ているような気分も。どっぷり世界に入り込んだ後は「united pancake」と「こんなのおかしくない?」の怒涛のロックンロール攻勢で、2021年一発目にして、『VOO DOO?』追加公演は終了。

なお、最後に演奏された「こんなのおかしくない?」は作家・住野よる監修のコンピCD『麦本三歩の好きな音』に収録されることも話題になっている。また、2月24日には『VOO DOO?』のアナログ盤が数量限定でリリースされるので、ぜひチェックしてみてほしい。

文◎石角友香
撮影◎小杉歩

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■<VOO DOO TOUR ? -EXTRA->2021年2月9日(火)東京・LIQUIDROOM セットリスト

1. まどろまない
2. ペーパーロールスター
3. 噛むほど苦い
4. マカロニグラタン
5. My Body is Dead
6. アーノルド・フランク&ブラウニー
7. さなぎのそと
8. 問題発生です
9. ロースト・ビーチ・ベイベー
10. くじらの巣
11. WHAT’S UP SUMMER
12. 深海旅行にて
13. おばけ
14. 化けよ
15. びりびりしびれる
En1. 地動説
En2. united pancake
En3. こんなのおかしくない?

Mini Album『VOO DOO?』

■12インチアナログLP
2021年2月24日(水)発売
PRON-7002 ¥3,300+税
※完全数量限定盤
収録内容:
side A
01 おばけ
02 化けよ
03 びりびりしびれる
04 噛むほど苦い

side B
01 問題発生です
02 さなぎのそと
03 地動説

■CD
2020年4月15日(水)発売
PRON-1023 ¥1,800(税込)
※タワーレコード、FLAKE RECORDS限定商品

配信リンク: https://lnk.to/DMC_voodoo

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