【レビュー】布袋寅泰、『40th Anniversary WOWOWスペシャル』第一弾で武道館公演2日目を全曲放送

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去る1月30日および31日に日本武道館で行われた配信ライブ<HOTEI 40th ANNIVERSARY Live “Message from Budokan”>。その2日目となる“〜とどけ。Day 2 (Adventures)〜”の模様が『HOTEI 40th Anniversary WOWOWスペシャル』の第一弾として3月28日にオンエアされることとなった。

◆布袋寅泰 画像

このプログラム最大の見どころに気付かされたのは、ステージが始まってしばらく経ったころ。一瞬、客席が映し出された場面だった。最初から無観客ライブだと分かっていたにも関わらず、あ、お客さんがいない!と驚いてしまったのだ。

それくらいに布袋のパフォーマンスは、のっけからオーディエンスを見据えていた。ステージ上のシーンだけ見ていたら、超満員のお客さんを前にしたライブだと錯覚してしまうぐらいに。初日のMCでは自宅やパブリックビューイングでライブ配信を見ているファンに向けて「無観客どころか満杯の武道館」という言い方をしていた布袋。この日は「今日はそれぞれの武道館で」とメッセージしていた彼。その言葉のままのステージングが展開していたのだ。

これがいかに難しいことかは、過去の様々なアーティストの配信を思い起こせばよくわかる。有観客では素晴らしいライブをする人たちが、無観客ではとまどいを隠せない。実際インタビューではそのことについて語る。あるいは無観客ライブは通常のライブとは全くの別物ととらえ、新たな表現を模索する……。その点、今回の布袋はまっすぐ客席を見つめ、微笑み、時にシンガロングを促し、いつもと同じように熱いステージを繰り広げていた。コロナという稀な事態が改めて浮き彫りにしたこの強靭な心の持ちよう。これはプログラム全編を通じての大きな見どころだろう。


そしてセットリストだ。この40周年記念武道館ライブはBOØWY〜COMPLEXのナンバーを披露した1月30日が“〜とどけ。Day1 (Memories)〜”。ソロになって以降の曲をやった同31日が“〜とどけ。Day2 (Adventures)〜”という正式表記だった。バンドやユニット時代は“記憶”でソロになってからは“冒険”。実際はBOØWY時代から様々な音楽の実験をやってきた布袋だが、たしかにソロになってからは果て知らずの冒険を聴かせるようになった。

例えば今回のプログラムのオープニング「バンビーナ」。ドラムやベースの基本パターン、そしてギターソロはカントリーミュージックの要素があふれている。さらにそのソロで布袋が一瞬ダックウォーク(ロックンロールの祖:チャック・ベリーが得意としたパフォーマンス)を見せることからも窺えるように、往年のロックンロールのテイストも入っている。でも歌はヒット曲にふさわしいポップさで、音作りは1999年当時の最新のスキルを駆使したものだった。同様の特徴を持ちつつ、カントリーと言う部分をモータウン(1960年代に流行ったブラックミュージック)に置き換えると「POISON」になったりもする。そんな感じでソロになってからの布袋の音楽には、聴き手が音楽のことを知れば知るほど、これってひょっとして、という部分が様々に入っている。

ソロになってから様々なミュージシャンとコラボしてきた布袋。その部分もオッと思わす形で収録されている。一つはCharとの共作「Stereocaster」。今回は自らのバンドだけで演奏しつつ、ニューアレンジでCharの代表曲「Smoky」を織り込んでいる。今や世界的にもめったに見られない往年のエフェクター:トーキング・モジュレーターを使用したソロも新鮮だ。

さらに中盤ではゲストとして吉井和哉が登場。先のアルバム『Soul to Soul』でのコラボ曲「Dangerous」はもちろんのこと、なんと彼が歌う「スリル」も披露されている。グラマラスなロックスターの共演は40周年記念公演をさらに特別なものにした。その一方で、センターステージにてひとり椅子に腰をかけ、アコースティックギターの弾き語りという形で披露されたのは「PROMISE」と「LONELY★WILD」。歌とアコギのみに削ぎ落とされたアレンジが、楽曲本来の持つ豊かなメロディとメッセージ性を浮かび上げる、ハイライトシーンのひとつとなった。


ステージ終盤の展開も見応えがあった。この時期に聴くからこそのリアリティーが。19曲目は“My life goes around never stops like a Merry-Go-Round”というリフレインを持つ「MERRY-GO-ROUND」。さらに“時代は 今まさに変わろうとしている”と歌い出され“彷徨う闇の向こうに 光はあるさ”と結ばれる「Thanks a Lot」。そのあとでスタッフへの感謝とコロナの乗り切り方が語られたのち、地球上の不幸を解決するものはアイシテルという一言だと伝える「ヒトコト」へ。そして最後に、ソロになって以来歌われてきた「GLORIOUS DAYS」だ。これは本来、あの頃には戻れない、という内容の曲。けれども今回の流れの中で披露されたそれは、戻れないからこそ前へ、という歌として力強く響いた。


布袋寅泰のアーティスト活動40周年を記念して放送されるWOWOWの特集プログラム『HOTEI 40th Anniversary WOWOWスペシャル』の第一弾は、3月28日夜7時から、武道館ライブ2日目の<HOTEI 40th ANNIVERSARY Live “Message from Budokan” 〜とどけ。Adventures〜>の模様を全22曲余すことなく放送する。このほか、4月は2011年に行われた30周年記念公演、5月は2013年の初ワールドツアーなど今後続々と放送される予定だ。

取材・文◎今津 甲
撮影◎橋本塁

■番組情報

『HOTEI 40th Anniversary WOWOWスペシャル』
▼ラインナップ
『布袋寅泰 HOTEI 40th ANNIVERSARY Live “Message from Budokan”
〜とどけ。Adventures〜』
2021年3月28日(日)夜7:00〜 [WOWOWライブ][WOWOWオンデマンド]
※放送終了後〜2週間 見逃し配信あり
収録日:2021年1月31日
収録場所:東京・日本武道館

『布袋寅泰 THE ANTHOLOGY “創世記”
BEGINNING FROM ENDLESS〜BOØWY COMPLEX GUITARHYTHM〜』
2021年4月22日(木)夜8:00〜 [WOWOWライブ][WOWOWオンデマンド]
※放送終了後〜2週間 見逃し配信あり
収録日:2011年2月1日
収録場所:東京・日本武道館

『布袋寅泰 THE ANTHOLOGY "一期一会" MEMORIAL SUPER BEST LIVE』
2021年4月22日(木)夜10:00〜 [WOWOWライブ][WOWOWオンデマンド]
※放送終了後〜2週間 見逃し配信あり
収録日:2011年12月9日
収録場所:東京・東京国際フォーラム ホールA

『布袋寅泰 HOTEI LIVE IN LONDON @O2 SHEPHERD'S BUSH EMPIRE』
2021年5月放送・配信予定
収録日:2013年11月9日
収録場所:イギリス・ロンドン O2 シェパーズ・ブッシュ・エンパイア

6月放送 COMING SOON

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◆番組サイト
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