素顔を明かさないSIAの素顔が見えてくるアルバム『ミュージック』の意味

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素顔やプロフィールを公にせずベールに包まれたまま活動をするアーティストが日本でも増えているが、海外にはそれらとはケタ違いの楽曲や動画の驚くべき再生数を誇るアーティストが存在する。そのアーティストの名前はSIA(シーア)。この名前にピンとくる人はいるだろうか。その素顔を見せない世界的シンガーSIAが、待望のアルバム『ミュージック』をリリースした。まずは、このシーアはどんなアーティストなのかを紹介する。

シーアは、オフィシャル・ミュージック・ビデオの総再生回数が50億回を超え、フィーチャリングで参加した曲や楽曲提供した曲を合算すると70億回を超える、グラミー賞に9度ノミネートされたオーストラリア出身世界的ポップスターだ。2019年のフジロックフェスティバルにヘッドライナーとして初来日を果たし、豪雨の中、通常MCをすることはない彼女が日本のファンに呼びかけるなど、圧巻のパフォーマンスで観客を魅了し注目を受けたことを覚えている人も多いのではないだろうか。

簡単にシーアの略歴を紹介しておこう。1990年代にオーストラリアでアシッドジャズバンドのボーカルとしてアルバム『オンリー・シー』でデビュー。その後イギリス、ニューヨークに移住。合計5枚のアルバムをリリースするなど順調なアーティスト活動を続けているように見えたが、シーアは表舞台でスポットライトを浴びることで精神的に不安定になり、ステージに出ることを一時休止。シンガーとして引退しない代わりに顔を見せないで活動していくことを決断した。

その後はソングライターとして他のアーティストに楽曲提供し数多くのヒット曲を輩出。2010年、クリスティーナ・アギレラがアルバム『バイオニック』にシーアとの共作曲を3曲収録。リアーナ、デヴィッド・ゲッタ、フロー・ライダーなど、様々な大物アーティストたちとコラボをし始めた。

ソロ・アーティストとしては2014年に『1000フォームズ・オブ・フィアー』をリリース。収録曲の「シャンデリア」は米Billboard200チャートで1位を獲得し、キッズダンサーのマディー・ジーグラーを起用したミュージックビデオ・トリオジーは世界中から称賛。2016年リリースの『ディス・イズ・アクティング』に収録のシングル「チープ・スリルズ」は彼女初となるBillboardホット100で1位を獲得し、誰もが認めるトップアーティストの一人となった。

彼女の音楽には、「私がいるから大丈夫。あなたと一緒にいるから」といったエールを送るような歌詞が多く、自身が一度人前からドロップアウトした経験があるからこそ、ポジティブなメッセージを送ることを心がけている。また、シーアのMVに出演し、ライブではダンスを披露するダンサーのマディー・ジーグラーのことを自分の娘のようにかわいがり、またマディーもシーアをお母さんのように慕っている。さらに、施設から保護した犬たちや、近年養子として迎えた息子2人の存在も、彼女の音楽創作にとって大きな要素となっているようだ。

そんな彼女からの日本のファンへの贈り物が、アルバム『ミュージック』だ。このあるアルバムは、シーアが手掛けた映画『Music』からインスパイアされて出来上がったものだという。


映画『Music』は、中毒症状を克服したズー(ケイト・ハドソン)は義理の妹で自閉症の少女、ミュージック(マディー・ジーグラー)の唯一の後見人となり、この世の中をどう生き抜いていくべきかを模索し始めるという物語。シーアはこの映画を通じて、自分の意見を持つこと、家族を築く、という自分が大切だと考えている2つのテーマを描いている。海外では一足先に公開されている地域も。日本での公開も楽しみだ。

2020年5月に、アルバム『ミュージック』のキーとなった楽曲「Together/ トゥゲザー」をシングルリリース。オフィシャルMVには映画出演陣がパフォーマンスしており、映画の一部分が公開されている。カラフルで楽しく明るいミュージックビデオながら、「人とのつながり、絆」というシーアが歌詞に込めた強いメッセ―ジが感じられる。



そして、9月には「Courage To Change/カーレッジ・ツー・チェインジ」をリリース。「変化することは怖いことじゃない。勇気をもって自分を変えよう」というメッセージを込め、世界に「変化」をもたらしたいと願っている楽曲だ。

さらに、2021年1月には「Hey Boy feat. Burna Boy / ヘイ・ボーイ feat. バーナ・ボーイ」をリリース。ナイジェリア出身、グラミー賞及びブリット賞にノミネートされ、BETの<ベスト・インターナショナル・アクト賞>やMTVヨーロッパ・ミュージック・アワードの<ベスト・アフリカン・アクト賞>をそれぞれ2度も受賞した、バーナ・ボーイをフィーチャー。ポップでカラフルなアニメーション・ビデオも公開されている。


このアルバムには、日本国内盤限定でボーナス・トラックを2曲収録。「I’m Still Here 」は、アルバムに収録されない、2018年にリリースされた曲。「私は戦っているけど、ここにいるよ」というメッセージが込められており、アルバムの趣旨に合う曲だということで日本盤に収録となったとのことだ。

素顔を明かさない大スター、シーア。いま世界が困難を極めているコロナの時代だからこそ、彼女が発するメッセージが胸の奥深くまで刺さる。暖かくカラフルなのに奥行きの深い彼女の音楽に触れてみるのはいかがだろうか。



リリース情報

『ミュージック』
2021.02.12 発売
¥2,000+税/WPCR-18403
https://sia.lnk.to/Music_Me
1.Together /トゥゲザー
2.Hey Boy / ヘイ・ボーイ
3.Saved My Life / セイヴド・マイ・ライフ
4.Floating Through Space / フローティング・スルー・スペース
5.Eye to Eye / アイ・トゥ・アイ
6.Music / ミュージック
7.1 + 1 / 1+1
8.Courage to Change / カレッジ・トゥ・チェンジ
9.Play Dumb / プレイ・ダム
10.Beautiful Things Can Happen / ビューティフル・シングス・キャン・ハプン
11.Lie to Me / ライ・トゥ・ミー
12.Oblivion feat. Labrinth / オブリヴィオン feat. Labrinth13.Miracle / ミラクル
14.Hey Boy feat Burna Boy / ヘイ・ボーイ feat. バーナ・ボーイ
15.I’m Still Here / アイム・スティル・ヒア(国内盤ボーナス・トラック)
16.Together [INITIAL TALK REMIX] / トゥゲザー[イニシャル・トーク・リミックス](国内盤ボーナス・トラック)
*国内盤のみボーナス・トラック2曲収録
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