【インタビュー】10-FEET、20thシングル「アオ」完成「まずはみんなが暴れ出したくなるような感動のライブを」
■曲の聴かせどころに着目したら
■完璧になるまでやめないです、僕
──「朝霧を抜けて」も作曲するときはアコースティックギターを手にして?
TAKUMA:はい。“弾き語り脳”みたいな感じでいるときに、10-FEETの曲を作るとすごくいい。それでこの2年ぐらいたくさん作れたなと思って。弾き語り脳のときは、10-FEETを客観的に見たり、自分をプロポ(ラジコン用送信機)で操作するみたいなね(笑)。先入観や凝り固まった部分が取れたのが、一番大きい。
──「おい、鉄人」なんて言いながら?
TAKUMA:「おい、鉄人」。「いけ、鉄人」ってね。
──プロポと言ったら鉄人28号になっちゃう世代(笑)……若い子には分からない。ともかく話を聞いていると、リフレッシュされた感じします。
TAKUMA:そうですね。弾き語って、ネタを作って、それがデモになると、けっこう見えてくるんですよ。“これは10-FEETで使える”とか、“10-FEETっぽくないものの、逆にいいかな”とか。“10-FEETっぽくないからやっても仕方ない”って曲も普通にあるんですよね。
▲KOUICHI (Dr, Cho) |
TAKUMA:ある種、僕も新しいと思ってます。
KOUICHI:10-FEETっぽいと言ったら、それっぽいんですけど、なんか違う感じもする。不思議な曲っていうか。キャッチーやし。
NAOKI:この曲はリハーサルで二転三転したというか。このアレンジに落ち着くまでは、音を出しながらいろいろ変えていって。それでたぶん、10-FEETっぽい色になっていった部分もあるのかな。
──後半の聴かせ方が、今までに10-FEETでなかったパターンでしょ。
TAKUMA:あそこはめちゃめちゃ繊細に作りました。トラックダウンでも、一番時間が掛かったんちゃうかな。オレとNAOKIの二人が交互にツインで歌っているというよりかは、ちょっと山びこっぽくこだましているように聴こえる感じ。音量レベルの差はあるけど、すごくハッキリ聴こえるみたいなのとか、あとは声質をキラッとさせるのかとか、ちょっとレディオ要素があるものにするのかとか。さらに、歌っている言葉によっても倍音が変わるから、そこをどうフラットにすんのかとか、どこどこはもっと出ていいとか、一文字ごとの作業になるんですけどね。「0.2デシベルだけ上げてみましょうか」「やっぱりやめましょう」とか。でもそれをやらないと、扱いがけっこう難しくて。あのアーバンな雰囲気の魔法がパッと溶けてしまうんですよね。
──曲を大枠で捉えながら、とことんまで緻密に追求する感じですよね。最近の10-FEETの曲作りやレコーディングは。
TAKUMA:そうですね。曲の聴かせどころに着目したら、完璧になるまでやめないです、僕。やり始めたらめちゃめちゃ長いですね。その部分だけを3時間ぐらい作業して、1回休憩して、「新鮮な耳でいいか悪いか決めさせてください」って。それでいいと思うんですよ。曲には聴きどころがあると思うし。特にそれが大事な曲と、そうでない曲調ってのもあると思うんですけど、「朝霧を抜けて」のような曲はめちゃめちゃ大事ですね。おもしろかったですよ。細かいことをやっていった先に、「うわ〜、馴染んだ」とか「出したい雰囲気が出せた」とかね。やりがいあります。
▲20thシングル「アオ」通常盤 |
TAKUMA:また取り調べが始まった(笑)。
NAOKI:何が僕の仕業なんですか〜(笑)?
──犯人は、シラを切ってる(笑)。このベースの歪み具合と、曲を引っ張るベースリフ。
TAKUMA:けっこう早い段階でNAOKIと話をしていたんですよ。僕らは今までに歪みベースを何種類かやってきているから、「どういうイメージでいく?」みたいな話を。そうしたらお互いに似通ったこと言ったんです。「ファズっぽくない」とか、「ディストーションでもないな、ちょっとドライヴしていて金属的な感じやな」って。
NAOKI:そうそう。それを「エンジニアさんに伝えたら、いい感じにしてくれるかもな」って話もしてたんですよ。
TAKUMA:ROTTENGRAFFTYのレコーディングも手がけているエンジニアさんなんですよ。
NAOKI:でも音の質感というのは、人それぞれの感覚の問題もあるじゃないですか。録った音を聴いたとき、“こういうふうにしたいんやろうな”ってイメージがお互いに重なるか。そういうところではすごくレスポンスも早かったですね。
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